2009年01月24日
『影が薄いなんて言わせない!』 part4
顔にも悪女と思わせる模様が浮かび上がると、恍惚の表情で霞の胸に倒れこんだ。
“はああ…最高です…霞様。 ダークサタン様のお心が胸から伝わってきます…”
ユハはダークサタンの寛大な心に歓喜に打ち震え、涙を流し始めるのだった。
そしてそのまま霞の胸元で、静かに余韻に浸りながら意識を失った。
数時間後…
「はい、分かりました。
私は霞様の部隊でよろしいのですね。
かしこまりました。
ダークサタン様に栄光を♪
イーッ!ハイル・ダーククロス!」
魔城の最深部で、おもむろにダーククロス式の敬礼を掲げている少女はユハだった。
その姿は服装は変わっていないが、魔因子が完全に浸透したのか、
体中の模様をより濃く染め出しているのが分かる。
昔のように正義心は無く、今はダーククロスのために働く忠実な戦闘員となったのだ。
そして、妖艶となった体で最深部から出ると、霞の部屋へと歩を進めた。
コンコン
『どーぞ、入っていいわよ。』
「失礼します! 今日から霞様の部隊に配属された、戦闘員03223号のユハです。
今日は、霞様のおかげでダーククロスの一員になることが出来ました!
そして、そのお礼を申し上げにきたのです!
霞様、私にお力を注いでいただき本当にありがとうございます!」
『そう…それは良かったわね。でも私的には、あなたを淫妖花にしたかったんだけど、
ダークサタン様が能力もないただの獣人に、大事な魔精は与えられんって言って、
だめだったのよね。他の部隊には、ほいほい魔精あげてるくせに…
やっぱり私、6人の中の軍団長として影が薄いって言われてるからかな〜』
愚痴をこぼす霞を見て、呆れたユハは口を開いた。
「お言葉ですが、霞様。
あなたは今でも淫妖花軍を引っ張っていく存在なのですよ!
影が薄いって思われても、あなたは回りなど気にせず、
前だけを突き進んで行けばいいのです!
私がこれからずっと霞様の後ろをお守りしていきます。
もし、霞様がダークサタン様に反抗したとしても、私はついていきましょう!
だからそんなこと言わないで下さい、霞様。でないと私……… 」
“………………………………………………………………”
ユハの唐突な発言の後、しばし部屋に異様な沈黙が流れたが、
霞はその言葉に元気を出した。
『ふふん。新しく入ってきたあなたにそんなこと言われるとはね。
戦闘員のクセに生意気言うじゃない。』
「す、すいませんでした! 出すぎたことを言いました!」
『でも、あなたの気持ち貰ったわ。
あなたがそこまで私を慕ってくれてるなら、私もあなたみたいな部下を持てて嬉しいわ。
お礼に私の愛用の首輪をあげる。これで晴れてあまたは淫妖花軍のメンバーよ。』
まるで犬にはめる様なとげとげの首輪を、ユハに取り付けると。
「ありがとうございます、霞様!
あなた様の後ろは、
私が必ずお守りします!」
『じゃあさっそくだけど、私のここを慰めてちょうだい。
妙に胸のあたりが疼いて仕方ないのよ。』
「かしこまりました♪」
この時のユハはダークサタンより、霞の方に忠誠心を誓い、
そして、霞だけのための部下・淫具になることを心に刻んだ。
終
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