2022年04月04日
“プーチン大統領的”上司その手口と対処法 恐怖で支配する独裁者は企業にもいる
組織の裏切り者には、残酷な死を与える──大義なくウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領の口ぐせだ。恐怖政治で支配し、反旗を翻す者は容赦なく粛清する。政権幹部だけでなく、反体制運動などを手掛ける一般人にも矛先を向けている。国のトップが独裁者だと、国民はたまらないが、プーチン的な上司は、会社にも少なからずいる──。
「プーチン的悪辣な上司や経営者は、今の世の中にもしぶとく生き永らえています。その共通項は、『古い価値観をアップデートできない』ことです。ただし、企業の場合、レピュテーション(世間の評判や評価、信用など)の悪化が問題視されるため、従業員も声を上げやすい。“精錬”とイメージされていたロシア軍の未熟さが、最新の情報網で明らかになったように、時代に即した価値観を軸に、悪辣な上司の化けの皮をはぐことは可能です」
プーチン的上司は価値観が古い。コロナ禍に定着したテレワークを巡っては、抵抗勢力になりやすいという。「テレワークだとサボる」「コミュニケーションがうまく取れなくなる」とその導入を渋る。その不安から、会社や世間の流れに負けて導入すると、テレワークの勤怠管理システムに「テレワーク監視ツール」を組み込んだりすることもあるようだ。
「その監視ツールは、就業時間中ランダムに社員のPC画面がキャプチャーされ、上司に自動的に送信される仕組みです。しかも相談を受けたケースでは、社用携帯と連動させて、GPS記録から社員の居場所まで把握できる設定になっていました。まさにプーチン的な密告というか、監視システムです」
これとは逆に、だれもが知る歴史ある企業ではオンライン化の流れを受け、テレビ会議システムZoomを導入。
それはいいとして、Zoom会議が始まってから資料の読み合わせをしたり、連絡事項を報告するだけだったり、既存の定例ミーティングをZoomに置き換えるだけのムダが横行した上……。
「『オンライン会議での配置は役職者が上座』『退席時は画面を見ている相手に失礼にならないよう深く頭を下げたまま退席ボタンを押す』『ナチュラルメークを心掛けて出席者の服装がそろうように事前に打ち合わせを』といった余計な“マナー”が創設され、強要されていました」
■仕事の棚卸しと評価法の再整備
まるでプーチンを拝み、その機嫌をうかがうようなオンライン会議マナーだ。そんなケースでは、中間管理職が“がん”なのかもしれない。
「テレワークは経費節約の材料になるため、経営者にとってテレワークはプラス要素ですが、中間管理職がその抵抗勢力になり、現場や部下を混乱させることは少なくありません。これを改善するには、『成果』できちんと評価する仕組みをトップダウンで整えることが大切。テレワークでの仕事の棚卸しと評価制度の再構築が欠かせないのです」
度重なるハラスメントのつらさから、うつ病になる人が後を絶たず、そんな社員の退職願は破り捨てる。自分に意見する社員には、次の標的としてハラスメントを続け……。プーチン的な創業社長の被害者からの相談も受けたという。
「明らかな業務過多で残業している社員に『やることあるの?』『早く帰れ』と怒鳴り、見かねた古参女性社員が苦言を呈すると、『現場作業中に危ないことがあるから、大声を出しただけ』と知らんぷり。その女性社員がいないところでは『あいつは生意気だ。一度泣かしてやる』と暴言を吐く始末です。女性社員の服装や体形、体重などを揶揄するのは日常茶飯事で、年の差婚をした女性には『(年上の夫に対して)20歳も年下の女と結婚できてうらやましい』とセクハラ。酒席での飲酒強要で緊急搬送・入院となる人もいますから、度を越しています」
都道府県の労働局や法務局に相談を
パワハラの相談は、労基署へ。そう思っている人もいるだろうが、実は違う。
「労基署は、労働基準法に違反する行為を取り締まる役所です。パワハラや人事評価などは労基法の規定がなく、労基署は介入できません。パワハラの相談窓口は、各都道府県労働局にある『総合労働相談コーナー』が正解。個別労働紛争についての助言・指導や紛争調整委員会によるあっせんも行っています」
全国の法務局にある「人権擁護委員会」に人権侵害を訴えるのも有効だという。法務局職員の協力で、人権侵害事件の調査、処理、利害調整などの人権侵害手続きが行われるという。
「労基署に相談するときは、『長時間労働』『残業代未払い』『労務管理帳簿の不整備』など労基法に抵触する部分に絞って話をすることです」
戦略次第でプーチン的な上司も追い詰めることができるのだ。
「プーチン的悪辣な上司や経営者は、今の世の中にもしぶとく生き永らえています。その共通項は、『古い価値観をアップデートできない』ことです。ただし、企業の場合、レピュテーション(世間の評判や評価、信用など)の悪化が問題視されるため、従業員も声を上げやすい。“精錬”とイメージされていたロシア軍の未熟さが、最新の情報網で明らかになったように、時代に即した価値観を軸に、悪辣な上司の化けの皮をはぐことは可能です」
プーチン的上司は価値観が古い。コロナ禍に定着したテレワークを巡っては、抵抗勢力になりやすいという。「テレワークだとサボる」「コミュニケーションがうまく取れなくなる」とその導入を渋る。その不安から、会社や世間の流れに負けて導入すると、テレワークの勤怠管理システムに「テレワーク監視ツール」を組み込んだりすることもあるようだ。
「その監視ツールは、就業時間中ランダムに社員のPC画面がキャプチャーされ、上司に自動的に送信される仕組みです。しかも相談を受けたケースでは、社用携帯と連動させて、GPS記録から社員の居場所まで把握できる設定になっていました。まさにプーチン的な密告というか、監視システムです」
これとは逆に、だれもが知る歴史ある企業ではオンライン化の流れを受け、テレビ会議システムZoomを導入。
それはいいとして、Zoom会議が始まってから資料の読み合わせをしたり、連絡事項を報告するだけだったり、既存の定例ミーティングをZoomに置き換えるだけのムダが横行した上……。
「『オンライン会議での配置は役職者が上座』『退席時は画面を見ている相手に失礼にならないよう深く頭を下げたまま退席ボタンを押す』『ナチュラルメークを心掛けて出席者の服装がそろうように事前に打ち合わせを』といった余計な“マナー”が創設され、強要されていました」
■仕事の棚卸しと評価法の再整備
まるでプーチンを拝み、その機嫌をうかがうようなオンライン会議マナーだ。そんなケースでは、中間管理職が“がん”なのかもしれない。
「テレワークは経費節約の材料になるため、経営者にとってテレワークはプラス要素ですが、中間管理職がその抵抗勢力になり、現場や部下を混乱させることは少なくありません。これを改善するには、『成果』できちんと評価する仕組みをトップダウンで整えることが大切。テレワークでの仕事の棚卸しと評価制度の再構築が欠かせないのです」
度重なるハラスメントのつらさから、うつ病になる人が後を絶たず、そんな社員の退職願は破り捨てる。自分に意見する社員には、次の標的としてハラスメントを続け……。プーチン的な創業社長の被害者からの相談も受けたという。
「明らかな業務過多で残業している社員に『やることあるの?』『早く帰れ』と怒鳴り、見かねた古参女性社員が苦言を呈すると、『現場作業中に危ないことがあるから、大声を出しただけ』と知らんぷり。その女性社員がいないところでは『あいつは生意気だ。一度泣かしてやる』と暴言を吐く始末です。女性社員の服装や体形、体重などを揶揄するのは日常茶飯事で、年の差婚をした女性には『(年上の夫に対して)20歳も年下の女と結婚できてうらやましい』とセクハラ。酒席での飲酒強要で緊急搬送・入院となる人もいますから、度を越しています」
都道府県の労働局や法務局に相談を
パワハラの相談は、労基署へ。そう思っている人もいるだろうが、実は違う。
「労基署は、労働基準法に違反する行為を取り締まる役所です。パワハラや人事評価などは労基法の規定がなく、労基署は介入できません。パワハラの相談窓口は、各都道府県労働局にある『総合労働相談コーナー』が正解。個別労働紛争についての助言・指導や紛争調整委員会によるあっせんも行っています」
全国の法務局にある「人権擁護委員会」に人権侵害を訴えるのも有効だという。法務局職員の協力で、人権侵害事件の調査、処理、利害調整などの人権侵害手続きが行われるという。
「労基署に相談するときは、『長時間労働』『残業代未払い』『労務管理帳簿の不整備』など労基法に抵触する部分に絞って話をすることです」
戦略次第でプーチン的な上司も追い詰めることができるのだ。
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