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2014年09月09日
Midnight Dinner -DAY2- @Seoul
ギャンブルもしないのにカジノで時間を費やし、日付が変わる時刻に宿に戻った。
帰ってくる途中、夕食を摂っていないことに気付いた。
所々、買い食いをしていたせいか、はたまた歩きすぎたせいか、
夕食を食いっぱぐれていたのだ。
カジノに挑む気力が沸かなかったのはすきっ腹のせいだったのか。
宿のオニイチャンが「あそこオイシイヨ」と教えてくれた食堂を思い出し、足を向ける。
入口で靴を脱ぎ、板張りのフロアに置かれたテーブルについた。
さすがに日付が変わろうとしている時間だけあって、客がいないかと思ったが、
自分と同じような単独男性客が2名いて、二人とも新聞に目を落としていた。
メニューをもらうが、ご承知のとおり、全部ハングル。
一発で白旗降伏。
海外旅行はコノ1冊があれば大丈夫!
宿のニイチャンが「あそこのカムジャタンがオイシイ」といっていたのを思い出し、
店のオバチャンに「カムジャタン!」と景気よく言い放ってみた。
「カムジャタン」は肉つきの豚の背骨とじゃがいもやゴマの葉、
ネギなどを煮込んだ辛めのスープの鍋料理で、韓国でも人気の一品だ。
その言葉を聞いたオバチャンが勘定書きを指差す。
その先を見ると、22,000ウォンと記されていた。
「高いなあ」
一人前で約1,500円はチト高い。
「一人前でコレ?」と言ったものの、我が口から出るのは悲しき日本語。
オバチャンには通じていない。
勘定書きの下のほうには、5,500Wとか5,000Wとか、妥当な金額が並んでいる。
が、一番上にある「カムジャタン」は22,000Wと突出して高い。
「これは?」と5,500Wを指差すと、
「ヘジャンクッ」といわれる。
だがこちらには「ヘジャンクッ」がわからない。
う〜〜ん、話がまったく進まない。
価格的にガクンと落ちるコイツは、一品料理、あるいはサイドメニューなのか?
すべてはハングルがわからないコチラが悪いのである。
オバチャンは目の前で腰を据えて、アレコレ説明してくれている。
CONTREX 1500ml×12本入はココが最安値!
まあ、1,500円で旅がダメになるわけではないので、腹を括って告げた。
「カムジャタン、ハナ(一人前)!」
勘定書きに書き込み、オバチャンが立ち上がったとき、
後ろで食べていたサラリーマンの膳が目に止まった。
「これなに?」
「ヘジャンクッ」
「おおおおおお!!」
小ぶりな石鍋に入った煮込み鍋のセットを食べている、そいつがヘジャンクッかああ。
早く言ってよう。
「チェンジ、チェンジ ジュセヨ」 メチャクチャなハングルである。
やって来た一品は「牛骨の煮込み鍋・一人前」。
キムチやミソがその周りを固め、テーブルを埋める。
どうやらご飯はついていないらしく、
「パプ、ジュセヨ」(ご飯ください)となぜか覚えているハングルで告げると、
銀の器に入った古代米のご飯を添えてくれた。
食べはじめようとすると、入口のレジにいたオヤジさんが詰め寄ってきた。
ムム、と思って気圧されていると、
「これは取り皿、これはカラ入れ。スープをここに掬って食べるのだよ。
肉はこの油をつけるとオイシイぞ」
と多分、いっていたのだと思う。
ハングルと身振り手振りでていねいに説明してくれた。
「おお。カムサハムニダ」 少ないハングルを連発し、謝辞を述べると、
オヤジさんは照れくさそうにレジの定位置に戻っていった。
牛骨鍋の暖かさより、人の暖かさが染みた。
写真1;海鮮鍋というか魚の白子鍋。
写真2;市場の食堂は盛況。店先で忙しく調理の手が進む。
写真3;こいつが辛さの源。
写真4;「ヘジャンクッ」どこの店でもコレぐらいの付けあわせが並ぶ。
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