2017年02月21日
欧州景気指標「独国Ifo景況指数」発表前後のEURJPY反応分析(2017年2月22日発表結果検証済)
2017年2月22日18:00に欧州景気指標「独国Ifo景況指数」が発表されます。今回発表は2017年2月分の集計結果となります。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
但し、本指標での取引は前回(2017年1月25日)、4つのシナリオで4つとも損切になっています。そういうことも珍しいのですが、ご覧になられる前に注記しておきます。なお、今回もまた大きく外すようなことになれば、本指標については分析方法の見直しを検討いたします(連敗で見直し検討、3連敗は分析手法見直し実施)。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。よって、残念ながらポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がご参考となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
Ifo景況感指数は、約7000社の企業を対象に、独経済の現況と今後6カ月の先行きに対してアンケート調査を実施したものです。調査項目は「生産」「在庫」「受注」「価格」「雇用」に分かれており、特に鉱工業生産との関連性が高い内容と言われています。指数は、2000年を100として現況と先行きを加重平均した値になっています。
関連指標には毎月中旬に発表される「ZEW景況感指数」があります。がしかし、本指数の方がサンプル数7000社と多いことや、エコノミストではなく企業担当者が調査対象となっているため、独経済の実態を正確に把握できると言われています。
Ifo経済研究所(Information & Forschung)が当月下旬に発表しています。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想では、前回結果よりも僅かに悪化となっています。
さて、先日発表された2月分ZEW景況感調査では前回より悪化となっていました。がしかし、ZEWはIfoよりも約1か月の先行性があると言われています。ならば1月分ZEWを調べてみると、前回よりも改善となっていました。
そして、直近のPMI速報値では製造業・サービス業ともに2月は改善となっていました。
よって、今回の八票は市場予想を上回る可能性が高い、と考えています。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足に陰線が目立ち、その陰線にはヒゲがあまり目立ちません。陰線側に振れるときには、指標発表直前まで陰線が伸びるものの、そのことが発表直後にどちらに振れるかとは関係ありません。
直後1分足には陽線が目立つように見受けられます。これもヒゲが小さく少ないように見受けられます。少なくとも直後1分足の終値がついてからも、暫くは直後1分足と同じ方向に反応が伸びていることが多いようです。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足終値と直後11分足終値の方向一致率が83%と高いものの、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは半分(50%)しかありません。発表後に反応方向を見切ったら、追いかけてポジションを取得する一方、ポジション解消は早めにした方が良いでしょう。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が81%あります。但し「2-2. 過去反応」で記したように、過去の直前1分足にはヒゲがあまり目立ちません。指標発表直前まで陰線が伸びがちなものの、そのことが発表直後にどちらに振れるかとは関係ありません。直前1分足の陰線率の高さに基づきポジションを取得するならば、指標発表前に解消しておくことを薦めます。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が、それぞれ88%・75%と高いという特徴があります。88%・75%という数字は、欧州指標に限らず高い数字です。発表結果に対してかなり素直に反応する指標のようです。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以下は2017年2月23日に追記しています。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
上図表において「直後10分足」は「直後11分足」の誤記です。申し訳ございません。来月分からは訂正いたします。
なお、報道解説を確認したところ、ブルームバーグに解説記事に興味深い記述がありました。ここで興味がある記事要点は、
というものです(※ もし要点要約に誤りがあれば当方責に帰するもので、それが原記事の信用・信頼を損なうものではありません)。
取引結果は次の通りでした。
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
結果は、前回結果・市場予想を上回りました。
次に、メインシナリオについて、です。
結果は、直後1分足と直後11分足の方向が一致し、直後11分足終値は直後1分足終値を超えて伸びました。
方向一致はさておき、反応が同方向に伸びたことは結果論です。当日のトレンドをいつも正しく読み切れるならさておき、過去の傾向から「ポジションを早めに解消すべき」という点は、次回も修正の必要がないと考えています。
そして、補足シナリオについては、次の通りでした。
まず、直前1分足は陰線となりました。そして、指標発表後には反応方向が反転しています。
次に、発表結果は前回結果・市場予想を上回っていたので、事後差異はプラスです。そして直後1分足・直後11分足は陽線で反応し、事後差異と方向一致しています。
つまるところ、指標分析や反応分析の精度は、損益で判断するしかありません。
がしかし、本指標については巻頭に挙げたように、本ブログを始めからの成績がよくありません。幸い、今回は指標取引全体としては利益が確保できました。
全体としては利益が確保できたものの、反省点はあります。
シナリオ1は分析通りに陰線で反応したにも関わらず、損切となってしまいました。これはポジションの取得か解消のタイミングが悪かった、ということです。
研究ももっと必要ですが、実際のチャートを見ながらうまくタイミングを図る訓練がまだまだ必要、ということですね。
それにしてもZEW・PMI・Ifoと欧州景気指標への反応は、練習には良いもののやはり小さいようです。
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標要点は下表に整理しておきました。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
但し、本指標での取引は前回(2017年1月25日)、4つのシナリオで4つとも損切になっています。そういうことも珍しいのですが、ご覧になられる前に注記しておきます。なお、今回もまた大きく外すようなことになれば、本指標については分析方法の見直しを検討いたします(連敗で見直し検討、3連敗は分析手法見直し実施)。
- 市場予想では、前回結果よりも僅かに悪化となっています。
先日発表された2月分ZEW景況感調査では前回より悪化となっていました。がしかし、ZEWはIfoよりも約1か月の先行性があると言われています。そして1月分ZEWは前回よりも改善となっていました。また、直近のPMI速報値では製造業・サービス業ともに2月は改善となっていました。
よって、今回の発表では市場予想を上回る可能性が高い、と考えています。 - 反応性分析の結果、直後1分足終値と直後11分足終値の方向一致率が83%と高いものの、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは、その半分(50%)しかありません。発表後に反応方向を見切ったら、追いかけてポジションを取得する一方、ポジション解消は早めにした方が良いでしょう。
- 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が81%あります。但し、過去の直前1分足にはヒゲが目立ちません。指標発表直前まで陰線が伸びがちなものの、そのことが発表直後にどちらに振れるかとは関係ありません。指標発表前までにはポジションを解消しておいた方が良いでしょう。
- 事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が、それぞれ88%・75%と高いという特徴があります。88%・75%という数字は、欧州指標に限らず高い数字です。発表結果に対して素直に反応する指標です。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。詳細は「1. FXは上達するのか」をご参照ください。
がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。よって、残念ながらポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がご参考となれば幸いです。
以下、「T.調査」「U.分析」を事前投稿し、「V.結果」「W.検証」を事後投稿しています。事後投稿日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
T.調査
【1. 指標概要】
Ifo景況感指数は、約7000社の企業を対象に、独経済の現況と今後6カ月の先行きに対してアンケート調査を実施したものです。調査項目は「生産」「在庫」「受注」「価格」「雇用」に分かれており、特に鉱工業生産との関連性が高い内容と言われています。指数は、2000年を100として現況と先行きを加重平均した値になっています。
関連指標には毎月中旬に発表される「ZEW景況感指数」があります。がしかし、本指数の方がサンプル数7000社と多いことや、エコノミストではなく企業担当者が調査対象となっているため、独経済の実態を正確に把握できると言われています。
Ifo経済研究所(Information & Forschung)が当月下旬に発表しています。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
市場予想では、前回結果よりも僅かに悪化となっています。
さて、先日発表された2月分ZEW景況感調査では前回より悪化となっていました。がしかし、ZEWはIfoよりも約1か月の先行性があると言われています。ならば1月分ZEWを調べてみると、前回よりも改善となっていました。
そして、直近のPMI速報値では製造業・サービス業ともに2月は改善となっていました。
よって、今回の八票は市場予想を上回る可能性が高い、と考えています。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
直前1分足に陰線が目立ち、その陰線にはヒゲがあまり目立ちません。陰線側に振れるときには、指標発表直前まで陰線が伸びるものの、そのことが発表直後にどちらに振れるかとは関係ありません。
直後1分足には陽線が目立つように見受けられます。これもヒゲが小さく少ないように見受けられます。少なくとも直後1分足の終値がついてからも、暫くは直後1分足と同じ方向に反応が伸びていることが多いようです。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足終値と直後11分足終値の方向一致率が83%と高いものの、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは半分(50%)しかありません。発表後に反応方向を見切ったら、追いかけてポジションを取得する一方、ポジション解消は早めにした方が良いでしょう。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足の陰線率が81%あります。但し「2-2. 過去反応」で記したように、過去の直前1分足にはヒゲがあまり目立ちません。指標発表直前まで陰線が伸びがちなものの、そのことが発表直後にどちらに振れるかとは関係ありません。直前1分足の陰線率の高さに基づきポジションを取得するならば、指標発表前に解消しておくことを薦めます。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が、それぞれ88%・75%と高いという特徴があります。88%・75%という数字は、欧州指標に限らず高い数字です。発表結果に対してかなり素直に反応する指標のようです。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
2017.2/22.18:00発表
以下は2017年2月23日に追記しています。
V. 結果
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
上図表において「直後10分足」は「直後11分足」の誤記です。申し訳ございません。来月分からは訂正いたします。
なお、報道解説を確認したところ、ブルームバーグに解説記事に興味深い記述がありました。ここで興味がある記事要点は、
- 2016年に5年ぶり高成長を遂げた独経済は今年も欧州圏を牽引するとみられること、
- 論拠とする独連銀月報は「極めて堅調な受注を考慮すると、力強い経済の勢いが見込まれ、これが輸出にも反映されるだろう」と分析されているとのこと、
- その結果「2017年1-3月期も成長が強まるとの見通し」を示している、
というものです(※ もし要点要約に誤りがあれば当方責に帰するもので、それが原記事の信用・信頼を損なうものではありません)。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前調査分析内容を、以下に検証します
まず、指標に関しては次のように捉えていました。
- 市場予想では、前回結果よりも僅かに悪化となっています。
先日発表された2月分ZEW景況感調査では前回より悪化となっていました。がしかし、ZEWはIfoよりも約1か月の先行性があると言われています。そして1月分ZEWは前回よりも改善となっていました。また、直近のPMI速報値では製造業・サービス業ともに2月は改善となっていました。
よって、今回の発表では市場予想を上回る可能性が高い、と考えています。
結果は、前回結果・市場予想を上回りました。
次に、メインシナリオについて、です。
- 反応性分析の結果、直後1分足終値と直後11分足終値の方向一致率が83%と高いものの、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びていたことは、その半分(50%)しかありません。発表後に反応方向を見切ったら、追いかけてポジションを取得する一方、ポジション解消は早めにした方が良いでしょう。
結果は、直後1分足と直後11分足の方向が一致し、直後11分足終値は直後1分足終値を超えて伸びました。
方向一致はさておき、反応が同方向に伸びたことは結果論です。当日のトレンドをいつも正しく読み切れるならさておき、過去の傾向から「ポジションを早めに解消すべき」という点は、次回も修正の必要がないと考えています。
そして、補足シナリオについては、次の通りでした。
- 反応一致性分析の結果、直前1分足の陰線率が81%あります。但し、過去の直前1分足にはヒゲが目立ちません。指標発表直前まで陰線が伸びがちなものの、そのことが発表直後にどちらに振れるかとは関係ありません。指標発表前までにはポジションを解消しておいた方が良いでしょう。
- 事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率が、それぞれ88%・75%と高いという特徴があります。88%・75%という数字は、欧州指標に限らず高い数字です。発表結果に対して素直に反応する指標です。
まず、直前1分足は陰線となりました。そして、指標発表後には反応方向が反転しています。
次に、発表結果は前回結果・市場予想を上回っていたので、事後差異はプラスです。そして直後1分足・直後11分足は陽線で反応し、事後差異と方向一致しています。
【9. シナリオ検証】
つまるところ、指標分析や反応分析の精度は、損益で判断するしかありません。
がしかし、本指標については巻頭に挙げたように、本ブログを始めからの成績がよくありません。幸い、今回は指標取引全体としては利益が確保できました。
全体としては利益が確保できたものの、反省点はあります。
シナリオ1は分析通りに陰線で反応したにも関わらず、損切となってしまいました。これはポジションの取得か解消のタイミングが悪かった、ということです。
研究ももっと必要ですが、実際のチャートを見ながらうまくタイミングを図る訓練がまだまだ必要、ということですね。
それにしてもZEW・PMI・Ifoと欧州景気指標への反応は、練習には良いもののやはり小さいようです。
以上
もしこの記事が何か参考になったなら、どれか広告バナーをクリックして提携先に興味をお持ち頂けると幸いです。提携先はいずれも良心的なところを選んだつもりです。安心してください。
ーーー以下は広告ですーーー
ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/5972088
この記事へのトラックバック