2020年05月09日
マーケットガーデン作戦は、何故失敗したのか?(・_・D フムフム
前回の続きです。
そもそもこの作戦は最初からケチがついてますよね。作戦自体は、当時の連合国軍の兵力。士気
全てにおいてドイツ軍より優っていたのは間違いないでしょうから、上手くいけば、何の問題もなく
まさにクリスマスまでにVEデイが迎えられると言うものではありました。しかし、私が思うに以下の
様な事が問題では無かったかと考えられます。
❶、作戦時期が遅くなってしまった。
❷、偵察写真が握りつぶされてしまった。
❸、ドイツ軍は、老兵と新兵や少年兵の寄せ集めとの偽情報が・・・。
❹、通信手段が作戦遂行には重要なのに・・・。
❺、成功したら・・・だけでなく、負けた時の事も考えておかないと大変な事に。
色々問題はありますが、大きくは上の5つかと思います。
まず、❶作戦時期が遅くなってしまった。これについては、ノルマンディー上陸作戦において
撤退を余儀なくされたドイツ軍は、連合国軍の予想より早く撤退が進んでしまい、当初パニック
状態だったドイツ軍も落ち着きを取り戻しつつあった。まぁこれには大きな要因の一つとして
ゲルト・フォン・ルントシュテット元帥が2か月前に解任され、再度復職してしまっていたと
言う裏事情も関係していると思われます。ルントシュテット元帥はヒトラーからはあまり
好かれておらず、それがこの時のこの嫌がらせの様な人事に繋がってしまったわけです。
それにしても、ヒトラーの悪運の強さは悪魔がかってますよね。
そして、❷、偵察写真が握りつぶされてしまった。と言うのは、前出のルントシュテットの
今度は神がかった采配で、ビットリッヒの第2SS装甲軍団をアーネム周辺にて休養させると
言う事になってしまったのです。これについては、オランダのレジスタンス組織から連合国軍
司令部に連絡が入っており、情報将校からの進言により偵察機を飛ばす事となったわけです。
その偵察による偵察写真には、数枚だけ敵戦車が偽装されている写真が、写っていたが前回
申しあげたとおり、その写真は破棄されてしまいます。これは、ブラウニング中将の判断ミス
と言うよりは、前回も言ったようにモントゴメリーに勝たせなければならないと言う、使命感
なのか?と考えるより、政府から圧力でも掛かっていたのではないかと思われるくらい
意固地になっているように思えます。これは、次の❸、ドイツ軍は、老兵と新兵や少年兵の
寄せ集めとの偽情報が・・・。に繋がっていきます。もうこういう風に信じたかったんで
しょうね?映画の劇中では、ポーランド第1パラシュート旅団のソサボフスキー少将が、
ブラウニング中将に問い詰めるシーンがあるが、映画を観る限りでは、作戦遂行前に、本作戦の
成否を予測していたのは、ソサボフスキー少将だけだったのではないかと思われます。
❹、通信手段が作戦遂行には重要なのに・・・。については、劇中でも描かれていますが
アーネムに降下したフロスト中佐率いる第1パラシュート旅団第2大隊と旅団本部の通信が
出来ず、混乱を極めたと言う状況が発生していた点ではないでしょうか。これは旅団本部の
通信機用のクリスタルが、異なった周波数帯の物を持ってきていた為です。たったこれだけ
の事で、戦局を左右してしまうんだなぁと改めて思いました。ビジネスにも通じる所があり
ますよね?
❺、成功したら・・・だけでなく、負けた時の事も考えておかないと大変な事に。これに
ついては、日本では「捕らぬ狸の皮算用」と言う言葉がありますが、狩ってもいないのに
狩った狸の皮の売上ばかり勘定してても仕方が無い、と言う意味ですが、まさしく今回の
作戦においては、そのとおりとなってしまいました。
私は、「負けない戦い方」を極めたいといつも思っていますが、これは「勝つ戦い方」とは
違うんですよね?負けないと言う事は、勝つ事じゃないの?と思われそうですが、負けない
と言う事は引き分けもありますからね。ただ、実戦では引き分けはありえないと考えて
いますし、まずビジネスでは負けても死ぬことはほとんどありません。ここが大きな違いかも
しれませんね。ですので、戦争の歴史を学ぶ事は悪ではなく今の仕事にも取り入れられる事
として有意義ではないかと思っています。
少し脱線してしまいましたが、私ならこうしたと思うんですけど、
@まず友軍との連携を確立させておく。
これは一番重要ではないでしょうか?この点では、米軍のドワイト・デービッド・
アイゼンハワー大将は上手く立ち回ったと思います。ノルマンディー上陸作戦の前には、
フランスのドゴール将軍からちゃちが入り、「フランスで戦うのなら、フランス人が指揮を
執るべきだ」等と詰め寄ってきたらしいが、実際には小兵力のみの参加に収まったらしい
です。一説にはルーズベルトがドゴールを嫌っていたらしいですけどね。ぷ( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
私も、ドゴールはあまり好きになれません。何故か?と言うお話は、また違う機会にすると
しましょう。
A情報には、インフォメーションとインテリジェンスが存在するので、これらを正確に判断
する事が肝要となる。インフォメーションもインテリジェンスもお互いに情報と言う意味では
あるが、インフォメーションは起こった事象をそのまま報告する事で、インテリジェンスは
インフォメーションに対して、検証や考察が入った重いものと言う風に私は解釈しています。
ですので、世の中に氾濫しているインフォメーションに関しては、そのまま受け入れるの
ではなく、検証や専門家の意見を取り入れて正確なインテリジェンスに高めなければいけな
いと常々言っています。今回のマーケットガーデン作戦についても、レジスタンスからの
インフォメーションに対して、検証の為偵察機により現地を偵察し敵戦車もその写真の中に
写り込んでいたにも拘らず、これらの検証結果を完全に無視して作戦をそのまま実行した
ブラウニング中将の責任は重いと言わざるを得ない。
※余談ですが、映画「遠すぎた橋」でブラウニング中将役を演じたダーク・ボガードは、当時
ブラウニング中将本人と交友があり、作戦失敗がブラウニング中将の責任であると言う作風に
納得できず、この作品以降監督のリチャード・アッテンボローとの関係が途絶えてしまった
と言うエピソードがあるそうです。
B、私なら、今回の作戦はノルマンディー上陸後直ぐに実施するか、時期は戦局を見て
延期にするべきと考えます。つまり、ノルマンディー上陸作戦(厳密にはこの作戦名は存在せず
オーバーロード作戦が正式名)を実施する際に、次に行う作戦として既に考えておくべきで
あったと思います。私に言わせれば、オーバーロード作戦が成功したので、調子に乗って
しまった結果としか言いようがありません。その結果英軍の第1空挺師団は、ほぼ壊滅と
言える損害を出してしまっています。一説には8000人を失った(戦死・戦傷併せてと
思われます)とも言われています。アーネムだけでです。全体では相当な数の戦死者や戦傷者
が出たものと思われます。早く戦争を終わらせたいという気持ちは分かりますが、それよりも
歴史に名を遺すのを優先にしたばかりに、名は残りましたが汚名になってしまいましたね。
C成功させるためには、この時点で連合国軍はソビエト連邦(現在のロシア連邦)の進撃速度を
恐れていましたので、出来るだけ早くドイツ国内に進撃したかったと思われます。歴史的な
事実を映画化した物を見ていると、この時期の映画には同じようなフレーズが良く出てきます。
「クリスマスまでには、戦争を終わらせる。」とか、「クリスマスまでに、戦争は終わって、
国に帰れるかもしれない」等々。焦りは禁物ですね。それから、映画を観ているとイラッとする
のが英軍の機甲師団の動きなんですよね。確かに、歩兵がいないうちに戦車のみで進撃するのは
危険かもしれませんが、あまりにも融通が利かないようなシーンが多々見られます。これも
連携が取れていない結果ではないでしょうか?そもそも、いくらドイツ軍が敗戦色が濃くなって
来ていたとしても、戦時にそれも敵国の本国に近づいている時に100キロを3〜4日で進軍しよう
などとは無謀なんですよね。作戦立案時に無理があったとしか思えません。ドイツ軍だって
バカではありませんので、橋を爆破する可能性も考慮すれば、自ずと作戦完了までの時間は
伸びるはずです。他にも、事前に分かっていたネガティブ要素が多々あるにも拘らず、それらを
無視した作戦本部の無能さにも呆れてしまいます。結果として失敗する作戦をそのまま実施して
将兵を無駄に死に追いやったと言わざるを得ません。
かなり長くなってしまいましたが、私ならこんな作戦にすると言うのはまた次の機会に書きたい
と思います。
※映画「遠すぎた橋」の裏話ですが、英軍の戦車(ほとんどが米軍のM4シャーマン戦車でしたが)
ですが、あの数のM4を揃えるのは物理的に無理がありますので、映像に大きく映っている物
以外の後方の戦車などは、ジープの上に張りぼてを被せた偽物です。ですので、映像をよーく
見てみると、履帯と履帯の間(つまり戦車の胴体の下)に四駆のタイヤが見えていたりします。
・空挺部隊が乗っていたC47通称ダコタ機ですが、終戦後世界中の軍隊に払い下げられて使われて
いた物を映画の撮影の為に集めたそうですが、なかなか機数が揃わずやむなく映像を加工して
数を稼いだそうです。映像を見てみると、離陸のシーンなどで、同じ機体の離陸シーンを重ねて
いるなと言うところが所々に見られます。
・映画の後半で、アーネムの地元に住む女性宅で負傷者を治療すると言うシーンがあり、その
女性役で、リヴ・ウルマンが演じていますが、当初たまたま戦時中にアーネムに住んでいたと言う
オードリー・ヘップバーンにオファーがあったそうですが、作品の内容やギャラで折り合いが
つかず、リヴ・ウルマンに変わったそうです。
・劇中でナイメーヘンの橋を確保する為に渡河作戦を率いるクック少佐役で、本当はスティーブ・
マックイーンにオファーがあったそうだが、ギャラで折り合いがつかず、ロバート・レッドフォード
に変わったらしいです。しかし、この話には続きがあって、英第1空挺師団のアーカート少将役
のショーン・コネリーが自分より出演時間が短いにも関わらずギャラが多かったために、適正価格
になるまで、ストライキを起こしたそうです。ストライキ前の提示額は約200万ドル(1,977年
当時為替レートがだいたい275円/ドル)でしたので、日本円で5憶5千万円も貰っていたのにです。
スーパースターは違いますよね。今度彼の出演時間を計ってみたいと思います。せいぜい10分か
15分位だと思いますけどね。
以上、特別企画でした。
なんか自分で書いていて面白かったので、また書いてみたいと思います。
次は、真珠湾攻撃は果たして成功と言えるのか?・・・・にしようと思います。
歴史的には成功と言われていますが、私自身はあれは失敗じゃね?と言う感じがしていますので
それについて、書いてみたいと思います。
では、また。
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そもそもこの作戦は最初からケチがついてますよね。作戦自体は、当時の連合国軍の兵力。士気
全てにおいてドイツ軍より優っていたのは間違いないでしょうから、上手くいけば、何の問題もなく
まさにクリスマスまでにVEデイが迎えられると言うものではありました。しかし、私が思うに以下の
様な事が問題では無かったかと考えられます。
❶、作戦時期が遅くなってしまった。
❷、偵察写真が握りつぶされてしまった。
❸、ドイツ軍は、老兵と新兵や少年兵の寄せ集めとの偽情報が・・・。
❹、通信手段が作戦遂行には重要なのに・・・。
❺、成功したら・・・だけでなく、負けた時の事も考えておかないと大変な事に。
色々問題はありますが、大きくは上の5つかと思います。
まず、❶作戦時期が遅くなってしまった。これについては、ノルマンディー上陸作戦において
撤退を余儀なくされたドイツ軍は、連合国軍の予想より早く撤退が進んでしまい、当初パニック
状態だったドイツ軍も落ち着きを取り戻しつつあった。まぁこれには大きな要因の一つとして
ゲルト・フォン・ルントシュテット元帥が2か月前に解任され、再度復職してしまっていたと
言う裏事情も関係していると思われます。ルントシュテット元帥はヒトラーからはあまり
好かれておらず、それがこの時のこの嫌がらせの様な人事に繋がってしまったわけです。
それにしても、ヒトラーの悪運の強さは悪魔がかってますよね。
そして、❷、偵察写真が握りつぶされてしまった。と言うのは、前出のルントシュテットの
今度は神がかった采配で、ビットリッヒの第2SS装甲軍団をアーネム周辺にて休養させると
言う事になってしまったのです。これについては、オランダのレジスタンス組織から連合国軍
司令部に連絡が入っており、情報将校からの進言により偵察機を飛ばす事となったわけです。
その偵察による偵察写真には、数枚だけ敵戦車が偽装されている写真が、写っていたが前回
申しあげたとおり、その写真は破棄されてしまいます。これは、ブラウニング中将の判断ミス
と言うよりは、前回も言ったようにモントゴメリーに勝たせなければならないと言う、使命感
なのか?と考えるより、政府から圧力でも掛かっていたのではないかと思われるくらい
意固地になっているように思えます。これは、次の❸、ドイツ軍は、老兵と新兵や少年兵の
寄せ集めとの偽情報が・・・。に繋がっていきます。もうこういう風に信じたかったんで
しょうね?映画の劇中では、ポーランド第1パラシュート旅団のソサボフスキー少将が、
ブラウニング中将に問い詰めるシーンがあるが、映画を観る限りでは、作戦遂行前に、本作戦の
成否を予測していたのは、ソサボフスキー少将だけだったのではないかと思われます。
❹、通信手段が作戦遂行には重要なのに・・・。については、劇中でも描かれていますが
アーネムに降下したフロスト中佐率いる第1パラシュート旅団第2大隊と旅団本部の通信が
出来ず、混乱を極めたと言う状況が発生していた点ではないでしょうか。これは旅団本部の
通信機用のクリスタルが、異なった周波数帯の物を持ってきていた為です。たったこれだけ
の事で、戦局を左右してしまうんだなぁと改めて思いました。ビジネスにも通じる所があり
ますよね?
❺、成功したら・・・だけでなく、負けた時の事も考えておかないと大変な事に。これに
ついては、日本では「捕らぬ狸の皮算用」と言う言葉がありますが、狩ってもいないのに
狩った狸の皮の売上ばかり勘定してても仕方が無い、と言う意味ですが、まさしく今回の
作戦においては、そのとおりとなってしまいました。
私は、「負けない戦い方」を極めたいといつも思っていますが、これは「勝つ戦い方」とは
違うんですよね?負けないと言う事は、勝つ事じゃないの?と思われそうですが、負けない
と言う事は引き分けもありますからね。ただ、実戦では引き分けはありえないと考えて
いますし、まずビジネスでは負けても死ぬことはほとんどありません。ここが大きな違いかも
しれませんね。ですので、戦争の歴史を学ぶ事は悪ではなく今の仕事にも取り入れられる事
として有意義ではないかと思っています。
少し脱線してしまいましたが、私ならこうしたと思うんですけど、
@まず友軍との連携を確立させておく。
これは一番重要ではないでしょうか?この点では、米軍のドワイト・デービッド・
アイゼンハワー大将は上手く立ち回ったと思います。ノルマンディー上陸作戦の前には、
フランスのドゴール将軍からちゃちが入り、「フランスで戦うのなら、フランス人が指揮を
執るべきだ」等と詰め寄ってきたらしいが、実際には小兵力のみの参加に収まったらしい
です。一説にはルーズベルトがドゴールを嫌っていたらしいですけどね。ぷ( ̄m ̄〃)ぷぷっ!
私も、ドゴールはあまり好きになれません。何故か?と言うお話は、また違う機会にすると
しましょう。
A情報には、インフォメーションとインテリジェンスが存在するので、これらを正確に判断
する事が肝要となる。インフォメーションもインテリジェンスもお互いに情報と言う意味では
あるが、インフォメーションは起こった事象をそのまま報告する事で、インテリジェンスは
インフォメーションに対して、検証や考察が入った重いものと言う風に私は解釈しています。
ですので、世の中に氾濫しているインフォメーションに関しては、そのまま受け入れるの
ではなく、検証や専門家の意見を取り入れて正確なインテリジェンスに高めなければいけな
いと常々言っています。今回のマーケットガーデン作戦についても、レジスタンスからの
インフォメーションに対して、検証の為偵察機により現地を偵察し敵戦車もその写真の中に
写り込んでいたにも拘らず、これらの検証結果を完全に無視して作戦をそのまま実行した
ブラウニング中将の責任は重いと言わざるを得ない。
※余談ですが、映画「遠すぎた橋」でブラウニング中将役を演じたダーク・ボガードは、当時
ブラウニング中将本人と交友があり、作戦失敗がブラウニング中将の責任であると言う作風に
納得できず、この作品以降監督のリチャード・アッテンボローとの関係が途絶えてしまった
と言うエピソードがあるそうです。
B、私なら、今回の作戦はノルマンディー上陸後直ぐに実施するか、時期は戦局を見て
延期にするべきと考えます。つまり、ノルマンディー上陸作戦(厳密にはこの作戦名は存在せず
オーバーロード作戦が正式名)を実施する際に、次に行う作戦として既に考えておくべきで
あったと思います。私に言わせれば、オーバーロード作戦が成功したので、調子に乗って
しまった結果としか言いようがありません。その結果英軍の第1空挺師団は、ほぼ壊滅と
言える損害を出してしまっています。一説には8000人を失った(戦死・戦傷併せてと
思われます)とも言われています。アーネムだけでです。全体では相当な数の戦死者や戦傷者
が出たものと思われます。早く戦争を終わらせたいという気持ちは分かりますが、それよりも
歴史に名を遺すのを優先にしたばかりに、名は残りましたが汚名になってしまいましたね。
C成功させるためには、この時点で連合国軍はソビエト連邦(現在のロシア連邦)の進撃速度を
恐れていましたので、出来るだけ早くドイツ国内に進撃したかったと思われます。歴史的な
事実を映画化した物を見ていると、この時期の映画には同じようなフレーズが良く出てきます。
「クリスマスまでには、戦争を終わらせる。」とか、「クリスマスまでに、戦争は終わって、
国に帰れるかもしれない」等々。焦りは禁物ですね。それから、映画を観ているとイラッとする
のが英軍の機甲師団の動きなんですよね。確かに、歩兵がいないうちに戦車のみで進撃するのは
危険かもしれませんが、あまりにも融通が利かないようなシーンが多々見られます。これも
連携が取れていない結果ではないでしょうか?そもそも、いくらドイツ軍が敗戦色が濃くなって
来ていたとしても、戦時にそれも敵国の本国に近づいている時に100キロを3〜4日で進軍しよう
などとは無謀なんですよね。作戦立案時に無理があったとしか思えません。ドイツ軍だって
バカではありませんので、橋を爆破する可能性も考慮すれば、自ずと作戦完了までの時間は
伸びるはずです。他にも、事前に分かっていたネガティブ要素が多々あるにも拘らず、それらを
無視した作戦本部の無能さにも呆れてしまいます。結果として失敗する作戦をそのまま実施して
将兵を無駄に死に追いやったと言わざるを得ません。
現在アーネムの橋は、英軍第1空挺師団のフロスト中佐の名前をとり、ジョン・フロスト橋と呼ばれています。 |
かなり長くなってしまいましたが、私ならこんな作戦にすると言うのはまた次の機会に書きたい
と思います。
※映画「遠すぎた橋」の裏話ですが、英軍の戦車(ほとんどが米軍のM4シャーマン戦車でしたが)
ですが、あの数のM4を揃えるのは物理的に無理がありますので、映像に大きく映っている物
以外の後方の戦車などは、ジープの上に張りぼてを被せた偽物です。ですので、映像をよーく
見てみると、履帯と履帯の間(つまり戦車の胴体の下)に四駆のタイヤが見えていたりします。
・空挺部隊が乗っていたC47通称ダコタ機ですが、終戦後世界中の軍隊に払い下げられて使われて
いた物を映画の撮影の為に集めたそうですが、なかなか機数が揃わずやむなく映像を加工して
数を稼いだそうです。映像を見てみると、離陸のシーンなどで、同じ機体の離陸シーンを重ねて
いるなと言うところが所々に見られます。
・映画の後半で、アーネムの地元に住む女性宅で負傷者を治療すると言うシーンがあり、その
女性役で、リヴ・ウルマンが演じていますが、当初たまたま戦時中にアーネムに住んでいたと言う
オードリー・ヘップバーンにオファーがあったそうですが、作品の内容やギャラで折り合いが
つかず、リヴ・ウルマンに変わったそうです。
・劇中でナイメーヘンの橋を確保する為に渡河作戦を率いるクック少佐役で、本当はスティーブ・
マックイーンにオファーがあったそうだが、ギャラで折り合いがつかず、ロバート・レッドフォード
に変わったらしいです。しかし、この話には続きがあって、英第1空挺師団のアーカート少将役
のショーン・コネリーが自分より出演時間が短いにも関わらずギャラが多かったために、適正価格
になるまで、ストライキを起こしたそうです。ストライキ前の提示額は約200万ドル(1,977年
当時為替レートがだいたい275円/ドル)でしたので、日本円で5憶5千万円も貰っていたのにです。
スーパースターは違いますよね。今度彼の出演時間を計ってみたいと思います。せいぜい10分か
15分位だと思いますけどね。
以上、特別企画でした。
なんか自分で書いていて面白かったので、また書いてみたいと思います。
次は、真珠湾攻撃は果たして成功と言えるのか?・・・・にしようと思います。
歴史的には成功と言われていますが、私自身はあれは失敗じゃね?と言う感じがしていますので
それについて、書いてみたいと思います。
では、また。
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