2022年02月27日
あなたの給料は、日本人の平均に比べて高いか低いか、その理由は?
日本の賃金は年齢と雇用形態(正規か非正規か)によって大きく変わるので、年齢別、雇用形態別の賃金表で平均を見るのがよい。若年時には正規と非正規の賃金格差が大きくないので、大学進学の経済効果が過小評価されるおそれがある。
日本人全体の平均賃金は年360万円だが……
だれでも自分の賃金が日本人の平均と比較してどのような位置にあるかは気になるだろう。ただし、それを知るのはそれほど簡単ではない。なぜなら、「平均賃金」は対象の範囲によって大きく変わるからだ。
賃金の統計を用いて、あなたの賃金が日本の平均的な賃金とどの程度違っているかを調べてみよう。なお以下に取り上げる計数は、とくに断らない限り、2020年のものだ。
まず、「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を見よう。これによると、一般労働者の平均賃金は、男女計で月30.7万円だ。年収にすれば368万円になる。
賃金に関する統計はこれ以外にもある。「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)によれば、32.4万円だ。年収にすれば389万円になる。
「民間企業実態調査」(国税庁)によれば、年額で男が532万円、女が293万円だ。
「法人企業統計調査」(財務省)によれば、給与賞与年額は370万円だ(金融機関を除く)。
多くの人の賃金は、以上で紹介した統計の値よりも高い値になっているだろう。
しかし、だからといって、すぐに喜べるとはかぎらない。なぜなら、賃金は、年齢、性別、雇用形態(正規か非正規か)によって大きく違うからだ。また、産業別、企業規模別でも大きな差がある。
最も大きな差をもたらす要因は2つある。
1つは年齢だ。賃金基本調査によると、男性19歳以下の月額18.3万円と55~59歳の42.0万円(年間504万円)との間で、2.3倍の開きがある。
もう1つの大きな要因は、正規か非正規かだ 。同調査によると 男女計の月額で、正社員・正職員 32.4万円に対し、正社員・正職員以外 21.5万円と、1.5倍の差がある。
45〜49歳正規で月額39.6万円が目安
日本の場合、年齢が賃金を決める大きな要素になるので、仮にあなたの賃金がさきほどの平均より高いとしても、それは単にあなたの年齢が高いというだけのことかもしれない。だから、全体の平均値と比較するだけでは、あまり意味がない。同じ年齢で比較しないと適切な判断がしにくい。
非正規であれば年257万円が目安
非正規では、賃金の年齢差は、あまり大きくない。すでに述べたように、 正規の場合には、19歳以下の18.3万円と55〜59歳の間で、2.3倍の開きがある。しかし、非正規の場合には、18歳未満の18.8万円と55〜59歳の25.2万円との間で1.3倍の開きしかない。
また、男女差もさほど大きくない。年齢計で見て、正規の場合には、男35.1万円と女26.9万円の間に1.3倍の開きがある。それに対して、非正規は男24.0万円と女19.3万円の間に1.2倍の開きしかない。
だから、もしあなたが非正規であれば、単純に非正規平均の21.4万円(年間257万円)と比較して、高いか低いかを判断すればよいだろう。つまり、21.4万円より高いのであれば、高いと判断してよい。
すでに述べたように、非正規の場合、賃金に年齢差がほとんどない。他方で、正規では、年齢とともに賃金が上昇する。したがって、若い時には、正規と非正規の間であまり大きな賃金格差がないことになる。そして、非正規になることをあまり問題と考えない可能性がある。
しかし、時間が経つと、非常に大きな差ができてしまうのだ。男性で55〜59歳になると、正規43.5万円、非正規25.2万円で、比率が1.73倍にもなってしまう。
これに加えて、退職金の差がある。非正規の場合には、退職金がない場合が多い。だから、生涯所得には大きな差がついてしまう。
学び直しができる社会を
正規になるか非正規になるかは様々な要因によって決まるが、学歴が大きな要因である場合が多いだろう。
ところで、学歴は個人が選択できるものだ。では、高学歴を得ようとすることは、経済的に見て、正当化できるものだろうか?
上で述べた生涯所得の差を考えれば、大学教育は十分なリターンが期待できると言えるだろう。もちろん、学歴を得るためには費用が必要だ。学費の他に、親元を離れれば、生活費もかかる。そうしたことを考えても、大学教育はペイするはずだ。
日本人全体の平均賃金は年360万円だが……
だれでも自分の賃金が日本人の平均と比較してどのような位置にあるかは気になるだろう。ただし、それを知るのはそれほど簡単ではない。なぜなら、「平均賃金」は対象の範囲によって大きく変わるからだ。
賃金の統計を用いて、あなたの賃金が日本の平均的な賃金とどの程度違っているかを調べてみよう。なお以下に取り上げる計数は、とくに断らない限り、2020年のものだ。
まず、「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)を見よう。これによると、一般労働者の平均賃金は、男女計で月30.7万円だ。年収にすれば368万円になる。
賃金に関する統計はこれ以外にもある。「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)によれば、32.4万円だ。年収にすれば389万円になる。
「民間企業実態調査」(国税庁)によれば、年額で男が532万円、女が293万円だ。
「法人企業統計調査」(財務省)によれば、給与賞与年額は370万円だ(金融機関を除く)。
多くの人の賃金は、以上で紹介した統計の値よりも高い値になっているだろう。
しかし、だからといって、すぐに喜べるとはかぎらない。なぜなら、賃金は、年齢、性別、雇用形態(正規か非正規か)によって大きく違うからだ。また、産業別、企業規模別でも大きな差がある。
最も大きな差をもたらす要因は2つある。
1つは年齢だ。賃金基本調査によると、男性19歳以下の月額18.3万円と55~59歳の42.0万円(年間504万円)との間で、2.3倍の開きがある。
もう1つの大きな要因は、正規か非正規かだ 。同調査によると 男女計の月額で、正社員・正職員 32.4万円に対し、正社員・正職員以外 21.5万円と、1.5倍の差がある。
45〜49歳正規で月額39.6万円が目安
日本の場合、年齢が賃金を決める大きな要素になるので、仮にあなたの賃金がさきほどの平均より高いとしても、それは単にあなたの年齢が高いというだけのことかもしれない。だから、全体の平均値と比較するだけでは、あまり意味がない。同じ年齢で比較しないと適切な判断がしにくい。
非正規であれば年257万円が目安
非正規では、賃金の年齢差は、あまり大きくない。すでに述べたように、 正規の場合には、19歳以下の18.3万円と55〜59歳の間で、2.3倍の開きがある。しかし、非正規の場合には、18歳未満の18.8万円と55〜59歳の25.2万円との間で1.3倍の開きしかない。
また、男女差もさほど大きくない。年齢計で見て、正規の場合には、男35.1万円と女26.9万円の間に1.3倍の開きがある。それに対して、非正規は男24.0万円と女19.3万円の間に1.2倍の開きしかない。
だから、もしあなたが非正規であれば、単純に非正規平均の21.4万円(年間257万円)と比較して、高いか低いかを判断すればよいだろう。つまり、21.4万円より高いのであれば、高いと判断してよい。
すでに述べたように、非正規の場合、賃金に年齢差がほとんどない。他方で、正規では、年齢とともに賃金が上昇する。したがって、若い時には、正規と非正規の間であまり大きな賃金格差がないことになる。そして、非正規になることをあまり問題と考えない可能性がある。
しかし、時間が経つと、非常に大きな差ができてしまうのだ。男性で55〜59歳になると、正規43.5万円、非正規25.2万円で、比率が1.73倍にもなってしまう。
これに加えて、退職金の差がある。非正規の場合には、退職金がない場合が多い。だから、生涯所得には大きな差がついてしまう。
学び直しができる社会を
正規になるか非正規になるかは様々な要因によって決まるが、学歴が大きな要因である場合が多いだろう。
ところで、学歴は個人が選択できるものだ。では、高学歴を得ようとすることは、経済的に見て、正当化できるものだろうか?
上で述べた生涯所得の差を考えれば、大学教育は十分なリターンが期待できると言えるだろう。もちろん、学歴を得るためには費用が必要だ。学費の他に、親元を離れれば、生活費もかかる。そうしたことを考えても、大学教育はペイするはずだ。
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