2017年10月16日
米国実態指標「鉱工業生産・製造業生産・設備稼働率」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年10月17日22:15発表結果検証済)
以下、「T.指標予想要点」「U.過去調査詳細」を事前投稿し、「V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。
2017年10月17日22:15に米国実態指標「鉱工業生産・製造業生産・設備稼働率」が発表されます。今回発表は2017年9月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点(10月16日)の値です。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
設備稼働率は、生産能力に対する実際の生産量の比率を表した指標です。基準年の平均稼働率を100として、製造業・鉱業・公共事業(電気・ガス)の生産能力に対する生産実績の比率から算出します。本指標は、設備投資とインフレの先行指標とされていて、80%を超えると投資が活発化する、と言われています。
がしかし、最近の米国では設備稼働率が高くなっても、設備投資を行う経営者は少数派です。
以前ほどではないにせよ、やはり米国の組合や地域のマスコミの影響力は強く、経営者が思い描くような自動化が難しいのです。いまどき自動化が図れない投資をするのは、米国人経営者でなくても可能な限り避けたいというのが本音でしょう。
だから、米国企業の設備投資判断は、PCやタブレット端末普及時の工程管理・サプライチェーン革新や、シェールガス採掘の技術革新があったときのように、圧倒的生産性向上が図れる時と処(ところ)でしか行えません。
設備稼働率と設備投資の相関がなくなったとまでは言いませんが、以前よりも両者の相関は弱くなっています。景気良し悪しを計る兆候のひとつとして、本指標は眺める方が良さそうです。
本指標は、耐久財受注の先行指標です。耐久財受注が本指標の先行指標ではありません。発表日の関係で、同月集計分のデータは本指標の方が耐久財受注よりも先に発表されるためです。
この件の詳細は、耐久財受注の記事で説明します。結論だけ言えば、本指標結果の実態差異(発表結果ー前回結果)の符号は、耐久財受注の実態差異の符号と、約90%の一致率があります。
本指標への反応の期間推移と相関分布を下図に纏めておきます。
前回発表(9月15日)こそ大きく反応したものの、反応程度は安定して小さいことがわかります。
直前10-1分足(横軸)に対する直後1分足(縦軸)は、分布図の右側と左側が対称になっています。これは、直前10-1足がどうあれ直後1分足の程度・方向が関係ないことを示しています。
直後1分足(横軸)に対する直後11分足(縦軸)は、右上がりの分布にも見えます。がしかし、横軸方向の分布の広がりに対し、縦軸方向の分布が小さいことがわかります。発表から11分後には。発表から1分後の値幅を削ることが多いようです。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
上表の上3行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
上から4行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
上から5行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
最下段6行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
事前差異判別式と実態差異判別式は、それぞれ直前10-1分足や直後11分足との方向一致率があまり高くありません。
がしかし、事後差異判別式は、1✕鉱工業生産事後差異+3✕製造業生産事後差異+2✕設備稼働率事後差異、の符号と直後1分足の方向一致率が71%となっています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
直前10-1分足は過去平均跳幅が7pipsです。過去に10pips以上跳ねたことは4回(頻度13%)あります。
この4回の直後1分足跳幅は平均で8pipsです。これは、直後1分足の過去平均跳幅7pipsとほぼ同じです。また、この4回の直前10-1分足と直後1分足の方向は4回とも一致しています(一致率100%)。
よって、事例こそ少ないものの、直前10-1分足が10pips以上跳ねたときは、直後1分足の反応方向を示唆している可能性があります。
直前1分足は過去平均跳幅が3pipsです。過去に10pips以上跳ねたことはありません。
2017年以降の方向を見ると、直前1分足は明らかに陽線に反応することが多いようです。
直後1分足は過去平均跳幅が6pipsです。過去に10pips以上跳ねたことは4回(頻度13%)あります。
この4回の直後11分足跳幅は平均で20pipsです。これは、直後11分足の過去平均跳幅10pipsよりも明らかに大きくなっています。また、この4回の直後1分足と直後11分足の方向は2回が一致しています(一致率50%)。
よって、事例こそ少ないものの、直後1分足が10pips以上跳ねたときは、直後11分足の反応程度が大きくなることを示唆している可能性があります。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下図に示します。
事前差異はプラス率が63%に対し、実態差異のプラス率は44%となっています。つまり、市場予想はやや高めとなりがちです。
事後差異と、直後1分足・直後11分足の方向一致率は各71%・80%となっています。反応が小さい指標のため、指標結果が良くても反応に現れるのに時間がかかるようです。
実態差異は直前10-1分足との方向一致率が72%です。今回の事前差異はプラスとなっているので、直前10-1分足が陽線の場合、市場予想を上回るか否かがわかりません。がしかし、直前10-1分足が陰線ならば、実態差異がマイナスということは、発表結果が市場予想も下回るということです。
ちょっと今回はあまり役に立ちそうもありませんが。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
最後に反応性分析の結果を下図に示します。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%です。この77%の方向一致時に、直後1分足跳幅を超えて直後11分足跳幅が反応を伸ばしたことは87%です。
方向一致率が高く、反応を伸ばしがちなのだから、反応方向を確認したら早期追撃開始です。
一方、指標発表から1分を経過した時点では、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは47%と、50%を切っています。早期に取得した追撃ポジションは、指標発表から1分を過ぎたら早めに利確の機会を窺った方が良いでしょう。
以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年10月18日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、鉱工業生産・製造業生産が予想通り、設備稼働率が予想を下回りました。がしかし、全ての項目で前回は上回っていました。反応は陰線でした。
FRBは、ハリケーンの影響は鉱工業生産の伸びを0.25%低下させた、と分析しているようです。
取引結果は次の通りでした。
指標発表時刻を跨いだポジションは、事前シナリオに従って諦めました。
追撃は、直後11分足のヒゲの分だけ利確できました。
事前調査分析内容を以下に検証します。
事前準備していたシナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
T.指標予想要点
2017年10月17日22:15に米国実態指標「鉱工業生産・製造業生産・設備稼働率」が発表されます。今回発表は2017年9月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点(10月16日)の値です。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 最も指標結果に素直に反応する指標発表直後1分足跳幅は、過去平均でたったの6pipsです。分布を見ると、4-8pipsに過去反応の75%が収まっています。反応が小さな指標です。
- それでも、本指標に関心を持っているのは、本指標が耐久財受注の先行指標としてかなり信頼できるからです(両指標の実態差異の方向一致率は90%程度)。
発表日と集計月の関係で、耐久財受注が本指標の先行指標ではありません。本指標が同月集計分の耐久財受注の先行指標です。 - 指標発表直後1分足は、1✕鉱工業生産事後差異+3✕製造業生産事後差異+2✕設備稼働率事後差異、という判別式符号と、71%の方向一致率があります。珍しいことに、この判別式符号は直後11分足との方向一致率が80%あり、直後1分足よりも直後11分足との方向一致率の方が高くなっています。
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直後1分足は、直前10-1分足が10pips以上跳ねたとき、指標発表直前にポジションを取ります。利確/損切は、指標発表直後の跳ねで行います。
- 指標発表後の反応方向に追撃を早期開始し、1分経過後は利確の機会を窺います。
以上の詳細ないしは論拠は、以下の「T.調査・分析」に記しています。
U.過去調査詳細
公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。
【1. 指標概要】
設備稼働率は、生産能力に対する実際の生産量の比率を表した指標です。基準年の平均稼働率を100として、製造業・鉱業・公共事業(電気・ガス)の生産能力に対する生産実績の比率から算出します。本指標は、設備投資とインフレの先行指標とされていて、80%を超えると投資が活発化する、と言われています。
がしかし、最近の米国では設備稼働率が高くなっても、設備投資を行う経営者は少数派です。
以前ほどではないにせよ、やはり米国の組合や地域のマスコミの影響力は強く、経営者が思い描くような自動化が難しいのです。いまどき自動化が図れない投資をするのは、米国人経営者でなくても可能な限り避けたいというのが本音でしょう。
だから、米国企業の設備投資判断は、PCやタブレット端末普及時の工程管理・サプライチェーン革新や、シェールガス採掘の技術革新があったときのように、圧倒的生産性向上が図れる時と処(ところ)でしか行えません。
設備稼働率と設備投資の相関がなくなったとまでは言いませんが、以前よりも両者の相関は弱くなっています。景気良し悪しを計る兆候のひとつとして、本指標は眺める方が良さそうです。
ーーー$€¥ーーー
本指標は、耐久財受注の先行指標です。耐久財受注が本指標の先行指標ではありません。発表日の関係で、同月集計分のデータは本指標の方が耐久財受注よりも先に発表されるためです。
この件の詳細は、耐久財受注の記事で説明します。結論だけ言えば、本指標結果の実態差異(発表結果ー前回結果)の符号は、耐久財受注の実態差異の符号と、約90%の一致率があります。
ーーー$€¥ーーー
本指標への反応の期間推移と相関分布を下図に纏めておきます。
前回発表(9月15日)こそ大きく反応したものの、反応程度は安定して小さいことがわかります。
直前10-1分足(横軸)に対する直後1分足(縦軸)は、分布図の右側と左側が対称になっています。これは、直前10-1足がどうあれ直後1分足の程度・方向が関係ないことを示しています。
直後1分足(横軸)に対する直後11分足(縦軸)は、右上がりの分布にも見えます。がしかし、横軸方向の分布の広がりに対し、縦軸方向の分布が小さいことがわかります。発表から11分後には。発表から1分後の値幅を削ることが多いようです。
【2. 既出情報】
(2-1. 過去情報)
(2-1. 過去情報)
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
項目が多いため、個別項目毎に細かくグラフを眺める前に、見るべきポイントを絞り込みましょう。各項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。
上表の上3行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。
上から4行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
上から5行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
最下段6行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
事前差異判別式と実態差異判別式は、それぞれ直前10-1分足や直後11分足との方向一致率があまり高くありません。
がしかし、事後差異判別式は、1✕鉱工業生産事後差異+3✕製造業生産事後差異+2✕設備稼働率事後差異、の符号と直後1分足の方向一致率が71%となっています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。
直前10-1分足は過去平均跳幅が7pipsです。過去に10pips以上跳ねたことは4回(頻度13%)あります。
この4回の直後1分足跳幅は平均で8pipsです。これは、直後1分足の過去平均跳幅7pipsとほぼ同じです。また、この4回の直前10-1分足と直後1分足の方向は4回とも一致しています(一致率100%)。
よって、事例こそ少ないものの、直前10-1分足が10pips以上跳ねたときは、直後1分足の反応方向を示唆している可能性があります。
直前1分足は過去平均跳幅が3pipsです。過去に10pips以上跳ねたことはありません。
2017年以降の方向を見ると、直前1分足は明らかに陽線に反応することが多いようです。
直後1分足は過去平均跳幅が6pipsです。過去に10pips以上跳ねたことは4回(頻度13%)あります。
この4回の直後11分足跳幅は平均で20pipsです。これは、直後11分足の過去平均跳幅10pipsよりも明らかに大きくなっています。また、この4回の直後1分足と直後11分足の方向は2回が一致しています(一致率50%)。
よって、事例こそ少ないものの、直後1分足が10pips以上跳ねたときは、直後11分足の反応程度が大きくなることを示唆している可能性があります。
【3. 定型分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は「反応性分析」をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は「反応一致性分析」をご参照願います。
指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は「指標一致性分析」をご参照願います。
まず、指標一致性分析の結果を下図に示します。
事前差異はプラス率が63%に対し、実態差異のプラス率は44%となっています。つまり、市場予想はやや高めとなりがちです。
事後差異と、直後1分足・直後11分足の方向一致率は各71%・80%となっています。反応が小さい指標のため、指標結果が良くても反応に現れるのに時間がかかるようです。
実態差異は直前10-1分足との方向一致率が72%です。今回の事前差異はプラスとなっているので、直前10-1分足が陽線の場合、市場予想を上回るか否かがわかりません。がしかし、直前10-1分足が陰線ならば、実態差異がマイナスということは、発表結果が市場予想も下回るということです。
ちょっと今回はあまり役に立ちそうもありませんが。
次に、反応一致性分析の結果を下図に示します。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候はありません。
最後に反応性分析の結果を下図に示します。
直後1分足と直後11分足の方向一致率が77%です。この77%の方向一致時に、直後1分足跳幅を超えて直後11分足跳幅が反応を伸ばしたことは87%です。
方向一致率が高く、反応を伸ばしがちなのだから、反応方向を確認したら早期追撃開始です。
一方、指標発表から1分を経過した時点では、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは47%と、50%を切っています。早期に取得した追撃ポジションは、指標発表から1分を過ぎたら早めに利確の機会を窺った方が良いでしょう。
【4. シナリオ作成】
以下のシナリオで取引に臨みます。
- 直後1分足は、直前10-1分足が10pips以上跳ねたとき、指標発表直前にポジションを取ります。利確/損切は、指標発表直後の跳ねで行います。
- 指標発表後の反応方向に追撃を早期開始し、1分経過後は利確の機会を窺います。
以上
2017年10月17日22:15発表
以下は2017年10月18日に追記しています。
V.発表結果検証
【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
結果は、鉱工業生産・製造業生産が予想通り、設備稼働率が予想を下回りました。がしかし、全ての項目で前回は上回っていました。反応は陰線でした。
FRBは、ハリケーンの影響は鉱工業生産の伸びを0.25%低下させた、と分析しているようです。
(5-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
指標発表時刻を跨いだポジションは、事前シナリオに従って諦めました。
追撃は、直後11分足のヒゲの分だけ利確できました。
【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)
事前調査分析内容を以下に検証します。
- 最も指標結果に素直に反応する指標発表直後1分足跳幅は、過去平均でたったの6pipsです。今回も6pipsでした。
こんな指標で欲張っても仕方ありません。 - それでも、本指標に関心を持っているのは、本指標が耐久財受注の先行指標としてかなり信頼できるからです(両指標の実態差異の方向一致率は90%程度)。
同月9月分の耐久財受注は、10月25日に発表予定です。 - 指標発表直後1分足は、1✕鉱工業生産事後差異+3✕製造業生産事後差異+2✕設備稼働率事後差異、という判別式符号と、71%の方向一致率があります。
今回の発表結果を事後差異判別式に代入すると、符号はマイナスで陰線での反応ですから、判別式通りの結果です。
(6-2. シナリオ検証)
事前準備していたシナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/6863420
この記事へのトラックバック