新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
2014年04月25日
【紙書・全巻・完結済】20世紀少年 (1-22巻+21世紀少年 上下 全巻) -漫画セット- 一部コラム
20世紀少年(トゥエンティーセンチュリーボーイ)
著者:浦沢直樹
MONSTERやYAWARAを描いた浦沢直樹の会心の作。
日常の中にある非日常化していく現実と、
最悪の結末を防ぐために立ち上がったケンヂ達の戦いの物語だ。
謎の”ともだち”の正体とは?
彼らが子供の頃に作った”よげんの書”の通りに起こっていく不可解な事件。
そこに関わる人間達のドラマを是非ご覧下さい。
【思い描いた未来とは違う未来】
常に私達の身の回りの変化には目を見張るばかりである。
でも、子供の頃に描いていた車が空を飛ぶといったことはない。
常識という大衆が生んだ箱庭の中の世界といった風だ。
とはいえ、思い描いた未来よりも進化した物があったとするならば。
マンガやアニメの世界だろう。
ここまで、緻密に描かれる作品が増えてくるとは思わなかった。
設定が破綻しないまま最終回にまで漕ぎ着ける物すら現れ始める。
終始一貫性を持った作品群が私達を待っていた。
多少の間違いがあっても、設定の変更があっても楽しめた物だが。
今の人達というのは一部の狂いすらも許せないといった人まで現れ始める。
一度違った演出や配役をしてしまったら、ネット上で叩くという行為を行なうようになった。
ネットというもう一つの現実という物を考えての行動なのだろうか?
この20世紀少年では極端な価値観を持ったネットの世界観が、
現実に露出するとこうなるんじゃないかって世界だと思っている。
リアルな日常の風景やケンヂ達の生活振りを見ていると、
気付かないだけで既にアナザーワールドに私達は足を踏み入れているのかも知れない。
ただ気付かないだけで、世界は常に動いているけれど意識して注視することはない。
そんな【盲点】の中に、解決の糸口を見つけてしまったら?
貴方はその解決に動き出すだろうか?
動き出せる人は私の主観ですが「ほとんど皆無」だと思います。
これが日本人だし、都会で暮らしている人間から見た現実です。
他者の責を問い詰めることはするが、自分の責は決して問い詰めない。
棚上げの世界。
それでも立ち上がって進んでいけるのが20世紀少年のケンヂ達だったのだ。
でも、その瞬間から逃げたキャラクターもいるんだよ。
でも、後悔がそのキャラクターを襲ってくるのは現実の私達の苦悩そのものだった。
浦沢さんの人間性を描いた作品は数あるが、この作品はかなり共感出来た。
身近な普通のおっさん達が何かを解決しようと思っても中々上手くいかない。
それでも僅かな糸口を見つけて進んでいく彼らはまさしく【ヒーロー】だった。
ヒーローというには不恰好ではある。
だが、そこが人情味も合わせもった本物のカッコイイなんだと思うよ。
私達が同じ局面に出くわしたなら・・・どの選択をしますか?
世界を救う為に動くか、逃げるかの二択です。
逃げても誰も怒られません・・・気付かないうちに皆デッドエンドですから。
ある意味でそれは幸せなのかも知れませんね。
皆一等賞か残念賞かの世界は幸せな世界かも知れない。
だけど、つまらない世界だな。
つまらない選択をしているからつまらない世界になる。
ほんの少しだけ、
マンガではあるが本書よりその牙を研いでからまた同じ問いを自分にしてみると良い。
ほんの少しつまらない世界から脱することが出来るかも知れません。
↓書籍情報をクリックしてチェック↓