2018年01月18日
4強首脳はすべて平昌五輪欠席か…「誰も北の脇役になろうとしないはず」
2月9日の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)の開会式に日本・米国・中国・ロシアの首脳が出席しない可能性が高まった。韓国政府が構想する「和合の祭典」の絵がやや色あせることになった。
韓国外交部の魯圭悳(ノ・ギュドク)報道官は16日の定例記者会見で、中国が平昌五輪に派遣する高官級代表団に関し「中国から韓正政治局常務委員が訪韓する方向で中国側と調整中」と明らかにした。習近平国家主席は来ないということだ。その間、習主席の平昌五輪開会式出席のために外交力を注いできた韓国政府はやや失望した雰囲気だ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が習主席に直接会って招請したのだけでも2回だ。北京が次回の冬季五輪の開催地という点も韓国政府の期待感を高めた。
韓国政府は習主席が来ないとしても李克強首相が訪韓することを望んだが、それも実現しないことになった。韓常務委員は党序列7位。中国側は韓国側に習主席の欠席理由について「国内日程のため」と説明した。3月初めに開催される全国人民代表大会(全人代)を理由に挙げたとみられる。
習主席の不参加にはいくつかの戦略的な判断もあるという分析だ。康ジュン栄(カン・ジュンヨン)韓国外大国際地域大学院教授は「まだ高高度防衛ミサイル(THAAD)問題の余波があるという点を考慮したものだ」とし「北が平昌に来ても北核問題の本質は変わっておらず、南北関係の行方も予測しにくいため、過度な解釈の余地がないよう慎重な接近をする側面もあるとみられる」と述べた。
韓国政府は習主席が閉会式にでも出席するよう努力している。11日に文大統領が習主席との電話会談で「平昌五輪の閉会式にでも出席してほしい」と特定して要請したのもこうした脈絡ということだ。しかし習主席は「両国間の緊密な協力を通じて閉会式で五輪行事の引き継ぎがうまくいくよう努力しよう」と述べただけだ。
安倍晋三首相も公式的には「未定」だが、事実上、不参加の方針を固めているという。安倍首相は東欧歴訪中の15日(現地時間)、記者に会い、平昌五輪出席関連の質問に「国会の日程を見ながら検討したい」と否定的に答えた。韓国政府が韓日慰安婦合意で問題は解決されていないと宣言し、日本が拠出した10億円を韓国予算で充当することにした点に対し、日本国内で批判的な世論が形成されている点が影響を及ぼしている。
時事通信はこの日、平昌五輪の開会式に鈴木俊一五輪担当相と林芳正文部科学相を出席させる方向だと報じた。
これに先立ちトランプ米大統領は平昌に自ら出席する代わりにペンス副大統領を団長とする代表団を送ると明らかにした。ドーピングスキャンダルのためにロシアの公式出場が禁止された状況でプーチン大統領があえて個人の資格で平昌五輪に出席するのも難しいという。
4強の首脳はすべて国内事情を理由に挙げているが、外交関係者の間では「北朝鮮変数」が作用したという見方が出ている。外交消息筋は「自分が主賓にならなければいけないが、北ばかり注目されて脇役になる可能性があり、訪韓を避けようとするだろう」と話した。
4強首脳の開会式の出欠が五輪成功の絶対的な基準になるわけではない(キム・ジユン峨山政策研究院研究委員)という意見もある。しかし韓国政府が平昌五輪を「外交の勝負どころ」と位置づけた点を勘案すると、長期的な視点で周辺国との関係を管理していくべきだという指摘が出ている。ボン・ヨンシク延世大統一研究院専門委員は「習主席の不参加は結局、THAAD問題が封印されていないことを表し、慰安婦合意を毀損しておいて安倍首相の出席を期待するのも無理がある」と述べた。今までドイツ・フランスなど約20カ国の首脳が平昌五輪に出席する意思を明らかにしている。
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