2017年02月20日
欧州景気指標「独国PMI速報値」発表前後のEURJPY反応分析(2017年2月21日17:30発表結果検証済)
2017年2月21日17:30に欧州景気指標「独国PMI速報値」が公表されます。今回公表される議事録は2017年2月分の集計結果です。
本指標要点を整理しておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。事前に「T.調査」「U.分析」を投稿し、「V.結果」「W.検証」は事後投稿しています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がご参考となれば幸いです。
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、それだけの先行性があると考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業の仕入れも機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この「製造業景況感はサービス業景況感よりも先行性がある」という言い伝えは、日本や独国には当てはまりません。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、今では輸出大国の日本や独国の製造業は国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年12月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
まず、図から明らかに「製造業景況感はサービス業景況感よりも先行性がある」とは言えません。
2月分集計結果が発表されている指標はまだほとんどないものの、先月1月分集計データならば結構あります。景況感に関しては、
となっています。
そして物価指数は、
となっています。
物価指標で見る限り、製造業が好調な半面、サービス業は不調な様子が伺えます。景気指標で見る限り、大きな調査となるほど、全般的にピークアウトしつつあるのではないでしょうか。
ところが、おかしなことに今回の市場予想では、製造業PMIが前回より悪化、サービス業PMIが前回より改善となっています。今回も市場予想は外れて、製造業が上振れ・サービス業が下振れ、となるのではないでしょうか。
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
前回の反応は小さかったようです。
過去の集計データに依れば、直後1分足値幅と直後11分足値幅の方向一致率は58%(ともに陽線もしくはともに陰線だったことが2回に1回しかない)、そのとき後者が前者よりも大きな値幅となった事例は79%となっています。直後1分足の反応方向を見てから追いかけてポジションを持つならば、10pipsも逆方向に動いたら損切することを薦めます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足と直後1分足の方向一致率が70%となっています。また、どちらかと言えば、直後1分足は陽線率が高い(63%)となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、取引に有益な偏りは見出せませんでした。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
但し、2つのシナリオはいずれも期待的中率75%には達していません。取引するなら、練習と割り切って損切をしっかりやり、ポジションは短期保有に留めましょう。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
取引結果は次の通りでした。
事前分析では、直近の他の景況感指標や物価指標を見る限り、今回の市場予想である製造業が前回より悪化・サービス業が前回より改善、には違和感がありました。そして、それぞれ逆になるのではないかという予想を記していました。
結果は、製造業・サービス業ともに前回結果・市場予想を上回りました。
また、反応性分析では、直後1分足値幅と直後11分足値幅の方向一致率が58%(ともに陽線もしくはともに陰線だったことが2回に1回しかない)、そのとき後者が前者よりも大きな値幅となった事例は79%となっていました。
結果は、直後1分足・直後11分足ともに陽線となり、後者の値幅が前者の値幅よりも伸びました。
そして、反応一致性分析の結果、直前1分足と直後1分足の方向一致率が70%となっていました。また、どちらかと言えば、直後1分足は陽線率が高い(63%)となっていました。
結果は、直前1分足・直後1分足ともに陽線となり、分析通りでした。
シナリオ1は、間違えて売ポジションを取ってしまいました。その結果、分析通りの反応だったにも関わらず損切となってしまいました。
シナリオ2は、その間違いに気づいておらず、続けて売ポジションを取るべき値動きではなかったため、取引を中止しました。
また、シナリオ外取引として、直前10-1分足に当たる時期に売ポジションを持ち利確できていたため、全体としてはプラスにすることができました。
週次の成績集計にはシナリオ外取引も集計されますが、本指標の集計表ではシナリオ1のマイナスのみが記録されます。
しかし、分析を当てておいてポジションの売買方向を間違えるというのは最低でした。しかも分析通りだったにも関わらず。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
本指標要点を整理しておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 直近の他の景況感指標や物価指標を見る限り、今回の市場予想である製造業が前回より悪化・サービス業が前回より改善、には違和感があります。それぞれ逆になるのではないでしょうか。
- 反応性分析の結果、直後1分足値幅と直後11分足値幅の方向一致率は58%(ともに陽線もしくはともに陰線だったことが2回に1回しかない)、そのとき後者が前者よりも大きな値幅となった事例は79%となっています。直後1分足の反応方向を見てから追いかけてポジションを持つならば、10pipsも逆方向に動いたら損切することを薦めます。
- 反応一致性分析の結果、直前1分足と直後1分足の方向一致率が70%となっています。また、どちらかと言えば、直後1分足は陽線率が高い(63%)となっています。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。事前に「T.調査」「U.分析」を投稿し、「V.結果」「W.検証」は事後投稿しています。事後投稿の日時は「V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がご参考となれば幸いです。
T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、それだけの先行性があると考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業の仕入れも機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この「製造業景況感はサービス業景況感よりも先行性がある」という言い伝えは、日本や独国には当てはまりません。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、今では輸出大国の日本や独国の製造業は国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
【2. 既出情報】
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年12月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
まず、図から明らかに「製造業景況感はサービス業景況感よりも先行性がある」とは言えません。
2月分集計結果が発表されている指標はまだほとんどないものの、先月1月分集計データならば結構あります。景況感に関しては、
- GFK消費者信頼感調査は、前回結果・市場予想を上回った
- ZEW景況感指数は、前回結果を上待ったものの市場予想を下回った
- IFO景況感は、前回結果・市場予想を下回った
となっています。
そして物価指数は、
- PPIは前回結果・市場予想よりも上昇
- CPI(速報値)が前回結果・市場予想よりも下降
となっています。
物価指標で見る限り、製造業が好調な半面、サービス業は不調な様子が伺えます。景気指標で見る限り、大きな調査となるほど、全般的にピークアウトしつつあるのではないでしょうか。
ところが、おかしなことに今回の市場予想では、製造業PMIが前回より悪化、サービス業PMIが前回より改善となっています。今回も市場予想は外れて、製造業が上振れ・サービス業が下振れ、となるのではないでしょうか。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
U. 分析
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
前回の反応は小さかったようです。
過去の集計データに依れば、直後1分足値幅と直後11分足値幅の方向一致率は58%(ともに陽線もしくはともに陰線だったことが2回に1回しかない)、そのとき後者が前者よりも大きな値幅となった事例は79%となっています。直後1分足の反応方向を見てから追いかけてポジションを持つならば、10pipsも逆方向に動いたら損切することを薦めます。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直前1分足と直後1分足の方向一致率が70%となっています。また、どちらかと言えば、直後1分足は陽線率が高い(63%)となっています。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、取引に有益な偏りは見出せませんでした。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
但し、2つのシナリオはいずれも期待的中率75%には達していません。取引するなら、練習と割り切って損切をしっかりやり、ポジションは短期保有に留めましょう。
V. 結果
2017.2/21.17:30発表
2017年2月21日追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前分析では、直近の他の景況感指標や物価指標を見る限り、今回の市場予想である製造業が前回より悪化・サービス業が前回より改善、には違和感がありました。そして、それぞれ逆になるのではないかという予想を記していました。
結果は、製造業・サービス業ともに前回結果・市場予想を上回りました。
また、反応性分析では、直後1分足値幅と直後11分足値幅の方向一致率が58%(ともに陽線もしくはともに陰線だったことが2回に1回しかない)、そのとき後者が前者よりも大きな値幅となった事例は79%となっていました。
結果は、直後1分足・直後11分足ともに陽線となり、後者の値幅が前者の値幅よりも伸びました。
そして、反応一致性分析の結果、直前1分足と直後1分足の方向一致率が70%となっていました。また、どちらかと言えば、直後1分足は陽線率が高い(63%)となっていました。
結果は、直前1分足・直後1分足ともに陽線となり、分析通りでした。
【9. シナリオ検証】
シナリオ1は、間違えて売ポジションを取ってしまいました。その結果、分析通りの反応だったにも関わらず損切となってしまいました。
シナリオ2は、その間違いに気づいておらず、続けて売ポジションを取るべき値動きではなかったため、取引を中止しました。
また、シナリオ外取引として、直前10-1分足に当たる時期に売ポジションを持ち利確できていたため、全体としてはプラスにすることができました。
週次の成績集計にはシナリオ外取引も集計されますが、本指標の集計表ではシナリオ1のマイナスのみが記録されます。
しかし、分析を当てておいてポジションの売買方向を間違えるというのは最低でした。しかも分析通りだったにも関わらず。
以上
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以上
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