いまは「ワープロ」ってことば自体、あまり聞くことはなくなりました。
でも、
昔はパソコンより先に、ワープロ(専用機)が使われていたので、ワープロはよく売れていました。
NECは文豪、SHARPは書院、東芝はRupo、富士通はOASYS、Canonはキヤノワード、ナショナルはパナワード、カシオはカシオワード、日立はワードパル、サンヨーはサンワード、ブラザーはピコワードなど。
富士通のOASYSはオアシスと発音します。
でも砂漠にあるオアシスはOASISです。
富士通のOASYSは、OA(Office Automation)- SYS(System)のOASYSなんだとか。
今ならインターネットあり、音楽をダウンロードしたり、何しろパソコンで、パソコンでもワープロを使う人はあまりいないと思います。
パソコンはおろか、スマホの時代ですね。
しかし、本当にワープロはよく売れていました。
文章を清書するだけの機械なのにです。
でも、この清書できるのはすごいことです。
よくペン習字など、通信教育で目にしますが、自身の書く字に自信を持っている人は、果たしてどれだけいることでしょうか。
機械で刷る文字よりもきれいに書くことができる自信を持つ人はいるのでしょうか?
また、それ以上に当時は重宝されていました。
何しろ、一度書いた文章が保存できるんです。
繰り返します。
保存できるんです。
当たり前ですが、それは今のことで、昔は保存できません。
原稿を手書きで書いたら、あとはコピーするだけ。
毎年、同じ町内会の会報や、学校からのお知らせも、日付だけ変えるだけで一から書き直しです。その手間を考えたら、保存ができて、日付だけ変えて印刷できるワープロは、「文明の利器」だったんです。
コピーだってそんなに古くからあるものではありません。
その昔は「ガリ版」です。
一回一回、ロウ紙(ろうがみ)という原版に鉄筆で清書して一枚一枚、わら半紙を敷いてはローラーを手にインクを乗せ、上から転がして印刷していました。
いきなり原版に清書です。
間違えたらマニキュアみたいな液を塗って、訂正できました。
しかし、塗った液は乾くまで待たなくてはなりません。
とにかく、書類を作るのは大変な作業でした。
それが保存できるものだから、呼び出しては編集も自由自在。
なんという便利な機械だったのでしょう?
それだから、会社や官庁では予算をつけて、一台百万円超の機械を何台も導入していました。
個人でも購入できる価格帯のパーソナル機が登場すると嘘のように売れていました。
仕事で使う個人向けによく売れたのは228,000円の機種です。
また、機能が文書作成と限定されていたものだから、当時の中高年者にも操作できるものでした。
だからいまだに、ワープロ専用機は、きっと当時の中高年者を中心に需要があるのですね。
ときどき新聞の広告に載っています。
ワープロ専用機が。もちろん中古品です。
なのに、価格は当時のままです。178,000円とか。
20年前の中古品が当時の定価販売です。
さすがに、228,000円の上位機種は品薄なのでしょう。
商品の程度はどうなのか。すぐに壊れてしまうことはないのか。
こっちが心配してしまいます。
もちろん、故障しても修理部品などもう手に入らないでしょう。
それだけ愛された国民機だったのですね。
こんなサイトがあります。
http://www.wapuro.com/
〜 ワープロ悠々堂 〜
ここは当時の定価ではなく、きっと適正価格で販売しています。
2017年10月14日
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