2018年09月06日
9月7日指標(事後検証済)
明日は21:30に8月集計分米国雇用統計の発表があります。
以下に用いている図表は、リンク先詳細分析記事よりも最新結果を反映(2018年8月発表までを反映)しています。詳細分析記事と数値が異なるのはそのためです。
市場予想は、NFP増減が19.1万人(前回15.7万人)、失業率は3.8%(前回3.9%)、平均時給は0.3%(前回0.3%)で、事前差異は+1.9です。
最近の反応は小さいので、大きく反応する指標だと思っていると、利確の機会を逸しかねません。そこに気を付けた方が良いでしょう。もし今回は久しぶりに大きく反応したのに早めの利確で損をした、と思う方とは気が合わないのかも知れません。残念です。
直後1分足と直後11分足の2015年以降毎年の最新平均pips(前月までを反映)を下図に示します。
前述の通り、本指標は以前のように大きく反応する指標ではなくなっていることがわかります。
本指標の反応程度をイメージできたら、次は反応方向への興味に応えたいところですが、本指標では慎重に「わからない」が結論です。
NFPの先行指標であるADP雇用統計やISM製造業雇用指数やISM非製造業雇用指数の結果がどうあれ、本指標発表直後にどちらに反応するかはわかりません。各先行指標の良し悪しと本指標発表直後の良し悪しとは、一致率があまり高くありません。
ここで、本指標結果の良し悪しとは、1✕NFP増減[万人]の事後差異−10✕失業率[%]の事後差異+30✕平均時給の事後差異[%]、という判別式を用いて判定します。事後差異とは、発表結果ー市場予想、のことです。
この判別式の解がプラス(マイナス)のとき、直後1分足が陽線(陰線)だったことは、過去86%に達します。この判別式があってこそ、本指標は指標発表直後の反応が非常に素直だと言えます。
先述の先行指標は、この判別式においてNFP増減に関してしか先行示唆していません。だから、各先行指標の発表結果の良し悪しは、本指標発表直後の反応方向を予想する手段たり得ない訳です。
この判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。
図から、判別式の解の正負・程度と直後1分足の正負・程度が、全体として眺めるとだいたい比例していたことがわかります。がしかし、個別のドットは回帰線(青線)の上下に結構ばらついています。
このことから、判別式は毎月の取引の目安を与えても、毎月の取引で勝ち負けの頼りにはなりません。何回・何10回の取引で回帰線を目安に利確/損切のポイントを決め続けれていなければ、その効果が実感できない訳です。
次に、直後1分足終値(横軸)から10分後(縦軸)に同じ方向に反応を伸ばしていたかを下図に示します。
図から、指標発表から1分後に対し、その10分後の反応がほとんど伸びていないことがわかります。回帰線(赤線)の係数は1.02ですから、過去を平均すると、直後1分足終値に対し直後11分足終値は2%しか反応を伸ばしていなかった訳です。
もしも、指標発表前後にポジションをオーダーして、それが当たったとしても、指標発表直後の1分を過ぎると、その後の10分で反応を伸ばさないのです。ポジションを持ち続けるなら、我慢強さが少なくとも10分以上もたないと、過去の平均値で考える限り意味ありません。もしもそのポジションが含損を抱えていたら、値を戻すことを期待しても、それは淡い期待です。我慢強さも、含益を持っているときの何倍も必要になるでしょう。
狙いは1点です。
指標発表時点から見ると、直後1分足と直後11分足の方向が一致していたことは、過去91%にも達しています。その91%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を超えて直後11分足跳幅が反応を伸ばしていたことは77%です。本指標は、初期反応方向に伸び続けることが、指標発表から1分を過ぎても4回に3回は続きます。よって、指標発表から1分以内に追撃を開始し、1分を過ぎたら利確の機会を窺いましょう。
例え、直後1分足と直後11分足の方向一致率が91%あっても、その91%のうち直後1分足終値を超えて直後11分足終値が同じ方向に伸びていたことは51%です。ここだと思ったときに利確しないと、ずーと反応が伸びるのを待っていなければいけない訳です。ずーと待っていても、反応が伸びるとは限りません。
雇用統計発表の直近前後にポジションをわざわざ持つのに、そのポジションを長持ちするということは、雇用統計の結果がその後のトレンドに影響を与え続ける、と見なしていることになります。
けれども、これまでのFRB幹部発言によれば、既に現在の雇用情勢に満足しているのです。ポジション長持ちは、そういう状況も踏まえた中長期の相場観に基づくものであるべきです。それなら、雇用統計の直前直後に危ない橋を渡ってポジションを持つ意味なんてありません。
一部のプロが指標発表前後の取引を嫌うことには、きちんと一貫した考えがあってのことなのです。そういう助言をしてくれるプロはさすがです。
でも、プロじゃなくて趣味で雇用統計を愉しむのです。疲れた週末に時間をわざわざ充てるのは、だらだらと変化するチャートを愉しめないから、それが短時間に圧縮された期間に集中し、その集中期間のために十分な予習をだらだらやっておくのです。
これが「瞬間最大IQで賢いヤツに勝つ」という戦略です。FXで学んだことじゃないけれど。
以下は9月9日07時頃に追記しています。
事前分析結果を検証しておきます。
発表結果は改善で、反応は素直に陽線でした。
指標発表前は、事前差異判別式の解がプラスだったにも関わらず陰線でした。ISM製造業雇用指数とISM非製造業雇用指数は改善だったものの、ADP雇用統計が前月より悪化していたことが影響したのかも知れません。
指標発表後は、発表から3分過ぎまで反応を伸ばしてその後は分析対象期間の10分後ぐらいまで戻して、ほぼ過去の傾向通りの動きとなりました。
指標結果について、このブログでは注視していない平均時給前年比が+2.9%と、2009年6月以来の高水準となりました。
事前分析の判定は、直前10-1分足が事前差異がプラスだったのに陰線となり●です。
指標発表直後追撃は、指標発表から1分以内のどの時点でロングをオーダーしても、発表から5分過ぎまでになら利確できました。よって、判定は〇です。
直後1分足終値は110.98円で、発表から3分後は111.02円、5分後は110.98円、11分後は110.92円でした。
取引結果を纏めておきます。
久しぶりの事前分析を示した上での取引でしたが、過去のパターンに照らした取引は有効です。
過去成績を挙げておきます。
次回本指標発表は10月5日です。
以下に用いている図表は、リンク先詳細分析記事よりも最新結果を反映(2018年8月発表までを反映)しています。詳細分析記事と数値が異なるのはそのためです。
ーーー$€¥£A$ーーー
市場予想は、NFP増減が19.1万人(前回15.7万人)、失業率は3.8%(前回3.9%)、平均時給は0.3%(前回0.3%)で、事前差異は+1.9です。
最近の反応は小さいので、大きく反応する指標だと思っていると、利確の機会を逸しかねません。そこに気を付けた方が良いでしょう。もし今回は久しぶりに大きく反応したのに早めの利確で損をした、と思う方とは気が合わないのかも知れません。残念です。
直後1分足と直後11分足の2015年以降毎年の最新平均pips(前月までを反映)を下図に示します。
前述の通り、本指標は以前のように大きく反応する指標ではなくなっていることがわかります。
本指標の反応程度をイメージできたら、次は反応方向への興味に応えたいところですが、本指標では慎重に「わからない」が結論です。
NFPの先行指標であるADP雇用統計やISM製造業雇用指数やISM非製造業雇用指数の結果がどうあれ、本指標発表直後にどちらに反応するかはわかりません。各先行指標の良し悪しと本指標発表直後の良し悪しとは、一致率があまり高くありません。
ここで、本指標結果の良し悪しとは、1✕NFP増減[万人]の事後差異−10✕失業率[%]の事後差異+30✕平均時給の事後差異[%]、という判別式を用いて判定します。事後差異とは、発表結果ー市場予想、のことです。
この判別式の解がプラス(マイナス)のとき、直後1分足が陽線(陰線)だったことは、過去86%に達します。この判別式があってこそ、本指標は指標発表直後の反応が非常に素直だと言えます。
先述の先行指標は、この判別式においてNFP増減に関してしか先行示唆していません。だから、各先行指標の発表結果の良し悪しは、本指標発表直後の反応方向を予想する手段たり得ない訳です。
この判別式の解(横軸)と直後1分足終値(縦軸)の関係を下図に示します。
図から、判別式の解の正負・程度と直後1分足の正負・程度が、全体として眺めるとだいたい比例していたことがわかります。がしかし、個別のドットは回帰線(青線)の上下に結構ばらついています。
このことから、判別式は毎月の取引の目安を与えても、毎月の取引で勝ち負けの頼りにはなりません。何回・何10回の取引で回帰線を目安に利確/損切のポイントを決め続けれていなければ、その効果が実感できない訳です。
次に、直後1分足終値(横軸)から10分後(縦軸)に同じ方向に反応を伸ばしていたかを下図に示します。
図から、指標発表から1分後に対し、その10分後の反応がほとんど伸びていないことがわかります。回帰線(赤線)の係数は1.02ですから、過去を平均すると、直後1分足終値に対し直後11分足終値は2%しか反応を伸ばしていなかった訳です。
もしも、指標発表前後にポジションをオーダーして、それが当たったとしても、指標発表直後の1分を過ぎると、その後の10分で反応を伸ばさないのです。ポジションを持ち続けるなら、我慢強さが少なくとも10分以上もたないと、過去の平均値で考える限り意味ありません。もしもそのポジションが含損を抱えていたら、値を戻すことを期待しても、それは淡い期待です。我慢強さも、含益を持っているときの何倍も必要になるでしょう。
狙いは1点です。
指標発表時点から見ると、直後1分足と直後11分足の方向が一致していたことは、過去91%にも達しています。その91%の方向一致時だけに注目すると、直後1分足跳幅を超えて直後11分足跳幅が反応を伸ばしていたことは77%です。本指標は、初期反応方向に伸び続けることが、指標発表から1分を過ぎても4回に3回は続きます。よって、指標発表から1分以内に追撃を開始し、1分を過ぎたら利確の機会を窺いましょう。
例え、直後1分足と直後11分足の方向一致率が91%あっても、その91%のうち直後1分足終値を超えて直後11分足終値が同じ方向に伸びていたことは51%です。ここだと思ったときに利確しないと、ずーと反応が伸びるのを待っていなければいけない訳です。ずーと待っていても、反応が伸びるとは限りません。
雇用統計発表の直近前後にポジションをわざわざ持つのに、そのポジションを長持ちするということは、雇用統計の結果がその後のトレンドに影響を与え続ける、と見なしていることになります。
けれども、これまでのFRB幹部発言によれば、既に現在の雇用情勢に満足しているのです。ポジション長持ちは、そういう状況も踏まえた中長期の相場観に基づくものであるべきです。それなら、雇用統計の直前直後に危ない橋を渡ってポジションを持つ意味なんてありません。
一部のプロが指標発表前後の取引を嫌うことには、きちんと一貫した考えがあってのことなのです。そういう助言をしてくれるプロはさすがです。
でも、プロじゃなくて趣味で雇用統計を愉しむのです。疲れた週末に時間をわざわざ充てるのは、だらだらと変化するチャートを愉しめないから、それが短時間に圧縮された期間に集中し、その集中期間のために十分な予習をだらだらやっておくのです。
これが「瞬間最大IQで賢いヤツに勝つ」という戦略です。FXで学んだことじゃないけれど。
以上
ーーー$€¥£A$ーーー
以下は9月9日07時頃に追記しています。
【事後検証】
事前分析結果を検証しておきます。
発表結果は改善で、反応は素直に陽線でした。
指標発表前は、事前差異判別式の解がプラスだったにも関わらず陰線でした。ISM製造業雇用指数とISM非製造業雇用指数は改善だったものの、ADP雇用統計が前月より悪化していたことが影響したのかも知れません。
指標発表後は、発表から3分過ぎまで反応を伸ばしてその後は分析対象期間の10分後ぐらいまで戻して、ほぼ過去の傾向通りの動きとなりました。
指標結果について、このブログでは注視していない平均時給前年比が+2.9%と、2009年6月以来の高水準となりました。
事前分析の判定は、直前10-1分足が事前差異がプラスだったのに陰線となり●です。
指標発表直後追撃は、指標発表から1分以内のどの時点でロングをオーダーしても、発表から5分過ぎまでになら利確できました。よって、判定は〇です。
直後1分足終値は110.98円で、発表から3分後は111.02円、5分後は110.98円、11分後は110.92円でした。
取引結果を纏めておきます。
久しぶりの事前分析を示した上での取引でしたが、過去のパターンに照らした取引は有効です。
過去成績を挙げておきます。
次回本指標発表は10月5日です。
以上
タグ:雇用統計
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