2008年01月26日
イギリス青年との手紙
何週間か経ち生活も落ち着いてきたので、ケンブリッジで出会ったフランス人の血を引くイギリス人青年Pに手紙を出すことにしました。
返事は直ぐに戻ってきました。「あなたがチェルトナムで新しい生活を始めたのは嬉しいです。 僕の実家はチェルトナムなんです。○○○通りの○○に僕の家があります。」
外は寒かったので、まだ一度も街を散策していませんでした。こんな自然が沢山あるのに・・。歩いて小高い丘を登っていくと彼が言っていた住所の辺りを発見したんです。なんとそこには大きなお城とまでは言わないものの家が連なっていました。その内のどれかだとは思います。家々にはそれぞれ馬が飼われていました。私の彼の第一印象は当たっていました。
礼儀正しくて、はっきりしない、人を(私を)イライラさせる態度、まさに私が基準とするお坊ちゃまの目安です。(必ずしもお金持ちと言う意味ではありません。)
そしてその後Pとは何度も手紙でやり取りをしていたのですが、ある時彼が手紙に「昨日Jと僕はバトミントンをして鎖骨を痛めたんだ」っと書いてありました。それから手紙にはJと言う女性の名前が頻繁に出てくるようになったのです。
その時、既に私たちは少し恋愛感情の中にありましたが、なぜ急にJの名前を書き始めたのかと言うと、こちらではバレンタインデーにいつもの自分の字とは違う自体で宛名を書いて差出人の名前を書かずに告白する習慣があります。特別私は告白するつもりで書いたのではないのですが、わざと2月14日が近いと言うこともあり、面白半分で筆記体で書く習慣のある私がブロック体で宛名を書いて名前を書かずに手紙を出したんです。その辺りからJについて書くようになりました。
ある時、私は「イギリス人の若者についてどう思う?」って書いたんです。純粋にそれだけの事でです。すると次の手紙にPは「あなたはイギリスの若者ではなくJをどう思っているかって聞きたいのですか?僕はJを愛しています。」そう書いてありました。
半ば恋愛感情を抱いていた私はショックで涙が出てきました。「どうか許してください。」そう書いていたPに対して、どんな事があってもこの人との手紙の交換を続けようって思ったんです。一種の復讐です。だからって彼の恋愛を邪魔するって事ではありませんでした。そしてその後私は「あなたうぬぼれが強いのね!」って書いてやりました。
でも「許してください・・」って言葉、本人が二股掛けてたって事ですよね。
実はPが頻繁にJについて書いてあった時ロンドンで出会ったNに一度これについてどう思うか(今思うとひどいですね)聞いた事があります。その時Nの声がどこか沈んで聞えたんですが、「その男が別の女の名前を書くって事はシノブに気を引こうとしてるか、それともJの事がほんとに好きだってことだよ」
私は内心PはJの事が好きなのだと確信は持っていました。「あーありがとう。今日は一人で留守番で一寸怖くて電話してみた。」そう私が言うと「あーそうなの」っとそっけない言葉。「じゃあまた・・。」そして電話をきりました。
数日後今度はNから電話がかかってきたんです。「どうしてもシノブに言わないといけないって思って電話した。」「なに?」「実はもう僕彼女がいるんだ」そういわれて、深い恋愛感情が無かった私でもショックを感じました。「あー良かったね」「うん、この前話方が暗かったけど、そのこと言おうか言うまいか考えてた。ごめん。」ごめんって私がみじめになる。まあぁいんです。本当の恋ってこんなものじゃない!なんて思ってたのはまだ若かったからでしょう。