2008年02月02日
仮想が現実に
フラットに居た時は、結構インターネットでチャットをしていました。パソコンを持っていたので、いつでも使えたのです。
ちょうどその頃Gとのメールが減っていたときです。
仮想はつまらない、現実に誰かに会ってみようって思ったんです。
いろんな人と話しました。
でも本当は、Gと会いたかったんです。でもGはニューヨーク。どっちにしてもその時は会うことができませんでした。
Gには悪いと思ったのですが、もしこのまま行けばGとも連絡が途絶えるかもしれないし、まだ別に誰かがいるかも知れないって思ったんです。
あるとき、フランス人からウィスパーが来ました。話している途中で「写真をおくります。」って言うんです。写真を見てもピンときませんでした。
それから特別会うつもりも無かったんですが、会話をしていく途中で向こうから「会いたい」って言い出しました。“どうしようGに悪い”そう思いながら年月は流れ3ヶ月が経ちました。
そのフランス人Sは3ヶ月待ちました。だから遂に本人に会うことに決めたんです。会ったときの印象は写真と違うって思っただけでした。そして好みでもなかったので“このままどこかに一緒に行くのは嫌だなー”って思ってたんです。
Sはというと私に対して“素敵な人だ”なんて感じではありませんでした。“あ〜ぁ”って感じです。
初めは近くのバーに行きました。2階にバーがありそこからはロンドンの街を見渡せました。
二人でタクシーに乗り、Sが好きなレストランへ。彼はある有名ホテルのシェフとして働いていました。“シェフならおいしいところを知っているだろう”って思ったんです。そこはピアノ演奏を聴けるお洒落なレストランでした。食事をしていると必ず「これ食べる?」って自分の分の料理を指差すんです。コースを頼んだんですが、総てに聞いてきたと思います。料理はとてもおいしかったです。
その後、ハーゲンダッツのお店に行こうとした時、Sの携帯が鳴りました。その内容は鍵を同居人の一人が忘れて、フラットに入れないので、直ぐ来てほしいという内容でした。Sは「行かないといけない。キスをして」って言うんです。
日本人にそんな習慣は無いので一寸迷いましたが、左右の頬にお互いキスをしあいました。でもそれはなんとなく素敵な習慣にも思えました。
その次の日、私たちは再びメッセンジャーで会話をしました。すると「僕を愛して、僕を愛して」って言うんです。「会ったときは思わなかったけど、あなたとキスをした後、忘れられなくなりました。」
全くその気が無かった私は彼をメッセンジャーから削除しようとまで考えていたのです。そしてまさかSがそんな風に思っているなんか思いもしませんでした。
それから毎日の様に「また会いたい、僕を愛してください。」って言うんです。
次第に私の心にも変化が起こり始めました。そしてこのSと私はたびたび会うことになり、フランス的濃厚な恋愛をすることになったのです。
しかしその濃厚な恋愛をここで書くことは避けさせて頂きます。