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2019年03月06日

日本の労働生産性が低い、14の理由 「もっと頑張る」以外の解決方法は?



日本の労働生産性は経済協力開発機構(OECD)加盟国中の先進主要7カ国の中で最も低い。
日本の労働生産性が上がらなければ経済も一向に上向かず、日本人にとって非常に心配な状態。
日本は勤勉な国で、生産性が高いはずと考えられるが、世界的に見ても、日本の労働者の教育レベル、勤勉さ、そして忍耐強さのレベルは相当高い。



日本の優秀な労働力はこれまで日本の経済を大きく支えてきた。
優秀な労働力を非常に非効率に使い、無駄使いと言っても過言ではない。
生産現場では、70年代〜80年代に始まり、今でも日本の工場管理方法が優れていることは世界的に知られているが、近年になり3つの大きな変化が起こっている。



1:日本に学んだ他国の産業のレベルも高くなったこと。
2:生産分野においてもほかの分野においても、IT技術の果たす役割が大きくなったこと。3:経済におけるホワイトカラーの役割とサービス業の重要性が増したこと。
品質の高い商品を作るだけではなく、顧客が望んでいる商品、付加価値の大きいイノベーション性のある商品が求められている―それを可能にするのは生産現場だけではなく、研究開発スタッフ、マーケティング担当者、商品デザイナー、などのホワイトカラーの人材だ。また、医療、コンサルティング、金融、小売などのサービス業の経済に占める重要性も大きくなっているが、日本の組織は、生産現場以外の人材を管理するための革新的な方法を生み出しておらず、実際のところ、諸外国と比べても人材の管理や有効活用のための取り組みについては遅れていて、日本の労働生産性の低迷の真の理由です。
日本の労働生産性が上がらない背景はあまりに複雑です。



• 結果より努力を賞賛する考え方
部下の仕事を評価する場合に、そのアウトプットよりインプットに重点を置く傾向がある。(残業は努力の現れとも言え、奨励される傾向)
• 残業を前提にした仕事量と予算設定
従業員が残業することが当たり前で、一人の仕事量は40時間(8時間X5日)でこなせる量よりも相当大きく、残業をしないと仕事がこなせない。
• 残業代の悪影響
残業の動機として、残業代を稼ぐことで手取りを増やしたいため、若いうちに時間管理や仕事を効率的にこなすコツを身につけようとする姿勢がなく、ダラダラと職場に残る。
• 収穫逓減の法則が理解されていない
人間は一日の最初の一時間と10時間働いたあとの1時間では同じ結果は出ない。
長時間労働により、一時間当たりのアウトプットが減ってしまい、長時間労働が続くと、従業員のモチベーションや健康にも悪影響を与え、生産性も低下。
• 管理者が効率を重視しない
多過ぎる人が参加している頻繁過ぎる会議、誰も読まない社内報、全体にはほとんど影響を及ぼさない寡少なことこだわるマイクロマネジメント、、、が従業員の時間を食いつぶしている。
• 縦社会が生む非効率
会社の上層部に対して非常に気を遣い、その人の依頼する仕事を至急扱いし、ほかのことよりもそれを無理矢理優先する。
• 労働市場の流動性の欠如
社外の雇用機会は限られ、会社の方針、上司の管理法、仕事の内容、働く環境や待遇などに不満があっても、辞めることができない社員は残念ながら多い。
不満を抱えたままではモチベーションと生産性が悪化し、うつ病などの問題にも。
(流動性が増せば、個人の選択肢が増え、雇用の条件を改善しない企業からは社員が流出し、問題を解決せざるをえない)
• 非効率な社員を解雇できない
成果の出ない従業員やスキルがマッチしていない従業員でもなかなか解雇できない。
従業員の仕事の改善を奨励するパフォーマンス・マネージメントプランも作りにくく、従業員側も解雇などの心配なく、現状維持のまま定年、人事異動を待つだけ。
• お役所化
組織がルール、手続、書類などを次から次へと追加する傾向が特に強い。
(行き過ぎるとお役所仕事が増え、仕事がますます非効率的になる)
• IT技術の不活用
アメリカでは、従業員の生産性を上げるためにも最新ITテクノロジーが使われている。
データをクラウドに置きどこからでもアクセスできるようにしたり、オンライン会議の導入で、テレビ会議やビデオ会議よりも効率的なコミュニケーション、またコラボレーションソフトを使いチーム内の連携も効率的にする。
しかし、日本の企業の多くはこのようなツールの利用に関して非常に消極的であり、生産性を上げる機会を見過ごしている。
• 従業員をコストとしか見ない
長年、コストダウンを理由に給料を抑え、会社の利益が上がっても従業員への還元は少なく、また非正規社員を大量に利用している。
これが日本の経済全体に悪影響を与え、従業員の士気を低下させている。
自分は歯車にしか過ぎないと感じさせる現状は、生産性の向上にはほど遠い。
従業員はコストではなく価値を生むので大切に扱うべき。
• 「フルタイム」以外の労働力が十分活用されていない
フルタイム(=毎週50時間働ける)の正社員を前提に雇用機会が作られている。
働く母親、定年退職者、介護を背負っている人、パートタイムや派遣社員などの非正規雇用の人材には補佐的な仕事をさせ、その才能を十分活かせていないことが多い。
これらの人々の可能性をもっと引き出し、全体の労働生産性向上につなげて、硬直した仕事と雇用の定義から脱却する必要がある。
• 従業員の満足度は重視されない
従業員は仕事に満足していなくても辞めることがないので、従業員満足度をあまり重視しない。
自分の仕事に情熱を傾け、幸せでいられることと生産性には大きな関連性があり、そうではない人からは優れたアウトプットの期待はできない。
創造性を必要とするホワイトカラーの仕事には特にそれが当てはまる。
欧米では、社員のエンゲージメントというコンセプトが注目され、これは社員の企業に対する関与の度合いと仕事に対する感情的なつながりのことです。
労働生産性と同じく、日本のレベルは他の国と比べて低い。
個人のスキルと関心にマッチした仕事を与え、彼らが達成感を得られるようもっと努力する必要がある。
• 「鬼上司」が許されている
最近、上司のパワハラが問題になっている。
怒鳴ったり極度に厳しい態度をとる上司を持つ部下は、仕事が楽しくなくなり、ストレスレベルが上昇、エンゲージメントが下がり、生産性も向上しない。
問題の存在やその悪影響について認識することから始めるべきです。
(相乗効果で、個別の成果の単純な和よりも全体としての効果が大きくなる)
日本の組織は労働力の利用が非効率すぎて、全体がその和より小さくなってしまっている。
労働力が無駄使いされている状況が続けば日本の労働生産性は一向に上がらず、経済も改善しない。
企業の利益、国の将来、そして個々の従業員の人生を考えれば、従業員をどのように管理し、組織をどのように運営するかについて、考え直す必要がある。
日本の労働力の勤勉さに頼り、もっと働かせればよいというやり方は限界に来た。
正しいやり方で効率的に仕事をするよう管理することが重要。
(長時間労働を前提としないで、無駄の多い社内手続を取り除き、創造性とイノベーションを奨励し、モチベーションを阻害するものをなく事が、急務です)



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