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2015年11月25日

【しあわせのパン】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現

本日の映画紹介。
【しあわせのパン】
しあわせのパン.jpg

【出演者】
水縞りえ:原田知世
水縞尚:大泉洋
郵便屋さん:本多力
広川の旦那さん:中村靖日
広川の奥さん:池谷のぶえ
阿部さん:あがた森魚
陽子さん - 余貴美子
山下時生:平岡祐太
齋藤香織:森カンナ
未久:八木優希
未久のパパ:光石研
未久のママ:霧島れいか
阪本史生:中村嘉葎雄
阪本アヤ:渡辺美佐子
ナレーション(ヤギのソーヴァ):大橋のぞみ

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【感想】
久しぶりの人の温かさの分かるよい映画でした。
深みがあって、何を言いたいかは、
見る人の受け取り方によって変わる映画。

ずるいですけどね〜。
3つのストーリーに分かれているから、
どれかのケースは当てはまってくるんです。

私としては、家族中心の2個目と3個目は、
とっても温かい気持ちになりました。

そのバランスを保つための脇役もいい。
なんかパンが食べたくてしょうがなくなりました。
細かなシーンが全て意味がある映画です。
これは何回か見ることで、目線変わるでしょう!

逆に皆さんの映画感想を聞いてみたい映画です。
一度見て、コメント欲しいくらいですよ!!!


【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜りえのナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
初恋の相手はマーニだった。
諸学生のとき家の近くに図書館があって、
そこで立ち読みならぬ座り読みした月とマーニ。

少年マーニは自転車の籠に月を乗せて、
いつも東の空から西の空へと走っていきます。
ある日やせ細った月が言うのです。
「ねえマーニ。」
「太陽をとって。」
「いつも一緒にお空にいるととっても眩しくて。」
マーニは答えます。
「ダメだよ。太陽をとったら困っちゃうよ。」
「太陽をとったら君がいなくなっちゃうから。」
「夜に道を歩く人が迷っちゃうじゃないか。」
「大切なのは君が照らされていて、
  君が照らしていると言うことなんだよ。」

マーニのことが大好きで。
私はずっとマーニを探していた。
だけどどんどん周りには、
好きじゃないものが増えていった。
大人になって働いて、いつの間にか大変で、
ただ1人の家族父が亡くなって大変で、
心がひとりで小さくなって、
もうマーニはいないのだと心に決めた。
そして東京で沢山の大変がたまった頃、
水縞君が月浦で暮らそうとそう言った。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

月浦のCAFEマーニ。
客の阿部へ手紙を届けた郵便屋さんは、
カフェに漂うコーヒーの匂いを深く嗅いだ。
水縞は言う。
「おはようございます。カンパーニュが焼けました。」

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
湖のほとりにあるCAFEマーニには、
りえさんの煎れるコーヒーと
水縞君の作る焼きたてのパン
季節のお野菜の料理。
そして遠くからのお客様が泊まれるよう
2階には温かいベットが用意されています。

一年ちょっと前この夫婦が月浦にやってきたとき、
なぜか私はこの2人を見つめていたいと思いました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「もう行かなきゃ。」
そう言ってりえの煎れたコーヒーと、
水縞が作ったカンパーニュを食べ終えて、
仕事に戻る郵便屋さん。
阿部を送り出したりえと水縞はカフェを出た。
向かったのは地獄耳の陽子さんのガラス工房。
「出来てるよ。鏡でしょ?あそこにかける。」
驚いて水縞は聞く。
「何で知ってるの?」
陽子は言った。
「私、耳だけは良く聞こえるから。」

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
地獄耳の陽子さんの作品が、
カフェには沢山並んでいるのです。
ひとつ良い事があると、
持っていた小銭をなんとなく貯める事にしています。
こんな風に2人のカフェは、
少しずつ出来上がって行くのです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

夏のある日。
カフェに泊まりに来た若い女性、齋藤香織。
香織は近くの湖に行き友人に電話する。
「もしも〜し。今ビーチ。」
「お土産楽しみに待っててね。」
電話を切って深くため息をついた香織。
1人ボートに乗るが、転覆してしまう・・・

カフェにはもう1人客人が来ていた。山下時生。
久しぶりに訪れるが常連客の1人。
時生と話をしていると、
香織がずぶ濡れのまま帰って来た。
りえに言われてタオルを渡す時生。

その夜はトマトのパンとワインで夕食。
ワインを飲み続けた香織は酔っ払った。
明日が誕生日で本当は沖縄に行く予定だった香織。
しかし彼は急にドタキャンをしたと言う。
酔っ払い全てをりえと水縞に話した香織。
「もう帰らないでここに暮らしちゃおうかな〜。」
食事をしながら話を聞いていた時生は言う。
「ここにだっていろいろありますよ。」
そんな時生に絡みだす香織。
「時生君はここの人?」
「じゃあ毎日毎日静かで平和だ。」
「東京と違うもん。」
「東京で働くのってとっても大変なんですよ。」
それを聞いてイラっとした時生は聞く。
「でも好きで東京いるんですよね?」
それに対しても皮肉を言う香織。
「別に。生まれてからずっと東京だもん。」
「分からないと思うよ。君に。」
怒って席を立ち言った時生。
「それを恵まれてるって言うんじゃないですか?」

その夜、寝ようとしていた時生。
外から聞こえてくる声で寝付けずにいた。
外を見ると、香織が泣きながら騒いでいた。
「バカヤロー。」
それを見て笑ってしまった時生。
笑い声に気付いた香織は時生を見て言う。
「バカヤロー。」

翌朝二日酔いの香織。
りえは煎れたてのコーヒーを出していった。
「私もね。無理して笑うことあるんです。」
そして水縞の作ったパンを出して言う。
「素朴なパンもいいですよ〜。」
その日は香織の誕生日。
水縞夫婦は時生と香織を連れて買い物に行った。
広川さんの屋外販売所。
季節の野菜や果物、花が売られている。
そこで見つけたひまわりの花。
時生は一本のひまわりを買った。
買い物の帰り道、香織に話し掛けた時生。
「今日誕生日なんですよね?」
「これ。どうぞ。」
そう言ってひまわりの花を渡した。
香織は言う。
「暇なんだったらちょっと付き合って。」
そう言って誘ったのは湖のほとり、
日焼けするために日光浴。
そして時生のバイクに乗せてもらい、
シーサーやチンスコウを探しに町を回る。
見つからないなか、バイクはガス欠。
バイクを押して歩いていると、陽子が声をかけた。
「ちょっとあんたたち。沖縄土産探しているの?」
「いくついるの?」
そう言って香織に渡したもの・・・
『コロポックル』北海道に住むと言う妖精の木彫り。
陽子は言った。
「その人形持っていたら小さな幸せがくるらしいよ。」
香織は返した。
「私大きな幸せが欲しいの。」

一方水縞夫婦は買った野菜と果物で、
ジャムやパンを作っていた。
夜は屋外で夕食。香織の誕生日を祝った。
水縞が作ったのは、
お祝いの日に焼く特別なパン『クグロフ』。
他にも季節の野菜を使った料理が並ぶ。

香織の向かいに座った水縞は、
手でパンを半分にちぎってりえに渡した。
それを見て香織は素直にお礼を言った。
「あの。本当にありがとうございます。」
それに対してりえは言った。
「じゃあクグロフ食べましょうか。」
そう言って半分にナイフで切り、時生に渡した。
時生は半分に手でちぎり、香織に渡した。

食事を終わり夜空を見ていた香織と時生。
香織は時生に言う。
「かっこ悪い奴って思ったでしょ?」
時生は答えた。
「そうっすね〜。」
「でもかっこ悪い自分を知っている人が、
             大人だと俺は思います。」
「だから香織さんを見たときに凄い笑えたんです。」
「一生懸命幸せになろうとしているんだな〜って。」
「もがいたことのある人間じゃないと、
             幸せは無いと思います。」
「もがいてもがいて恥かいて、
         いいじゃないですか香織さん。」
そして時生は自分の仕事の話をした。
電車のレールを切り替えるのが時生の仕事。
「レールは簡単に切り替わるのに、
 俺の人生は簡単に切り替わらないんだなって。」
「線路がずっと続いているように見えても、
     自分は北海道から出られないんですよ。」
「なんか俺、もがけないんです。」
時生の話を聞いて香織は答えた。
「それってさ。もがいてるじゃん。」
「来てみればいいじゃん東京に。一緒に行こう。」
時生を月を見ながら答えた。
「無理っすよ。仕事ないし・・・」
「でも俺、今日は月が綺麗に見える。」

翌朝目を覚ました香織。
1階に下りると時生の姿は無かった。
時生は今朝早く帰ったという。
「素朴なパンもいいですね。」
そう言って水縞の焼いたライ麦パンを購入した。
「会社のみんなに食べてもらおうと思って。」
「月浦のお土産です。」
そして帰ろうとした香織はりえに言った。
「私いままでで一番好きな誕生日でした。」
りえは答えた。
「これからもっと良い誕生日が着ますよ。」
水縞も香織に言う。
「また来てください。」
「いつでも家はここにありますから。」
最後に香織は2人に言った。
「時生君にいろいろ付き合ってくれて
   ありがとうって伝えてもらえますか。」

バスを待つ香織は湖やカフェの近くの景色を見て、
「綺麗だな〜。悔しいけど綺麗。」
そう言った時だった、
バスの後ろからバイクに乗った時生が来た。
驚く香織の時生は言う。
「送るよ。乗って。」
「東京まで送ります。」
香織は笑顔で言った。
「マジで?じゃあよろしく頼むよ時雄君。」
香織の鞄の中ではコロポックルが揺れていた。

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
東京までの距離は1000キロ
誰にでも1人から2人になる瞬間があります。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
遠くで2人の姿を見て微笑むりえと水縞だった。
りえは水縞に言う。
「時生君東京までちゃんと運転できるかな〜?」
水縞は答えた。
「大丈夫だよ。僕だって出来たんだから。」
「りえさん。ここで無理して笑うことないよ。」
「僕の欲しいものは1つだけですから。」
りえは聞く。
「何?ですか?」
水縞は答えた。
「内緒です。」

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
秋がやって来ました。
ほどよい日差し。ほどよい気温。ほどよい風。
こんな日は水島夫妻の散歩日和です。
秋はいろんなものが実る季節です。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

栗拾いに出かけた2人。
そして栗を焼き、パンを作った2人。
誰もカフェにいないのを確認して、
こっそりガラス細工を置いて帰ろうとする陽子。
恒例となった行動に気付きりえが声をかける。
「陽子さん。栗のパン食べます?」

洗濯物を2人で干していると、
バス停の前で立っている女の子。
バスが来るが乗らずに、ただ立っている。
水島は言った。
「ホットミルク作っておくよ。」
うなずき女の子をむかえに行ったりえ。

女の子の名前は未久。
バスに乗らなかった理由は分からないが、
それについては何も聞かない水縞夫婦。
ホットミルクを飲んだ美久に水縞は言った。
「今から学校にパンの配達をしに行くから、
            送って行ってあげようか?」
そして学校まで美久を送った水島。
学校では友達の中心にいた美久を見た。

学校が終わり家に帰った美久。
食卓テーブルには『買って食べて』の書置きと、
千円札が置かれていた。
無視して食卓に3つの容器を並べ座った美久。
そして持ち帰った給食の栗のパンを食べた。
その時帰って来た父。
学校に遅れていったことを聞く父に美久は言う。
「ママの作ったカボチャのポタージュ食べたい。」

次の日のバス停には、美久と父が並んで立っていた。
未久がバスに乗ったのを見て、父は1人カフェに来た。
「カボチャのパタージュスープってあるんですか?」
メニューにない注文で驚く水縞。
「えっ?」
その反応を見て話を変えた未久の父。
「いいです。コーヒーを1杯下さい。」
「ご夫婦でやっているんですか?」
「ここの出身じゃないですよね?」
水島は自分が札幌で、りえが東京と答えた。
「仕事辞められたんですか?」
そんな美久の父の質問に水縞は答える。
「好きな暮らしがしたいって思ったんです。」
「好きな場所で、好きな人と。」
「散歩して、食べたいもの食べて、パン焼いて。」
「自分たちが感じた季節を、
 パンを食べてくれる方達に感じて欲しいんです。」
「ここの景色って毎日変わりますよね。」
「綺麗なだけじゃないです。」
そんな水縞の言葉に美久の父は言った。
「1人じゃなかったら出来ますよ。」
「誰かと一緒なら、出切る事ってあるんですよ。」

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
りえさんは訳も無く悲しくなることがあります。
そんな時水島君も私も悲しくなります。
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学校の帰り道でカフェに立ち寄った美久。
りえは美久にカボチャのポタージュを出した。
それを見た美久は昔の母が作ったポタージュと、
それからの父と母の喧嘩など昔を思い出した。
母が出て行った時の事も・・・
「いらない。絶対にいらないから。」
「ごめんなさい。お邪魔しました。」
そう言ってカフェを出て行く美久。

翌日りえは美久へ手紙を出した。
『あったかいごはん作ってます。
  お腹がすいたらきてください。』
水縞も美久の父へと手紙を出していた。
数日後の夜、美久がカフェに来た。
同じ日に美久の父もカフェに足を運んだ。
久しぶりの家族2人の夕食。
もちろんカボチャのポタージュも出した。
「カボチャのポタージュ・・・」
そう言うとカフェを飛び出した美久。
美久は悩んでいた。空を見上げて月を見た。
しばらくしてカフェに戻ってきた。
席に座るとポタージューを食べて言う。
「美味しいね。」
「でも、違うね。」
「ママのカボチャのスープとは違うね。」
「ママはもう戻らないんだよね?」
未久の父は言う。
「ママは戻らない。ごめんな。」

その話を聞いていた阿部さん。
いつも持ち歩いている大きな鞄を開けた。
中にはアコーディオンが入っていて、
何も言わずに演奏を始めた。

美久の父の目には涙がにじんでいた。
それを見た美久は父の側に行き言った。
「パパ。美久、パパと一緒に泣きたかった。」
水縞は1つのパンを出していった。
「お二人でどうぞ。」
父はパンをちぎって美久に渡した。
夕食を食べカフェを後にした未久と父。
「パパ。」
そう言って未久は父の手を握った。

美久と父が帰ったカフェでは、
「今夜の演奏代です。」
「りんごのハチミツパンです。」
そう言ってりえが阿部にパンを出した。
焼きたてのパンにハチミツをかけて、
阿部は冗談半分で言った。
「私は辛党なんですよ〜。」
「今夜はワイン頂いていいかな?」

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〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
月浦に厳しい冬がやってきました。
そのお客様がやってきたのは、
月も凍りそうな夜のことでした。
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「少しの時間だけ寄せてもらってもいいですか?」
そんな電話が入り、駅にむかえに行った水縞。
客は老夫婦の阪本史生と妻のアヤ。
若い頃にアヤに告白して振られた史生。
史生は傷心旅行で月浦付近にいたが、
追いかけてきたアヤに月浦駅でプロポーズして、
結婚したと車の中で水嶋に話した。
「だから娘の名前は、
 有珠の有と月浦の月で有月と付けましたんや。」

そしてカフェに着いた坂本夫婦。
咳き込むアヤに史生は言う。
「もうちょっとや。もうちょっとやで。」
りえがご飯を用意しようとすると史生は言った。
「すみません。こいつパンが嫌いなんです。」
「年寄りにはどうも苦手なもんで。」
しかしカフェには米は無く、
広川のもとへ米を貰いに行った水縞。
カフェを出るときに、りえに言った。
「ちゃんと見てて。何か変なんだよ。」

一方で史生とアヤは窓から外を見ていた。
「月が見えんな〜。」
そうアヤに言い『日之出湯』と書かれた暖簾と、
2人の結婚記念の懐中時計を見ていた。
懐中時計を止め、アヤの内服薬を捨てると、
史生はアヤを抱きしめた。
その時、吹雪だった空が晴れて月が見えた。
「そろそろ月を見に行こうか?」
「有月も待っているわ。」
史生はそう言ってアヤを連れ外に出ようとした。
止めるアヤだが聞かずに外に行こうとする。
水縞がちょうど帰ってきて、史生を連れ戻した。
「月ならこの窓からよく見えますから。」

カフェに戻った史生にりえは聞いた。
「一緒になられて何年ですか?」
史生は話し出す。
「50年近くになりますかね〜。」
「ずっと一緒に風呂屋やってきたんです。」
「地震で全部なくなりました。」
「有月も逝ってしもうて・・・
 でも皆に温かいお風呂入ってもらおうと思って。」
「頑張って立て直してね〜。」
「地震のときにこいつ、残った風呂を見て、
 これがホンマの露天風呂やなって笑ってました。」
「2人きりになってしまいました。」
「十分や。もう十分やなって、よう思うんです。」
「だってそうでしょ?」
「昨日できたことも今日はでけへん。」
「若いときはね、明日また違う自分がおるから
               楽しみに出来るんですよ。」
「せやけど、なかなか出来なくなることばかりで・・・」
「あきません。」
そう言うと頭を抱えて泣き出す史生。

りえは坂本夫婦にポトフと、
炊き立てのご飯を差し出した。
ポトフを一口食べたアヤは、
カウンターに置かれた焼きたての豆パンを見て、
突然それを手に取り、口にいてた。
その行動に驚き史生は声をかけた。
「それパンや。食べられへんやろ。」
「パンおいしいんか?」
アヤはパンを食べて言った。
「美味しい。」
「お豆さんが入ったこのパン美味しいな。」
「私、明日もこのパン食べたいな。」
「お父さん。ごめんなさいね〜。」
泣きながら史生は言った。
「分かった。分かった。」
アヤは泣いている史生にパンをちぎって渡した。
その様子を見ていたりえは、
食器にパンを乗せ坂本夫婦に差し出して言った。
「アヤさん。明日もパン食べてください。」

その夜、1人パンの生地作りをしていた水縞。
それを見に来た史生。
「パンもええですな〜。」
そんな史生に水縞は言った。
「カンパーニュって言う言葉があるんです。」
「さてどういう意味でしょう?」
「ヒントです。もともとの語源は、
 パンを分け合う人たちのことなんですが、
                さてなんでしょう?」
答えを悩んでいた史生に水縞は続けて言う。
「史生さん。しばらく家で過ごしませんか?」
「もう少しいてくれたら、
       ここから満月が見えるんですよ。」

チーズやじゃがいも、チキンや卵、
ワインを持ってくる仲間たち。
坂本夫婦にパンの作り方を教える水縞夫婦。
その夜は水縞夫婦、坂本夫婦を中心に、
阿部や郵便屋さん陽子さんに広川夫婦。
皆でワインを飲んで阿倍の演奏でダンスをする。

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
知ってますか?人は乾杯の数だけ幸せになれる。
ヨーロッパのどこかの国では、
そう言われているそうです。
何か良い事があったら乾杯して、
何か残念なことがあっても乾杯して、
1日の終わりを今日も誰かと乾杯と締めくくれたら、
それは幸せだと・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

翌日りえが洗濯をしているからわらで、
月とマーニを読んでいたアヤは言った。
「お月さんがいてマーニがいる。
         マーニがいてお月さんがいる。」

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
月浦の真っ白な雪が、
りえさんの心を包んでいくのを私には分かりました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

数日後の満月の夜。
カフェの外で月を見た坂本夫婦。
綺麗な満月を見てアヤは史生に言う。
「綺麗ね〜。」
「月はずっとここにあるね〜。」
「明日も月浦にあるね〜。」
「これでお土産できましたわ〜。」
「お父さん。ありがとう。」

史生の持っていた懐中時計は動き出していた。
翌日帰ると言い出した坂本夫婦。
帰り際に史生は水縞に言った。
「カンパーニュの意味分かりましたわ。」
「共にパンを分け合う人々。」
「家族って言う意味違います?」
水縞は答えた。
「史生さん惜しいです。仲間って言う意味なんです。」
「でもそれが、家族の原点だと僕は思ってます。」

月浦駅で坂本夫婦を見送った、水縞夫婦。
りえは水縞に言った。
「ずっと。ずっと見てて私のこと。」
「水縞君のことも見てるから。」
「ありがとう水縞君。」
「私のためにここに来てくれて。」

春になって史生から手紙が届いた。
〜〜史生の手紙〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
りえさん、尚さん。
冬の頃はいろいろお世話になりました。
アヤはこの春亡くなりました。
マーニさんに行った時、
アヤには残された命が短くて、
私は月浦でそのまま一緒に
死ねるものなら死のうと考えていました。
だけどそれは大変傲慢でした。
アヤが前は食べなかったパンを
おいしそうに食べている姿を見て、
私は恥ずかしながら、
人間は最後の最後まで
変化し続けることを始めて気付いたのです。
アヤは懸命に生きてそして死んでいきました。
それを全て私は見届けることが出来たのです。
今私は風呂屋の番台にもう一度座って、
マーニさんのこと、
尚さんが焼いたおいしいパンのこと、
りえさんのスープ思い出しています。
あそこには自分たちの信じることを
心を込めてやっていく、
そんな地に足のついた
人間らしい暮らしがありました。
カンパーニュ。仲間と一緒に。
それこそ幸せがあるような気がいたします。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

その日の夕食。
豆パンをちぎって、りえに渡す水縞。
りえは笑いながら水縞に言った。
「水島君。見つけたよ。」
「見つけた。私のマーニ。」

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この日、水島君の
たった一つの欲しいものが手に入ったようです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2人がお店を始めて、2周年目の記念日。
『しあわせのパン』と書いたメッセージカードと一緒に、
香織と時生、未久と美久の父、坂本さんなど
沢山の関わった人にパンを送る水縞夫婦。
その日の夕方。
出かけていたりえが走って帰って来た。
「来年のお客さん決まったよ〜。」
水縞は聞く。
「ずいぶん先のお客さん入ったんだね。」
「どこから来るの?」
りえは自分のお腹を指差して言った。
「ここ。」

〜〜女の子のナレーション〜〜〜〜〜〜〜〜〜
幸せって何なのか、まだ私には分かりません。
でも私は決めました。
水縞夫妻のところに生まれることを・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(終わり)

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2015年11月21日

【麦子さんと】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【麦子さんと】
麦子さんと.jpg

【出演者】
小岩麦子:堀北真希
小岩憲男(兄):松田龍平
赤池彩子(母):余貴美子
井本まなぶ(タクシー運転手):温水洋一
ミチル(墓地の受付):麻生祐未
麻生春男(旅館店主):ガダルカナル・タカ
麻生夏枝(旅館女将):ふせえり
麻生千蔵(春男の息子):岡山天音
やまだ(麦子の同僚):田代さやか

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【感想】
静かな映画です。
基本的に私の好きなタイプの映画。
主人公の考え方が変わっていくタイプの映画。

一人一人の役者さんの表情に注目です。
みんな実力者の俳優揃いなので、
演技を見ていて面白かったです。

ストーリー性に後一押しあったなら〜。
でも、この手の映画はこれくらいで良いのかも!
それが持ち味なんですね!

母の思いを感じたいときに見る映画です。
基本的に家庭環境的に感情移入はしにくいので、
その中でも見ていられる映画という点では、
良かったんだな〜。って感想書いていて思います。

【あらすじ】(ネタバレあり)
ある町に着いた小岩麦子は駅員に話しかけられた。
「本当に会ったこと無い?」
「なんか会った事あるような気がするんだけどな〜」

麦子は駅を出てタクシーに乗った。
八幡浜旅館までと伝えた麦子は帽子を脱いだ。
ミラー越しに麦子を見た運転手の井本まなぶは、
「なっ!!!」
と後ろを見た。
前を見ずに運転する井本に麦子は、
「前!前!前!」
自転車に乗った警察官をひいてしまう井本。
直ぐにタクシーを降りた井本は声をかける。
小さな町では警察官も知り合い。
鼻血を出す程度でおとがめなし。
タクシーに戻った井本は麦子に、
「昔の知り合いにあまりに似てたもんで。」
そして警察に再び話しかける井本。
「昔ここにいた彩子さんって覚えてない?」
警察は答えた。
「誰ですか?」
「鼻血出ちゃったじゃないですか。」
麦子は自分の持っていたポケットティッシュを、
警察官に渡した。

再び走り出したタクシーで井本は言った。
「30年くらい前かな?」
「君にそっくりな子がいてさ〜」
「赤池彩子ちゃんって言うんだけど。」
「みんな彩子ちゃんに夢中だったもんな〜」
それを聞いて麦子は答えた。
「もしかしてその彩子って言う人、
             この人だったりして?」
そう言って骨箱を見せた麦子。
「その彩子って言う人、私の母親っぽいんだけど。」
またもや後部席を見る井本。
「だから前!」
怒られて前に視線を戻した井本は言う。
「そうか〜。彩子ちゃん亡くなったのか〜」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
バイトから家に帰った麦子。
マンションの前で兄の憲男が、
中年のオバサンと話をしていた。
「だから帰れって言ってるだろ。」
中年のオバサンさんは麦子を見て言う。
「麦ちゃん?」
それをあしらう様に憲男は言った。
「二度と来ないで。さようなら。」

家に入った麦子は憲男に聞いた。
「今の誰?」
憲男は答えた。
「ババアだよ。」
「ババアって言ったら母親だろ。」
戸惑う麦子に憲男は、
「そっかお前小さかったから覚えてないか。」
「あれババアだよ!」
「大体何年も連絡無かったに、
 今更一緒に暮らそうなんて虫が良すぎるよ。」
「親父が死んでから3年間、
    俺がこの家の家賃やら何やら
           やりくりしてきたわけだし・・・」
「俺がさ。今はお前の親父だし、
            母親みたいなもんじゃん。」
「だからさ。どうだっていいだろババアなんて。」
麦子は答えた。
「お兄ちゃんがいればいい。」
「本当感謝しているよ。」
その後もグチグチとお金について話す兄。
「あ〜。もう感謝してるって言ってるでしょ!」

次に日バイト先に来た彩子。
「麦ちゃん大きくなったね〜」
「お兄ちゃんから聞いていると思うけど。」
麦子は言った。
「私はあなたと暮らす気ないので。」
「今更あなたのお世話にならなくても、
           2人でやっていくんで。」
母は続けた。
「一緒に生活したら、
     その分楽になると思うんだけど。」
「このままだと今まで通り、
 入金するの大変になると思うんだけど。」
麦子は驚いた。
「えっ?」
憲男の言っていることとは違い、
彩子は毎月15万入金していた。

その夜、彩子と憲男は家で話していた。
一緒に住むことを反対していた憲男。
しかし結論として一緒に暮らすことになった。
憲男は麦子に言う。
「一緒に住むことになったから。」
「正直言って、入金無かったらきついでしょ?」
彩子も麦子に言った。
「麦ちゃ〜ん。よろしくね〜。」

彩子の引っ越しが終わると、憲男は麦子に言う。
「俺さ〜。近々家をでようと思ってるんだよね。」
「だってあいつ、うぜ〜じゃん。」
「それに彼女から、
   同棲したいって言われてるんだよね〜。」
嫌がる麦子の意見は聞かず、
数日後に憲男は引っ越していった。
残された麦と母。

彩子の目覚まし時計の音は大きく、
それでも目覚めない彩子。
週刊誌を捨てていいと伝えると、
単行本まで捨てる始末。
日々の慣れない生活が続いた。
毎日コンビニ生活の麦子だが、
彩子は手料理を作ってくれた。
どう接してよいのか分からない麦子。
ある日麦子は食材を買いに出かけ、
帰りの遅い彩子に料理を作った。
帰ってきた彩子に聞く。
「ねえ。豚カツ好きだっけ?」
彩子は答えた。
「私最近脂っこいものダメなんだよね〜。」
「どうして?」
麦子は言った。
「聞いただけ。」
しかし、麦子の作った豚カツを見つけた彩子。
「あれっ?この豚カツ麦ちゃんが作ったの?」
「ひょっとして?これ私に?」
麦子は照れながら答えた。
「そういうわけじゃないけど、余ったから。」
喜んだ彩子は言う。
「これ頂こうかな?」
強がる麦子。
「じゃあ勝手に食べれば。」
豚カツを口にして彩子は満面の笑みで、
「麦ちゃん。美味しいよ!」

しかし彩子はトイレに駆け込んだ母。
トイレから出て来た彩子は言う。
「ごめんね。ちょっと体調悪くてさ。」
心配そうに聞く麦子。
「ねえ。どっか悪いの?」
今度は彩子が強がり言う。
「ちょっと寝れば全然大丈夫。」
「麦ちゃん。ちょっとお願いしたいんだけど。」
「足が痺れちゃって。」
「ちょっとマッサージしてくれない?」
麦子は不機嫌そうに彩子に言う。
「私も疲れてるんだけど。」
そう言いながらもマッサージをしてあげた麦子。

ある日麦子は憲男の職場に行った。
「お願い。30万でもいいの。」
声優の専門学校へ入るための
入学資金を借りようとお願いしたのだった。
憲男は麦子に言った。
「悪いけど俺も金ねえし、無理だわ。」
「ババアに頼めば?」
「何時までも夢ばっかり追いかけないで、
         俺みたいに真面目に働けば?」
そんな上から目線の憲男に麦子は、
「何よ偉そうに。もういい。」
そう言ってその場を後にした。

麦子が家に帰ると入学の資料が届いていた。
しかし、それを勝手に開けて見ていた彩子。
麦子の不満は爆発した。
「ねえこれ。何勝手にあけてるの?」
「それに台所何なの?散らかしぱっなしだし。」
「いつも寝てばっかじゃん。」
そのタイミングでなる目覚まし時計。
「だからうるさいって。」
そう言って目覚まし時計を投げつけた。
それでも怒らずに笑いながらに言う彩子。
「私に何かできることがあったら言ってね。」
「頼りないかもしれないけど、一応母親だし。」
麦子は怒りながら続けた。
「私あなたのこと母親だと思ってないから。」

数日後。彩子が死んだ。
駆けつけた麦子に憲男は言う。
「ババア。末期の肝臓がんだって。」
「意味分かんねえよな。」
「いきなり訪ねて来たと思ったら、
             急に死にやがって。」
「まあ。ざまあねえよな。」
「家の家賃はどうするんだよって話だよ。」

そして麦子と憲男だけで彩子の葬儀を行なった。
骨となった彩子を見て憲男は言った。
「こんなに小さくなっちゃうんだもんな」
彩子の遺骨の前で憲男は泣いていた。

家に戻ると憲男は麦子に言った。
「四十九日のとき仕事休めないかも。」
「納骨くらい1人で大丈夫だろ。」
頷き憲男に聞いた麦子。
「あの人もしかして、
 一緒に暮らそうって言ったのって、
  自分が死ぬの近いって分かって・・・」
「そんな訳無いか・・・」
憲男は答えた。
「たまたまっしょ!」

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タクシーは八幡浜旅館に着いた。
旅館に入ると店主の春夫と女将の夏枝が
麦子の顔を見て驚いた。
夏枝は昔の彩子の写真を持って来た。
初めて見た若かった頃の彩子の写真。
それは麦子と瓜二つであった。
「似すぎてて気持ち悪いな〜」
そう言った麦子に対して夏枝は言う。
「アイドル歌手目指してただけあって、
            違う感じだったよね〜」
「本当あの時の佐江子ちゃんは可愛くて、
     本物のアイドルみたいだったよ。」

旅館には彩子の娘が来たと知り、
続々と集まってくる町民たち。
みんな彩子との思い出話をする。
それは彩子を中心とした同窓会の様になっていた。

翌日麦子は墓地を訪れた。
受付にいたミチルは麦子を見て言った。
「信じられないわね〜。」
「綾子ちゃんが。まだ若いのに。」
「それにしてもそっくりね〜。」

しかし埋葬許可書がないと言われ、
埋葬が出来ない事になった麦子。
兄に電話したが直ぐには届かない。
宿に泊まるお金のない麦子を、
ミチルが家に泊めてくれた。
彩子と仲が良かったと話すミチル。
「綾子ちゃんが歌手目指して、
     上京するまでよく遊んでたの。」
「実際難しかったんだろうけど、
 彩子ちゃん本気で頑張ってたんだよ。」

翌日ミチルは観光案内をしてくれた。
そして作ってくれた料理は、
以前に彩子が作ってくれたカボチャ炊き込みご飯。
町民は皆、彩子にそっくりな麦子に優しかった。

ミチルの姿に彩子を照らし合わせた麦子。
麦子は声優を目指していることを教えた。
そしてミチルに言う。
「ミチルさん見たいな人が、
   お母さんだったら良かったのにな。」
それを聞きミチルは言った。
「彩子ちゃんだって良いお母さんでしょ。」
すぐに反論した麦子。
「あの人はお母さんじゃないです。」

町で会った八幡浜旅館の息子の千蔵に誘われ、
町の祭りに行った麦子。
千蔵は麦子に井本とミチルの話をした。
井本は昔、彩子のストーカーだったという噂。
ミチルはバツイチで子供がいるとの話。

祭り会場のステージでは町民の演奏。
このイベントは40周年。
司会者は麦子を見て突然言った。
「これは珍しい人が着てますね。」
「以前この町に住んでいた、
 赤池彩子さんのお嬢さんがお見えになってます。」
「せっかくなんで、
       ステージに上がってきてもらいましょう。」
観客から拍手を送られ、
嫌々ながらもステージに上がった麦子。
「麦子ちゃんにステージに上がってもらうと、
 まるでタイムスリップした気分になりますね。」
「タイムスリップついでに麦子ちゃんにも、
 赤いスイートピー歌ってもらいましょうかね〜。」
断る麦子だが、半強制で曲が流れ出す。
しかし歌えない麦子・・・

祭り会場で麦子は夏枝に会った。
麦子は夏枝に言った。
「お祭り凄い盛り上がってるみたいですね〜。」
夏枝は返した。
「でも昔はもっと盛り上がったのよ。」
「綾子ちゃんが歌ったときが、
   ピークだったんじゃないかな?」
そんな話に水を差したのは千蔵。
「ババアさ〜。金貸して。」
相変わらずの態度を見て麦子は言う。
「私帰ろうかな?」

帰るとミチルはご飯を作って待っていた。
そんなミチルに麦子は言う。
「子供に会いたいと思わないんですか?」
ミチルは答えた。
「え〜。誰かから聞いちゃった?」
「もちろん会いたいよ。」
「今は会わないほうがいいかなって・・・」
「麦子さんなら分かると思うけど、
      お互いいろいろあるじゃない。」
麦子は言った。
「私には良く分からないです。」

翌朝、麦子をボウリングに誘った井本。
井本に麦子は彩子のことを聞いた。
「あの人のこと好きだったんですか?」
井本は答えた。
「そりゃ好きだったけど、
    俺だけじゃなかったけどね〜。」
麦子は続けて聞く。
「まさか、告白とかしてないですよね?。」
井本は昔の事を話した。
「彩子ちゃんが上京するとき、
     たまたま駅で会ったんだよね。」
「歌手になること、
 ずっと両親に反対されてたんだよね。」
「それでついに家を飛び出そうと決心したんだよ。」
「最後に気持ちだけでも伝えようかと思ったけど、
                結局言えなかったよ・・・」

家を出た彩子は凄い荷物を抱えて駅にいた。
そこで井本に会い井本に話したという。
反対していた両親がお金や荷物まで渡してくれた。
鍋やら目覚まし時計やら沢山を・・・
「向こうじゃ起こしてくれる人いないだろうって、
 目覚まし時計まで無理やり渡されちゃった。」
「本当。おかしいよね。頑張らなきゃだね。私。」

その話を聞き、
自分が投げた目覚まし時計を思い出した麦子。

その後ミチルと合流して居酒屋に行った麦子。
お酒が入りミチルに絡む麦子。
「なんで子供に会わないの?」
「いつでも会おうと思えば会えるのに何で?」
ミチルは濁す。
「それは色々と事情があるじゃない。」
麦子は食い下がらず続ける。
「はあ?どんな事情があるって言うんですか?」
ミチルは言い訳を始めた。
「別れた旦那だってまだ若いし、
              再婚だってするでしょ?」
「そしたら新しいお母さん、
          子供たちは迎えるわけでしょ?」
「そしたら私って・・・」
麦子はミチルの言葉を遮り言った。
「そんなのそっちが勝手に決めているだけで、
            子供には関係ないでしょ!」
その言葉を聞いて逆に質問するミチル。
「麦子ちゃんはどんな事情があるにせよ、
      お母さんに会いに着て欲しかった?」
麦子は答えた。
「私は別に親なんてどうでもいい。」
それを聞いてミチルは悲しそうな顔をした。
その顔を見て麦子は続けた。
「悲しそうな顔するのやめて欲しいんだけど。」
「何そうやって悲壮感だしまくってるの?」
「結局会えないのはさ、
    自分で理由膨らましているだけじゃん。」
「それなのに、
 私も会いたいの〜。辛いの〜。って顔して。
  自分を正当化して逃げているだけじゃん。」
「いい大人が本当にバカみたい。」
大人の対応をするミチル。
「そうよね〜。麦子ちゃんの言う通りね。」
「麦子ちゃんは、
 本当に会いに着て欲しいって思わなかった?」
「会いたいって思わなかった?」
麦子は答える。
「私は一度も思ったことは無かったです。」
「あの人が死んだ時だって、
             まったく悲しくなかったし。」
「ミチルさんの子供も、
    会いたいと思わないんじゃないですか?」
「もしかしたらミチルさんが死んだときも、
 私みたいに涙1つ見せないかもしれないですよ。」

ずっと話を聞いていた井本がとめた。
「麦子ちゃん。
    そんなガキみたいなこと言うの止めなよ。」
麦子は怒った。
「ガキってなんですか?」
「私別に間違ったこと言ってないと思うけど。」
井本は諭した。
「それがガキだって言ってるんだよ。」
「本当はお母さんに
  会いたくてしかたなかったくせに。」
「もっと素直になったほうがいいんじゃないの?」
「ミチルちゃんは彩子ちゃんじゃないんだよ。」
「お母さんにいえなかったこと、
  ミチルちゃんにぶつけたって仕方ないでしょ。」
「麦子ちゃん。佐江子ちゃんはもういないんだよ。」
「麦子ちゃんも色々辛かっただろうし、
   腹立つことも色々あるだろうけど、
                 もう許してあげなよ。」
「麦子ちゃんのお母さんは1人しかいないんだよ。」
「彩子ちゃん1人なんだよ。」
その日麦子は、遺骨を抱えて旅館へ言った。
ミチルの家には泊まり難く、旅館で一泊した。

翌日。いよいよ納骨の朝。
旅館を後にしようとした麦子。
そこに千蔵が来て夏枝に言う。
「ねえ、一万円貸してよ。」
夏枝は鼻で笑い言う。
「どうせパチンコでも行くんでしょ?」
笑った夏枝を千蔵は突き倒した。
その瞬間麦子は千蔵の頬をぶっていた。

墓地に着くとミチルがいた。
「昨日は泊まるとこ大丈夫だったの?」
酷い事を言ったはずなのに、
優しく大人の対応をするミチル。
麦子は素直に謝った。
「昨日は私酔っ払っていろいろすみませんでした。」
「私ってガキですね。」
「昨日井本さんが言ってたことその通りだなって。」
「ずっとお母さんに会いたいって思ってたのに、
   実際会ったらどう接していいか分からなくて。」
「ミチルさんも子供にあってあげてください。」
「きっと会いたいって思っているはずですよ。」

そしてミチルと共に納骨を終えた麦子。
「お母さんがっかりしただろうな〜。」
「結局最後まで心開かなかったし。」
麦子の言葉にミチルは言った。
「がっかりなんてしてないわよ。」
「私ね。佐江子ちゃんが東京行った後、
        一度だけ会ったことがあるのよ。」
「お母さんのお墓参りに来たことがあってね。」
「そのときおなかの中には麦子ちゃんがいて。」
「歌手になる夢はかなわなかったけど、
            今人生で一番幸せだって。」
「その時の彩子ちゃん、ものすごい綺麗だった。」
「麦子ちゃんに会えて嬉しかったはずよ。」
「でも安心したわ。」
「麦子ちゃんいつも彩子ちゃんのこと、
  あの人って呼んでたけど、
  今日はちゃんとお母さんって呼んでるから。」
麦子は言った。
「私お母さんにひどい事言ったんです。」
「母親と思ってないって・・・」
「そしたら、
 母親じゃなければ何?父親と思ってるの?
 ってくだらないこと言って笑ってたけど、
  そのときのお母さん。凄い悲しそうだった。」
「その悲しそうな顔、毎日思い出すの。」
そう言って泣き出した麦子。
ミチルはそっと後ろから抱きしめた。

納骨が終わるり墓地を出ると、
井口が駅まで送ろうと待っていた。
そんな井口に麦子は言った。
「電車まで時間があるし歩いていきます。」
「歩きたい気分なんです。」
「いろいろとありがとうございました。」
井本のタクシーからは、
『赤いスイートピー』が流れていた。

駅まで歩く麦子。
麦子は『赤いスイートピー』を口ずさんでいた。
道ですれ違った警察官は、
以前渡したポケットティッシュを出して言う。
「これさ、こないだもらったやつ。」
「その中にさ、こんなの挟まってたんだけど。」
「これ大事なやつじゃないの?」
「返しておくから。」
それはなくしたと思っていた納骨許可証。

そして麦子は憲男に電話した。
「今から帰る。」
「来てよかったよ。本当はもっと居たいくらいだし。」
憲男は言う。
「もう少しゆっくりしていけば?」
麦子は答えた。
「そういうわけにはいかないよ。」
「帰ってバイトして、入学金ためなきゃだし。」
憲男は思い出したように言った。
「埋葬許可書探すときに家の中見たら、
 ババアの通帳があって、
 大した金額は入ってなかったんだけど、
 それにメモが入っていて、
 『少ないお金だけど麦子の夢に使ってください』
                  って書いてあったよ。」
「良かったな。じゃあ気をつけて帰れよ。」

横を通り過ぎた自転車。
その後ろに乗る小さな女の子。
自分と母と照らし合わせた麦子の脳裏に、
母の顔が思い出された。

駅につくと駅員は言った。
「なんかどっかで会ったような?」
「もしかして芸能人の人?」
麦子は笑った。

(終わり)

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2015年11月15日

【彼岸島】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【彼岸島】
彼岸島.jpg

【出演者】
宮本明:石黒英雄
宮本篤:渡辺大
青山冷:水川あさみ
雅:山本耕史
斉藤ケン:弓削智久
ユキ:滝本美織
ポン:森脇史登
西山:足立理
加藤:半田晶也
涼子:大村彩子
雷鬼:深水元基
幻鬼:坂上和子
五十嵐(吸血鬼):山本龍二
師匠:阿見201
大沢:パク・トンハ

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【感想】
以外に面白かった。
ストーリーをギュっと縮めた感は否めませんが、
それが逆にスピード感を持たせていたと思います。

無駄に後半CG使わなくても良かったかな〜
それくらいですが、内容としては面白い。
さすが原作が人気コミックだけあります。

最後が続くように思わせる作り方。
あれ個人的に嫌いです。
はっきりして欲しいですよね〜
あれはどの映画に関しても私に原点ポイント!

しかし、良くこの人選でここまで・・・


【あらすじ】(ネタバレあり)
吸血鬼に襲われた島民。
それを助けた宮本篤に島民は言う。
「見方なのか?」
「ああなんでだろ?」
「あんたが美味しそうなんだよ。」
篤は傷ついた人間に言った。
「こいつの血が体の中に入って感染したんだ。」
「もう直ぐあなたは死に、
 そして奴らの仲間として復活する。」
そう言って感染した島民を殺した。

宮本明は高校に通っていた。
妹を振ったという理由で、不良にからまれる。
必死に逃げる明を助けたのは青山冷だった。
冷は失踪した明の兄、篤の免許証を渡した。
「事情は言えない。」
「でも篤さん、ちゃんと生きているわ。」
「明君。お兄さんに会ってみたいと思わない?」

その夜、幼馴染のケンたちにその話をした明。
次の日、明たちは冷を探した。
そして町で見かけた冷のあとをつけた。
冷は男と歩いて町の外れの廃墟へ入った。
そこで明たちが見たのは、
若い女性の首筋から血を吸う男。
驚き逃げた明たちを追って来た男。
足を擦りむいたユキの血の匂いに反応した男。
ユキを見つけるが、それをかばったケンが捕まり、
首筋をかまれてしまう。
助けようとした明。
力の差がありすぎて、捕まりそうになった時、
フォークリフトに乗った冷が、男をひいて助けた。
フォークリフトから降りた冷は、ハンマーを持ち、
動くはずの無い男の頭を何度も叩く。
それを見た明は冷に言った。
「もう死んでるだろ?」
冷は言い返す。
「まだよ。こいつは人間じゃない。吸血鬼なの。」

帰り道に明は冷に聞いた。
「彼女置いていくのか?」
冷は答えた。
「死んだ人にかまっている暇はないの。」
ケンも冷に聞いた。
「あの化け物、本当に吸血鬼なのか?」
「だったら俺もいずれ吸血鬼に?」
冷は答えた。
「あなたは血を吸われただけよ。」
「あいつの血が体内に入らない限り、
           感染することはない。」
明は再び聞いた。
「なんでそんな化け物とつるんでた?」
冷は答えた。
「あいつは私の監視役よ。」
「私が奴らを裏切らないように見張ってたの。」
「2年前、
  私の住む島に1人の吸血鬼が現れたの。」
「そいつは島の人間を次々に襲い、
  吸血鬼にして島を支配しようとしたの。」
「そして、そのうち血が足りなくなり、
  私はその調達係りをやらされてるの。」
「明君なら私たちを助けてくれると思ったの。」
「宮本篤の弟なら。」
「吸血鬼たちと命がけで戦っているわ。」
「お願い。私と一緒に奴等と戦って。」
「このままだと篤さんも危ないの。」

明の動く心が分かってか、ケンは横から口を挟んだ。
「あんたの言うことは信じられない。」
しかし明の意志は動いていた。
「俺1人でも行く。」
「島に行って兄貴を救い出す。」
「兄貴を見殺しにするなんて出来ないよ。」
そんな明にケンは言う。
「だったら1人で死んでこいよ。」

冷の住む島は表向きには存在しない島。
警察も信じてくれず、動くこともない。
明は竹刀を持ち冷の待つ船に向かった。
来ないと言っていたケンもバットを持って現れた。
後を追うように、ユキも西山もポンも来た。
一足遅れて加藤も・・・
ユキを見てケンは言う。
「ユキ。お前はダメだ。」
「いざって言うとき守ってやれるか分からねえ。」
ユキは言い返す。
「私たち何時だって一緒だったじゃない。」
「私だけ置いてけぼりにしないでよ。」

こうして冷の運転する船に乗った6人。
6人は表向き存在しない彼岸島に向かった。
地図にもないコンパスも反応しない島。

島に着いた7人。
人気のない奇妙な島を見てケンは言った。
「まるで墓場みたいだな。」
島中に彼岸花が生えていた。
彼岸花は毒性の強い花で、通称死人花とも呼ばれる。
昔は土葬した死体を、
動物が掘り荒らすのを防ぐために埋められた花。

島にある村についた一行。
急に変な音が聞こえ、冷は走り出した。
同時に真っ暗な民家に明かりがともり、
1人の老婆(幻鬼)が出てきた。
「こんな夜中に、
 ほっつき歩いていると化け物に襲われるよ。」
その瞬間、多数の吸血鬼が襲ってきた。
抵抗できないまま捕まってしまった6人。
冷だけは走ってどこかへと消えていた・・・

牢屋に入れられた6人。
その屋敷からは人間の悲鳴が聞こえてくる。
守衛の吸血鬼は、その悲鳴を聞いて6人に言う。
「エサが1人死ねば、
  次はお前たちの中の誰かが餌食になる。」
「誰が一番最初に選ばれるか楽しみだな〜」

そのころ冷は雅のもとにいた。
おびえる冷に雅は言った。
「人間の目は正直だ。」
「どんなに虚勢をはろうと嘘はつけん。」
「お前の目に今どんな感情が浮かんでいると思う?」
「不安と恐怖だ。」
そして冷の前に、
自分がハンマーで殺したはずの吸血鬼が現われた。
雷鬼と呼ばれる吸血鬼は死んでなかった。
雷鬼の情報で6人が島に来ることが分かったのだ。

おびえる冷に雅は言った。
「冷。本当に私を殺すつもりだったのか?」
そう言って小刀を冷に渡し、自分の首元につける雅。
「お前に寝首をかっ切られると思うとゾクゾクするよ。」
「憎しみと絶望に染まった血は極上の味だと聞く。」
「冷。本当か嘘か試してみよう。」
そう言って雅は冷の首筋から血を吸った。

一方牢には幻鬼が入ってきて、
その中の1名を餌食に連れて行こうとしていた。
皆をかばい自ら餌食になろうと牢屋を出たケン。
「明。あとは頼んだぞ。」
そう言うと牢屋を出て暴れだすケン。
狙いは守衛の持つ鍵。
ケンは取り押えられ連れて行かれるも、
ケンの狙い通り守衛は鍵を落とし、
それを手に入れることに成功する。

牢屋から抜け出す事に成功した5人と、
吸血鬼の実体実験場に連れて行かれたケン。
明とユキはケンを助けに行こうとするが、
それを止める西本。
「このまま飛び込んでも全滅するのがおちだろ。」
「ケンちゃんの気持ちを無駄にするな。」
それでもケンの元へと走り出すユキ。
ユキを追って明も向かった。

襲ってくる吸血鬼をナタで倒し、ケンを助けた明。
西本と待ち合わせ場所に約束した、
彼岸島の高台を目指した。

西本と加藤とポンも高台を目指していた。
しかしモタモタし前に進まないポン。
「ポン。頼むからもたもたするなよ。」
「てめえいつもドン臭いんだよ。」
そう言われたポンは、
「いざとなったら、また僕のこと見捨てるくせに。」
「もうお前たちのことなんか信じない。」
と言い出だし1人別行動をした。

必死で吸血鬼から逃げる明とケンとユキ。
山道を歩いていると一人の男が襲いかかってきた。
その顔を見てビックリする明。
その男は明たちを吸血鬼と思った篤であった。
明を見て驚いた篤は聞いた。
「お前たち、もしかして冷に連れてこられたのか?」
「それにしてもなぜ、のこのこ付いて来たんだ!」
明は答えた。
「だって。兄貴が心配だったから・・・」
篤は怒り言った。
「誰が心配してくれって頼んだ。余計なお世話だ。」

明たちは篤に守られて高台へとたどり着いた。
そこでまっていた西本と加藤。
合流したあと篤は、
旧日本軍の施設である隠れ家に皆を連れて行った。
ついてすぐに明は篤に聞く。
「兄貴。ポン探しに行っていいかな?」
篤は答えた。
「ダメだ。この周辺は危険だ。」
「むやみに動くと死ぬぞ。」
どこか昔と雰囲気の違う、冷血な篤。
優しかった兄貴を思い出しショックを受ける明。

そんな時、血だらけで戻ってきたポン。
「どうして探してくれなかったの?」
「僕だけ仲間はずれか・・・」
「みんな仲間だと思ってたのに・・・」
「昔から貧乏くじばかり引かされてたよな〜」
「それがお前たちの本心なんだよ。」
「腹の中じゃ僕のこと見下しているんだよ。」
明は答えた。
「違うって。」
そんな明の言葉を聞かずに、
「みんな許さない。」
怒鳴ったポンの目は赤く光り、牙が伸びていた。
そして明に襲い掛かるポン。
同時にライ鬼を筆頭に多数の吸血鬼たちが襲ってきた。

篤は明に言った。
「明何してる。早くそいつを切れ。」
それでもポンを切ることができない明。
見かねて篤はポンの頭に刀を差した。
「兄貴何やっているんだよ。ポンが死んじゃうだろ。」
そう言ってポンを抱きしめる明。
しかし吸血鬼たちは襲ってくる。
明を無理やり連れて逃げる篤。

逃げ続ける篤の前に現われた雅。
「私に挨拶もなしに立ち去るつもりか?」
「また腕を上げたな。」
「お前の目は憎しみで溢れている。」
「憎しみは人を生かして力を与える。」
そういう雅すらも無視して逃げるが、
途中でユキが吸血鬼に捕まってしまう。
ユキを助けようとする明。
しかしそれをも制して逃げる事に専念する篤。

逃げ切ることができたが、明は篤を殴り言う。
「なんでユキを見捨てた。」
「ポンだってそうだ。」
「何も殺すこと無かっただろ。」
篤は答えた。
「非情にならなければ、
       ここでは生きていけないんだ。」
そして1つだけユキを救う方法があると、
4人をある場所へ連れて行く篤。

道の途中で明は篤に聞いた。
「涼子さんは?一緒じゃなかったの?」
篤の恋人だった涼子。
その名前を出され全ての経緯を話す篤。
「涼子は死んだ。俺のせいだ。」
「この島は涼子の生まれ故郷だった。」
当時、島にきた篤は結婚の了承を得た。
しかし島にある神社の尊堂で見たのは、
閉じ込められていた吸血鬼、雅であった。
目の前で雅に血を吸われて死んだ涼子。
何十年も監禁されていた雅を、
外に出したのが篤であったのだ。

そのころ雅はユキの元へ・・・
怖がるユキに、
「そんな顔するな。」
「本当の地獄はまだこれからだ。」
「私が究極の力を手にしたとき、
   人間どもは知ることになる。」
「本当の絶望とはどんなものか・・・」
「やつらの泣き叫ぶ顔を眺めがら、
    命を吸い尽くしてやるんだ。」
「これ以上の楽しみはない。」

篤は彼岸島で家族を殺された生き残り、
レジスタンスたちのもとへ4人を連れて行った。
そこにいる師匠と呼ばれる男は篤に言う。
「雅の首を取りに行ったんじゃなかったのか?」
答えずに篤は師匠にお願いした。
「弟たちをしばらくここで預かってもらえますか?」
それを聞いていた明は言う。
「この人たちの力を借りて、
      ユキの救出に向かうんじゃないのか?」
「初めから俺たちを騙すつもりでここに来たのか?」
篤は制するように明に言う。
「少しは自分の力をわきまえろ。」
それを聞き明は師匠へ言った。
「お願いします。」
「吸血鬼と戦いかたを教えて下さい。」
師匠は答えた。
「私を切ってみろ。」
そう言うと明に向かって槍を振りかざした師匠。
「死にたくなければ本気で戦え。」
「生かす心無くして生きる価値なし。」
「とっとと吸血鬼の餌食になるがいい。」

明は本気で師匠に立ち向かっていった。
潜在能力に長けた明は師匠の槍を切り落とした。
「己の力を信じろ。」

その夜4人は、
ユキを助けようとしてくれないことを愚痴っていた。
それを聞いていた大沢は言う。
「半年前仲間が吸血鬼に襲われ、
         我々に牙をむいてきた。」
「そのとき師匠は何のためらいも無く、
          その子の頭を切った。」
「俺たちは決して助けない。」
「それが彼岸島だ。俺たちの戦いなんだ。」

明の修行は続いた。
それは壮絶なものであった。
しかし明はユキとポンを思い出し喰らいついた。
それを見ていた師匠は言う。
「悲しみや怒りは人を作る。」

数日後、
力をつけた明は1人ユキを助けに行こうとした。
明は師匠に向かって言う。
「俺はあなたたちのようにはなれません。」
「自分の気持ちを押し殺して生きるくらいなら、
 真っ向から戦いを挑んで死んだほうがましだ。」
「奴らになくて俺たちにあるものってなんだよ?」
「心だろ。人を思う気持ちだろ。」
「それこそが一番の人間の武器だと信じてる。」
それを聞いた師匠は言う。
「やはり兄弟だな。」
「篤も雅の元へ向かった。」
「お前と同じ言葉を残してな。」

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一足先に雅のもとへ向った篤。
1人で吸血鬼と戦っていた。
何とか雷鬼と幻鬼を倒すも、ユキを囮に囲まれた篤。
勝ち誇って雅は言った。
「丸メガネ。そのまま私の前に跪くがいい。」
その時、絶体絶命の篤を助けたのは冷。
難を逃れた篤だが、そんな篤に雅は言う。
「中で待っているぞ丸メガネ。」
「私の気が変わらぬうちに娘を助けに来い。」

明らかに待ち伏せしている事は分かっている。
しかしそれでも砦に向った篤と冷。
雅を前に冷は言う。
「あんただけは刺し違えても殺してやる。」
しかし雅はあざ笑いながら言う。
「ここがどんな場所か忘れたわけじゃあるまいな。」
そう言って篤と冷を閉じ込める。
同時に人間の数十倍はある、
鬼と呼ばれる化け物が入ってきた。

侠気に満ちた鬼は、
篤と冷、吊り下げられたユキと追い詰める。
それを助けに現れたのは明。
同時に師匠を筆頭にレジスタンスも一斉に乗り込んだ。
それでも動じない鬼と雅。

師匠を見て冷は言った。
「ごめんなさい。勝手な真似をして。」
そんな冷に師匠も言う。
「もう少しで大事なものを失うところであった。」

鬼を任せて雅のもとへ向った篤。
雅は篤を待ち構えていた。
「やっと2人きりになれた。」
「私を生み出したのは人間のエゴと侠気だ。」
「人間も吸血鬼も本性は変わらん。」
「強いものが弱いものを支配する。」
「それが全てだ。」
「お前は俺の右腕にふさわしい男だ。」
「早くこっちの世界に来い。」
そう言った雅に篤は返す。
「願いは一つ。涼子の敵をとることだ。」

刀をあわす篤と雅。
しかし絶対的な力の差。
「愚かな・・・」
そう言って篤を切り裂く雅。
雅は自分の血を篤に垂らそうとした。
篤を吸血鬼に変えようと・・・

鬼を師匠と共に倒し、
間一髪で篤を助けに来た明。
雅を相手に篤と2人で立ち向かった。

一方で鬼はまだ生きていた。
残されたレジスタンスとケン、西本、加藤、ユキ。
は鬼を爆破して倒して砦の外へと逃げた。
冷は1人雅の元へ走った。

冷がたどり着いたとき、決着はつこうとしていた。
圧倒的な強さの雅は、
「楽しかったよ。」
そう言うと篤の体に刀を差した。
しかし篤は諦めていなかった。
自分の体に刀を差し、
後ろにいた雅の体へ刀を突き刺した。
そして明に言う。
「諦めるな。早く首をきれ。」
「俺ごと首を切れ。」

明は篤を交わしながらも雅の首をはねた。
首を切り落とされながらも話す雅。
「やってくれたな、丸メガネ・・・」
切り落とされた雅の首に、更に刀を差す明。
そして傷つく篤のもとへ。
しかし篤は言った。
「来るな!近づくんじゃない。」
「お前に教えたはずだ。」
「感染した奴には一切情けをかけるな。」
「それがこの島で生き延びる鉄則だ。」
「明。俺のためにここまで来てくれてありがとうな。」
「お前のおかげで、俺は自分を取り戻せた。」
「人として死ねる気がする。」
「お前には仲間を連れて帰るっていう、
        大事な仕事が残っているんだ。」
「冷。明を頼んだ。」
「明。ちゃんとユキちゃんに気持ち伝えろよ。」

鬼を爆破した衝撃で砦は崩れ落ちる。
何とか脱出した明と冷。
明たちは彼岸島を脱出する。
師匠に頭を下げた明。
「兄貴とポン。よろしくお願いします。」
師匠は言った。
「安心しろ。必ず見つけて弔っておく。」

船に乗り帰る5人。
ユキは言った。
「私達いろんなものを抱えて、
   生きていかなきゃいけないのね。」
明は空を見上げてしずかに目を閉じた。

その時・・・
明は何かの気配に感じて彼岸島に目を向ける。

首だけとなった雅の目が開いて、
彼岸島に雷が落ちた・・・

(終わり)

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2015年10月29日

【STAND BY ME ドラえもん】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【STAND BY ME ドラえもん】
STAND BY ME ドラえもん.jpg

【出演者】
ドラえもん:水田わさび
のび太:大原めぐみ
のび太(青年時代):妻夫木聡
しずか:かかずゆみ
ジャイアン:木村昴
スネ夫:関智一
セワシ:松本さち
出木杉:萩野志保子
のび太のママ:三石琴乃
のび太のパパ:松本保典
しずかのパパ:田原アルノ
ジャイアンのママ:竹内都子
ジャイ子:山崎バニラ
先生:高木渉

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【感想】
本気でヤバい作品です!!!
ドラえもんって何なんですかね〜
子供の為のアニメだったはずなのに、
日本中が『ドラ泣き』するんですよ!!!

私は個人的にしずかちゃんパパの台詞が・・・

夢を与え、勇気を与え、
そして温かい気持ちにさせる映画です!

私この短期間で4回も見ました。
後にも先にもこの映画くらいかもしれません。

見てない人は少ないと思いますが、
見てない人も、見た人も、
永久に受け継いでいく映画の一つとして、
心に残して欲しい作品です。


【あらすじ】(ネタバレあり)
昼寝をしていたのび太は夢を見ていた。
それは空飛ぶしずかちゃんに連れられ空を飛ぶ夢。
「のび太〜いい加減に起きなさ〜い。」
ママの声で現実にもどされ、
飛び起きて学校へ向かうが遅刻。
学校で廊下に立たされるのび太。
それを見て馬鹿にするジャイアンとスネ夫。
のび太を助けるしずかちゃん。
放課後は皆で野球するが、
のび太はかなりの運動音痴。
それを末来で見ていた、セワシ君とドラえもん。

セワシ君は誰かが面倒見なくちゃと、
ドラえもんを連れてのび太の元へ。
セワシ君はのび太の4代後の子。
のび太は曾曾おじいちゃんにあたる。
のび太の机の引き出しにタイムマシーンを止め、
引き出しからのび太の部屋へ。
「のび太君!君のび太君だろ?」
寝ていたのび太は寝眼で、
ドラえもんを見て飛び跳ねた。
「たたたた、たぬき〜」
それを聞いて部屋の電気をつけたドラえもん。
「無理も無いか〜。」
「こんばんは〜僕ドラえもん!」
そしてセワシ君も机から登場。
「驚かないで聞いてね。」
「僕らは未来から来たんだ!」

夜中にセワシ君とドラえもんの話を聞く。
のび太とジャイ子が結婚して、
その末裔がセワシ出来たということ。
のび太は将来、就職できずに会社を作るが、
その会社が火事で潰れ、借金で貧乏生活だと・・・
落ち込むのび太にセワシ君はいう。
「そんなに気を落とさないでよ。」
「未来は変える事だって出来るんだから。」
「そのために来たんだ。なあドラえもん。」
反対するドラえもんだが、セワシ君は
「のび太君を幸せにしない限り、
             末来に帰ってこられない。」
そう言ってドラえもんの鼻を回した。
「今日からこのドラえもんが君の面倒を見るよ。」
ドラえもんは言った。
「そんなの無理だよ〜」
そんなドラえもんにセワシ君は
「のびた君の幸せが成し遂げられたら、
 直ぐに帰ってこられるように、
プログラムして置いたから。」
「もし君が残りたいって言っても、
             無理やり返されちゃうよ!」
「ちょっと使いづらい奴だけど、
  曾々おじいちゃんの役に立つと思うよ〜。」
そう言うと末来へ戻っていったセワシ君。
ドラえもんも
「やっぱり僕も帰るよ〜」
そう言った瞬間・・・
『不正ワード検出。』
そう鳴り響きドラえもんに電流が流れた。
その日からドラえもんはのび太と過ごした。

しずかちゃんの話をしているのび太が、
幸せそうに見えたドラえもん。
ドラえもんはのびたに提案した。
のび太としずかちゃんを結婚させようと。
「のび太君を幸せにするなら、
 それが一番いいかなと思うけど・・・」

次の日からのび太は、
ドラえもんの末来の道具を使って生活が変わった。
『どこでもドア』で遅刻することが無くなり、
『暗記パン』でジャイアンよりも良い点数を撮った。
『透明マント』でジャイアンを負かし、
『がっちりグローブ』で野球が上手になる。
『タイム風呂敷』で割った花瓶を元に戻し、
『着せ替えカメラ』で汚れた服を直した。
『ハッスルねじ巻き』で家の手伝いも猛スピード。
『ガリバートンネル』『わくわくごっこの木』
『雲固めガス』で皆と遊んだ。
ドラえもんが来てからのび太は生き生きしていた。

しかしのび太には強敵、出木杉がいた。
ドラえもんに相談すると、
「馬鹿にするな〜。」
「22世紀から来た猫型ロボットだぞ!」
「出来ないことはない!」
そう言って出した道具は『刷り込み卵』。
卵に入り、出た時に最初に見た人を好きになる道具。
ドラえもんの説明もろくに聞かずに、
のび太は道具を持って外に出た。
しずかちゃんのもとへ向かうのび太だが、
坂道を卵が転げ落ちて、
その先にいたジャイアンが卵に入ってしまった。
卵から出たジャイアンはスネ夫を見た。
もちろんジャイアンはスネ夫を好きになり追い回す。

一方でのび太は懲りずにもう一度挑戦。
『ストレートホール』で、
しずかちゃんの家とのびたの部屋をつなげて、
家に帰ったしずかちゃんはのび太の部屋へ・・・
思惑通り『刷り込み卵』にしずかちゃんを入れた。
そのタイミングでジャイアンに終われるスネ夫が、
のび太の家に助けを求めに来た。
スネ夫とジャイアンをあしらい、
しずかちゃんのもとへ行くと、
しずかちゃんの家の『ストレートホール』に落ちた、
出木杉君がしずかちゃんの前に・・・
出木杉君に抱きつくしずかちゃん。
出木杉君は言う。
「何とか元に戻して。」
それに対してしずかちゃんは、
「出木杉さん。私に好かれたら迷惑?」
出木杉君は答えた。
「こんな道具に頼って、
  君の心を動かすのは嫌なんだよ。」
その言葉を聞いて反省するのび太。
ドラえもんはそんなのび太に言う。
「君も道具を使ってもダメだって分かったでしょ?」
「きみ自信が何かしないと〜」
のび太は答えた。
「どうせ僕何かは何をやってもダメなんだよ!」
それを諭すようにドラえもんは言う。
「どうせって言って諦めていたら、
        いつまでたっても今のままだよ!」
「それでもいいの?」

次の日からのび太は頑張った。
ドラえもんが朝起きるとのび太は勉強をしていた。
とりあえず0点を取らないための努力。

それから数日後のテスト。
のび太はテスト用紙を見て驚いた。
勉強していたのは数学。
漢字テストだったのである。
結果は0点。
のび太は自分の不甲斐なさに意気消沈し、
引っ越すことまで考えた・・・
励ますドラえもんにのび太は言った。
「もういいんだ。しずかちゃんとの結婚は諦めるよ。」
「あの子がいるから僕は生きていけるんだよ。」
「僕なんかのお嫁さんになると、
       しずかちゃんは一生苦労することに・・・」
「僕は今まで自分の事ばかり考えてきた。」
「でも本当にしずかちゃんのことが好きなんだ。」
「僕がいないほうがいいんだ。」
「しずかちゃんと離れるのは辛いよ。」
「だけど、
 僕のせいでしずかちゃんが不幸になるのは
                    もっと辛いんだ。」

のび太はしずかちゃんに借りていた本を返しに行った。
のび太の行動を不審に思ったしずかちゃん。
しかしのび太の決意は固かった。
しずかちゃんに嫌われようと必死になった。
ドラえもんには、
しずかちゃんに嫌われるための道具を頼んだ。
仕方なくドラえもんが出した道具は
『ムシスカン』
「しずかちゃんだけでなく誰も寄り付かなくなるよ!」
と聞く前に道具を飲み干したのび太。
同時にのび太からは負のオーラが発せられ、
誰一人近づけない状態になった。

飲み干したのび太も体調がおかしくなり、
「助けて〜」
みんなのび太から離れていく中で、
しずかちゃんだけは、
のび太の声を聞いて助けに向かった。
誰も近寄らなくなった自分に、
しずかちゃんだけは近づいてきた。
「そんなに心配してくれたの?」
そう聞くのび太にしずかちゃんは、
「当たり前でしょ。お友達なんだから。」
「のびたさんの馬鹿。」
そう言ってのび太の胸で泣き出した。

その夜ドラえもんはのび太に伝えた。
「今回の出来事で君の末来が・・・」
「これが現時点での君の末来。」
その写真は大人のしずかちゃんに、
お尻を叩かれているのび太似の子供。
のび太は喜んだ。
「ありがとうドラえもん。」
「君が来てくれたおかげだ。」

「それは違うよのび太君。」
「星のようにある可能性から、
     君がきっかけを掴んだんだよ。」
「新しい君の未来。」
「君の人を思いやる気持ちが、
    末来を変えようとしているんだ。」

次の日ドラえもんとのび太は、
『タイムテレビ』で末来を見ることにした。
しずかちゃんとのび太の婚約日の少し前。
そこに映っているのは、
相変わらずダメなのび太。
そんなのび太を登山に誘うしずかちゃん。
「行きたいんだけど坂道に弱くて〜」
「平らな山ならいいんだけど〜」
どうしようもない返答に怒って帰るしずかちゃん。

その後のテレビに映っていたのは、
雪山で遭難しているしずかちゃんと、
熱を上げて寝ているのび太。

それを見てのび太はひらめいた。
「タイム風呂敷を貸して。」
そして自分を大人の姿にしたのび太。
その姿で静香ちゃんを助けに行くことにした。
「タイムマシンを使うって事は、
    又末来が変わるって事だよ。」
「それはいつも良い方向ばかりって限らないんだ。」
それでもドラえもんのアドバイスを無視して、
のび太は末来へ向かった。
末来へついて早々に、
『どこでもドア』でしずかちゃんのもとへ・・・
もちろん自分の力で助けたいのび太は、
ドラえもんを置いて雪山に降り立った。
そしてしずかちゃんと合流。
「僕が着たからにはもう大丈夫。」
しかし『どこでもドア』では帰られない。
のび太は意気揚々と世界地図を取り出した。
世界地図では帰り道はわからない・・・
そんなのび太にしずかちゃんは、
「のび太さんらしいわね〜」
「小さい頃はこういうときに、
  いつもドラちゃんが助けてくれたわね〜」
「ドラちゃんはどうしているのかな?」
未来を知らないのび太は答えた。
「昼寝でもしているんじゃないのかな?」
それからの未来を知っているしずかちゃんは、
「やだわのび太さん。何言っているのよ!」
そんなやり取りのなかで、
近くにあった洞窟に入る2人。

しかし事態は思った以上に悪かった。
しずかちゃんは咳き込みだして、
倒れこんでしまう。
「しずかちゃん死んじゃうかもしれない。」
動揺したのび太を見てしずかちゃんは言う。
「それにしてものび太さんは、
          ちっとも変わらないわね。」
「放っておいたら、
  どうなるんだろうってハラハラしちゃう。」
「いいわ。こないだの返事OKよ!」
そう言うと倒れこんでしまった。

「助けて〜ドラえも〜ん。」
しかしドラえもんは・・・公園で昼寝をしていた・・・

助けようとしずかちゃんを担ぎ、
『どこでもドア』まで連れて行こうとした。
その時しずかちゃんの腕についた、
生命装置から危険信号の合図が・・・
どうしようとあわてるのび太。
「そんなの嫌だよ〜。」
「しずかちゃんが死んじゃう。」
「勉強でも何でもするから。」
「心を入れ替えるから。」
「ぼくがいい加減な気持ちで来たから・・・」
「自分で自分で何とかするしかないんだ。」
「何か方法があるはず・・・」

真剣に考えたのび太はひらめいた。
「あいつを信じるしかない。」
そして何時何分かを調べたのび太。
「あとは末来の僕に賭ける。」
「僕自身を信じる!」
「届けこの記憶。頼む未来の僕。」
「この出来事を思い出してくれ。」
「僕の人生で最大のピンチを忘れるはずが無い。」
「届け!この記憶!」

と・・・その時!
末来ののび太が迎えに来た。
自分の記憶に埋め込むことで、
末来に自分を動かしたのだ!

向かえに来た未来ののび太に聞いた。
「思い出してくれたんだ!」
未来ののび太は答えた。
「突然思い出したんだ。」
「記憶が飛び込んできた感じ。」
「不思議な感覚だった。」
「何でこんな大事なこと忘れていたんだろうって・・・」
「もう大丈夫!作戦は大成功だったんだ!」
「自分に向かって言うのも変だけど、
             僕を信じてくれてありがとう!」

しずかちゃんを病院に送り届けた末来ののび太。
そして公園で待つのび太とドラえもんのもとへ・・・
遠くからドラえもんを見る末来ののび太。
それを見てのび太は聞く。
「呼んでこようか?」
未来ののび太は答えた。
「いや!やめておこう!」
「ドラえもんは君の・・・
 僕の子供の頃の友達だからね〜」
「ドラえもんとの時間を大切にしろよ!」
そう言って帰ろうとする未来ののび太。
のび太は言った。
「大人のしずかちゃんが、
  気を失う前に言ってたんだけど・・・」
「この前の話OKだって。」
それを聞いて未来ののび太は喜んで言う。
「この前思い切ってプロポーズしたんだ〜」
「こうしちゃいられない。」
「しずかさんのもとに行かなきゃ〜」

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プロポーズが成功したことを知り、
のび太とドラえもんは結婚式を見に行くことにした。
結婚式会場に向ったのび太とドラえもん。
そこに現われた末来ののび太。
しかし・・・
結婚式を一日間違えていたドジな末来ののび太。

のび太とドラえもんは結婚前夜を見ることにして、
未来ののび太に着いていく。
未来ののび太はジャイアンとスネ夫と出木杉と、
幼き頃の思い出を語りながら夜を飲み明かしていた。

その頃未来のしずかちゃんは・・・
パパの部屋を訪れたしずかちゃん。
『透明マント』で部屋に忍び込んみ様子を見る。
「おやすみなさい。」
とパパに言ったしずかちゃんの顔は沈んでいた。
そこで『正直電波』で本音を聞くことにした。

するとしずかちゃんはパパに言う。
「パパ。私結婚やめる。」
「私がいなくなったら寂しくなるでしょ?」
「これまでずっと甘えたり我がまま言ったし、
 それなのに私のほうは、
 パパやママに何もしてあげられなかったわ。」
その言葉に対してパパは、
「とんでもない。」
「君は僕たちに素晴らしい贈り物を残して、
               行ってくれるんだよ。」
「まず最初の贈り物は、
         君が生まれてきてくれた事だ。」
「君の産声が天使のラッパみたいに聞こえた。」
「あんな美しい音楽は聴いたことがない。」
「この広い宇宙の片隅に、
 僕の血を引き継いだ生命が生まれたんだって、
  そう思うとむやみに感動しちゃって、
              涙が止まらなかったよ。」
「それからの毎日。楽しかった年月。
   満ち足りた日々の思い出こそ、
         君からの最高の贈り物だった。」
「少しくらい寂しくても思い出が暖めてくれるさ。」
「そんな事気にかけなくてもいいんだよ。」
しずかちゃんはパパに聞いた。
「私不安なの。うまくやっていけるかしら?」
パパは答える。
「やれるとも!」
「のび太君を信じなさい。」
「君の判断は正しかったと思うよ。」
「彼は人の幸せを願い、
      人の不幸を悲しむ事ができる。」
「それが人間にとって、
       一番大事なことなんだからね。」
「彼なら間違いなく、
   君を幸せにしてくれると僕は信じてる。」
「そしてそんな彼を選んだ君を誇りに思っている。」
「大丈夫。君の未来は絶対に明るい。」

その話を聞いたドラえもんはのび太に言った。
「結婚式を見るのは、また今度にしない?」
のび太も頷き答える。
「そうだね。早く現代に帰ろう。」
「会いたくなっちゃった。」
「僕の時代のしずかちゃんに・・・・」

そして現代に帰ったのび太とドラえもん。
次の日のび太はしずかちゃんのもとへ・・・
「しずかちゃん。」
「僕きっと君を幸せにして見せるからね。」
「絶対。絶対幸せにするから。」

そして浮かれたのび太はドラえもんに、
「ドラえもん。タケコプター貸して。」
「今僕は、僕はね〜」
「みんなに分けたいくらい、すっごく幸せだ〜」
そう言って空に飛び出した。
その時・・・
『のび太君の幸せを受信しました。』
『成し遂げプログラム完了。』
『48時間以内に末来へお帰りください。』
ドラえもんは思い出した。
「そうだったセワシ君がセットしたんだっけ?」
「良かった。良かった。」
「これでようやく帰れるってわけか〜」
「まったく君は、ドジで、ノロマで、
  勉強が嫌いで、気が弱くて、
   怠け者で、グズで、運動もまるでダメ。
    臆病者で、うっかり物で、頼りなくて、
     面倒くさがりやで、意気地なしで、
       物覚えが悪くて、お人良しで、
         お調子者で、甘えん坊で・・・」
「あれ?どうしよう・・・困ったな〜」
ドラえもんの目からは大粒の涙が出ていた。

次の日。
「ドラえも〜ん。」
「鼻でスパゲッティを食べる道具出して。」
ドラえもんは怒った。
「出来ない約束なら最初からするな〜」
「いつもいつも僕を頼って。」
「たまには自分で何とかしたらどうなんだ。」
「もう君が困っていても助けてあげられないんだ。」
のび太は驚いて聞いた。
「何?どういうこと?」
ドラえもんは答えた。
「実は・・・もうここにはいられないんだ・・・」
「明日には帰らないと本当に不味いんだ・・・」
プログラム上もうこの時代には来られないドラえもん。
それを知ったのび太は言う。
「嫌だ。帰らないでドラえもん。」
ドラえもんも素直な気持ちを話した。
「僕だってできる事なら帰りたくないんだ。」
その時、
『不正ワード。帰りたくないを確認。』
それと同時にドラえもんに電流が流れる。
寂しそうにドラえもんは言う。
「成し遂げプログラムには逆らえないんだ・・・」
「のび太君になんて言ったらいいか・・・」
「君の未来は変わったんだ。元気だしなよ。」
のび太は返す。
「ドラえもんがいないと意味ないよ。」
慰めるようにドラえもんは続けた。
「君自身も変わったよ。」
「出会った頃とは大違いさ。」
「だけど・・・それでもやっぱり心配なんだ。」
「君のそばにいてあげられたら、
         どんなにいいかって思うよ。」
「僕がいなくてもちゃんとやっていける?」
「ジャイアンやスネ夫に意地悪されたら、
             1人で立ち向かえる?」

のび太は何も答えずに、
「放っておいて。」
そう言って1人家を出て行った・・・

のび太が向ったのは近くの空き地。
待っていたのはジャイアン。
「ドラえ・・・」
いつものように助けを呼ぼうとするが、
『ちゃんと1人で立ち向かえる?』
そのドラえもんの言葉を思い出して、
「喧嘩するならドラえもん抜きでやろう。」

力の差は圧倒的なのに、
何度殴られても起き上がるのび太。
「待て。まだ負けてないぞ。」
「勝負はこれからだ。」
何度も何度も立ち向かうのび太。

最後の夜なのにのび太が帰って来なく、
のび太を探しに行くドラえもん。
そんなドラえもんが見たのは・・・
ボコボコになりながらも、
ジャイアンの足に絡みつくのび太。

ジャイアンは疲れながら言う。
「放しやがれ。」
しかしのび太は、
「僕1人の力で勝たないと・・・」
「ドラえもんが安心して・・・帰れないんだ〜」
殴り続け体力も底をついていたジャイアン。
ボロボロののび太は最後の力でジャイアンの鼻を握った。
ジャイアンは言った。
「分かった。俺の負けだ。許せのび太。」

それを影で見ていたドラえもんは
「のび太く〜ん。」
そう言ってのび太に駆け寄った。
ボロボロののび太は言った。
「勝ったんだよ。」
「僕1人で・・・」
「安心して帰れるだろ・・・」

次の日ドラえもんは末来へと帰った。
『ドラえもん。』
『君が帰っちゃったら部屋がガラッとしちゃったよ。』
『でもすぐになれると思う。』
『だから心配するなよ。ドラえもん』

数日後 エイプリルフール。
相変わらずいじめられているのび太。
ジャイアンがのび太のもとへ駆けつけた。
「のび太〜。大変だ〜。」
「今そこで誰にあったと思う?」
「ド・ラ・え・も・ん!」

のび太は喜んだ。
全力で走って家に帰るが家にはいない。
貯金箱を割ってドラ焼きを買いに行こうとする。
その姿を見て笑いながら、
ネタばらししたジャイアンとスネ夫。
ついてはいけない嘘に落ち込むのび太。
部屋で泣くのび太だが、あることを思い出した。
それは・・・
『僕が帰った後で、
 どうしても我慢できない事があったらね、
 君に必要な道具が一度だけ転送されてくるから。』
そう言っておいていった転送アイテム。
のび太はその転送アイテムを使った。
届いたのは『嘘エイトオーオー』
しゃべった事がみんな嘘になるという道具。

その道具を使ったのび太は、
ジャイアンとスネ夫の下へと向った。
「今日はいい天気だ!」
すると快晴だったのに大雨が降りずぶ濡れに・・・
「スネ夫は犬に噛まれない。」
スネ夫は犬に追いかけられ、
「ジャイアン、君はお母さんに可愛がられるね。」
ジャイアンはお母さんに怒られ、
叩かれながら家に連れて行かれた。

しかし・・・
のび太からは乾いた笑いしか出なかった・・・

家に帰ったのび太に声をかけるママ。
「それでドラちゃんはいたの?」
のび太はしずかに答えた。
「ドラえもんがいるわけないでしょ!」
「ドラえもんは帰って来ないんだから・・・」
「もう二度と会えないんだから・・・」

そして部屋に入ると・・・
「のび太君!」
ドラえもんがいた!!!
のび太は喜び、そして聞く。
「どうして?」
ドラえもんは答えた。
「実に不思議なんだよ、
       急に来ていいことになった。」
「そうか〜!」
「これを飲んで僕が帰って来ないって言ったんだね〜」

のび太は泣いた。
「嬉しくない。ちっとも嬉しくない。」
「これからもずっとドラえもんと一緒に暮らさない。」
「暮らさない。絶対に一緒に暮らさない。」

(終わり)

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2015年10月28日

【もらとりあむタマコ子】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【もらとりあむタマ子】
もらとりあむタマ子.jpg

【出演者】
坂井タマ子:前田敦子
坂井善次(父):康すおん
坂井啓介:鈴木慶一
坂井よし子:中村久美
曜子:富田靖子
仁(中学生):伊東清矢

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【感想】
不思議な映画でした。
現代の若者を描きたかったのか、
不意に見える家族の絆を描きたかったのか?
分からないけど、なんか見てしまいました。

面白いか?
分かりません・・・
それでいい映画なんだと思います。

それしか言えません。
面白い映画が見たくて見るものでもなく、
ただボーっと見て欲しいですね〜

こんな感想じゃ分からないかっ!
でも本当に思ったままを書くとこうなりました・・・


【あらすじ】(ネタバレあり)
甲府スポーツ店の朝。
遅めの朝食を食べるタマ子。
タマ子の父親である善次は店を開けて接客。
店の奥ではタマ子が漫画を読み続ける毎日。
接客の合間に洗濯をしてふと見ると、
食器をそのままでトイレで漫画を読むタマ子。
「タマ子!」
善次は怒り気味の口調で呼ぶが、
「トイレ!」
それ以上に怒り気味の声で返され、
結局食器を洗うのは善次。

タマ子は漫画を読み、そのまま昼寝・・・
一方で父親は食事の用意をして・・・
ご飯が出来上がるとタマ子は起きて夕食を食べる。

ある日の夕食。
ニュースを見ていたタマ子は言う。
「ダメだな。日本は・・・」
すると善次は聞いた。
「お前どっか体悪いのか?」
「少しは就職活動しているのか?」
「なんで大学行かせたと思っているんだよ?」
「卒業しても何もしないで食って寝て漫画読んで。」
「日本がダメなんじゃなくて、お前がダメなんだよ!」
怒った口調の善次に、それ以上の形相で、
「そんな事言わなくても働くわよ。私だって!」
そんなタマ子に善次はさらに聞く。
「いつなんだよ!」
タマ子も負けじと、
「少なくても今ではない!」

〜〜大晦日〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
年末を向かえ店の大掃除をする父。
一方で食料品の買い物に行くタマ子。
タマ子は従兄弟の啓介が彼女と歩くのを見た。

その夜。御節を持ってきて叔母さんのよし子。
その御節と善次の作った蕎麦を食べる二人。
タマ子は食べながら携帯をいじっていた。
「食べるか携帯かどっちかにしろ。」
そうタマ子に言った善次に対して、
「今のうち新年のメール送っておくの。」
「年が明けると通じなくなるから。」
と返したタマ子。
善次は、
「その機転を就職活動にも活かしてくださいよ。」
とだけ言っても蕎麦をすすった。
それを見て話を変えたタマ子。
「ねえちゃんは?お母さんからも連絡ないね。」
「先月連絡したときは電話するって言ってたのに。」
「今度バリ島行くんだって。」
それを聞いて無言の善次。
「私もどっか行こうかな?」
善次は口を開けた。
「一緒に行ってくればいいじゃない。」
タマ子は返した。
「嫌だよ。」
それに対して善次は、
「父さんと行くか?」
その言葉に被せるように、
「嫌だ。絶対に無理。」

〜〜春になった〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
タマ子は美容室に行き、履歴書を書いていた。
そして同時にダイエットを始めた。
更にタマ子は善次に言う。
「ねえ服買いたいんだけど。」
「面接用・・・」

それから数日後に住職が家に来た。
「そういえば3日前にタマちゃん来たよ。」
「真剣に拝んでたよ。」
「お守りも買ってくれてさ。」
善次は言った。
「ようやくその日が来たかな?」

一方でタマ子は啓介の家にいた。
啓介の家は写真屋。
啓介はタマ子に聞いた。
「どんな感じに撮ればいい?」
タマ子は答えた。
「自然な感じで!透明感!」
「あんたこれ絶対誰にも言っちゃダメだからね。」
そして写真を撮り終えたタマ子は聞いた。
「いつできる?」
啓介は答えた。
「なるべく早く。」

その夜。
「タマちゃん。ハイこれ。」
「いいやつだから。」
そう言って善次はタマ子に小さな紙袋を渡した。
紙袋に入った小さな箱を開けると、
高級そうな時計が入っていた。
それを見たタマコは直ぐに言った。
「いくらしたの?」
「ねえ。返してきて。」
父はそれに対して。
「いいから。いいから。」

次の日タマ子の部屋を掃除していた善次。
善次はゴミ箱からタマ子の書いた履歴書があった。
その履歴書には、
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今の自分は私ではありません。
生きている以上誰もが何かを演じている。
私は誰かになっている時が一番自然に思うのです。
そんな私に新しい名前を付けてください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
と書かれていて、
机にはアイドルオーディションの雑誌もあった。

その日店番をしていたタマ子。
「タマ子ちゃん。」
それは啓介の父であった。
内緒だったはずの写真を啓介ではなく、
啓介の父が届けにきたのだ。
動揺したタマ子。

その夜善次とタマ子はしばらく無言が続いた。
最初に話しかけたのは善次だった。
「父さん嬉しいよ。」
「タマ子が何かをやろうとしてくれたことがさ〜。」
「応援するよ。お父さんは。」
それを聞いたタマ子は答えた。
「もう嫌だ〜。」
「辞めてやる。全部辞めてやる。」
フォローするように善次は言った。
「可愛いってタマ子。全然いけてるって。」
そんな善次の言葉にすら、
「それが嫌なの。そういうのが嫌なの。」
そう言って自分の部屋へと閉じこもってしまった。
善次は黙ってタマこ子の写真を見ていた。

その日でタマ子のダイエットは終わった。
一方で写真屋ではタマ子の写真が飾られた。

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〜〜夏〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
食料品を買いに行ったタマ子が、
昔の同級生を見かけた。
今の姿で知り合いに会いたくなかったタマ子は、
同級生を避けて通ろうとした。
しかし気付かれ声をかけられる。
「タマ子?いつ帰って来たの?」
二人には気まずそうな空気が流れる。

家に帰ったタマ子は甲子園野球を見ていた。
「このクソ熱いのに野球なんか良くやるよね?」
それに対して善次は
「青春だぞお前!」
「いろんな人間がいるんだよ。」
「タマ子はタマ子のままでいいって言ってるの!」
いつもと雰囲気の違う善次を見て、
「もしかして良いことでもあった?」
「今日何?夜?」
善次の事より夕御飯のほうが気になるタマこ子。

その夜はよし子の家へと行った。
話題はよし子が善次に紹介した、
アクセサリー教室の先生。
「善ちゃんに良い人出来たら、
 タマちゃんだって安心して家出て行けるじゃない?」
興味を持ったタマコは父に聞いた。
「どんな人?」
善次は答える。
「別に・・・」
「よっちゃん面白がっているだけだから。」
それに対してタマ子は言った。
「まあ父さんがって言うより、
 向こうが父さんいいって思ってないのに・・・」
それ対して
「バカ・・・」
としか言わない善次であった。

翌日タマ子は写真屋の前にいた。
そして、彼女と歩く啓介を見つけると、
「一緒に来て欲しいんだけど。」
舌打ちして啓介は言う。
「恋に部活に忙しいんだよね。誰かと違って。」
タマ子は頭を叩いて啓介を連れて行った。
向かった先は赤川アクセサリー教室。
善次がよし子の紹介で会った人が働く教室。
「とにかくその先生って言う人、
              見てくればいいから。」
「で、どんな人だったか教えてくれればいいから。」
そう言い啓介を送り出した。
言われるままに教室に入る啓介。
「初めてですか?」
そう先生に声をかけられた啓介は、
言われるままにアクセサリーを作った。

戻った啓介は報告した。
「初めて3年目だって、教室。」
「1人で上井沢のマンションに住んでるんだって。」
「あと、猫飼ってて、うどんが好きなんだって。」
どうでもいい情報にタマ子は聞く。
「美人?」
啓介は首をかしげて言った。
「どちらかといえば・・・」
「タマ子のお父さん、あの人と結婚するの?」
タマ子は答えた。
「しないよ。」

次の日、タマ子は善次に言った。
「やっぱり危ないと思うな〜」
「そのアクセサリー教室って、
 結構男のお客さん多いらしいし、
 先生目当てで通っている人多いだろうな〜」
それに対して善次は言う。
「タマ子お前それ見たことしゃべっているのか?」
「違うだろ?」
「憶測で人をあだこうだ言うもんじゃないよ。」
タマ子は言う。
「怒るって事は好きなんじゃん!」
善次は反応に困りながら、
「怒ってないよ。」
そう言って仕事に戻った。

そのやり取りのあとで、
タマ子は自ら教室に足を運んだ。
教室に入ったタマ子に、
先生の曜子はアクセサリーの作り方を教えてくれた。
できたアクセサリーを見て曜子は言った。
「あなた青似合うと思う。」
それを聞いたタマ子は、
「お父さんには似合わないと思うしな〜」
先生は聞き返した。
「お父さん何している人?」

タマ子は素直に答えた。
すると曜子は言う。
「あなたがタマ子さん?」
「一度ご飯を食べに行って・・・
     優しい人ね〜、楽しかったな〜」
タマ子は否定した。
「外面いいんですよ!」
「ただのオッサンですから!」
そして父の作った料理や、
日常の生活にグチグチと文句を言った。
そして最後に言ったのは、
「一番ダメなところは、
 私に出て行けって言えないことですよ。」
「ちゃんと目を向いて言えないんですよ。」
「父親として失格なんです。」
それを聞いた先生は、
「坂井さん良い人なのね〜」
「なんで次の人見つけないんだろうって・・・」
「分かった!タマ子ちゃん面白いから?」

帰り道、タマ子は母に電話した。
「まずいよ父さん。」
「恋人できちゃうよ。」
「再婚ありえるよ〜十分に・・・」
反応がない母にタマ子は聞いた。
「私どうなるの?」
「冷たくない?」
母は返した。
「母さんと父さんは別々に暮らしているのよ。」
「お姉ちゃんだって結婚しているんだし。」
「タマ子だけよそんな事言っているの。」
「母さんだって悪いと思っているのよ〜」
「でもどうしようもないこともあるの。」
「タマ子も自分の生活ちゃんとするの!」
「タマ子、東京来る?」

数日後。
善次はタマ子に聞いた。
「お前曜子さんの教室行ったろ?」
タマ子は聞き返した。
「曜子さん何か言ってた?」
「あの人いい人だよね。」
「あの人ならいい!」
すると善次は言う。
「今更他人と暮らすなんて嫌だよ父さん。」
少し間が空き善次は続けた。
「タマ子、夏が終わったらこの家出て行け。」
「就職決まらなくても、とにかく家出ろ!」
あっけにとられたタマ子。
タマ子は答えた。
「合格。」
予想外の言葉に善次は、
「何だそれ?」

翌日タマ子は店の開店準備をして、洗濯をした。
その後、街にある商店の前のベンチで、
啓介とアイスを食べていた。
「私夏終わったらここ出るから。」
啓介は聞いた。
「どこ行くの?」
タマ子は答える。
「まだ決めてないけど、どっか行くでしょ。」
「啓介は?レギュラーなれそう?」
「彼女は?」
啓介は答える。
「別れた。自然消滅。」
タマ子は頷き言う。
「そんなもんだな!」

アイスを食べ終え啓介は帰って行った。
タマ子も立ち上がり大きく背伸びをする。
「自然消滅って・・・」
「久々に聞いた。」

(終わり)


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2015年10月22日

【思い出のマーニー】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【思い出のマーニー】
思い出のマーニー.jpg

【出演者】
佐々木 杏奈:高月彩良
マーニー:有村架純(森山良子)
佐々木 頼子(杏奈の里親):松嶋菜々子
大岩 清正(叔父さん):寺島進
大岩セツ(叔母さん):根岸季衣
マーニーのばあや:吉行和子
久子:黒木瞳
彩香:杉咲花
山下医師:大泉洋
十一(といち):安田顕
美術教師:森崎博之
マーニーの母:甲斐田裕子
マーニーの父:戸次重幸
町内会役員:音尾琢真
信子:?
和彦(マーニーの夫):?
絵美里(マーニーの娘):?

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【感想】
ジブリ最高!!!
ストーリー最高!!!

感動的なお話ですよね〜
何でアニメなのに序盤と終盤の表情が、
あんなに変わっていく様を描けるのでしょう?
もう何も言わなくても良いですね。

ジブリに関しては人によって受け取り方が様々。
ネットなどではいろいろな論争もありますが、
語らずに受け取ってもらうものが映画です。
だからジブリは最高です。

米林監督はジブリでは2本の監督をしました。
1つはこの「思い出のマーニー」
もう1つが「借りぐらしのアリエッティ」
どちらもとても良い作品でした。
今はジブリを抜けましたが、
更なる作品を手がけて欲しい監督の1人です。


【あらすじ】(ネタバレあり)
「この世には目に見えない魔法の輪がある
 輪には内側と外側があって
 この人たちは内側の人間
 そして私は外側の人間
 でもそんなのはどうでもいいの・・・」

写生会で公園で絵を描いていた杏奈。
その絵を見せてもらおうと声をかける先生。
その時公園にいた幼稚園児が怪我をして、
先生は杏奈の絵を見ずに駆けつけて行った。

『私は私が嫌い・・・』

杏奈は喘息の発作が起こり倒れてしまった。
自宅で医者に診察してもらった杏奈。
杏奈の同級生たちが鞄を持って来てくれる。
対応したのは杏奈の母頼子。
頼子は同級生たちに聞いた。
「杏奈、皆さんと仲良くやってます?」
同級生たちは答えた。
「普通です。」

そのやり取りを家の中で聞いていた杏奈と医者。
医者は杏奈に言った。
「相変わらず心配性だね。お母さん。」
杏奈はそれに答えずつぶやく。
「お母さん・・・?」

診察を終えて医者は頼子と話した。
「あの子いつも普通の顔なんです・・・」
「感情を表に出さないって言うか、
 もっと表情がある子だったんですよ。」
「でも最近は分からなくなってしまって・・・」
「やっぱり血が繋がってないからなのかな・・・」
それを聞いていた医者は頼子に話した。
「例の病養の件考えたほうがいいですよ。」

数日後。
杏奈の体調を心配していた頼子は、
杏奈を空気の澄んだ叔母さんの家に、
しばらく療養しに行かすことにした。
札幌から電車に乗って釧路方面に電車は走った。
電車から降りると叔父さん叔母さんが迎えに来ていた。
叔父さんの運転する車に乗って家へ向かう。
しばらくして家に到着した杏奈が通されたのは、
以前叔母さんの娘が使っていた部屋。
今は独立して家には住んでいない娘の部屋。

荷物を開けた杏奈が見たのは、
『何のでもいいので、
 あった事を書いてください。頼子』
と書かれた手紙と沢山のハガキ。

部屋の窓を開けると、
そこは自然いっぱいの景色が広がっていた。
杏奈は机に座ってハガキを書いた。
「無事に着きました。とてもいいところです。
 叔父さん叔母さんもとても親切です。」
ハガキを出そうと、近所の郵便局へ無かった杏奈。
その帰りに海辺に立つ屋敷を見つけた。
『何だろう。あのお屋敷知っている気がする。』

干潮の時間で屋敷には歩いてたどり着いた。
『やっぱり誰もいないんだ。』
そう思った杏奈の記憶は遠のいていった。
気がつくと屋敷の前で寝ていた杏奈。
帰ろうとするが満潮となっていて帰られない。
そこを通りかかった十一がボートに乗せてくれた。
ボートに乗り帰る途中、
誰もいなかったはずの屋敷には明かりがついていた。

家に帰ると叔父さん叔母さんは言う。
「潮の満ち引きで景色ががらりと変わるでしょ?」
「月の力だよ。」
「ずっと外国の人が別荘として使っていたみたい。」
「それから何人か持ち主が代わって。」
「もう長く空家のままね。」

その夜、杏奈は夢を見た。
屋敷の中で金髪の女の子が髪をとかしていた。

次の日杏奈はスケッチに出かけた。
物静かな十一さんのボートに乗って、
ボートの上で湿っ地屋敷を描いた。

また次の日も杏奈はスケッチに出かけようとした。
そんな杏奈を呼び止めた叔母さん。
杏奈の1つと年上の信子の家に物を届けに・・・
信子の母と叔母さんは、明日の七夕祭りを、
一緒に出かけなさいと盛り上がった。
2人に浴衣を着せて行かせようとした。
「きっと似合うわよ。」

『似合うわけ無いじゃない。おせっかい・・・」

七夕祭り当日。
言われたままに信子と祭りに行った杏奈。
信子は杏奈に聞いた。
「どうしてこんな田舎に来たの?」
杏奈が答える前に友達と話し出す信子。

杏奈が短冊に書いた願い事。
『毎日普通に過ごせますように。』
それを信子は杏奈から奪い読み上げる。
「杏奈ちゃん普通って何?」
またもや答える前に信子は話し出す。
「杏奈ちゃんの目の色。」
「よく見ると凄く綺麗。」
「ちょっと青が入っていて・・・」
それに被せるように杏奈は言った。
「いい加減放っておいてよ。」
「太っちょブタ!」
信子は言った。
「普通の意味が分かったわ。」
「でも可愛そうに。普通のフリをしても無駄。」
「だってあんたは、
    あんたの通りに見えているんだから。」
そう言ったあとに、
仲直りをしようと歩み寄った信子。
その手を振りほどいて走り出す杏奈。

『私は私の通り・・・』

そして向かった先は屋敷の見える岸辺。
『私は私の通り。』
『醜くて、バカで、不機嫌で、不愉快で、
              だから私は私が嫌い。』
『だからみんな私を・・・』
小さい頃から一人ぼっちだった記憶を思い出し、
うつむいてしまう杏奈。

しばらく時間が過ぎた。
落ち着いた杏奈は家に帰ろうとした。
その時岸辺にボートがあるのを発見した。
杏奈はボートに乗り屋敷へと向かった。
初めて漕いだボートはうまく操作できずに、
屋敷のある岸辺に突っ込みそうになる。
その時・・・
「ロープをこっちに投げて。」
目の前には夢で見た金髪の女の子がいた。
杏奈は急いでロープを投げて、
それを受け取った女の子が杏奈を助けた。
「大丈夫?」
杏奈は驚いて言う。
「私の夢の中に出てきた子にそっくり。」
それに対して女の子は答えた。
「夢じゃないわ。」
「私どうしてもあなたと知り合いになりたいの。」
そう言って手を差し伸べる女の子。
杏奈は聞いた。
「私を見たことがあるの?」
女の子は答えた。
「ええ。しょっちゅう。」
その時屋敷の中から声が・・・

女の子は逃げるように杏奈を連れて、
岸辺まで送った。
そのボートの中で女の子は言う。
「あなたは私の大事な秘密よ。」
「誰にも話していないし、これからも話さない。」
「ねえお願い。約束して。」
それに答えるように杏奈も言った。
「私たちのことは秘密よ。永久に。」
そうして手を握り合った2人。

家に帰ると信子の母が家に来ていた。
杏奈が信子に言ったことに対してのクレーム。
それを柱の陰から聞いていた杏奈。
「不良なもんですか、あの子が・・・」
そんな叔母さんの言葉が聞こえ家に入ると、
叔母さんはいつものように温かく迎えてくれた。
「聞いてたのかい?気にするんじゃないよ。」

次の日の満潮の時間。
杏奈は再び岸辺に向かった。
そこにはボートを漕いで杏奈を迎えに来る女の子。
「乗って!ピクニックよ!」
日が暮れそうな夕方にピクニックと言う女の子。
女の子は杏奈にボートの漕ぎ方を教えてくれた。
そこで初めて女の子の名前を聞いた。
「言ってなかった?マーニー。」
「知っていると思ってた。」
「私あなたのことでいっぱい知りたいことがあるの。」
「でも少しずつ知っていきたい。」
「一晩で3つずつ質問するの。」
そういう決まりを作り早速質問するマーニー。
「あなたはなぜこの街にいるの?」
「私喘息なの。」
そう答えた杏奈。次は杏奈の番。
「あなたはあの屋敷に住んでいるの?」
マーニーは答える。
「2歳の時からずっとね。」
「ばあやと、ねえやと一緒にね。」
そしてマーニーの質問。
「おばちゃんって誰?」
杏奈は答えた。
「私の保護者よ。」
「私のことを厄介に思って、
         私をこっちによこしたの。」
続いて杏奈の質問。
「兄弟は何人?」
「私は一人っ子。」
マーニーは答えてから、質問する。
「大岩さんのとこの生活はどんなのなの?」
その質問を受けた杏奈は記憶が遠のいていた。

『思い出せない・・・』

気がつくと1人ボートに乗っていた。
「杏奈!」
遠くから走ってくるマーニー
「探したのよ。」
「あなた急にいなくなってしまうんだもの。」
杏奈は答えた。
「私どこにも行ってないわ。」
「ただあなたの質問に答えようとして・・・」

急に思いついたように、
屋敷に杏奈を連れて行くマーニー。
今日は屋敷でパーティーが開かれていた。
それに杏奈を参加させようとしたマーニー。
ドレスアップしたマーニーは、
杏奈の頭に、ばあやのショールを被せ、
屋敷の中に入れた。

マーニーのパパは杏奈を皆に紹介した。
杏奈は花の入ったかごを持ち、
ショールをかぶって参加した。
それを見た杏奈のママは言う。
「私にその花をいただけるかしら?」
「小さな魔女さん?」

沢山の客人のいるなかで注目を浴びる杏奈。
緊張をほぐそうと、杏奈にワインを渡すパパ。
遠くではマーニーが男の子とダンスをしていた。
何も知らない杏奈はワインを飲んで意識が飛んだ。

気がつくと屋敷の外のテーブルで寝ていた。
「目が覚めた?酔っ払いさん?」

マーニーと一緒に踊っていたのは幼馴染の和彦。
和彦にマーニーをとられた感じがして嫉妬する杏奈。
その表情に気付いてかマーニーは誘った。
「さあ、私たちも踊りましょ。」
そういうと杏奈の手をとり踊るマーニー。
綺麗な美声で歌を口ずさみながら・・・
そして言った。
「また私を探してね。」
「それから誰にも言わないでね。約束よ。」

気が付くと杏奈は夜の道に倒れていた。
通りかかった人に助けられて家に送られた。
片方の靴をなくして帰ったアンナ。
それでも優しく対応してくれる叔父さんと叔母さん。

マーニーに出ってから杏奈は笑顔が出るようになった。
おばさんは言った。
「思い出すわね。」
「頼子のところに杏奈ちゃんが来たときのことを。」
「一緒にいられなかった5年間を埋めるんだって。」
「でもあの心配性は・・・」
「何かあるたびに電話してきて。」
「頼子から送られてきた、
         あなたの写真がいっぱいあるのよ。」

その夕方、昼寝をしていた杏奈は思い出した。
『私のこと探してね。』
時計を見ると17時。
『私マーニーのことを忘れそうになるなんて。』
直ぐに杏奈は岸辺へと向かった。
しかしマーニーの姿はない。

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それから1週間マーニーは杏奈の前には現れなかった。
相変わらずに海岸でスケッチを続ける杏奈。
そこに1人の画家久子が歩み寄った。
杏奈の絵を見て久子は言った。
「その子、私の知っている子に良く似ている。」
「とても良い子だった。」
それを聞き杏奈は呟くように言う。
「とても良い子。でも1週間も会っていない。」
「私が忘れたから怒っているのかな?」
慰めるように久子は言った。
「友達ならちゃんと話せば大丈夫よ。」
そして、近々屋敷に人が入ると教えた久子。
それを聞いた杏奈は屋敷に向かった。

杏奈が屋敷に近づくと、
屋敷の住人になった彩香が声をかけた。
「あなたマーニー?」
驚いた杏奈は彩香のもとへ・・・
屋敷に招き入れてくれた彩香。
そこは一度入ったマーニーの部屋。
彩香は杏奈に聞いた。
「あなたマーニーよね?」
それに対して杏奈は聞き返す。
「あなたこそ、どうしてマーニーを知っているの?」
すると彩香は日記を取り出して言う。
「あなたの日記よ。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
夕べはお寝巻きでボートに乗った。
夜の湿地と月がとても綺麗だった。
また生きたいな。

6月8日パーティー。
パパやママや沢山の友達が来てとても楽しかった。
サンルームから外へ出て花売りの子とダンスをした。
でもばあやが夕べのことで、
部屋へ閉じ込めてしまった。
これでしばらく夜中のボート乗りはできない。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それを読んだ杏奈は彩香に言った。
「マーニーは私が作り上げたの。」
「空想の中の女の子。」
「でも、これはマーニーの日記だわ。」
「まるでここに住んでいたみたい。」
彩香は杏奈がマーニーではないことを知り落ち込んだ。

『ねえマーニー。あなた誰なの?』

数日後にいつものようにスケッチをする杏奈。
後ろから声をかけるマーニー。
「それ私?」
驚き声を上げてマーニーに抱きつく杏奈。
「マーニー。マーニー。」
杏奈から絵を取りマーニーは言う。
「なんて上手なの?」
「自分の絵を描いてもらったのは初めてよ。」
「嬉しいわ。」
そんな言葉を無視するように杏奈は言う。
「会いたかった。」
「心の中でずっと呼んでいたの。」
マーニーは答えた。
「私も。」
嬉しくなった杏奈は言う。
「私のお部屋に来てマーニー。」
マーニーは答えた。
「私はお屋敷の側から離れられないの。」
杏奈は諦めてマーニーに言った。
「分かった。マーニーの好きなところに行くよ。」

そうして2人は花を積み、きのこを積んだ。
「マーニーってきのこに詳しいのね?」
パパに教えられたきのこ獲りを自慢するマーニー。
そんなマーニーに杏奈は突然話した。
「あなたは恵まれた人。」
「私あなたなら良かった。」
「私、貰いっ子なの。」
「本当の両親は小さい頃に死んだの。」
「おばあちゃんも。」
「わざと死んだんじゃないって、
 分かっているけど、時々思うの。」
「許さない。私を独りぼっちにして・・・」
それを聞いたマーニーは言った。
「私はあなたがうらやましい。」
「あなたは貰いっ子で幸せだと思う。」
「もし自分が身寄りの無い子だったのなら。」
「そのときに幼女にしてくれたお父様お母様こそ、
     本当に親切な人なんじゃないのかしら?」
それを受けて杏奈は続けた。
「じゃあ凄い秘密を話すね。」
「本当の子供じゃない私を、
      今まで育ててくれて感謝しているわ。」
「でも見つけちゃったの私。」
「あの人たちお金をもらっているの。」
「手紙を見たの役所からの。」
「もし私が本当の子供だったら、
            そのお金は貰ってないわ。」
「本当の子供でないおかげで貰っているの。」
「それに、私に分からないようにして・・・」
マーニーは返した。
「でもそのことと、
   叔母様があなたを愛しているかは別よ。」
杏奈は言い返す。
「違うのよ。」
「あの人は私にばれるんじゃないかって、
       いつも心配そうな顔をしているの。」
「こんなこと気にする自分も嫌いだし。」
「私もう何も信じられなくなった。」

マーニーは静かに杏奈を抱きしめた。
「泣いてもいいよ杏奈。」
「私はあなたを愛しているわ。」
「今まで会ったどんな女の子よりも、
私はあなたが好き。」

そしてマーニーは自分の闇を話した。
「きのこ狩りをしていたのはずっと小さいとき。」
小さい頃から両親は家にいなく、
ばあやとねえやと暮らしていたこと。
それでもマーニーは、
「私は世界で一番恵まれた子だと思うわ。」
と杏奈に伝えた。

「ねえ杏奈。いつまでも私の友達でいてくれる?」
杏奈は答えた。
「いつまでも友達だよ。」

それからマーニーはばあやの話をした。
厳しいばあやにいじめられていて、
サイロに連れて行かれそうになったと・・・
そんなマーニーの話を聞いて杏奈は言った。
「そんなひどい話聞いたこと無いわ。」
「ねえやもばあやも、
         雷に打たれて死ねばいいのに。」
マーニーは杏奈に言った。
「私あなたなら良かった。」
それを聞いて杏奈は言った。
「かわいそうなマーニー。」
「私もマーニーのことが一番好きだよ。」
「今まで会った誰よりも。」
「なんか、私たち入れ替わっちゃたみたい。」

そして杏奈はマーニーに提案した。
「ねえサイロに行こう。」
「お化けなんか出るってうそだよ。」
「ちゃんと確かめに行こうよ。」
杏奈はマーニーの手を引き歩いた。
「大丈夫?マーニー?」

「あなたと一緒ならきっと大丈夫だわ。」
「和彦・・・」
そう言うとマーニーは突然1人サイロへ歩き出した。
そこへ通りかかった彩香。
「見つけたのよ。日記の続きよ。」
少し目を離すと既にマーニーの姿は無かった。

急いでサイロへとむかう杏奈。
サイロの中はとても薄暗い、
「誰?誰か煎るの?」
それはマーニーの声だった。
杏奈がマーニーに近づくと、
「和彦。怖い。」
そう言って杏奈に抱きつくマーニー。
杏奈は言った。
「私は安和よ。しっかりして。」
その声で杏奈に気付くマーニー。

サイロにぶつかる風が地響きに聞こえる。
おびえるマーニー。
杏奈はマーニーを抱きしめた。
「よく頑張ったよ。マーニー・・・」

気がつくと夢を見ていた杏奈。
それは小さい頃に、
自分に子守唄を歌ってくれた祖母の姿。
次に見たのはマーニーを、
サイロに迎えに来る和彦の姿。

目を覚ますとそこにマーニーの姿は無かった。
「マーニー。」
杏奈は叫びながら屋敷へと向かって走り出した。

『マーニー。私を置いていってしまった。』
『あなたまで私を。』

一方で彩香は1人日記の続きを読んでいた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
和彦が私をサイロに連れて行こうとしている。
私は絶対に行かない。
あの人があのことで、
私をからかうのを辞めてくれればいいのに・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
その日記を見て彩香はサイロへと向かった。
サイロへの道で、倒れている杏奈を見つけた。

「ひどいよ・・・」
そうつぶやき続ける杏奈。
杏奈は雨の中で倒れ高熱をあげていた。
杏奈は夢の中でもマーニーを探し続けていた。
「マーニー。ひどいよ。」
「絶対に許せない。私を置いて黙って帰るなんて。」

夢の中でマーニーは答えた。
「杏奈。大好きな杏奈。」
夢の中のマーニーに問い掛ける杏奈。
「どうして私を置いて行ってしまったの?」
「どうして私を裏切ったの?」
マーニーは答えた。
「そんなつもりは無かったの。」
「だってあの時、
    あなたはあそこにいなかったんですもの。」
「私もうここからいなくならなければいけない。」
「あなたにさようならしなければならないの。」
「だからお願い。」
「許してくれるって言って。杏奈・・・」
杏奈はその言葉に答えるように言う。
「もちろんよ。許してあげる。」
「あなたが好きよ。マーニー。」
「決してあなたのことを忘れないわ。」
「永久に・・・」

雨が降り止み光が差した。
杏奈は熱が下がり元気になっていた。
そんな杏奈に会いに来た綾香は、
杏奈に日記の続きと一枚の絵を渡した。
湿っ地屋敷を書いた綺麗な絵。
その絵の裏には、
マーニーへ宛てて久子が書いたと記されていた。

杏奈と彩香は久子へ合いに行った。
久子に日記を見せて杏奈は言った。
「教えて下さいマーニーのこと。」

久子は幼いころマーニーと友達だったと話す。
ずっと両親にほっとかれていたマーニー。
もちろんお手伝いにもいじめられていた。
その後マーニーは札幌で和彦と結婚した。
和彦はマーニーを支えていた。
そして2人の間に絵美里が生まれた。
しかし数年後に和彦が病気で亡くなった。
マーニーはショック体調を崩して療養所へ入った。
絵美里は全寮制の学校に入れたことで、
マーニーとの間にすれ違いがいが生じた。
絵美里は家出をしてまもなく結婚をした。
絵美里も旦那との間に1人の子供が出来た。
しかしある日、事故でエミリと旦那は亡くなった。
絵美里の子はマーニーに引き取られた。
『この子には寂しい思いはさせない』
そう決心していたマーニーだが、
翌年にマーニーは体調を崩して亡くなった。
それは今から10年ほど前の話。

そして久子は言った。
「彼女寂しい人だったけど、
        いつも一生懸命生きていたわ。」
「幸せになろうと笑顔で前を見ていた。」
「あなたもマーニーに会ったのね。」

数日後。
頼子が札幌から杏奈を迎えに来た。
短い夏の杏奈の療養は終わりをむかえる。
その日も杏奈は彩香と遊んでいた。
「不思議ね〜。」
「マーニーが私たちを会あわせてくれたのね。」
それを聞いていた十一はつぶやいた。
「マーニー。」
「青い窓に閉じ込められた少女。」
「昔の話だ・・・」

すっかり元気になった杏奈。
マーニーに出会った事で、
頼子への対応は変わっていた。
頼子は杏奈に話し掛けた。
「あなたに話さなくてはならないことがあるの。」
「毎月自治体からお金をもらっているの。」
「これだけは本当。」
「お金を受け取っていても、いなくても、
 杏奈を思う気持ちは変わらないわ。」
それを聞いて杏奈は答えた。
「知ってた。」
「おばちゃんが話してくれたことが嬉しい。」

そして頼子は杏奈に一枚の写真を渡した。
それは湿っち屋敷の写真。
「杏奈がうちに来たときずっと握り締めたものよ。」
「施設の人が言っていたわ。」
「あなたのおばあさんの物だって。」
写真の後ろには
『私の大好きな家  マーニー』
と書かれていた。
それを見た杏奈のの目からは涙が溢れていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「そうやって一晩中、私はサイロにいたの。」
「私は怖くてたまらなかった。」
「そこへおじいちゃんが来たの。」
「よく頑張ったって、励ましてくれた。」
「私はそうやって沢山の怖いものを乗り越えてきたわ。」
「杏奈も大丈夫よ。」
「だって杏奈はたった一人の私の孫なんだから。」

そう言ってマーニーは、
自分のつけていた髪飾りを杏奈に就けた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
幼きころに杏奈に話しかけたマーニーの姿が蘇る。
その髪飾りは今でもアンナの髪で輝いていた。
「おばあちゃん・・・」

杏奈が札幌へ帰る日。
杏奈は信子へ謝り、久子の元へ・・・
元気な杏奈の顔を見て久子は言った。
「なんだかとってもいいことがあった顔ね。」
笑顔いっぱいで杏奈は答えた。
「はい。私とっても幸せなんです。」
「あの・・・母です。」
そう言って頼子を久子へ紹介した杏奈。
今までおばちゃんと呼んでいた頼子を母と呼んで・・・
そして久子に別れを告げて言う。
「手紙を書きます。」
「素敵なお知らせがあるんです。」

それを聞いていた頼子は杏奈に聞いた。
「素敵なお知らせ?」
そんな頼子に対しても杏奈は笑顔で言う。
「後でゆっくり話すね・・・」

車から見えた十一と、
そのボートに乗った彩香に手を振って杏奈は言う。
「おじさん。サヤちゃんサヨウナラ〜」
そのボートの奥には湿っち屋敷が見えた。

杏奈には、いつもの青い窓から、
マーニーが手を振っているように見えた。

(終わり)

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2015年10月11日

【信さん・炭坑町のセレナーデ】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【信さん・炭坑町セレナーデ】
信さん・炭坑町セレナーデ.jpg

【出演者】
辻内美智代:小雪
辻内守:池松壮亮(中村大地)
中岡信一:石田卓也(小林廉)
李英男:柄本時生(肥田大輝)
須藤典男(徳用マッチ):村上淳
渡辺久仁子(駄菓子屋店主):中尾ミエ
李重明(英男の父):岸部一徳
中岡大輔(信一の父):光石研
中岡はつ(信一の母):大竹しのぶ
中岡美代(信一の妹):金澤美穂(岡田流南)

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【感想】
う〜ん・・・
分かるんだけど・・・
役者みんな上手なんだけど・・・
何か少し物足りないんです・・・

悪い映画ではないんですけどね〜
池松くんも柄本くんも、
もちろん小雪さんも、
脇固める俳優陣みんなうまいんですけどね〜

でも少し残念なんですよね・・・
青春に特化するわけでもなく、
恋愛に特化するわけでもなかったのが、
とても中途半端になったんですかね?

あくまで私個人の見解なので・・・


【あらすじ】(ネタバレあり)
1963年(昭和38年)
辻内守は母の美智代と島にやってきた。
母の故郷の炭坑島。
「もう東京に帰らん?」
「帰らんよ!」

その島では、
「あんちゃんあれ!」
そう言って炭鉱の山を指差す。
あちこちで火が上がっている山で、
中岡信一たちは石炭を広い小遣い稼ぎをしていた。
その信一がいる小学校に転校してきた守。

東京からやってきた守と美智代は、
その島には合わないくらい清楚だった。
しかし離婚して戻ってきた美智代。
離婚の噂は直ぐに島中に広まった。

信一は石炭を売ってもらったお金で、
お菓子を買っていたが、それを見た父親は、
盗んだ金と思って信一を殴りつけた。
それは過去にさかのぼる。
学校で給食費を盗んだと言われ母親に殴られた。
信一には実に覚えのないこと。
しかし大人は誰も信じてくれなかった。
それでも涙することのない信一。

ある日守はクラスの悪がき3人に、
カツ上げされそうになっていた。
それを1人で助けに入った信一。
信一はあっという間に3人を倒した。
『これが僕と信さんの始めての出会いだった』

そこにたまたま通りかかった美智代。
美智代は信一に聞いた。
「名前は?」
信一はぶっきらぼうに答えた。
「中村信一。」
それを聞いた美智代は言う。
「じゃあ信さんね。」
そう言って守と信一に怪我が無いか確認した。
信一の体には親から受けた傷があった。
美智代はそれには触れず。
「ありがとうね。信さん。」
「守を助けてくれて。」
親の優しさに触れた信一は、
何も言わずに海に向かって歩き出した。
美智代はそんな信一を後ろから抱きしめた。
優しさを肌で感じた信一は静かに泣いた。

次の日信一は校庭のひまわりを抜き取り、
しずかに守の家に置いて逃げた。
信一は美智代に恋をしたのだった。
それは初恋だった・・・

小学校は夏休みになった。
信一と守は仲良くなり毎日遊んだ。
運動音痴の守に野球を教える信一。
バッティングの合言葉は「アンポンタン!」
その掛け声でバットを振りホームランを打った。
そのボールは家に持ち帰り、
昭和38年7月20日と書いて記念とした。

そんな信一の家庭事情は複雑であった。
父親も母親も本当の両親ではない。
父は死んで、今は父の弟に引き取られている。

ある日。
学校で苛められていた朝鮮留学生の英男。
一向に手を出さない英男を、
気になり守は家に着いていった。
そこで英男の父の教えを聞いた。
自国ではないので日本人には手を出すなとの教え。
そして晩御飯をご馳走になって帰った守。
その日から守と英男は仲良くなった。

一方で美智代は徳用マッチと飲みに出かけ、
酔っ払った美智代は近所の駄菓子屋の
玄関に干されていた干し柿を持ち帰った。
次の日、真っ先に怒られたのは信一。
問い詰められた信一は、食べたと嘘をついた。
自分をかばってくれた事を知った美智代は、
「信さんのおかげで、
  美味しい思いさせてもらった。」
「ありがとうね。」
美智代の言葉に喜ぶ信一。
そんな信一が書いていた絵は美智代の似顔絵。

それから数日後。
信一の義理の父が亡くなった。
炭坑の仕事を終えての帰宅途中に
誤って崖から落ちてしまったのである。
焼香に訪れた徳用マッチと李さん(英男の父)。
それを追い返す信一の義母はつ。

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それから信一は毎日新聞配達をしていた。
死んだ義父の変わりに家計を支えるため。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さんなんで炭鉱がだめになっていくのか?
なんで大人が争っているのか?
あの頃子供だった僕たちには、
一切分からなかった。

そうだけど信さん。
信さんが日に日に僕らから・・・
子供の世界から遠ざかって行くのは分かっていたよ。

信さん。
信さんの少年時代は他の誰よりも短かったんだね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1970年(昭和45年)
信一は炭坑で働いていた。
血の繋がらない母と妹を守るために・・・
妹の美代はそんな信一の行動に怒り、
信一の好きな美智代に嫉妬していた。

いつしか信一が心の支えとなっていた美智代。
しかし信一は仕事によって、
美智代と会う回数は減っていた。
ある日銭湯で会った2人。
美智代は信一に言った。
「私には信さんがいるから大丈夫。」
そう言った美智代に信一は、
「俺。東京へ働きに行くことにしました。」
「しばらく帰ってこられません。」
そう言って美智代の手を握り歩いた。

一方で高校生となっていた守と英男。
英男は相変わらず虐められていた。
それでも日本人には手を出さない英男。
守は何でやり返さないのか聞くが、
英男は守に言った。
「春までの辛抱だから。」
「春になったら大阪に行く。」
それを聞いた守は言い返した。
「やり返せ。行く前にやり返せ。」

イラつく守が家に帰ると、
留守番を頼まれた信一が家にいた。
イラつきが収まらない守は信一を連れ、
キャッチボールをした。
「信さん。母ちゃんに大事な事言ってないよね。」
「何で言わない?」
信さんは答えた。
「それは・・・言えないこともある。」
それを聞いて守は言う。
「分からん。分からん。」
「みんななんで我慢する!」
答えに困った信一は守に答えた。
「それは守がガキだから。」
力を込めて投げるボールと共に守は言う。
「嘘つきよりもガキのほうがいい。」

数日後・・・
美代が受験に合格した。
それを報告しに美智代のもとへ行く信さん。
美智代は東京へ行く信一に、背広を作っていた。
背広を着せた美知代を抱きしめる信一。
「何もしないから、このまま。」
そう言って抱きしめ続ける信さん。
「それとも何かして欲しい?」
美智代は答えた。
「なんも・・・」
信一は答えた。
「中途半端だ!」
美智代は、
「アンポンタン!」
と言って信一から離れた・・・

英男が大阪へ向う日。
駅へ行くと英男の家族だけがいて、
英男の姿は無かった。
守は英男を探しに行くと、
いつも英男を虐めていた同級生を、
1人でボコボコにしていた。
「これで思い残す事はない。」
「お前はすっきりしたか?」
守は答えた。
「かえってモヤモヤしてる。」
「お前が嘘つきって分かったから・・・」
笑いながら英男は言う。
「俺らの友情は本物だよ。」
「美代ちゃんによろしく。」
「俺が好きだったこと伝えてくれ。」
それに対して守は言った。
「自分で言えよ。」
それを聞き英男は、守と握手しようと手を出した。
守は手を出さずに言った。
「別れの挨拶は嫌だ。」
「またな!」

信一が東京へ行くまで残りわずか。
未だ炭坑で働く信一だが、炭坑で事故が発生した。
大混乱の炭坑だが従業員の安否は不明。
守と美智代も炭坑へ向った。

そのころ炭坑の奥にいた信一。
怪我した仲間を連れ脱出しようとしていた。
しかし閉じ込められ酸素の薄い炭坑の奥。
仲間は1人1人と倒れて行った。
「美智代さん・・・」
そう言い残す力を振り絞り脱出しようとする信一。

しかし・・・
信一は遺体となって帰ってきた。
「あんちゃん。あんちゃん。」
そう言って信一に寄り添う美代。
美智代も手を差し伸べようとするが、
「やめて。あんちゃんに触らないで!」
一方で気丈を振る舞い家にいた義母はつ。
信一の死がわかっても信一の下へは行かず、
泣きながら米を継ぎ続けていた・・・

事故から数日後。
美智代が島を歩いていると、
野球している少年たちの声が響いていた。
以前、信一と守が野球をしていた広場。
「私にも打たせて。」
そう言って子供からバットを借りた美智代。
「アンポンタン!」
「アンポンタン!」
「アンポンタン!」
泣きながら何度もバットを振り続けた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さん。信さんが亡くなった翌年。
僕らの炭坑は閉山したよ。
炭住に住んでいた人たちは1人消え、二人消え。
みんな居なくなって・・・

おばちゃんと美代ちゃんは、
信さんが死んだ後すぐ引っ越して。
一遍美代ちゃんからハガキがあ着たけど、
それっきり・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
1年後
守は島を離れ銀行で働いていた。
美智代も守のもとへ行くことを決めた。
それは島を出るという事。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さん
あそこに炭坑があったのも、
あそこで泣いたり、笑ったり、
いがみ合った人がいたのも、
みんな忘れられるんだろうね・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

守と美智代を乗せた船は出港した。
船の上から島を見て美智代は言った。
「見納めだね。」
「しっかり瞼に焼き付けなきゃいけないね。」
それを聞いていた守は何も言わず。
船の上から島に向かい、
信さんとの思い出の記念ボールを投げた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
信さん。
ばってん。
今日も空は青かばい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

(終わり)


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2015年08月29日

【百万円と苦虫娘】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【百万円と苦虫女】
百万円と苦虫娘.jpg

【出演者】
佐藤鈴子:蒼井優
鈴子の父:矢島健一
鈴子の母:キムラ緑子
佐藤拓也(鈴子の弟):齋藤隆成
リコ(バイト仲間):平岩紙
浜田武(リコの彼氏):弓削智久

・海辺の町
黒澤祐三(海の家の主人)):斎藤歩
黒澤広美(海の家のおかみ):安藤玉恵
黒澤祐作(海の家の息子):宇都秀星
ユウキ(海の家の常連):竹財輝之助

・山村
藤井絹(桃農家のお母さん):佐々木すみ江
藤井春夫(桃農家の息子さん):ピエール瀧
上田村長:石田太郎
白石(喫茶店のマスター):笹野高史

・地方都市
中島亮平(ホームセンターの同僚):森山未來
宮本ともよ(ホームセンター新入り):悠城早矢 
小暮主任(ホームセンターの上司):堀部圭亮

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【感想】
これはいい!
良い意味で全て裏切られる、
自分を見つめなおさせてくれる映画。

現実の恋愛ってこうですよね〜
そんなのを忠実に活かして、
人と人との関係の冷たさと温かさを、
同時に知らしめた映画だと思います。

蒼井さんは実力者俳優で知られますが、
ここまで自然体で演技できているの最高!

これ絶対に見て欲しい映画です!!!


【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「325番出所だ。」
そう言われて拘置所から出所した鈴子は言った。
「シャバか〜。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

フリーターの佐藤鈴子はバイト仲間のリコと、
ルームシェアをして家を出ることを決めた。
するとリコは彼氏の武も一緒に住むと言い出す。

引越しの日、鈴子が家へ向かうと武だけが家にいた。
リコが来ないことを聞くと武は言った。
「別れた。」
「1人で家賃払えるし、しばらく一緒に住む?」
「別にあんたのこと興味ないし、あくまで共同生活だ。」

その日鈴子は一匹の野良猫を家に連れてきた。
野良猫に何か食べさせようと買い物に行き、
家に戻ると猫はいなかった。
武に猫のことを聞くと。
「捨てたに決まってるだろ。」
直ぐに猫を探しに外に出る鈴子。
鈴子が見たのは無残にも車にひかれた猫の死体。
鈴子は怒り家にある武の荷物を全て捨てた。

翌日バイト先に警察が来た。
素直に捨てたことを認めた鈴子。
捨てたカバンに百万円入っていたと証言する武。
警察はSEXしたかどうか聞いてきた。
していないと言う鈴子。
関係を持っていないこと伝えると刑事事件になった。
関係があると男女のもつれで民事となるのだ・・・
鈴子は呟いた。
「やっときゃ良かった・・・」
そして鈴子は刑事事件として告訴された。

鈴子が家に帰ると気まずい雰囲気。
しかし口火を切ったのは弟だった。
「何で戻って来るんだよ。」
「家に犯罪者が出て、
 受験受けれるはず無いじゃないか!」
鈴子は言った。
「百万円たまったら出て行きます。」
「これからは1人で自分の足で生きていきます。」

近所では鈴子の噂が広まっていた。
鈴子はバイトを掛け持ちして頑張った。
お金を貯めて誰も自分を知らない場所へ行くため・・・
そんな鈴子に弟は言った。
「恥ずかしいことするなよ。」
鈴子は返した。
「恥ずかしくない。」
「恥ずかしいことなんて一個もしてない。」
そんな強い鈴子に弟は言った。
「お姉ちゃん。家でたら手紙ちょうだい。」
「おねえちゃん携帯持ってないから。」
鈴子は返した。
「友達いないから必要ないし。」
「分かった・・・」

鈴子は家を出た。
海辺の町で海の家で働いた。
そして弟に手紙を書いた。
〜拓也へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
元気ですか?
ねえちゃんは海の家で働いてみることにしました。
引越しでかかった費用を稼いで、
また百万円になったらここを出るつもりでいます。
これから暑くなるけど、
ねえちゃんも頑張るから拓也も頑張ってね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜鈴子〜〜

家族で経営している海の家。
海の家ではカキ氷の作り方から教えられた。
初めて作ったかき氷を見て店長が褒めた。
「才能あるよ。カキ氷の。」

〜拓也へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえちゃんにはカキ氷の才能が有るらしいです。
今まで人から褒められたことはないので、
嬉しいのですが、
役に立たない才能なので複雑です。
仕事は朝早いですが、
東京にいた頃より健康かもしれません。
最近は仕事にも慣れてきました。
卓也は元気でやっていますか?
また手紙を書きますね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜鈴子〜〜

海に来る男ユウキにナンパされるが、
そんなのも無視して真面目に働き続ける鈴子。
それでも諦めずにユウキは誘い続けた。
ユウキは鈴子をパーティーに誘った。
友達のいない鈴子に言う。
「俺たち友達だろ。」
「友達と言うかソウルメイトだと思ってる。」
お互い名前も知らないのに、
対等に話してくれるユウキに鈴子は微笑んだ。
鈴子は呟いた。
「いろいろ難しいね〜。」

その数日後鈴子は海の家を後にした。
がっかりするユウキを尻目に、
鈴子が向かった町は山奥の山村。

〜拓也へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
海は悪くないけど、
あんまりねえちゃんには合わない感じでした。
今度は美味しい空気を吸いながら、
緑豊かな所にしばらく住んでみようと思います。
拓也は元気?
夏休みは楽しいですか?
夏バテには気をつけてね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜鈴子〜〜

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立ち寄った山村の喫茶店のマスターの紹介で、
鈴子は農家の住込みアルバイトを始めた。
その家はおばあちゃんとその息子の二人暮らし。
息子は鈴子を気遣ってくれた。
朝5時起床の収穫作業。
桃を収穫すると褒められた。
「桃をもぐために生まれてきたんじゃないの?」

〜拓也へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえちゃんは今桃をもいでいます。
来る日も来る日も桃をもいでいます。
朝から収穫していたらあっという間にお昼が来ます。
ねえちゃんは桃をもぎる才能もあるらしいです。
最近では「桃娘」と、
ここの家のお母さんに言われていますが、
老人独特のユーモアが、
いまいち分からないときがあるので、
ねえちゃんもまだまだ若者なんだな〜と思います。
受験勉強はどうですか?
毎日暑いですがたまには生き抜きもしてね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜鈴子〜〜

ある日、桃を収穫していると村長が来た。
桃娘として村のPRの依頼であった。
断れずにいる間に村長は帰って行った。
悩む鈴子に息子の春夫が話しかけた。
「嫌なら嫌ってはっきり言わないと、
      ここあたりの人強引だから・・・」

次の日マスターに桃娘辞退の話をした鈴子。
マスターは村長に掛け合うが、
話は既に進んでしまっていた。
そして村民を集めての話し合いになる。
鈴子は村民の前で自分の気持ちを話す。
「何も聞いていませんし、
人前に出ることは出来ません。」
村長は桃娘の内容を話し始めた。
それは全国ネットで桃のPRとのこと。
PRすることで村の収入が増えるとの話。
村民は鈴子にやって欲しいと話し始めた。
それでも断る鈴子に対して村民は罵倒まで始めた。
そこで鈴子は本当の理由を話した。
「私は無理なんです。」
「前科があるんです。」
そう言うと集会場を後にした。

鈴子が後にした集会場で春夫は話し始める。
「もっと自分達の頭で考えなきゃ駄目だ。」
「高級品を作るとか、
      インターネット販売をするとか。」
「誰一人考えてないだろ。」
「だから外から来た子に、
       桃娘やらせようとするんだろ。」

次の日鈴子は村を後にすることにした。
お母さんはしっかりお金を渡してくれた。
鈴子は聞いた。
「迷惑じゃなかったですか?」
「前科者を住まわせて、
      嫌がらせとかされないですか?」
お母さんは答えた。
「そんなことさせない!大丈夫だ!」
そして春夫は鈴子に桃を渡した。
「自分それしかないけど。餞別。」

〜拓也へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今度の街は東京から、
特急電車で1時間ちょっとで来れるところです。
割と都会です。
何というか何も無い所ですが百万円溜まるまで、
ここでまた生活してみようと思います。
拓也は元気にしてますか?
学校はどう?
お父さんとお母さんと仲良くしてね。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜鈴子〜〜

そのころの弟は、
以前から続いていた虐めが悪化していた・・・

鈴子は部屋を探し、バイトを探した。
バイトはホームセンターの、
ガーデニングコーナー担当となった。
鈴子に仕事を教えるのは歳の近い中島亮平。
鈴子の仕事のミスをかばってくれる亮平。

会社の飲み会に強引に誘われた2人。
参加したくない鈴子の気持ちを悟った亮平は、
用事があるからと鈴子を連れて抜け出す。
そんな亮平の優しさに鈴子はお礼を言った。
家まで鈴子を送ってくれる紳士的な亮平。
少しずつ亮平に惹かれて行く鈴子・・・

ある日、食材を買おうとスーパーに言った鈴子。
偶然、亮平も同じスーパーで買い物をしていた。
亮平に誘われ喫茶店に入った鈴子。
亮平は鈴子の過去を聞こうとする。
一瞬黙る鈴子だが、素直に今までの事情を話した。
刑事告訴され、実家にも居難くなったこと。
そして百万円をため転々としていると・・・
すると亮平は鈴子に聞いた。
「自分探しってことですか?」
鈴子は答えた。
「むしろ探したくないんです。」
「どうやったって自分の行動で、
 生きて行かなければいけないですから。」
「探さなくたって嫌でもここにいますから。」
「逃げているんです。」
「知らない土地に行って、
 最初は誰も私のこと知らないんですけど、
 だんだん知られてきて、
 すると面倒なことに巻き込まれて・・・」
「百万円あったら部屋も借りれて・・・」
亮平は聞いた。
「百万円溜まったらここを出て行くんですか?」
鈴子は黙ってお金を払い店を出た。

鈴子を追いかける亮平。
鈴子は亮平に軽蔑されると思い動揺していた。
そんな鈴子の手をとり亮平は言った。
「何も逃げなくたっていいじゃないですか。」
「僕、佐藤さんのことが好きです。」
気まずい空気が流れた・・・
「気にしないで下さい。」
そう言って去ろうとする亮平。
すると鈴子は言った。
「気にします。」
「私も中島君のことが好きです。」
「ごめんなさい。」
亮平は言った。
「何で謝るんですか?」
「あの・・・
   夕飯作ってもらえますか?」
2人は手をつないで亮平の家へ向かった。
2人はそのまま結ばれた。

〜拓也へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
元気ですか?
ねえちゃんは元気です。
お父さんとお母さんに、
心配しないでと伝えてください。
拓也はもう新学期ですね。
学校は少しはましになりましたか?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜鈴子〜〜

弟の虐めはもっと卑劣になっていた。
朝登校すると机の上には花瓶が置かれ・・・

鈴子は悩んでいた。
貯金額がもう直ぐ百万円に到達する。
そのタイミングで新人の宮本ともよが入ってきた。
亮平とは同じ大学でり、教育係は亮平。
2人が仲良くする姿を見て嫉妬し、
仕事で失敗してしまう鈴子。

そんなある夜、亮平は鈴子に言った。
「お金貸してくれない?」
鈴子は了承して5万円を貸した。
それから亮平の行動はおかしくなった。
鈴子のシフトを調べたり、大学を休んだり。
そして頻繁にお金を借りるようになり、
デートでは鈴子が支払うのが当たり前に・・・
鈴子は呟いた。
「何やっているんだろう私・・・」

ある日、鈴子は亮平に切り出した。
「中島君は私のこと好き?」
亮平は答えた。
「好きだよ。一緒にいて落ち着くし。」
「それから・・・可愛いと思うし・・・」
鈴子は返した。
「お金持っているからでしょ?」
「お金持ってなかったら、
付き合ってなかったでしょ?」
言い返そうとして口を紡いだ亮平に、
「私中島君といるの疲れたよ。」
そう言うと鈴子は亮平の家を出た。

帰ると拓也から手紙が届いていた。
〜おねえちゃんへ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
元気にしてますか?
こないだ僕の机の上に花瓶がありました。
すごく頭にきてその花瓶を割ってしまいました。
そして悪戯をした奴等と喧嘩になりました。
そしたらそいつが怪我をしてしまいました。
それで僕は児童相談所というところに、
連れて行かれました。
怪我をさせたのは悪いからそいつに謝りました。
でも許してくれません。

ねえちゃん。
僕はそんなに悪いかな?
怪我をさせたのは悪いけど・・・

お父さんとお母さんは、
転校したほうがいいと言っています。
でも僕はあの日のねえちゃんのことを思い出して、
何があっても逃げないと決めました。
だからこのまま皆と同じ中学に行きます。
受験はしません。
ねえちゃんに恥ずかしくないように、
僕も頑張ります。

ねえちゃん。
お父さんもお母さんも心配しています。
たまには電話でもしてやってください。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜拓也〜〜

その手紙を読んで泣き崩れる鈴子。
そして久しぶりに拓也へ手紙を書いた。

〜拓也へ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
今まで手紙出さなくてごめん。
ねえちゃんは元気に生きています。
ねえちゃんは自分の事を、
もっと強い人間だと思っていました。
でもそうじゃありませんでした。
家族でも恋人でも、
長く一緒にいられるコツって、
一番大事なことは言わないでいる事
なんじゃないかなって思っていました。
おとなしく、適当に愛想笑いをしていれば、
トラブル無く過ごせると思っていました。

いつの間にか、
何も言えない関係になってしまうのは不幸な事です。
人は出会ったら必ず別れるのだと思います。
その別れが怖いから、
姉ちゃんは無理をしていました。
でも出会うために別れるのだと、今気がつきました。
好きな人とお別れしたって、
ちっとも泣くようなことじゃないって思いました。
姉ちゃんに言われたって説得力ないと思いますが、
卓也は悪くないよ。本当にえらいよ。

ねえちゃんはいろんな人から逃げてきましたが、
今度こそ次の街で、
ちゃんと自分の足で立って生きていこうと思います。
卓也に勇気付けられました。ありがとう。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜鈴子〜〜

そして鈴子は街を後にする決意をした。
店を後にするとき亮平はお金を返した。
「今まで借りたやつ。」
鈴子は受け取り、
じゃあ。とだけ言って店を後にした。

残された亮平に、ともよは言った。
「いいんですか?」
「誤解されたままじゃないですか。」
「百万円たまって出て行かれるのが嫌で、
             わざとお金借りて。」
「結局百万円たまらなくても、
       出て行ったじゃないですか?」
それをボーっとして聞いていた亮平は言った。
「こんな簡単に間違えちゃダメだよな〜」
そう言うと必死に鈴子を追いかけた。

駅に先に着いたのは亮平。
駅で鈴子を探すが見つからない。

運命のすれ違い・・・

一足遅れて駅に着いた鈴子。
鈴子も心のどこかでは亮平を待っていた。
そして呟く。
「来るわけ無いか〜」

(終わり)

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2015年08月27日

【ワンピース エピソードオブサボ〜3兄弟の絆 奇跡の再会と受け継がれる意志〜】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【ワンピース エピソードオブサボ〜3兄弟の絆 奇跡の再会と受け継がれる意志〜】
ワンピース エピソードオブサボ.jpg

【出演者】
モンキー・D・ルフィ:田中真弓
ポートガス・D・エース:古川登志夫
サボ:古谷徹

ロロノア・ゾロ:中井和哉
ナミ:岡村明美
ウソップ:山口勝平
サンジ:平田広明
トニートニー・チョッパー:大谷育江
ニコ・ロビン:山口由里子
フランキー:矢尾一樹
ブルック:チョー

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【感想】
本当にいい話です。
私の一押しはエピソードオブメリーですが・・・
でもワンピースって響くんですよね〜

記事にしようか迷ってましたが、
せっかくなので書きます。
とは言え漫画ではないので、
ルフィとエースとサボの会話中心に・・・

だって背景書いても呼んだことない人は、
まったく流れ分からないと思うんですよ!

そもそもエースって何で捕まったの?
革命軍って何?七武海って?
って全て書いていかなければいけないので、
ワンピースシリーズは書き方迷うんですよ・・・

私は本編読んでるんで分かるんですけど、
呼んだことのない人は、この記事読んでもまったく・・・
って感じになりますよね〜
まあ、それはそれでしょうがないですが!

とりあえず漫画読んで欲しいです!!!
それからですよね〜


【あらすじ】(ネタバレあり)
サボはエースと白髭の墓の前にいた。
「やっとここに来れたよエース。」
「見ろよルフィのやつ、
また海賊王への道を歩み始めたよ。」
「さすが俺たちの弟だ。」
「皮肉なもんだな。」
「お前がこうなってから、
鮮明に昔のことを思い出すんだ。」
そう言うとエースと白ヒゲの墓に杯を置いた。
「俺は今、革命軍に所属しているんだ。」
「お前もルフィも怒っているんだろうな。」
「助けに行けず、すまなかった。」
「生きてもう一度会いたかった。」
「お前の意思は俺が引き継ぐ。」
「ルフィは俺たちの弟だ。」
そう言うとサボは杯を空け歩き出した。

〜12年前・ゴア王国〜
サボは言った
「俺たちは必ず海へ出よう。」
「この国を出て自由になろう。」
エースは言う。
「俺は海賊になって、
勝って勝って勝ちまくって、
最高の名声を手に入れる。」
そしてルフィとエースとサボの3人は、
杯を交わして兄弟になった。

〜2年前・マリンフォード〜
ルフィは海軍に捕らわれた、
エースを助けようとしていた。
エースは言う。
「ルフィ来るな。」
「お前みたいな弱虫が、
俺を助けに来るなんて、
こんな屈辱はない。」
それに対してルフィは言う。
「俺は弟だ〜」
「俺は死んでも助けるぞ〜」
立ちはだかったのは海軍中将であり祖父のガープ。
エースとルフィを会わせたのもガープ。
それを掻い潜りエースを助けたルフィ。
2人は逃げ出した。
2人を全力で守ったのは白ヒゲ。
「最後の船長命令だ。」
「全員必ず生きて新世界へ帰還しろ。」
そんな白ヒゲを侮辱する海軍大将の赤犬。
赤犬の言葉を聞いたエース。
エースは憤慨し赤犬に立ち向かった。
しかし力の差は圧倒的。
一撃でエースの体を赤犬の拳が打ち抜いた。

倒れこんだエースを抱きかかえたのはルフィ。
「ごめんなルフィ。」
「ちゃんと助けてもらえなくてごめん。」
ルフィは言った。
「おまえ絶対死なないって言ったじゃないかよ。」
エースは返した。
「サボと、
 お前みたいな世話の焼ける弟がいなかったら、
 俺は生きようと思わなかった。」
「心残りは一つある・・・」
「おまえの夢の果てを見れないことだ。」
「だけどお前なら必ずやれる。俺の弟だ。」
「オヤジ。みんな。そしてルフィ。」
「今日までどうしようもない俺を・・・」
「鬼の血をひく俺を・・・」
「この俺を愛してくれてありがとう。」
そしてルフィに抱かれてエースはこの世を去った。

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〜現在・ドレスローザ〜
サボは武器の輸出を阻止しようとしていた。
輸出に関わっているのは七武海ドフラミンゴ。
事前に潜入している革命軍の仲間から情報を得る。
サボ得た情報の一つは、
ドレスローザにあるコロシアムでの大会。
大会の商品が「メラメラの実」であること。
エースが食べた悪魔の実である。

同時期ルフィ一味も、
ドフラミンゴを倒すためにドレスローザに上陸する。
「メラメラの実」の情報を得たルフィも、
大会に参加することを決めるのであった。
もちろんドフラミンゴにばれないように変装し、
ルーシーと偽って・・・

ルフィはトラファルガー・ローと同盟を組み、
ローはドフラミンゴ討伐、
ルフィ達は島の奪還を目的としていた。
ルフィを残し作戦を実行する仲間たち。
武器の輸出ルートを探すサボ。
ドフラミンゴと戦うロー。

大会の予選は4ブロックに分けて進んだ。
Cブロックに出場のルフィ。
ルーシーとして参加するルフィだが、
参加者はルフィ出場の噂を聞き標的に。
しかしルフィは別格の強さで予選突破。
その試合を見ていたあサボは、
ルーシーがルフィであることに気付いて言う。
「4億の男ともなると敵が多いな。」
「それにしてもあの泣き虫が強くなったもんだ。」
「なあエース。」
ルフィを見て安心したサボは、
Dブロックの出場を棄権した。
「あとは任せたぜルフィ。」

〜12年前・ゴア王国〜
島にいた海賊からお金を盗んだ10歳のエース。
エースを探しに来た海賊は7歳のルフィを捕まえた。
お金の隠し場所を聞き出そうとするが、
ルフィは口を割ることはなかった。
エースとサボはルフィを助けに向かった。
大人の海賊相手に立ち向かうエースとサボ。
サボがルフィを助けてエースに言う。
「逃げるぞエース。」
しかしエースは海賊に立ち向かったまま言った。
「一度向き合ったら俺は逃げない。」
そして10歳のエースは大人の海賊を倒した。

ルフィは助けられても泣いていた。
それを見たエースは言った。
「いつまで泣いているんだ。」
「俺は弱虫も泣き虫も嫌いなんだ。」
「大体なんでお前は口をわらなかったんだ。」
ルフィは答えた。
「しゃべったらもう友達になれない。」
「独りになるのは、痛いのより辛い。」
エースは言った。
「俺がいないと困るのか?」
「お前は俺に生きていて欲しいのか?」
その日をきっかけにルフィを認めたエース。
それから3人は一緒に過ごした。

ある日サボの過去を知ったエースとルフィ。
サボは貴族の息子であった。
そんなサボは2人に言う。
「あいつらが好きなのは、
地位と財産を守っていく誰かで俺じゃない。」
「お前らには悪いけど俺は親がいても1人だった。」
「エース。ルフィ。俺たちは必ず海へ出よう。」
「この国を出て自由になろう。」
エースは言った。
「俺は海賊になって、
勝って勝って勝ちまくって、
最高の名声を手に入れる。」
「それだけが生きた証になる。」
「世界中の奴らが俺の存在を認めなくても、
どれだけ嫌われても・・・
大海賊になって見返してやるのさ。」
ルフィは言った。
「俺はな〜・・・・・」
それを聞いてエースとサボは笑った。
サボはルフィに言った。
「俺、お前の未来が楽しみだ。」

エースの提案で3人は杯を交わした。
エースは言った。
「海賊になるとき、
同じ船の仲間にはなれないかもしれないけど、
俺たち3人の絆は兄弟として繋ぐ。」
「どこで何をやろうとこの絆は切れない。」
「これで俺たちは今日から兄弟だ。」
こうして3人は杯を交わして兄弟になった。

それから数日後。
サボの父親が海賊を使いサボを連れ戻しに来た。
ルフィとエースを助けようとしたサボは言った。
「お父さんの言う通りに生きるから、
この二人を傷つけるのは辞めてくれ。」
「大切な兄弟なんだ・・・」
こうしてサボは2人と別れた。
家に帰ったサボは事実を知った。
それは世界貴族の天竜人が町に来るので、
低族の住む区域を焼き払うと言うもの。
その区域にはルフィとエースもいる。
家から走り出すサボだが、
貴族の住む町からは出してもらえない。
「ここは人間の腐った臭いがする。」
「ここにいても自由になれない。」
「俺は貴族に生まれて恥ずかしい。」
「ここはまるで鳥かごだ。」
「人間の悪臭が立ち込めるこの国で、
俺は生きていくことに耐えきれそうもない。」
「自由ってなんだ?どこにあるのかな?」

次の日、サボは船を出した。
1人で・・・
Sと書いた海賊旗を掲げて・・・
そこに現れた世界貴族の船。
貴族はサボの船を打ち壊した。
「海賊旗を掲げたら何者だろうと海賊だよ。」
そしてサボの乗った船は沈んでしまった。

その話を聞いたルフィとエース。
まだ幼い2人は何もできなかった・・・
その日、サボからの手紙が届いた。

〜サボの手紙〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
エース。ルフィ。
2人が手紙を読む頃には俺はもう海の上にいる。
いろいろあって一足先に出向することにした。
行き先はこの国じゃないどこかだ。
そこで俺は強くなって海賊になる。
誰よりも自由な海賊になって、
また兄弟3人どこかで会おう。
広くて自由な海のどこかでいつか必ず。

それからエース。
俺とお前はどっちが兄貴かな?
長男2人弟1人変だけどこの絆は俺の宝だ。
ルフィの奴はまだまだ弱くて俺たちの弟だ。
よろしく頼む。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

サボの話を聞いてから泣き続けるルフィ。
ルフィはエースに言った。
「エース。俺はもっと強くなりたい。」
「そしたら何でも守れる。」
「誰もいなくならなくて済む。」
「お願いだからよ〜。エースは死なないでくれよ。」
エースは答えた。
「いいか覚えておけルフィ。」
「約束だ。俺は絶対に死なない。」
「お前みたいな弱虫の弟残して死ねるか。」
「だからいいかルフィ。」
「俺たちは絶対に悔いの無いように生きるんだ。」
「いつか必ず海へ出て、思いのままに生きよう。」
「誰よりも自由に・・・」

〜現在・ドレスローザ〜
ドレスローザは海軍に囲まれていた。
ドフラミンゴと直接対決を仕掛けたローは負け、
完全に囲まれたルフィたち。
それを伝えにゾロがルフィのもとへ来た。
ルフィはローを助けに行こうとする。
しかしメラメラの実も手に入れたいルフィ。

その話を影で聞いていたサボ。
『ルフィ。エース。俺はあの時何も出来なかった。』
サボはルフィのもとへ行く。
「メラメラの実はお前には渡さねえぞ。」
「麦わらのルフィ。」
ルフィは突然現れた男(サボ)に言う。
「お前誰だ?」
「メラメラの実はエースのものだ。」
「おまえなんかに渡さねえぞ。」
サボだと気がついていないルフィに言う。
「麦わらのルフィ。火拳のエース。」
「もう1人お前には兄弟がいたはず。」
そう言って帽子を脱いだサボ。
ルフィはサボだと気付き涙を流した。
そんなルフィの顔を見て笑顔で答えるサボ。
「久しぶりだな。ルフィ。」

サボはルフィの代わりにルーシーとして大会に出る。
ルフィはローを助けに向かった・・・
そんなルフィの姿と、
ドフラミンゴの手中にある
ドレスローザの国を見てサボは呟いた。
「表面だけ取り繕って、
この国はなんか俺たちが育った国に似ているな・・・」

大会の決勝戦。
4ブロックから勝ち上がった4人と、
ドフラミンゴの幹部ディアマンテで行なわれる。
サボは強かった。
リングに手を着いてサボは言う。
「ものには必ず核がある。」
「それを突けばどんな状況であっても覆るものさ。」
「ひとまず試合にケリをつけよう。」
そう言うとリングの核をついて、
リング自体を破壊した。
そして言った。
「用が出来た。優勝する。」
リングを壊して残ったのはサボの周りの足場のみ。
参加者は全員場外となり、優勝はサボ。

サボはメラメラの実を手に会場から飛び上がった。
ルフィから引き継いだ変装衣装を脱いで、
上空でメラメラの実を口にしたサボ。
ルーシーの正体を見た参加者は聞いた。
「あなた誰なの?」
サボは答えた。
「俺の名はサボ。革命軍の戦士だ。」
最初のルーシーと別人と知って聞き返す。
「じゃあ最初は?」
その質問にサボは返す。
「4億の首。いつか海賊王になる男。」
「麦わらのルフィ。俺の弟だ。」

そう言うとドフラミンゴの作ったコロシアムに向け
大きく拳を振りかざして言った。
「エース。貰うぞお前の技。」
「もう二度とあんな思いはしたくない。」
「お前が生死を賭けて守ったルフィの命は俺が守る。」
「ルフィ。お前は目の前の敵をぶっ倒し海賊王になれ。」
「約束する。俺は。俺は絶対に死なない。」
「エース。俺たちは自由を求め前に進む。」
「行くぞ〜!]
「火拳!」

(終わり)


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2015年08月25日

【パラダイス・キス】出演者・感想・完全ネタバレ(セリフ完全再現)

本日の映画紹介。
【パラダイス・キス】
パラダイスキス.jpg

【出演者】
早坂紫:北川景子
小泉譲二:向井理
徳森浩行:山本裕典
山本大助(イザベラ):五十嵐隼士
櫻田実和子:大政絢
永瀬嵐:賀来賢人
如月星次:平山浩行
私立清栄学園の教師:田中要次
早坂保子(紫の母):羽田美智子
小泉雪乃(譲二の母):橋ひとみ
二階堂譲一(譲二の義理の父)小木茂光

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【感想】
実和子とイザベラと嵐のやりとりが最高。
恋愛だけどそうじゃない感覚で見れました。

出来としては良いのでは?
演者が少し微妙ですが・・・

ナレーションとストーリーの噛み合わせは、
とても良く出来ている作品だと思います。

演者が少し微妙ですが・・・

原作は分からなくても、
むしろ分からないほうが楽しい作品?
そう思ってしまいました。

演者が少し微妙ですが・・・

とは言って演者も原作に合わせたのでしょう。
チョイスとしては間違ってはいないと思います。

時間があったら見てもよいと思います。
なんせ今は北川景子フィーバーですから・・・


【あらすじ】(ネタバレあり)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
そこはいつも香ばしい甘い香りがする
パン屋の先にあって
思わずテンションがあがってしまう
雑貨屋の角を曲がって
犯罪者が潜んでいそうな路地を
進んで進んで進んで進んで・・・
以前はバーだったららしき秘密の空間
彼らはそこをアトリエと呼んでいた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

早坂紫は高校の教師に言われた。
「お前浪人も覚悟しておけよ。」
「何で受験に集中できないんだよ。」
「早坂。人生なめるなよ。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
私が始めて受験したのは5歳のときだ。
某有名大学の初等部に通うためだった。
けれど人生最初の受験は見事に失敗。
試験に落ちたことよりも先に歩く母が、
このまま出来の悪い私を捨てて
行くんじゃないかと怖かった。
だから私はそのときから誰よりも必死に勉強して・・・
結果全国でも有数な名門進学校にリベンジ合格。
その頃には私よりはるかに優秀な弟も
お受験する年齢になっていて、
母の興味は一気に弟に向かい、
私は全てから解放されたように・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

入学式に見た同級生の徳森浩行。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それが私の初恋だった。
私の初恋はそれから3年間
タイトルを片思いに変えて続いている。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

3年生になった紫は高校の帰り、
家への道を歩いていた。
すると声をかけてくる男。
ナンパと勘違いして断るがしつこい男。
振りほどくように走って逃げる紫。
しかし足を絡ませ転びかける。
助けてくれたのは山本大助(イザベラ)。
女性の格好をした男・・・
転ぶのは避けられたがそのまま貧血で倒れてしまう。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それが私の前に突然開けた別の道。
お猿の篭屋さんが、
甘い香りのするパン屋の先を曲がった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

目を覚ますと目の前には櫻田実和子がいた。
「ここどこ?」
それに対して実和子は言った。
「私たちのアトリエだよ。」
「ここで洋服を作っているの。」
「私たちみんな矢沢芸術学園の生徒だから。」
周りには紫に声をかけた永瀬嵐とイザベラがいた。
それを見て紫は言った。
「他校生をナンパして、
 おかしなアジトに連れてこないでよ。」
すると嵐は言った。
「ナンパじゃなくてスカウトだ。」
「来月ファッションショーが行なわれる。」
「そのショーに俺たちが作った服を着て、
 立ってくれるモデルの女の子を探している。」
それに対して紫は言った。
「私は今が一番大事な受験生なの。」
「あんた達の遊びに付き合っている暇はない。」
その言葉に嵐は怒った。
「人が真剣にやっていることを遊びだ?」
「訂正しろ!」
何も言わずにアトリエを出ようとした紫。
その時実和子は言う。
「待ってキャロライン。」
それに反応して聞き返す紫。
「だれそれ?」
その時アトリエに入ってきた小泉譲二。
紫は譲二を見て一瞬立ち止まった。
しかし何も言わずにアトリエを飛び出した。

次の日、紫は高校で浩行に聞いた。
「誰かのこと怖いって思ったことある?」
「こいつは駄目だ。」
「こいつといたら私の人生ボロボロにされるって・・・」
「あんな一瞬でそういう予感がしたんだ。」
その時噂の相手、常時が突然教室に入ってきた。
前日の話を聞いて紫にお詫びに現れたのだ。
譲二は突然紫の手を引っ張って連れ出した。
連れて行かれた先は矢沢学園。
着くと実和子が駆け寄ってきた。
「キャロライン!」
譲二と実和子に連れられ学園内へ。
譲二は紫を講師であり、
ヘアメイクアップアーティストの如月星次に、
紫の髪を切るように頼んだ。
「昨日のお詫びだ髪を切れ。」
「お前のその野暮ったさのせいで、
   俺は優勝を逃したくないんだ。」
それに対して紫は言う。
「モデルなんかやらないって言っているでしょ!」
それに対して譲二は一言、
「お前はお前が分かっていないんだ。」
理解できないまま髪を切られて高校に戻った紫。
あまりの髪型の変貌にみんな驚いた。
浩行も紫の髪を見て言う。
「驚いたな。その髪凄く似合っている。」

次の日は教室にイザベラが来た。
「ごめんなさいねキャリー。」
「譲二が連れて来いって聞かなくて。」
そう言われて連れて行かれる紫。
今日はショーの為の生地選びだった。
店には嵐も実和子もいた。
4人の生き生きとしたやり取りを見て微笑む紫。

次の日学校に行くと教師に怒られる紫。
「部外者を学校に入れるとはどういうことだ。」
「おまえ自分の事分かってないんだよ。」
「そんな連中とはしゃいでたって似合わないぞ。」
落ち込んだ紫は浩行に言った。
「今の私じゃ駄目なのかな?」
「私は好きな人がそばにいればそれだけでいいの。」
「その人のことが大好きで、誰にも渡したくなくて。
 そんな人がそばにいれば頑張れるじゃない?」
「私はそれだけでいいと思うんだよな。」
「これだけ言って何でわからないかな?」
「徳森君って鈍いよね。」
「でもどうしてだろう?」
「あの子たちにはまた会ってみたくなる。」

その日、紫は自分の足でアトリエに足を運んだ。
アトリエの戸を開けると抱き合う実和子と嵐。
驚き帰ろうとする紫を呼び止める実和子。
「嵐の性欲の処理は実和子のお勤めなの。」
「舐めたり舐められたり。」
「乗っかったり乗っかられたりが実和子の日々。」
そんな変わった実和子を笑ってしまう紫。
だんだん近くなっている紫と4人。

4人の作ったブランド名は『パラダイス・キス』
採寸は受けるがモデルを了承したわけじゃない紫。
譲二の作っていたドレスは紫にぴったり合った。
驚く実和子は言った。
「譲二がミューズのために作った服なのに。」
それを聞いてイザベラは言う。
「ミューズはデザイナーにとって唯一無二の存在。」
「世界にたった一人の女性。」

その帰り紫を家に送ろうとした譲二。
そんな譲二に紫は小さい頃の勉強の日々を話す。
そして遠くを見つめながら言った。
「ひょっとしたらこっちだったのかな〜」
自分の進んだ道の間違いを話すと、
譲二は急に帰り道と違う道へ・・・
向かったのはラブホテル。

ホテルで紫を押し倒した譲二。
もちろん紫は抵抗した。
そんな紫に譲二は言った。
「自分の足で歩いているくせに、
          全部ひとのせいか?」
「勇気がない今の自分は母親のせい。」
「アトリエに来るのはしつこい俺らのせい。」
「土壇場で嫌がって見せるのは、
 そうすれば全部俺のせいに出来るからだろ?」
「自分の意思はどこにあるんだよ!」
「意思のない女はモデルにする気はない。」

それに対して紫は言った。
「あんたなんか大嫌い。」
「あんたの作るドレスなんて、
         私にはなんの価値もない。」
「私の意志はこの制服。」
「全国でも有名な進学校の制服を着ている。」
「私がどれだけ頑張って、
  この制服を手に入れたと思っているの?」
「この制服が私のプライド。」
「あんたなんかになめられる覚えはない。」
「モデルくらいやってやるわよ。」

翌日、高校の帰り道浩行と歩いていた紫。
たまたますれ違った譲二と実和子。
浩行は実和子と幼馴染だった。
幼い頃は浩行と嵐と実和子はずっと一緒だった。
2人とも実和子のことが好きで、
幼い2人は約束をした。
「俺たちは一生実和子の側を離れない。」
「どんなことがあっても離れたほうが負け。」
「残ったほうが実和子をお嫁さんに出来る。」
しかし浩行は引越し私立清栄学園へ行き、
嵐と実和子は矢沢芸術学院へ進学した。
嵐は実和子に浩行に会うなと話し、
浩行は嵐と実和子から離れた。
この話を聞いた紫は自分の恋が、
3年間結ばなかった意味がようやく分かった。
浩行は未だに実和子のことを思っていた。

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その夜家に帰った紫。
紫の母が家庭教師を紫に就けていた。
受験まで休むことができないことを知った紫。
ファッションショーの話を母に伝えた。
それまでは家庭教師を辞めて欲しいと・・・
紫の受験を考えた母はそんな紫の頬をぶった。
それを受けて紫は母に反抗し、家出をしてしまう。

行き場所がない紫はアトリエへ行った。
紫に実和子とイザベラは言った。
「まずは新しいお家がいるんじゃない?」
「それと仕事。家では何かと物入りだし。」
嵐だけは一般的な解釈で母に謝れと言うが、
やり取りを聞いていた譲二は言う。
「お前の勇気ある家出を俺たちが応援する。」
「とりあえず家に来るか?空き部屋もあるし。」
結局譲二の家に行った紫。
澄む場所は確保できた紫だが、
譲二の家は超高層マンションの広い家。
譲二の家庭環境は複雑だった。
金持ちが愛人に生ませた子供であり、
母親は現在、別の金持ちと上の階に住んでいる。

次は仕事探し。仕事も譲二が見つけてきた。
それは星次が担当するモデルの仕事。
現場に行ってプロの仕事にビビる紫。
そんな紫の譲二は言う。
「俺たちが見つけたお前はプロにだって、
         見劣りするはず無いんだ。」
その言葉を励みにモデルをこなした紫。
仕事が終わりマンションに帰った紫。
紫は相変わらず高校の制服を着ていた。
それを見て常時は言った。
「どれでも好きなの着て行けば良いのに?」
そう言って譲二が5歳の頃から作り続けた、
服でいっぱいの衣装ルームを見せてくれた。
素敵な服を見て紫は言う。
「もったいない。」
それに対してジョージは言った。
「売る気は無いけど飾っておく気も無いよ。」
「いずれは誰か大切な人に着てもらうつもりだ。」

数日後いつものようにアトリエに行った紫。
するとみんなが暗い表情。
その理由は『パラダイス・キス』として、
委託販売をしていた服が全て返品されてきた。
返品されてきたダンボールを見て実和子は言った。
「みんな私たちの服が欲しくなかったんだね。」
「これで決心が付いた。パラキスは解散。」
紫はその意味を譲二に聞いた。
「みんなでいて楽しいからって、
          それに流されちゃダメだ。」
「結果が出なけりゃ解散する。」
「これからはみんなそれぞれに1人でやっていく。」
「俺はショーが終わったらパリへ行く。」
「単身武者修行だ。」
「だから今作るドレスが、
    みんなで作る最後のドレスだ。」

こうして向えたファッションショー当日。
想像以上の大舞台でリハーサルでは、
まともに歩くことも出来なかった紫。
そんな紫を譲二は罵倒する。
「なんなコントみたいな歩き方始めてみた。」
「お前はどこ製のロボットだ!」

残すと事30分。
本番に向けて練習をする紫。
会場には紫の母の姿。
もちろんジョージの義理の父の姿もあった。
準備をする紫は言った。
「最後のドレスで失敗するわけにいかない。」
「私1人全然真剣じゃなかった。」
それに対して譲二は言った。
「いつものことだろ!」
「今まで真剣になったことがあるのか?」
「全部フリだろ?」
そう言うと直ぐにその場を離れた。
それを庇うようにイザベラは昔の話をした。
男であることに違和感を抱いて過ごしていた。
そんな小学三年生のときに、
譲二は手作りのドレスをイザベラにプレゼントした。
そのドレスで自分は生まれ変わったと話した。
「女の子は綺麗なメイクをして、
 綺麗なお洋服を着れば何度でも生まれ変われる。」
「美しい装いは人に勇気や自信を与える。」
「私たちはそう信じて洋服を作り続けてきた。」
「私たちの作ったドレスを着れば、
 あなたにも勇気の魔法がかかるかしら?」

そしてファッションショーの本番は開催された。
出番間近で譲二は紫の手をとり言う。
「俺の希望だ。」
「お前にはこうなって欲しい。」
そう言って指に蝶を象った指輪をはめた。
そしてステージに向かう紫に言った。
「真っ直ぐになんて歩けなくても良いんだ。」
「多少ふらついても曲がっても、
 それが自分の足ならいいんだ。」
「自分の足で歩いて来い。」
「俺がここで待っているから。」
それに対して紫は返した。
「大丈夫。任せておいて。」
「こんな私だけど、誰よりも堂々と歩いてみせる。」
「みんながうらやむくらい堂々と歩いてみせる。」
「この会場にいるすべての人、
           私がパラダイスに連れて行く。」

紫は堂々としていた。
客席を見る余裕もあり大成功。
ステージから戻った紫は譲二に言った。
「私ちゃんと歩けていた?」
譲二は何も答えなかった。
しかし観客の歓声が素晴らしさを伝えていた。
何も言わずに紫を抱きしめキスをした。

結果発表では2位との結果。
一番の歓声はパラキスに送られていたのに・・・
納得のいかない様子の紫に譲二は言う。
「あの歓声はお前に送られたもので、
        ドレスに送られたものじゃない。」
これでパラキスは解散する・・・

嵐と実和子は別のアトリエへ就職。
浩行は大学受験。紫は・・・
ショーを見た紫の母は紫に言った。
「戻ってきなさい。」
「お母さんもうあなたにおせっかい焼かないから。」
「やりたいことやりなさい。」

そして紫は譲二の家を出た。
家を出る紫に譲二は言った。
「飯でも食べに行くか?」
紫は答えた。
「ごめんなさい。徳森君と約束があって。」
すると譲二は言った。
「デートか?そんなさえない服着ていくのか?」
「俺が選んでやる。」
そう言うと紫の手をとり服を選んだ。
譲二が紫のメイクをした。
楽しそうにメイクする譲二に紫は聞いた。
「なんでそんなに楽しそうなのよ?」
「私が他の男とデートするのに・・・」
「何でキスなんかするのよ?」
「1人でパリに行っちゃうくせに。」
何も言わないジョージ。
紫は続けた。
「私はモデルになる。」
「プロのモデルになりたい。」
「もう一度やりたい。何度でもやりたい。」
「私なんかになれると思う?」
「才能あるかな?」
譲二は言った。
「だからお前は分かっていないんだ。」
「夢を掴むのは才能じゃない。想いだ!」
「お前の想いが本物なら必ずなれる。」
「自分の可能性を信じなきゃ何も始まらないよ。」
「何とかなる。」
「俺はもう側にはいてやれないけど・・・」
「1人で平気か?」
紫は言った。
「平気!1人で頑張る。」
「さようなら。」

そう言って紫は浩行との待ち合わせ場所へ・・・
一方で譲二はイザべラと会っていた。
譲二と共にパリへ行くと言うイザベラ。
しかし譲二は悩んでいる様子。
イザベラはそんな譲二に言う。
「ミューズはデザイナーにとって唯一無二の存在。」
「世界にたった一人の女性。」
「それを捨ててしまえるデザイナーに、
              未来なんてあるのかしら?」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
それからしばらくして譲二はパリに行ってしまった。
私は見送りにも行かなかった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

それからしばらくして紫に小包が届いた。
差出人には蝶(パラキス)のマーク。
中には鍵と住所のメモが入っていた。
紫はその先へ向かった。
廃墟になったアトリエ。
その一室の部屋。
鍵を開けると、常時の作ったドレスが・・・
あの日譲二の言った言葉を思い出す紫。
『ここにある服は売る気は無い。』
『いずれは大切な人に着てもらうつもりだ。』
『自分の足で歩いて来い。』
『俺がここで待っているから。』

それから3年後・・・
町中には紫の顔が載る広告が掲載されていた。
紫はモデルとして大成功していたのだ。
浩行とは付き合わずに、紫のほうから断った。
モデルの仕事は大成功ではあったが、
譲二とは会うことなく時は過ぎていた。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ねえ譲二、信じられる?
これはあなたが見つけてくれた道だよ。
最初は怖くてこんな奴といたら、
ボロボロにされるって思ってたけど、
あなたが私の道を教えてくれたんだよ。
そこを自分の足で歩けって・・・
でも譲二、私なりに頑張っているけど、
1人で歩けてもつまらないよ・・・
会いたいよ譲二。あなたに会いたい。
あなたはもう私のことなんて忘れちゃったの?
私は会いたい。
会って、今度は最初からあなたと恋がしたい・・・
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

モデルの仕事でニューヨークへ言った紫。
ニューヨークの街を歩く紫。
紫の目に飛び込んできたのは、
ファッションショーの舞台に入るイザベラの後姿。
そのファッションショーのポスターを見ると、
譲二の名前が記されていた。
直ぐに舞台へ入った紫は、イザベラと再会した。
イザベラにアトリエの住所を教えてもらった紫。
譲二のいるアトリエに向かった。

アトリエの鍵は開いていたが中には誰もいない。
そこには紫が表紙を飾った雑誌が並んでいた。
それを見て譲二が忘れていないことを知った紫。
振り返ると譲二が立っていた。
何も言わずに譲二は紫を抱きしめた。
そしてキスをした・・・・

(終わり)

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