こんにちは!
ナビゲータのEVEです。
昨日、システム業界の「2025年の崖」について書きましたが、崖が壁になっていました。
本日修正しました。加えて、昨日の運送業界の「2024年問題」ですが、それについては、数値的根拠はありません。法律を調べあまり変わっていないという状況を確認まではしましたが、給与を減らされたから多くの人が退職したという部分は、Copilotからの回答をからうけた印象です。やはり、数値的な裏付けがない資料は信用しないほうがいいかもしれませんね?
では、本日は、DXとSIベンダーの関係についてです。
[DXとSIベンダー]
2018年9月7日リリースされた、DXレポートには、SIベンダーとの関係についても記載されています。抜粋したものがあるので、ちょっと見てみましょう。
❶ユーザ企業よりもベンダー企業の方にITエンジニアの多くが所属している。ユーザ企業のためにベンダー企業がITシステムを開発し、納入する受託開発構造であるため、ユーザ企業の内部に情報システムに関するノウハウが蓄積しにくい。
❷初期のITシステム構築は、ユーザの作業を写し取って論理化し、「要件定義」としてきた。
→(現状)システムがある状態で仕事をするのが当然となっているので、システムの全貌と機能の意義が分からない状態であり、従来のような「要件定義」をする能力を喪失している。
❸新たな価値を提供できるベンダー企業を使って結果を出すことが自らの評価につながる環境に置かれている。我が国のCIOは有名なベンダー企業に頼んだから大丈夫という考えに陥りがちである。しかも、ユーザ企業側の選定責任は不明確で、ベンダー企業側の責任となりがちである。
❹現状は、事業部門がそのようなオーナーシップを持って、プロジェクトに関わる仕組みになっていない場合が多い。
❺ユーザ企業におけるIT人材の不足が深刻な課題である。
→ベンダー企業に経験・知見を含めて頼らざるを得ないというのが現状。
→ベンダー企業と協調して取り組むことが必要
❻先端的な技術を学んだ若い人材をメインフレームを含む老朽化したシステムのメンテナンスに充てようとして、高い能力を活用しきれていなかったり、そのような人材にとっては魅力のある業務ではないために離職
なんて感じで書かれています。
[DXとSIベンダーとの関係の分析]
では、DXとSIベンダーの以上の関係を分析していきましょう。
❶は、右の図から分かるように、日本の場合、各国特に米国と比較するとかなり、社内にいるエンジニアの数が少ないという印象です。
それがどういう問題になるかというと、SIベンダーに頼った場合の問題点から話していきましょう!
以前のSI業界は、現場に何人のSEと言われる人間を送り込むか?ということが上司の仕事でした。それは、システムを作るということは二の次ということを意味しています。しかも作ったシステムは他人のものです。瑕疵期間はあるとは思いますが、その期間が過ぎれば、瑕疵がある分だけ仕事があります。その状況だと、SIベンダー側から見ると、システムに瑕疵が多ければ多いほど仕事が多いことを意味しています。その状況だといいシステムってできるのでしょうか?
現在DXが声高に言われているため、昔のようにSIベンダーは仕事に困っていないのかもしれませんが、もしまた困るような状況になったら、以前同様に成功率3割なんてプロジェクトがざらになるのかもしれません。ちなみに現在のプロジェクト成功率何割ですか?
加えて、レガシーシステムで、「ドキュメントが整備されていないため調査に時間を要する」という項目がありましたが、これ、SIベンダーの究極の営業です。おいしい仕事は他人に渡したくありません。だから、ドキュメントは残さずに、現場にいる人間の脳裏にのみ、仕様を残しているのです。
加えて、現場で見る究極の営業は、普通じゃないプログラムで作るという行為です。ようは、同プロジェクトに参画した人間でないと理解できないようなプログラムロジックが増えていくのです。その行為により、他のベンダーに案件を奪われることはなくなります。
以上がSIベンダーに頼った企業の成れの果ての状況です。人間には良心があり、全てのシステムに当てはまらないとは思いますが、人間困ればなりふり構っていられません。このような状況になる可能性があるということだけは抑えておいてください。
以上の事案がもし発生するかもしれないと考えるなら、自社に優秀なエンジニアを雇った方がいいと多くの人が思うでしょう?ただ、日本の場合そうした場合でも問題はあるのですが・・・。
[あとがき]
本日は、DXとSIベンダーの中の❶しか話せませんでしたが、意外と根が深い問題があるものです。
アメリカの事情を現地で働いた人から聞いたことがありますが、社内SEは、社外のSEを信じていません。自分たちだけが信じることができ、それ以外の人間たちには任せておけないという雰囲気で仕事をしているそうです。さて、日本はどうでしょうか?
では、また!
■DXレポート(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html
■DX実戦手引き書~システム構築編・レガシーシステム刷新ハンドブック〜
https://www.ipa.go.jp/digital/dx/hjuojm000000eem6-att/000089583.pdf
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