2018年02月27日
2018年2月28日22:30発表ー米国経済指標「2017年10-12月期GDP改定値」(結果検証済)
T.事前投稿
ブログの日時は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「U.事後検証」のタイトル行付近に記載しています。
本指標の反応分析はこちらに詳述しています。以下に記す今回の取引方針は、この分析結果に基づきます。
そこで述べた通り、本指標には
- 指標発表前は、1✕GDP事前差異+1✕PCE事前差異、という判別式の解の符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と、直前10-1分足の方向一致率が71%
- 指標発表後の反応程度は、直後1分足跳幅の過去平均が15pips
- 指標発表後の反応方向は、なぜか指標発表後1分を過ぎると、直後1分足と逆方向に向かいがち
という特徴があります。
今回発表の要点は下表の通りです。
改定値は、速報値よりも四半期GDPと四半期PCEが下方修正されると予想されています。
毎月発表されるPCEを見てみましょう。
7・8・9月のPCE前月比はそれぞれ+0.3%・+0.1%・+1.0%です。6月を起点にすると、9月は6月より+1.4%個人消費が増えたことになります。
同様に、10・11・12月のPCE前月比はそれぞれ+0.3%・+0.6%・+0.4%です。9月を起点にすると、12月は9月よりも+1.3%個人消費が増えたことになります。
6月を起点に9月の個人消費が+1.4%増えて、9月を起点に12月の個人消費が+1.3%増えた訳ですから、10-12月期は前期7-9月期よりも個人消費伸び率が0.1%減っています。
今回の市場予想が前期よりも低く見込まれていることに違和感はありません。ただ、速報値より0.2%も下方修正されるという現時点(2月26日21時頃)の市場予想は、少し低めに見込まれている気がします。
さて、前掲の詳細分析結果に基づくシナリオは以下の通りです。
- 直前10-1分足は、過去の陽線率が76%で、事前差異との方向一致率が71%に達しています。
がしかし、今回の事前差異はマイナスとなっています。これは、過去の陽線率の高さと、事前差異との方向一致率の高さが矛盾していることになります。
よって、今回はこの期間の取引を諦めます。 - 直前1分足は過去平均跳幅が3pips、同値幅は2pipsです。また、直前1分足は直前10-1分足との一致率が23%(不一致率77%)しかありません。逆ヒゲは2pips程度のことが多いようです。
よって、もし直前10-1分足が陽線で、指標発表前1分前後に陽線側に2pips以上跳ねたらショートをオーダーします。
直前10-1分足が陰線だったときは取引を諦めます。 - 直後1分足は過去平均跳幅が15pips、同値幅は12pipsです。平均的なヒゲの長さは全幅の20%です。平均的なヒゲは小さく、大きな戻りは期待できません。
本指標は市場予想が低めになりがちです。その結果、事後差異のプラス率が過去72%にも達する偏りが生じています。
よって、指標発表直前にロングをオーダーし、指標発表直後の跳ねで利確/損切です。 - 指標発表後の追撃は、初期反応方向を確認したら早期開始です。
直後1分足と直後11分足との方向一致率は83%です。その83%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは67%です。指標発表時点から見て、1分後と11分後とが5回に4回は同じ方向に反応が伸び、そのうち3回に2回は指標発表から1分を過ぎても反応を伸ばしています。
がしかし、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、たったの17%しかありません。追撃はできるだけ早めに決済し、利確/損切の目安は5〜10pipsぐらいでしょうか。 - 直後11分足の過去平均跳幅は18pips、値幅のそれは11pipsです。平均的なヒゲの長さは全幅の39%です。直後1分足の平均的なヒゲの長さが20%だったことを踏まえると、大きな戻しが起きがちです。
前述の通り、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは、たったの17%しかありません。といっても、直後1分足と直後11分足とが反転したことも17%です。66%(3回に2回)は、直後11分足が直後1分足の値幅を削っています。
指標発表から1分を過ぎたら逆張りの機会を窺い、その利確/損切の目安は3〜5pipsとしておきましょう。
以上
U.事後検証
以下は、2018年3月1日に追記しています。
指標結果と反応を纏めておきます。
指標発表結果は、GDPとデフレータが速報値を下方修正し、PCEが速報値と同値でした。市場予想に対しては、デフレータが下回ってPCEが上回って、影響が相殺されたようです。
反応は、指標発表直後が陰線で、その後陽線に転じました。がしかし、直後1分足は上ヒゲの方が下ヒゲより長く、陰線となったのはタイミングの問題でしょう。結果は結果ですが、全体的な印象としては、陽線側に伸びようとしていたようです。
分析対象期間外となりますが、この結果も踏まえて、この夜ダウはまた大幅下落しました。現在のロジックから言えば、この結果も先々の金利上昇を招くと解釈されたことになります。つまり、速報値よりGDPが下方修正されても+2.5%という数字は悪くない、ということでしょう。
現在、FRBは今年3回の利上げを想定しており、市場では3・4回の利上げを想定しています。市場での利上げ回数がFRBの想定よりも増える側となっているのは、米政権のインフラ投資増も踏まえて2018年の成長率が+3%に達すると予想されているためです。+3%に達すれば、FRBへの利上げ圧力が強まるとの見方です。
事前分析内容を検証しておきます。
- 直前1分足は、直前10-1分足が陽線だったなら、指標発表前1分前後に陽線側に2pips以上跳ねたらショートをオーダーすることにしていました。
結果は、直前10-1分足が陽線で、直前1分足は陰線でした。 - 直後1分足は、指標発表直前にロングをオーダーし、指標発表直後の跳ねで利確/損切することにしていました。
結果は陰線でしたが、上下に小刻みに動いて、陽線になるか陰線になるかが良くわからない動きとなっていました。分析は外れでした。言い訳したいけど。 - 指標発表後の追撃は、初期反応方向を確認したら早期開始することにしていました。
がしかし、今回の指標発表直後の反応は、どちらに伸びるかよくわからない動きとなっていました。最終的に陰線側に転じたのは、直後1分足に終値がつく頃でした。ですが、下記の通り指標発表から1分を過ぎると、反転率が異常に高い指標です。
よって、指標発表直後はポジションが取れない、が正解だったのではないでしょうか。 - 直後11分足は、指標発表から1分を過ぎてから逆張りの機会を窺い、その利確/損切の目安は3〜5pipsとしていました。
結果は反転でしたが、これも今回はあまり自信が持てる反転ではありませんでした。
実際、この夜ダウは大きく下落しました。ダウが下がると、翌朝の日経も下がりがちです。そのことを見越せば、USDJPYは売りでなければいけません。でも、それは本指標での取引時間を過ぎてから起きたことです。
ともあれ、追撃もままならず逆張りもままならず、本来ならこんなときはオーダーすべきでなかったと思います。
今回の取引結果を下表に纏めておきます。
幸い、「直後1分足と直後11分足の反転」が過去の傾向通りだったので勝てたものの、今回の取引のポイントは指標発表直後の追撃を、どっちに伸びているのかがわからずに諦めたことです。
短期取引なので、ポジションを持っていても勝てたかも知れませんが、それで稼げたのはせいぜい1・2pipsだったでしょう(結果論です)。
次回確定値の発表は3月28日21:30の予定です。
以上
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