2017年01月26日
2017.01/27.00:00ー米国実態指標「新築住宅販売件数」調査・分析(結果検証済)
2017.01/27.00:00に、米国実態指標「新築住宅販売件数」の発表が予定されています。今回は2016年12月分の発表となります。
最近の発表結果とその反応を下記の調査・分析に基づき検討した結果、以下のシナリオで臨みます。
※ 発表後、本記事巻末に結果及び検証を追記します。
米国では新築住宅よりも中古住宅の流通量が大きく、そのため住宅関連指標では本指標が注目されます。また、住宅販売件数は消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されています。
集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。従って、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行します。発表日の関係から、その逆と誤解している向きもあるのでご注意を。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがある点も注意が必要です。
本指標は米国商務省が翌月月末頃に発表します。
数値は季節調整済・年率換算されています。
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査・分析は、2015年1月分から前回2016年11月分までの23回のデータを集計したものです。
2015年12月は、利上げが行われたという点で、今回とほぼ同じ状況だったと言えます。このときも、前回(2015年11月)とほぼ同じ市場予想でしたが、結果は市場予想を上回りました。
本指標の過去の動きを下図に示します。
過去の直前10-1分足・同1分足・直後1分足・直後10分足を下図に示します。
注目すべき点に、例えば直前1分足をご覧ください。2015年と2016年で反応方向が逆になっています。いずれIMMポジションと照らして、この意味を考察してみましょう。
以上の各タイミングでのローソク足の跳幅・値幅を下表に纏めておきました。
この表で直後1分足の跳幅平均は9pipsあります。ところが下表の通り、実際には9pips以上の跳幅になった回数は43%しかありません。FX会社のHP等で重要度・注目度が高く評価されている割には反応しない指標です。
対比分析は割愛します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と10分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)がわかります。
直後1分足値幅と直後10分足の跳幅・値幅の差が、それぞれ7pips・0pipsとなっていました。1分足と10分足の方向一致率は59%で、10分足で1分足と同じ方向にローソク足が伸びた率も46%しかありません。指標発表後に1分足の方向を確認してからポジションを持つのは避けた方が良いようです。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
期待的中率75%には達しませんでしたが、直後1分足の陽線率が73%あります。
同様に、期待的中率75%には達しませんでしたが、直前1分足と直後1分足の方向一致率が71%あります。
指標一致性分析は、指標方向と反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。指標方向とは、市場予想から前回結果を引いた事前差異と、発表結果から市場予想と前回結果を引いた事後差異と、を表します。これらの値がプラスのとき反応がプラス(陽線)となっていれば「方向が一致している」と見なします。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
事後差異と直後1分足の方向一致率が82%あります。
2015年12月は、利上げが行われたという点で、今回とほぼ同じ状況だったと言えます。このときも、前回(2015年11月)とほぼ同じ市場予想でしたが、結果は市場予想を上回りました。今回の市場予想は先月発表より微減となっていますが、ほぼ横ばいという点で同じです。ついては、今回は市場予想を上回ると見込んでおきましょう。
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は前回結果・市場予想よりも悪化し、直後1分足の反応は素直に「↓」となりました。がしかし、直後10分足の反応は逆に「↑」となり、事前分析(反応性分析)に反する結果でした。
取引結果は次の通りでした。
シナリオとしては間違っていましたが、幸いにも利確が早かったので逆跳幅を捉えてプラスにできました。
特に、事前調査・分析内容で見直すべき点はありません。分析通りにならないときには、反応が小さいものです。
今回は損切となりましたが、問題はありません。
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本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
最近の発表結果とその反応を下記の調査・分析に基づき検討した結果、以下のシナリオで臨みます。
※ 発表後、本記事巻末に結果及び検証を追記します。
T.調査分析
【1. 指標概要】
米国では新築住宅よりも中古住宅の流通量が大きく、そのため住宅関連指標では本指標が注目されます。また、住宅販売件数は消費やリフォームなどの関連需要にも繋がるため波及効果も大きい上、消費者個人の収入・金利の見通しが反映されています。
集計は、一戸建に加えて、コンドミニアムと共同住宅を含めた数字も発表されます。但し、この件数には土地付きの新築住宅販売が対象で、既に保有する土地へ住宅を新築したものは含まれません。その理由はわかりません。
注意すべき点は、中古住宅販売件数は所有権移転完了ベースであるのに対して、新築住宅販売件数が契約書署名ベースで集計されています。従って、本指標は中古住宅販売件数に対し1〜2か月先行します。発表日の関係から、その逆と誤解している向きもあるのでご注意を。
また、以前の発表数値が大きく修正されることがある点も注意が必要です。
本指標は米国商務省が翌月月末頃に発表します。
数値は季節調整済・年率換算されています。
【2. 既出情報】
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査・分析は、2015年1月分から前回2016年11月分までの23回のデータを集計したものです。
2015年12月は、利上げが行われたという点で、今回とほぼ同じ状況だったと言えます。このときも、前回(2015年11月)とほぼ同じ市場予想でしたが、結果は市場予想を上回りました。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・同1分足・直後1分足・直後10分足を下図に示します。
注目すべき点に、例えば直前1分足をご覧ください。2015年と2016年で反応方向が逆になっています。いずれIMMポジションと照らして、この意味を考察してみましょう。
以上の各タイミングでのローソク足の跳幅・値幅を下表に纏めておきました。
この表で直後1分足の跳幅平均は9pipsあります。ところが下表の通り、実際には9pips以上の跳幅になった回数は43%しかありません。FX会社のHP等で重要度・注目度が高く評価されている割には反応しない指標です。
(2-3. 関連指標)
対比分析は割愛します。
【3. 反応性分析】
反応性分析では、過去発表直後の1分足と10分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。また逆に、過去の反応の大きさがわかっていれば、ポジションを持ったときに含損がどの程度になれば損切すれば良いか(もう挽回できそうにないか)がわかります。
直後1分足値幅と直後10分足の跳幅・値幅の差が、それぞれ7pips・0pipsとなっていました。1分足と10分足の方向一致率は59%で、10分足で1分足と同じ方向にローソク足が伸びた率も46%しかありません。指標発表後に1分足の方向を確認してからポジションを持つのは避けた方が良いようです。
【4. 反応一致性分析】
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
期待的中率75%には達しませんでしたが、直後1分足の陽線率が73%あります。
同様に、期待的中率75%には達しませんでしたが、直前1分足と直後1分足の方向一致率が71%あります。
【5. 指標一致性分析】
指標一致性分析は、指標方向と反応方向に特徴的な偏りがないかを調べ、ポジションが安全に取れそうな傾向がないかを分析します。指標方向とは、市場予想から前回結果を引いた事前差異と、発表結果から市場予想と前回結果を引いた事後差異と、を表します。これらの値がプラスのとき反応がプラス(陽線)となっていれば「方向が一致している」と見なします。
本分析では、過去の指標の発表結果の方向(良否)に特徴的な偏りがないかを調べる指標検証と、発表前後に指標発表の方向とローソク足の向きとの一致に偏りがないかを調べる一致性検証と、を行っています。
事後差異と直後1分足の方向一致率が82%あります。
2015年12月は、利上げが行われたという点で、今回とほぼ同じ状況だったと言えます。このときも、前回(2015年11月)とほぼ同じ市場予想でしたが、結果は市場予想を上回りました。今回の市場予想は先月発表より微減となっていますが、ほぼ横ばいという点で同じです。ついては、今回は市場予想を上回ると見込んでおきましょう。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
以上
U.結果検証
2017.01/27.00:00発表
追記:2017.01/27.06:37
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
発表結果は前回結果・市場予想よりも悪化し、直後1分足の反応は素直に「↓」となりました。がしかし、直後10分足の反応は逆に「↑」となり、事前分析(反応性分析)に反する結果でした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
シナリオとしては間違っていましたが、幸いにも利確が早かったので逆跳幅を捉えてプラスにできました。
【8. 調査分析検証】
特に、事前調査・分析内容で見直すべき点はありません。分析通りにならないときには、反応が小さいものです。
【9. シナリオ検証】
今回は損切となりましたが、問題はありません。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上
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