2016年08月22日
中国脅威論の愚
8月に入ってすぐ、数百隻の中国漁船が尖閣周辺に
押し寄せた。
日本のメディアは「中国は南沙諸島だけでなく東シナ
海でも強権的な行動に出てきた」という中国脅威論で
あふれかえり、「あれは漁民でなく、訓練を受けた民兵
が乗り組んでる」という流言飛語まで飛び出す始末。
新たな“中国脅威論”が高まりを見せているわけだが、
どうしても中国を悪者に見せたいという意図がミエミエで
ある。確かに、日本へやってくる中国人のマナーは決して
よいとは言えない。
しかし、本当に中国人が日本に敵意を剥き出しにしている
のなら観光になど来ないだろうし、爆買いを当て込んで商売
していたのは、一体どこの誰なのか?
ある元外交官の話はこうだ
「日中漁業協定も読んだことがないような記者が、
こういう記事を書いているのでしょうね。
ご承知のように、尖閣については領有権で日中は折り
合わず、従って12カイリの領海、その外側12カイリの
接続水域、さらに200カイリの排他的経済水域に至る
まですべて折り合わない。
しかし、それでは両国の漁民が困るので、97年の日中
漁業協定で『暫定措置水域』を設定して、そこでは両国の
漁船はお互いに、相手国の許可を得ることなく操業でき、
両国の公船は自国の漁船についてのみ取り締まる権限
を持つことにした。
今回の事態は、中国側が設定している禁漁期が8月1日
までなので、待ちかねた中国漁民がドッと押し寄せたと
いうだけの話です」
そうは言っても、中国公船も大挙押し寄せたではないか。
「それは『金儲けしか考えない漁船が(日本側の主張する
)尖閣領海に乱入するのを取り締まるためだ』と、中国側は
日本側にちゃんと通告してきています。
そういう了解があるから、11日に中国漁船がギリシャ船と
衝突して沈没した時も、海保が淡々と救助し、それに
中国側が謝意を表明するということが起きるのです」
(元外交官のはなし)
現場では、実際にこのような危機回避の申し合わせやメカ
ニズムが機能しているというのに、政府やマスコミは“今にも
中国と軍事衝突しかねない”といった、中国脅威論を煽って
ばかりで、日米韓による中国包囲網を確立しようとしている。
勿論、尖閣諸島は日本固有の領土であることは歴史が証明
しているので、いくら中国が領有権を主張しようとも、差し出す
わけにはいかない。
しかし、アジアの隣人を“仮想敵国”扱いするような過剰な反応
は避けるべきだろう。
今や中国との貿易額は、米国の1.5倍となっている現状を
踏まえた上で、中国脅威論を唱えるとしたら、
それは “愚か” としか言いようがない。
押し寄せた。
日本のメディアは「中国は南沙諸島だけでなく東シナ
海でも強権的な行動に出てきた」という中国脅威論で
あふれかえり、「あれは漁民でなく、訓練を受けた民兵
が乗り組んでる」という流言飛語まで飛び出す始末。
新たな“中国脅威論”が高まりを見せているわけだが、
どうしても中国を悪者に見せたいという意図がミエミエで
ある。確かに、日本へやってくる中国人のマナーは決して
よいとは言えない。
しかし、本当に中国人が日本に敵意を剥き出しにしている
のなら観光になど来ないだろうし、爆買いを当て込んで商売
していたのは、一体どこの誰なのか?
ある元外交官の話はこうだ
「日中漁業協定も読んだことがないような記者が、
こういう記事を書いているのでしょうね。
ご承知のように、尖閣については領有権で日中は折り
合わず、従って12カイリの領海、その外側12カイリの
接続水域、さらに200カイリの排他的経済水域に至る
まですべて折り合わない。
しかし、それでは両国の漁民が困るので、97年の日中
漁業協定で『暫定措置水域』を設定して、そこでは両国の
漁船はお互いに、相手国の許可を得ることなく操業でき、
両国の公船は自国の漁船についてのみ取り締まる権限
を持つことにした。
今回の事態は、中国側が設定している禁漁期が8月1日
までなので、待ちかねた中国漁民がドッと押し寄せたと
いうだけの話です」
そうは言っても、中国公船も大挙押し寄せたではないか。
「それは『金儲けしか考えない漁船が(日本側の主張する
)尖閣領海に乱入するのを取り締まるためだ』と、中国側は
日本側にちゃんと通告してきています。
そういう了解があるから、11日に中国漁船がギリシャ船と
衝突して沈没した時も、海保が淡々と救助し、それに
中国側が謝意を表明するということが起きるのです」
(元外交官のはなし)
現場では、実際にこのような危機回避の申し合わせやメカ
ニズムが機能しているというのに、政府やマスコミは“今にも
中国と軍事衝突しかねない”といった、中国脅威論を煽って
ばかりで、日米韓による中国包囲網を確立しようとしている。
勿論、尖閣諸島は日本固有の領土であることは歴史が証明
しているので、いくら中国が領有権を主張しようとも、差し出す
わけにはいかない。
しかし、アジアの隣人を“仮想敵国”扱いするような過剰な反応
は避けるべきだろう。
今や中国との貿易額は、米国の1.5倍となっている現状を
踏まえた上で、中国脅威論を唱えるとしたら、
それは “愚か” としか言いようがない。
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