《その66》返却値型が const char＊の関数（p.315演習8-15）: C++，C++/CX に挑戦！

2017年10月05日

《その66》返却値型が const char＊の関数（p.315演習8-15）

本ブログ《その64》の演習8-13 で作った関数は、

    const char* strchr_ptr(const char* s, char c);

そして、今回の演習8-15 で作る関数は、

    const char* str_match(char* s1, char* s2);

両方とも返却値型に const が付いています。

　関数の仮引数の宣言のときに付ける const は、その値が関数内で書きかえられることがない
ということを保証します。
では、関数の返却値型に const を付ける意味は・・・。

　こんなストーリーを考えてみました(見当はずれの可能性ありです)。


#include <iostream>
using namespace std;

char* f(char* c)                /* 受け取った文字を 'f' に変える関数です。
                                   const が付いていません。*/
{
    *c = 'f';
    return c;
}

int main(void)
{
    char  character = 'a';      // 文字データ character があるとします。

    char* p = f(&character);    /* 文字データ character を関数 f で変更します。
                                   変更した character は大切なので、返却値を 
                                   p に代入して、以後はこれを使うことにします。 */

    cout << *p << '\n';         // *p は確かに 'f' になっています。
    cout << character << '\n';  /* 関数 f で変更した大切な character は、もちろん
                                   'f' です。                                   */

    *p = 'p';                   // *p を利用する過程で、 'p' に変更したとします。

    cout << *p << '\n';         // *p は確かに 'p' になりました。
    cout << character << '\n';  /* 大切な character は・・・。
                                   'p' になってしまった！ (ﾟωﾟ;) 
                                   const を付けて const char* f(char* c) にして
                                   おけばよかったのに (ﾉ_-｡)                    */
}

「ちがうだろ～」という声が聞こえてきたような・・・。まあ取りあえず、const を付ける意味ということで。

こんなことを考えてみたのは、きょうの演習8-15 の課題が

    const char* str_match(char* s1, char*s2);

なもので、自分なりに const を付ける理由が欲しかったからなんです。

新版明解C++入門編　p.315 演習8-15
　文字列 s1 の中に含まれる最も先頭に位置する文字列 s2 の先頭文字へのポインタを返す関数
str_match を作成せよ。

    const char* str_match(char* s1, char* s2);

　たとえば、受け取った文字列 s1 が "abcabcdef" で s2 が "abcd" であれば、返却するのは &s1[3] の値である。
文字列 s2 が s1 に含まれない場合は NULL を返却すること。

// p315_演習8-15
#include <iostream>
using namespace std;

const char* str_match(char* s1, char* s2)
{
    char* p1 = s1; char* p2 = s2;

    int n1 = 0; while (*s1++) n1++;     // n1 … s1 の文字数
    int n2 = 0; while (*s2++) n2++;     // n2 … s2 の文字数

    int i, f;
    for (i = 0; i <= n1 - n2; i++) {    // s1 の1文字目から順に・・・
        f = 1;                          // とりあえず f = 1 にしておいて・・・
        for (int j = 0; j < n2; j++)    // s2 が含まれているかどうか・・・
            if (p1[i + j] != p2[j]) {
                f = 0; break;           // 違う文字があったら f = 0
            }
        if (f == 1)                     // f = 1 のままなら探索成功
            break;
    }

    return f == 1 ? &p1[i] : NULL;
}

void disp(char* s1, char* s2, const char* p)    // 結果表示用の関数
{
    cout << "対象文字列 : " << s1 << '\n';
    cout << "探索文字列 : " << s2 << '\n';
    if (p)
        cout << "探索文字列は対象文字列の " << p - s1 + 1
             << " 文字目にあります。" << '\n';
    else
        cout << "探索文字列は対象文字列に含まれていません。" << '\n';
}

int main(void)
{
    char str1[] = "abcabcdef";
    char str2[] = "abcd";
    char str3[] = "abc";
    char str4[] = "cdf";
    char str5[] = "cdef";

    const char* ptr2 = str_match(str1, str2);
    disp(str1, str2, ptr2);

    cout << '\n';
    const char* ptr3 = str_match(str1, str3);
    disp(str1, str3, ptr3);

    cout << '\n';
    const char* ptr4 = str_match(str1, str4);
    disp(str1, str4, ptr4);

    cout << '\n';
    const char* ptr5 = str_match(str1, str5);
    disp(str1, str5, ptr5);
}