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ここ数年、「炭水化物を減らすダイエット」に注目が集まっています。アメリカでも、「アトキンス・ダイエット」や「ローカーボ・ダイエット」といったメソッドが人気のようです。
これらはいずれも、ご飯やパン、甘いものなどの糖質の摂取を大きく減らす代わりに、カロリーの高い脂肪やたんぱく質の摂取に関してはそれほど神経質にならなくてもいいというメソッドです。

また、これらのダイエットが共通してうたっているのが「健康にやせられる」という点。特に、糖尿病の人、血糖値が気になる生活習慣病予備軍の人は、炭水化物を減らした「糖質制限食」によって痩せるのがうってつけだとしています。
血糖値は血中ブドウ糖の濃度が上がることで上昇し、ブドウ糖は炭水化物食品が体内で分解されてつくられたます。だから、炭水化物を極端に減らした食事をしていれば、血糖値が急に跳ね上がる心配をせずとも、無理なくやせられるということになるわけです。

確かに毎日食べているご飯やパン、甘いものなどを大きく減らせばやせられることでしょう。炭水化物摂取によって血糖値が上がると、膵臓からインシュリンが分泌されるやけですが、インシュリンには、脂肪細胞にブドウ糖を取り込んで中性脂肪に変える働きがあります。これが体脂肪として蓄える訳です。ですから、摂取する炭水化物を極端に少なくすれば、血糖値の急上昇が抑えられて、分泌されるインシュリンの量が少なくなります。インシュリン分泌が抑えられれば、脂肪細胞へのブドウ糖の取り込みも抑えられて、体脂肪がつくられにくくなるはずです。だから、痩せる理屈としては通っているのです。血糖値が跳ね上がるようなこともないでしょう。
ただし、健康的なのかどうかというと、また問題です。実は炭水化物を極端に減らしてしまうと、それはそれで厄介な問題が起きてくるんです。
例えば、最近の研究では、「超低炭水化物の食事をつずきていると、血管の修復力が低下する」ということが指摘されています。血液の血球成分は骨髄でつくらているのですが、その血球成分のなかには、全身の血管の損傷を修復する物質も含まれています。そして、炭水化物の摂取が少ないと、骨髄の機能が落ち、血管の修復機能がおちます。そのために、血管を動脈硬化などのトラベルから守る機能が衰えてしまうとされているのです。