2014年01月02日
現国立競技場で最後の天皇杯決勝
2014.1/1 今の国立競技場では最後となる、サッカー天皇杯決勝が行われた。国立競技場は、2020年の東京オリンピックに向けての改修工事に入る。
決勝の舞台に進んできたのは、サンフレッチェ広島と横浜Fマリノス。
広島は、J1で2連覇を達成した。リーグと天皇杯の2冠を狙う。
横浜は、優勝に手の届くところまで行っていながら最終節で広島に優勝を奪われ、悔し涙を飲んだ。
中村俊輔は、日産スタジアムのピッチに崩れ落ちて号泣した。
長い天皇杯の歴史の中でも、リーグ1位と2位のチームが決勝で戦うのは初めてのことだ。
2013年のリーグ戦では2回戦って、横浜の2勝、広島の0勝。ここ2年を見ても横浜の3勝1分と、広島は横浜に勝てていない。
両チームともJリーグ発足後は、天皇杯での優勝はない。横浜は日産の時代に6回優勝している。一方の広島は、東洋工業時代に3回の優勝がある。
2013年のリーグ戦で最も失点の少なかったのは広島で、29失点。2位は横浜。
これらのデータを見ても、現時点での日本の2強の対戦と言うことができる。現国立競技場での最後の天皇杯決勝を戦うのにふさわしい2チームが勝ちあがってきた。
立ち上がりから横浜が積極的に攻めに出たのに対し、広島は下がって守る時間が続いた。広島は戦略的にそのような戦い方をしているのか、あるいは準決勝で延長戦、PK戦まで戦った影響で疲労があるのか。
17分、斎藤のゴールで横浜が先制した。
続いて21分。中村俊輔のフリーキックの流れから、中澤が頭で押し込んで2−0とした。横浜お得意のセットプレーからの得点だった。
広島はJリーグ発足後4回天皇杯の決勝に出ているが、なんと4回とも敗れている。しかも4回とも無得点。東洋工業時代を含めると天皇杯決勝で7連敗中と、ちょっと驚くようなデータがある。
その後は広島も前に出てチャンスをつくったが、得点することはできず、2−0のまま前半が終了した。
後半、点を取らなければならない広島は積極的に攻めたが得点はできず、一進一退の攻防が続いた。
中村俊輔は、中盤での見事なボールキープ、美しいパス、何かやってくれそうなセットプレー、どれをとっても素晴らしかった。彼のプレーで観客が沸いた。さすがは2013年のJリーグMVPだ。
広島は30分過ぎに攻撃の中心である佐藤と高萩をベンチに下げ、若いFW2人をピッチに送り込んだが最後まで得点することができず、2−0のまま試合は終了した。
横浜は、日産時代を含めると21年ぶり7回目の優勝を飾った。広島は、またしても決勝で敗れるという結果に終わった。
試合後のインタビュー。リーグでの優勝を逃してからどうやって気持ちを切り替えたのかという記者の質問に対して、2点目を入れたベテラン中澤は「まだ切り替えられていない。これから休みに入るのでリーグのことはその時に考える」。
今年で36歳になる中澤、話しが年齢のことに及ぶと「おじさんだから走れないと言われたくない」と答えた。ベテランらしい落ち着いた対応を見せた。
今の国立競技場で最後の天皇杯決勝となったがという質問に、中村俊輔は「ここで高校選手権の決勝で敗れ、天皇杯の準決勝でも負けたことがある」。
様々な歴史と思い出の詰まった国立競技場はまもなく解体され、新しく生まれ変わる。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image