こんにちは!
ナビゲータのEVEです。
ゼロからはじめるシステム開発では、日曜日はセキュリティの日です。ということで、本日は情報セキュリティガバナンスについてお話をしましょう!
情報セキュリティガバナンスの話しを始める前に、前回のおさらいと、なんで情報セキュリティガバナンスの話しをするのか経緯について説明します。
[前回のおさらい]
前回は、サイバーセキュリティ経営ガイドライン3.0についてお話をしました。
サイバーセキュリティ経営ガイドラインは、3つの原則と、同3原則を実現するための重要10項目で構成されているという話しをしました。以下が、経済産業省から提供されている3原則です。
❶経営者は、サイバーセキュリティリスクが自社のリスクマネジメントにおける重要課題であることを認識し、自らのリーダーシップのもとで対策を進めることが必要
❷サイバーセキュリティ確保に関する責務を全うするには、自社のみならず、国内外の拠点、ビジネスパートナーや委託先等、サプライチェーン全体にわたるサイバーセキュリティ対策への目配りが必要
❸平時及び緊急時のいずれにおいても、効果的なサイバーセキュリティ対策を実施するためには、関係者との積極的なコミュニケーションが必要
以上の内容を簡単にまとめているものとして、LRM株式会社から以下のような形で紹介されているという話しをしています。。
❶リーダーシップの発揮
❷サプライチェーンセキュリティの強化
❸関係者との積極的なコミュニケーション
そして、以上のようなことが言われている背景について、当サイトの筆者の憶測ではありますが話しをし、❶では、リーダーシップの発揮の中で情報セキュリティガバナンスについて触れています。そのときに、情報セキュリティガバナンスの話ができなかったので、今回取り上げさせていただきます。
[情報セキュリティガバナンスとは?]
情報セキュリティガバナンスとは何なのか、ChatGPTに聞いてみましょう!
情報セキュリティガバナンスは、組織が情報セキュリティに関する方針、目標、監視、管理を確立し、維持するための仕組みやフレームワークを指します。企業や組織のビジネス目標と整合性を保ちながら、情報資産を保護し、リスク管理を行うことを目的としています。
❶情報セキュリティガバナンスの目的
情報セキュリティガバナンスの主な目的は、組織の情報資産を保護し、情報セキュリティに関わるリスクを管理することです。また、経営陣やステークホルダーに対して組織の安全性を保証し、サイバー攻撃や情報漏洩などの脅威から組織を守るために以下の点が重視されます。
・リスクの特定と管理
セキュリティリスクを洗い出し、管理・監視することで、事前に対応策を講じられるようにします。
・説明責任
情報セキュリティにおける責任を明確にし、経営層が主体的にリーダーシップを発揮できるようにします。
・コンプライアンスの確保
法律や規制、業界標準に準拠し、組織が適切に管理されていることを保証します。
・持続可能なセキュリティ体制の構築
長期的に情報資産を保護し、セキュリティ体制を継続的に改善します。
❷情報セキュリティガバナンスの構成要素
情報セキュリティガバナンスを効果的に機能させるためには、以下の構成要素が重要です。
・セキュリティ方針
組織全体の情報セキュリティの基本方針を明確にし、管理体制や遵守すべき基準を定めます。
・リスク管理
情報セキュリティリスクの特定、評価、対応策の実施を通じて、組織が直面する潜在的なリスクを最小限に抑えます。
・役割と責任の明確化
情報セキュリティに関する役割と責任を組織内で定義し、経営層や従業員に対して責任を明確にします。
・モニタリングとレビュー
定期的に情報セキュリティ体制を評価し、リスクの変化や新たな脅威に対応するために体制を改善します。
・教育と訓練
組織の全メンバーが情報セキュリティの重要性を理解し、適切に対応できるよう、継続的な教育や訓練を行います。
❸情報セキュリティガバナンスのプロセス
情報セキュリティガバナンスの実践には、以下のようなプロセスが含まれます。
・現状の把握と評価
既存のセキュリティ対策の有効性を評価し、改善の余地を確認します。
・リスク評価と対応策の策定
情報資産ごとのリスクを評価し、脅威や脆弱性に対する具体的な対策を策定します。
・方針と規則の制定
情報セキュリティに関する方針や手順を策定し、全社的に適用します。
・パフォーマンスのモニタリング
情報セキュリティの実施状況やリスクの変動を監視し、必要に応じて方針や対策を見直します。
・定期的な改善
PDCAサイクル(計画→実行→評価→改善)を通じて、セキュリティ体制を継続的に向上させます。
❹情報セキュリティガバナンスの重要性
情報セキュリティガバナンスが重要である理由には以下の点が挙げられます。
・ビジネスの信頼性向上
情報漏洩やサイバー攻撃から顧客情報や業務データを守ることにより、顧客や取引先からの信頼を向上させます。
・法的リスクの回避
データ保護法や業界規制に準拠することで、法的な罰則や信用の低下を防ぎます。
・組織の継続的な発展
セキュリティリスクから組織を守ることで、持続可能な成長や新たな事業展開の基盤を構築します。
❺情報セキュリティガバナンスの国際的な基準
国際的な基準としては、以下のようなフレームワークがあり、組織が効果的に情報セキュリティガバナンスを構築するための指針を提供しています。
・ISO/IEC 27001
情報セキュリティ管理の国際規格であり、リスク管理やセキュリティ対策のフレームワークを提供します。
・NISTサイバーセキュリティフレームワーク
アメリカ国立標準技術研究所(NIST)によって策定された、リスク管理のベストプラクティスを示すフレームワークです。
・COBIT
情報技術(IT)の管理とガバナンスに関するフレームワークで、ITガバナンスと情報セキュリティの統合に役立ちます。
情報セキュリティガバナンスは、組織が情報資産の保護とリスク管理を行い、法令や規制を遵守するための重要な仕組みです。適切にガバナンスを行うことで、サイバー脅威に対しても柔軟に対応し、組織全体のリスクを低減することが可能です。
[情報セキュリティガバナンス誕生の経緯]
情報セキュリティガバナンスは、経済産業省が中心となって取りまとめています。以下がChatGPTから聞いた経緯となります。
情報セキュリティガバナンスは、技術の進化とともに大きく変遷してきました。以下にその主な変遷を時系列に沿って解説します。
❶1990年代:情報セキュリティの黎明期
・背景
インターネットの普及とともに、企業活動がデジタル化し、情報セキュリティの重要性が増してきました。この時代はまだコンピュータウイルスや不正アクセスへの防御が主な目的でした。
・特徴
当初は、企業内でIT担当者が主にシステムの保護やウイルス対策を行う技術的な対応が中心でした。ガバナンスとしての考え方は十分には浸透しておらず、各部門や個々の担当者にセキュリティの責任が集中していました。
❷2000年代:組織的なセキュリティ管理の導入
・背景
インターネットを介したビジネスが一般化し、セキュリティ事故のリスクが増大しました。特に、情報漏洩やハッキング事件が増え、経営リスクとしての認識が高まりました。
・主な進展
国際標準化機構(ISO)から、情報セキュリティ管理システムの国際規格 ISO/IEC 27001 が登場し、組織全体での情報セキュリティガバナンスが求められるようになりました。
・特徴
情報セキュリティの取り組みが組織全体の戦略に組み込まれるようになり、経営陣の関与が重視されました。また、外部監査を通じた認証制度も浸透し、企業としての信頼性向上にもつながりました。
❸2010年代:リスク管理と規制対応の強化
・背景
スマートフォンやクラウドサービスが普及し、業務におけるIT依存が高まりました。その一方で、サイバー攻撃や内部不正が増加し、情報セキュリティが経営課題として認識されるようになりました。
・日本国内の動向
2015年に、経済産業省が 「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」 を策定し、経営者が情報セキュリティリスクに対して責任を持つべきであるという指針が示されました。
・特徴
情報セキュリティガバナンスがリスク管理の一環として、コンプライアンスやサイバーリスク管理と強く結びつきました。国際的には、GDPR(一般データ保護規則)の施行により、データ保護の規制が強化され、プライバシー保護の観点からも情報セキュリティが重視されました。
❹2020年代:ゼロトラストとデジタルトランスフォーメーション(DX)の時代
・背景
COVID-19の影響でリモートワークが急速に普及し、従来の境界型防御(ネットワークの外周を守る手法)から「ゼロトラスト」モデルへの移行が進みました。加えて、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する中で、新たなリスクに対応する必要性が高まりました。
・特徴
ゼロトラストモデルでは、「すべてのアクセスを検証する」考え方に基づき、内部のユーザーやデバイスも潜在的な脅威として扱い、信頼性の検証を行います。これにより、リモート環境やクラウド環境でも情報セキュリティを維持しやすくなりました。
・日本国内の動向: 経済産業省や総務省が中心となり、DXの推進に伴うセキュリティガ バナンスの重要性を強調する取り組みが行われています。特に、デジタル庁の設立後は、官民一体となったサイバーセキュリティ強化が図られています。
❺今後の展望
・AI・IoTの普及に伴う課題
AI技術の進化やIoT機器の増加により、より多くのデータがネットワーク上でやりとりされるようになりました。情報セキュリティガバナンスは、これら新しい技術のリスクを管理しつつ、データの保護とプライバシーの確保を担う必要があります。
・量子コンピュータによる暗号リスク
将来的には量子コンピュータの普及により、従来の暗号技術が破られるリスクも予想されています。情報セキュリティガバナンスには、これに対応した新たな暗号技術や対策の導入が求められるでしょう。
■まとめ
情報セキュリティガバナンスは、単なる技術的なセキュリティ対策ではなく、経営戦略やリスク管理、コンプライアンスと連携した包括的な体制を築くものとして進化しています。デジタル環境が拡大し続ける中で、経営陣のリーダーシップと持続的な改善が必要とされる領域です。
以上が情報セキュリティガバナンスの流れなのですが、その中で、情報セキュリティガバナンスを中心的に推進してきたといわれる経済産業省はどのような形で主導してきたのでしょうか?引き続きChatGPTに聞いてみました。
経済産業省は、日本の情報セキュリティガバナンスの推進において重要な役割を果たしてきました。以下は、時代の流れに沿って経済産業省がどのように関わってきたかの詳細です。
❶2000年代初頭:情報セキュリティの基盤づくり
・主な活動
インターネットの普及に伴い、経済産業省は日本の情報セキュリティ基盤の整備を支援しました。具体的には、企業の情報資産を保護するための規格やガイドラインの整備が進められました。
・具体例
経済産業省は、ISO/IEC 27001などの国際標準規格の普及を支援し、企業が情報セキュリティ管理システムを導入するための指針を提供しました。これにより、企業は情報管理の重要性を理解し、組織全体でセキュリティ体制を構築する基盤が整えられました。
❷2015年:サイバーセキュリティ経営ガイドラインの策定
・背景
2010年代に入り、サイバー攻撃が複雑化・高度化する一方で、情報漏洩リスクが経営リスクとして認識されるようになりました。これに対応し、経済産業省は企業の経営層向けにサイバーセキュリティの指針を示す必要性を感じました。
・「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」の策定
2015年に経済産業省は、サイバー攻撃に対応できる企業体制の整備を目的として、「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」を策定しました。このガイドラインでは、経営者が直接情報セキュリティに関与し、リスク管理やインシデント対応の責任を担うべきことが明示されました。
・企業への影響
このガイドラインの普及により、経営者は情報セキュリティの責任を理解し、経営戦略の一環としてセキュリティ強化が推進されるようになりました。
❸2018年:サイバーセキュリティ経営ガイドライン改訂版の発表
・背景
デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展やクラウド利用の増加に伴い、セキュリティリスクの範囲が拡大し、対応がより複雑になってきました。これを受けて、経済産業省はガイドラインを改訂し、最新のリスク環境に適応できるようにしました。
・主な改訂内容
改訂版では、「ゼロトラスト」など新しいセキュリティ概念を取り入れ、リモートワークやクラウドサービス利用時のセキュリティ対策についても明確にしました。また、企業のサプライチェーン全体のセキュリティリスクに対応するための指針も追加されました。
・企業への影響
これにより、企業は自社内のみならず、外部パートナーやサプライチェーン全体のセキュリティリスクに対応することが求められるようになり、より広範なセキュリティガバナンス体制の構築が推進されました。
❹2020年代:DX時代のセキュリティガバナンス推進
・背景
デジタル庁の設立やDX推進が加速し、クラウド、IoT、AIなどの先端技術の活用が進む中で、情報セキュリティの確保がますます重要となっています。
・「DX推進におけるセキュリティガイドライン」の策定
経済産業省はDX時代に適応したセキュリティガバナンス強化を目指し、2020年に新しいセキュリティガイドラインを発表しました。このガイドラインでは、経営者がDX推進に伴うリスクを管理し、情報セキュリティを経営戦略の一部として位置づけることが推奨されています。
・ゼロトラストモデルの推進
経済産業省は、ゼロトラストモデルを取り入れた新しいガバナンス体制を推奨しており、内部・外部の境界を意識せずにアクセスを管理するアプローチを奨励しています。
企業への影響: これにより、企業はDXに伴うリスクを管理する体制を強化し、情報セキュリティを「攻めのDX戦略」として活用する動きが見られています。
❺今後の展望:経済産業省のさらなる取り組み
・AI・量子コンピュータ時代への備え
経済産業省は、今後も新しいテクノロジーに対応するためのセキュリティガイドラインや支援策の策定を予定しています。AIの活用によるリスクや、量子コンピュータの登場により従来の暗号が破られる可能性に備え、企業のセキュリティガバナンス強化を支援する予定です。
・デジタル庁と連携したサイバーセキュリティ強化
経済産業省はデジタル庁と連携し、国内のサイバーセキュリティガバナンスをより強化するための方針を掲げており、官民一体でのガバナンス体制を整える取り組みを続けるでしょう。
■まとめ
経済産業省は、情報セキュリティガバナンスの策定から普及までの中心的な役割を果たしてきました。時代の進展に応じて、企業の経営層への教育や最新技術対応のガイドライン提供を行い、セキュリティ対策を企業の経営戦略の一環として定着させています。これにより、経済産業省は日本の情報セキュリティの水準向上と信頼性向上に大きく寄与しています。
以上の流れを文書を中心に整理すると以下の通りになります。
2000年 年経済産業省情報セキュリティ対策基準
2001年 電子商取引のための情報セキュリティ指針
2002年 情報セキュリティ管理基準(METI管理基準)
2003年 企業の情報セキュリティ対策ガイドライン
2004年 情報セキュリティガイドライン
2005年 情報セキュリティのための基準
2010年 サイバーセキュリティ戦略」
2015年 サイバーセキュリティ経営ガイドライン(初版)
2018年 サイバーセキュリティ経営ガイドライン(改定版)
2020年 デジタルガバナンスコード
セキュリティ・ガバナンスのマニュアル
サイバーセキュリティ経営ガイドラインの改訂
2021年 サイバーセキュリティ基本法の改正
2022年 サイバーセキュリティ経営ガイドラインの改訂
[あとがき]
調べる前までは、「情報セキュリティガバナンス」といった文書がズバリあると思っていたのですが、そうでないことが分かりました。
情報セキュリティガバナンスとは、いろいろな活動により実現する企業活動と言えるでしょう?
経済産業省はどのような形で主導してきた流れを見てふと思い浮かんだのが、情報処理安全確保支援士のWeb研修でサイバーセキュリティ経営ガイドラインが取り上げられてなかったこと・・・。前年まで取り上げられていたのに、今年は目立った形で取り上げられていませんでした。それは、既にその役目を終えてからとか思ってしまいましたが、そうではないようです。現在も生きており、情報セキュリティガバナンスの実現のために役立っているようです。
今回の調査で1つ知識が増えました。
では、セキュリティについては、また来週!!!
■サイバーセキュリティ経営ガイドラインとは?その内容を徹底解説(LRM株式会社)
https://www.lrm.jp/security_magazine/cybersecurity_guideline/
■サイバーセキュリティ経営ガイドラインver3.0(経済産業省)
https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/downloadfiles/guide_v3.0.pdf