2017年09月20日
米国金融政策発表前後のUSDJPY反応分析(2017年9月21日03:00発表結果検証済)
2017年9月21日03:00に米国金融政策が発表されます。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。まぁ、こんなものは関係ありません。後述するように、今回のテーマは、(1) BS(バランスシート)縮小を開始するか、(2) 12月に利上げするのか、です。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
直近4回の「市場予想通り政策変更時」の始値基準4本足チャートを一覧しておきます。
本指標の特徴は以下の通りです。
シナリオは以下の通りです。
追撃に徹した方が良いでしょう。
本指標の意義は、世界中の金利水準に実質的な基準が示されることと、FRBの金融政策の方向性が示されることです。
FRBに与えられた責務は、雇用の最大化とインフレ水準の適正化です。そのため、同時発表される声明では、景気状態・物価動向・雇用情勢を根拠にして、それらの見通しに基づいて金融政策をどうしていくかが説明されます。
加えて、最近では次のリセッションに備えたFRBの行動が声明に含まれがちです。現在の市場コンセンサスは「9月に資産規模縮小、12月に年内最後の利上げ」です。この内容からのズレの有無が市場の関心事と言えるでしょう。
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。下表は過去の「市場予想通り金融政策変更時(利上げ)」時のデータです。
データは、僅か4回分しかありません。
非常に大きく反応しているとは言え、ちょっと拍子抜けしますね。FRB議長の会見後に動くのです。
以下は2017年9月23日に追記しています。
すっかりやる気で早寝をしたのに起きられませんでした。今回ほどのイベントは、そうそうないはずなのにがっかりです。
結果と反応を下図に示します。
結果は「市場予想通り現状維持」でした。がしかし、今回のテーマは政策金利ではありません。
今回FOMCのテーマだった点は2点です。
ひとつは、BS縮小開始です。これは10月から行うことが発表されました。
もうひとつは、12月利上げを行うのか、です。これも、今のところ予定通り行う可能性が示されました。
FOMC声明全文はロイターが邦訳を出しているので、そちらを参照ください。
現在、FRBのBS上の資産は4.2兆USDと、日本のGDP並みです。この資産を10月からゆっくり縮小し始めて、2021年には3兆USDに縮小すると見込まれます。「ゆっくり」とは、月最大100億USDのペースで縮小を開始し、いずれ500億USDに引き上げるそうです。今後は、このペース変更がFOMC前の話題となっていくでしょう。
FRB議長は会見で、縮小ペース見直しは景気状況が著しく悪化した場合のみ行い予測可能な形で行うこと、を言及しました。
利上げペースについては、FRBの成長率・インフレ率・失業率の予測と見比べた方が良いでしょう。
声明では、「経済活動が年初から緩やかに拡大」と指摘しており、「委員会は物価の動向を注意深く監視する」旨、述べています。
FRB議長は「今年のインフレ率低下の原因がわからない」と述べた上で、それが「持続的なものか否か見極めることが重要」との認識を示しました。「必要なら金利見通しを変更する用意がある」とのことです。
現在は、FRB当局者16名中11名が金利水準を年末までに1.25-1.50%のレンジにあることが適切との見方を示しています。これは現在の水準より0.25%高いから、今年はあと1回の利上げです。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。まぁ、こんなものは関係ありません。後述するように、今回のテーマは、(1) BS(バランスシート)縮小を開始するか、(2) 12月に利上げするのか、です。
過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
直近4回の「市場予想通り政策変更時」の始値基準4本足チャートを一覧しておきます。
本指標の特徴は以下の通りです。
- 反応程度は非常に大きく、反応方向にはパターンがありません。
発表後数分間の初期反応を除けば、30分後に始まるFRB議長の会見に向けて翌日までの動きが決まりがちです。
過去の「市場予想通り政策変更(利上げ)」が行われた場合の追撃は、短期利確の繰り返しが適していました。発表直後数分間を除けば、30分後のFRB議長会見に備えて上下動が大きかったためです。
但し、この特徴は「利上げ」が行われた場合です。BS縮小が行われる場合、どう反応するのかはわかりません。 - FRBは「市場との対話」に重きを置く中銀です。
世界中に影響が大きいこともあって、政策変更にあたってサプライズは歓迎されません。その結果、政策変更が予想されるFOMCが開催されるときには、早くから市場予想に基づく折込みが行われます(政策が予想通りに行われると見込んだ為替水準の調整のこと)。よって、発表後は「イベント終了」による戻しが行われることもあります。
この動きには注意が必要です。
シナリオは以下の通りです。
- 発表後、すぐに追撃ポジションを取り、1分以内に利確/損切します。
- その後は、上下動のタイミングを見ながら、短期利確の繰り返しで追撃します。
追撃に徹した方が良いでしょう。
本指標の意義は、世界中の金利水準に実質的な基準が示されることと、FRBの金融政策の方向性が示されることです。
FRBに与えられた責務は、雇用の最大化とインフレ水準の適正化です。そのため、同時発表される声明では、景気状態・物価動向・雇用情勢を根拠にして、それらの見通しに基づいて金融政策をどうしていくかが説明されます。
加えて、最近では次のリセッションに備えたFRBの行動が声明に含まれがちです。現在の市場コンセンサスは「9月に資産規模縮小、12月に年内最後の利上げ」です。この内容からのズレの有無が市場の関心事と言えるでしょう。
ーーー$€¥ーーー
本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。下表は過去の「市場予想通り金融政策変更時(利上げ)」時のデータです。
データは、僅か4回分しかありません。
非常に大きく反応しているとは言え、ちょっと拍子抜けしますね。FRB議長の会見後に動くのです。
以上
2017年9月21日発表
以下は2017年9月23日に追記しています。
V.発表結果検証
すっかりやる気で早寝をしたのに起きられませんでした。今回ほどのイベントは、そうそうないはずなのにがっかりです。
結果と反応を下図に示します。
結果は「市場予想通り現状維持」でした。がしかし、今回のテーマは政策金利ではありません。
今回FOMCのテーマだった点は2点です。
ひとつは、BS縮小開始です。これは10月から行うことが発表されました。
もうひとつは、12月利上げを行うのか、です。これも、今のところ予定通り行う可能性が示されました。
FOMC声明全文はロイターが邦訳を出しているので、そちらを参照ください。
現在、FRBのBS上の資産は4.2兆USDと、日本のGDP並みです。この資産を10月からゆっくり縮小し始めて、2021年には3兆USDに縮小すると見込まれます。「ゆっくり」とは、月最大100億USDのペースで縮小を開始し、いずれ500億USDに引き上げるそうです。今後は、このペース変更がFOMC前の話題となっていくでしょう。
FRB議長は会見で、縮小ペース見直しは景気状況が著しく悪化した場合のみ行い予測可能な形で行うこと、を言及しました。
利上げペースについては、FRBの成長率・インフレ率・失業率の予測と見比べた方が良いでしょう。
声明では、「経済活動が年初から緩やかに拡大」と指摘しており、「委員会は物価の動向を注意深く監視する」旨、述べています。
FRB議長は「今年のインフレ率低下の原因がわからない」と述べた上で、それが「持続的なものか否か見極めることが重要」との認識を示しました。「必要なら金利見通しを変更する用意がある」とのことです。
現在は、FRB当局者16名中11名が金利水準を年末までに1.25-1.50%のレンジにあることが適切との見方を示しています。これは現在の水準より0.25%高いから、今年はあと1回の利上げです。
以上
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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