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2017年10月02日

《その61》 strcpy関数,strncpy関数(p.314演習8-9)


strcpy関数,strncpy関数

strcpy関数や strncpy関数は、文字列を扱うライブラリ関数です。
文字列処理を行うライブラリ関数は、<cstring>ヘッダで提供されています。

【 strcpy関数 】

ヘッダ : #include <cstring>
形 式 : char* strcpy(char* s1, const char* s2);
解 説 : s2 が指す文字列を、s1 が指す配列にコピーする。
コピー元とコピー先が重なる場合の動作は定義されない。
返却値 : コピー後のs1

 s1の長さは s2の長さ以上でなければなりません。

 s1 より長い s2 を、s1 にコピーしようとした場合、strcpy関数はどのような動作を
するのでしょうか。
それを確かめるために次のコードを使って調べてみました。
※ 《その60》に書いた手順で、VC++ が警告を出さないようにしてコンパイル

int main() {
char str1[] = "abc";
char str2[] = "ABCDEFG";
cout << strcpy(str1, str2) << '\n';
}

コンパイルはできたので、実行ファイルを起動してみたところ、
「 Run-Time Check Failure #2 - Stack around the variable 'str1' was corrupted. 」
と表示されて止まってしまいました。

以上のことから、strcpy関数は、この件に関しての対策がなされていないことがわかりました。
これも、Visual Studio C++ が strcpy関数の使用に警告を出し strcpy_s関数を推奨する理
由の一つでしょうか。

 
【 strncpy関数 】

ヘッダ : #include <cstring>
形 式 : char* strncpy(char* s1, const char* s2, size_t n);
解 説 : s2 が指す文字列を、si が指す配列にコピーする。
s2 の長さが n 以上のばあいはn文字までをコピーし、n より短い場合は残りをナル文字
で埋め尽くす。
コピー元とコピー先が重なる場合の動作は定義されない。
返却値 : コピー後のs1

 strncpy関数の場合は、s2の長さが s1の長さを超えていても、n で短くすれば大丈夫です。
s1 の文字数がナル文字も含めて m の場合、n < m なら OK です。
n = m のときは s2 の n文字目がナル文字ならOK、n > m は NG です。

strncpy関数を使うときには、こういったことに注意する必要がありますね。

c08111.pngchar str1[] = "abc";
char str2[] = "ABCDEF";
strncpy(str1, str2, 2);
の場合

c08222.pngchar str1[] = "abc";
char str2[] = "ABCDEF";
strncpy(str1, str2, 3);
の場合

c08333.pngchar str1[] = "abc";
char str2[] = "ABCDEF";
strncpy(str1, str2, 4);
の場合




新版明解C++入門編 p.314 演習8-9
 p.308 で学習した strcpy関数および strncpy関数と同等な関数を作成せよ。

『strcpy関数と同等な関数』
 strcpy関数と同等な関数の名前を strcpy_eq とします。

// p314_演習8-9_strcpy
#include <iostream>
using namespace std;

char* strcpy_eq(char*s1, const char* s2)
{
char *p = s1;
while (*s1++ = *s2++);
return p;
}


int main()
{
char str1[] = "abcdefghijklmn";
char str2[] = "ABCDEFG";
cout << "str1 … " << str1 << '\n';
cout << "str2 … " << str2 << '\n';

char* ptr = strcpy_eq(str1, str2);

cout << "str1 … " << str1 << '\n';
cout << "ptr … " << ptr << '\n';
cout << "ptr[6] …『" << ptr[6] << "』" << " 文字コード : " << (int)ptr[6] << '\n';
cout << "ptr[7] …『" << ptr[7] << "』" << " 文字コード : " << (int)ptr[7] << '\n';
cout << "ptr[8] …『" << ptr[8] << "』" << " 文字コード : " << (int)ptr[8] << '\n';
}

b08_91.png



『strncpy関数と同等な関数』
 strncpy関数と同等な関数の名前を strncpy_eq とします。

// p314_演習8-9_strncpy
#include <iostream>
using namespace std;

char* strncpy_eq(char* s1, const char* s2, size_t n)

{
char* p = s1;
while (n > 0) {
--n;
if (!(*s1 = *s2))
break;
else
*++s1, *++s2;
}
while (n > 0) {
--n;
*++s1 = 0;
}
return p;
}


void disp(const char* s)
{
for (int i = 0; i < 7; i++)
if (!*(s + i))
cout << "[" << i << "]… " << "\\0" << " ";
else
cout << "[" << i << "]… " << *(s + i) << " ";
}

int main()
{
char str1[] = "ABCDEF";
char str2[] = "ABCDEF";
char str3[] = "ABCDEF";
char str4[] = "ABCDEF";
char abc[] = "abc";
cout << "str1 … " << str1 << '\n';
cout << "abc … " << abc << '\n';
cout << '\n';

strncpy_eq(str1, abc, 2);
cout << "str1 … " << str1 << '\n';
disp(str1);
cout << '\n';

strncpy_eq(str2, abc, 3);
cout << "str2 … " << str2 << '\n';
disp(str2);
cout << '\n';

strncpy_eq(str3, abc, 4);
cout << "str3 … " << str3 << '\n';
disp(str3);
cout << '\n';

strncpy_eq(str4, abc, 5);
cout << "str4 … " << str4 << '\n';
disp(str4);
cout << '\n';
}

b08_92.png


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