2015年10月28日
明暗を分けたLED? 簡単に理解するためのLED雑学。
明暗を分けたLED
世界第4位のシェアをもつパナソニック
日本国内でLED照明の圧倒的なシェアを持つのがパナソニック。
LEDを含めたランプ事業全体では、世界4大メーカーとしても、
オランダのPhilips(フィリップス)、アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)、ドイツのOSRAM(オスラム)に次いで
世界第4位のシェアを誇ります。
パナソニックが照明事業に参入したのは1936年、
ナショナル電球として白熱電球を発売し、
今では、パナソニックブランドを代表する主力事業となっています。
この照明事業、
パナソニックグループの4大柱の一つであるパナソニックエコソリューションズ社の
年間売上高1兆6000億円のうちの約19%を占めています。
かなり大きな比率だと思います。
特に、ここ数年は欧州、北米、ASEAN向けにグローバル戦略を加速させており、
現地器具メーカーの買収や製造拠点の増強など、
積極的にLED照明への増資を行っています。
また、最近では世界遺産建造物へのLED照明の寄贈が話題になりましたが、
日本では、京都府の清水寺、岐阜県の白川郷、広島県の厳島神社。
世界では、世界遺産であるチェコ共和国・プラハ城と、
寄贈という形式で、環境へのアピールを行うなど、
しっかりとした話題作りと販路の拡大にも精力的です。
世界遺産プラハ城できらめくLEDのノスタルジックなあかり
どうにも止まらない東芝の転落
パナソニックがLEDで売上を伸ばしている傍ら、
かたや負のスパイラルに陥ってしまったのが東芝です。
東芝、白色LED事業から撤退へ リストラを加速
不正会計の温床となった不採算事業の改革を進めている東芝が、
赤字が続いていた白色LED事業からの撤退を検討していることが27日、わかった。
画像センサー事業のソニーへの売却とあわせ、リストラを加速させる。
東芝の半導体部門は収益の最大の柱だが、記憶媒体に使われるフラッシュメモリー事業以外は、赤字体質。
不正会計がはびこった部門の一つになっていた。
東芝はこれまで、白色LED事業は成長が見込めるとして数年前から注力してきたが、
後発組でもあり、苦戦が続いていた。
生産拠点がある加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)や豊前東芝エレクトロニクス(福岡県豊前市)を縮小し、
メモリー事業に経営資源を集める。
原子力発電事業への傾倒が強すぎたため、軌道修正もままならない中、
不正会計が明るみになり、これまで堅調だと思われていた事業も軒並み赤字体質ということが判明しました。
その結果、2015年4〜6月期の連結決算(米国会計基準)は、
最終損益122億円の大赤字となり、
唯一黒字のフラッシュメモリー事業への経営資源の集中へと舵を切らざる得ないほど、
大打撃を受けているようです。
そもそも、LED事業への参入が遅すぎた感もあるのですが、
日本国内で第2位のシェアを持つLED事業からの撤退は、
後々、東芝にどのような影響を及ぼすのかが気になるところです。
東芝、粉飾事件があぶり出した「原発と米の闇」
LEDは明るさが均等
従来の豆電球や蛍光灯は利用時間が経つにつれ明るさが落ちてきます。
蛍光灯であれば、点灯中に発生する微量のガスと水銀が化合して一部が黒くなっていく「エンドバンド」現象を起こします。
これに対してLEDは、水銀等の有害な物質は使われていないため、
寿命が来るまで一定の明るさを保ってくれます。
LEDは寿命が長い
LED素子は半導体なので信頼性が高いのが特徴。
しかし、照明用の光源として利用する場合は、
パッケージング材料の劣化に影響されるので、
放熱対策等の工夫が重要となってきます。
これらの工夫もあって、
最近のLED電球であれば、寿命は数万時間にも及び、
白熱電球の数十倍、蛍光ランプやHIDランプの数倍と、
遥かに長寿命になってきています。
LED:約40,000時間(光束維持率70%)
白熱ランプ:約1,000〜2,000時間
蛍光ランプ:約6,000〜12,000時間
LEDは応答速度が速い
白熱電球の場合、スイッチを入れてから通常の明るさになるまで、約0.2秒かかるといわれています。
蛍光灯の場合はさらに遅く、約2秒かかります。
その点LED照明の場合は100ナノ秒以下と、圧倒的に高速な応答性を誇ります。
ナノ秒とは、1秒の10億分の1を表す時間の単位である。「ns」と表記される場合が多い。
【weblio辞書より】
LEDは熱くならない
LED自体は熱に弱いため、
熱を伝導しやすいセラミック製の低熱抵抗や、
高放熱性基板でパッケージされています。
これにより、LEDは熱くならないといわれるほどまで低発熱となっています。
LEDは省エネ
LED照明は従来の蛍光灯に比べて消費電力が約1/2程度。
また白熱電球と比較すると約1/10と、
大幅に消費電力が少ないのが最大の特徴です。
まとめ
LEDは、電球形蛍光灯よりも消費電力を小さく抑えることをメリットとしており、
このところの電気料金の値上げなどに伴い、
急速に普及が進んでいます。
また特定の光波長を効率良く照射する性質を利用することで、
高品質な人口光を得られるため、
LED野菜栽培のキットが発売されるなど、
通常の照明器具だけでなく、あらたな分野での活用が期待されています。
そして、LEDバックライトを搭載した液晶TVや4Kテレビの高性能化も
年々進化しており、LEDが液晶テレビを支える時代にもなりました。
自動車のヘッドライト、フォグランプ、ポジションランプなどの
車載用LEDの普及も急速に進んでいます。
他にも店舗照明、工場などの照明と、
あらゆるところで採用されているLEDは、
まだまだ伸び代のある事業分野だと思います。
先日、わが家でもリビングの照明をLEDに替えたのですが、
蛍光灯のあかり、図書館のあかり、食卓のあかり、電球のあかり
など、明るさと光の色を好みに合わせて調整・記憶できるなど、
これまでの蛍光灯にはなかった先進的な技術が搭載されていて驚きました。
価格も以前に比べると格段に下がっており、
これに寿命の長さを加味すると、
白熱電球や蛍光灯を使い続けているのは非効率的かなと思います。
とはいえ、LEDなら何でも良いというわけにもいかず、
中国製や韓国製の粗悪なLEDも流通されており、
使用し始めて半年で点灯しなくなったなどの例もあるようなので、
メーカー保証やアフター体制がキッチリしているメーカーの製品を選ぶことが大切です。
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