2017年03月06日
米国雇用指標「ADP民間雇用者数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年3月8日22:15発表結果検証済)
2017年3月8日22:15に米国雇用指標「ADP民間雇用者数」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果です。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
本指標は、米国「雇用統計」を二日後に控え、NFP(非農業部門雇用者数)の直前先行指標としての重要度・注目度が高いものです。
本指標についてはおもしろい話があります。
確か「前月結果に対する増減を無視し、市場予想に対する増減だけに着目します。このとき、ADP発表結果に沿ってポジションを持つと、ほぼ3勝2敗で2日後のNFPの増減方向と一致する」と言われています。そして、「本指標発表後にポジションを取得し、雇用統計直前に解消するポジションの持ち方をADP手法という」のだそうです。ADP手法の勝率は60%付近だそうです。
これらについては、まことしやかに語られていたものの、調査期間や実際にポジションを持って継続的に取引を行ったという記録が見当たりませんでした。当会では真偽を調べたことがないので、責任を負いかねます。が、もし成立するのなら何となく納得できそうな話ですね。
但し、2日に亘ってポジションを持ち続けることになるため、このブログでは扱いません。ポジション保有時間が長くなるリスクの割に期待的中率が低すぎます。
なお、本指標は「ADP雇用統計」「ADP雇用者数」とも言われ、大手給与計算アウトソーシング会社であるADP(Automatic Data Processing)社が公表しています。対象は全米約50万社と言われ、2006年5月から雇用動向を発表しています。
ADP社HP等の原典にあたって調べたことがないため、この項は伝聞情報ばかりで申し訳ありません。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
直近の米国の雇用情勢自体は改善傾向が続いています。にも関わらず、上図からわかるように市場予想はほぼずっと横ばいとなっています。本指標の市場予想は、金融関係のプロや有識者の予想だと言えないレベルだと思いませんか。それでも予想数値に対する発表数値の多寡で反応することが不思議だと思いませんか。
ともあれ、後記する指標一致性分析の結果に依れば、直後1分足・直後11分足の事後差異との方向一致率は、それぞれ75%・83%となっています。こんな予想数字にも関わらず、発表数値の多寡で反応方向がかなり素直になっています。
今回の市場予想は前回(1月分)発表より減少、但し18万人を超えています。2016年は18万人を超えたことが1・2・3・11月の4回なので、今回の市場予想は1月分発表値と比べると大幅減ですが、客観的には良い数字だと言えます。
関連指標を参照してみましょう。
実態指標はまだ2月分の公表が始まっていませんが、1月分のデータは住宅販売が好調だったことを除けば、消費・小売・製造が12月より低調、となっています。ところが、これを打ち消す内容が1月・2月景況感で、製造業・非製造業・消費者のいずれも非常に好調でした。
今回は市場予想を上回るのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
以下は利上げを意識した記述をしていません。過去のデータから過去と同様の反応をすると見込んだ見解です。
直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各5pips・3pipsです。
直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各5pips・4pipsです。
陰線率が88%となっています。
直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各16pips・11pipsです。
事後差異との方向一致率が71%ですから、発表結果の良し悪しに応じて素直な反応をしています。陽線率は71%です。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各5pips・3pipsです。
陽線率は50%です。がしかし、直後1分足との方向一致率が75%と高く、事後差異との方向一率も83%と高くなっています。そして、直後1分足と同じ方向(陽線か陰線か)となる確率は高いものの、方向一致時に直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは67%です。
これなら指標発表後の反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうです。
分析結果の解釈は2-2項に記載済のため、以下はデータのみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年3月8日22:45頃に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
市場予想を大きく上回りました。
次にシナリオについてです。
直前1分足は陰線、直後1分足は陽線、直後11分足は陽線、そして、初期反応後に追いかけてポジションを持って良し、でした。
今回は全て的中です。こんなこともあります。
ADPとは相性が良いらしく、本ブログを始めてこれまでの成績は下表の通りです。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標の要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- まず指標についてです。
今回の市場予想は前回(1月分)発表より減少、但し18万人を超えています。2016年は18万人を超えたことが1・2・3・11月の4回なので、今回の市場予想は1月分発表値と比べると大幅減ですが、客観的には良い数字だと言えます。
関連指標は、実態指標がまだ2月分の公表が始まっていませんが、1月分のデータは住宅販売が好調だったことを除けば、消費・小売・製造が12月より低調、となっています。ところが、これを打ち消す内容が1月・2月景況感で、製造業・非製造業・消費者のいずれも非常に好調でした。
今回は市場予想を上回るのではないでしょうか。 - 2日後に控えた雇用統計で、今回の発表は次週FOMCでの3月利上げが関わっています。先週末のFRB議長発言で、よほど指標が悪化しない限り利上げ、という受け取り方が広まっています。そういう意味でのADPでの分岐点は、15万人強の数字で「微妙」、それ以下だと「悪化」と捉えてよさそうです。
つまり、来週FOMCでの利上げが2日後の雇用統計で見えてきます。雇用統計の前哨戦であるADP民間雇用者数は、その雇用統計発表数字を意識せざるを得ません。だから、今回の発表で意識されるのは、雇用情勢による景気動向でなく、次週の金利改定に向けたポジション保有・解消です。
いつもとは違う反応となる可能性もあるのでご注意ください。大きな相場が近づいているときのプロの突発的な動きは本当に読めないものです。 - シナリオは以下の通りです。
直前1分足の陰線率が88%となっています。過去平均跳幅・値幅は各5pips・4pipsです。 - 直後1分足と事後差異との方向一致率は71%ですから、発表結果の良し悪しに応じて素直な反応します。
直後1分足の陽線率は71%で、過去平均跳幅・値幅は各16pips・11pipsです。 - 直後11分足の陽線率は50%です。がしかし、直後1分足との方向一致率が75%と高く、事後差異との方向一率も83%と高くなっています。そして、直後1分足と同じ方向(陽線か陰線か)となる確率は高いものの、方向一致時に直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは67%です。
これなら指標発表後の反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうです。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
本指標は、米国「雇用統計」を二日後に控え、NFP(非農業部門雇用者数)の直前先行指標としての重要度・注目度が高いものです。
本指標についてはおもしろい話があります。
確か「前月結果に対する増減を無視し、市場予想に対する増減だけに着目します。このとき、ADP発表結果に沿ってポジションを持つと、ほぼ3勝2敗で2日後のNFPの増減方向と一致する」と言われています。そして、「本指標発表後にポジションを取得し、雇用統計直前に解消するポジションの持ち方をADP手法という」のだそうです。ADP手法の勝率は60%付近だそうです。
これらについては、まことしやかに語られていたものの、調査期間や実際にポジションを持って継続的に取引を行ったという記録が見当たりませんでした。当会では真偽を調べたことがないので、責任を負いかねます。が、もし成立するのなら何となく納得できそうな話ですね。
但し、2日に亘ってポジションを持ち続けることになるため、このブログでは扱いません。ポジション保有時間が長くなるリスクの割に期待的中率が低すぎます。
なお、本指標は「ADP雇用統計」「ADP雇用者数」とも言われ、大手給与計算アウトソーシング会社であるADP(Automatic Data Processing)社が公表しています。対象は全米約50万社と言われ、2006年5月から雇用動向を発表しています。
ADP社HP等の原典にあたって調べたことがないため、この項は伝聞情報ばかりで申し訳ありません。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
直近の米国の雇用情勢自体は改善傾向が続いています。にも関わらず、上図からわかるように市場予想はほぼずっと横ばいとなっています。本指標の市場予想は、金融関係のプロや有識者の予想だと言えないレベルだと思いませんか。それでも予想数値に対する発表数値の多寡で反応することが不思議だと思いませんか。
ともあれ、後記する指標一致性分析の結果に依れば、直後1分足・直後11分足の事後差異との方向一致率は、それぞれ75%・83%となっています。こんな予想数字にも関わらず、発表数値の多寡で反応方向がかなり素直になっています。
今回の市場予想は前回(1月分)発表より減少、但し18万人を超えています。2016年は18万人を超えたことが1・2・3・11月の4回なので、今回の市場予想は1月分発表値と比べると大幅減ですが、客観的には良い数字だと言えます。
関連指標を参照してみましょう。
実態指標はまだ2月分の公表が始まっていませんが、1月分のデータは住宅販売が好調だったことを除けば、消費・小売・製造が12月より低調、となっています。ところが、これを打ち消す内容が1月・2月景況感で、製造業・非製造業・消費者のいずれも非常に好調でした。
今回は市場予想を上回るのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
以下は利上げを意識した記述をしていません。過去のデータから過去と同様の反応をすると見込んだ見解です。
直前10-1分足の過去平均跳幅・値幅は各5pips・3pipsです。
直前1分足の過去平均跳幅・値幅は各5pips・4pipsです。
陰線率が88%となっています。
直後1分足の過去平均跳幅・値幅は各16pips・11pipsです。
事後差異との方向一致率が71%ですから、発表結果の良し悪しに応じて素直な反応をしています。陽線率は71%です。
直後11分足の過去平均跳幅・値幅は各5pips・3pipsです。
陽線率は50%です。がしかし、直後1分足との方向一致率が75%と高く、事後差異との方向一率も83%と高くなっています。そして、直後1分足と同じ方向(陽線か陰線か)となる確率は高いものの、方向一致時に直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは67%です。
これなら指標発表後の反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうです。
U. 分析
分析結果の解釈は2-2項に記載済のため、以下はデータのみを示します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017年3月8日22:15発表
以下は2017年3月8日22:45頃に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
- 今回の市場予想は前回(1月分)発表より減少、但し18万人を超えています。2016年は18万人を超えたことが1・2・3・11月の4回なので、今回の市場予想は1月分発表値と比べると大幅減ですが、客観的には良い数字だと言えます。
関連指標は、実態指標がまだ2月分の公表が始まっていませんが、1月分のデータは住宅販売が好調だったことを除けば、消費・小売・製造が12月より低調、となっています。ところが、これを打ち消す内容が1月・2月景況感で、製造業・非製造業・消費者のいずれも非常に好調でした。
今回は市場予想を上回るのではないでしょうか。
市場予想を大きく上回りました。
次にシナリオについてです。
- 直前1分足の陰線率が88%となっています。過去平均跳幅・値幅は各5pips・4pipsです。
- 直後1分足と事後差異との方向一致率は71%ですから、発表結果の良し悪しに応じて素直な反応します。
直後1分足の陽線率は71%で、過去平均跳幅・値幅は各16pips・11pipsです。 - 直後11分足の陽線率は50%です。がしかし、直後1分足との方向一致率が75%と高く、事後差異との方向一率も83%と高くなっています。そして、直後1分足と同じ方向(陽線か陰線か)となる確率は高いものの、方向一致時に直後1分足終値よりも直後11分足終値が伸びていたことは67%です。
これなら指標発表後の反応方向を確認してから追いかけてポジションを取っても良さそうです。
直前1分足は陰線、直後1分足は陽線、直後11分足は陽線、そして、初期反応後に追いかけてポジションを持って良し、でした。
今回は全て的中です。こんなこともあります。
【9. シナリオ検証】
ADPとは相性が良いらしく、本ブログを始めてこれまでの成績は下表の通りです。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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