着つけの極意　着心地から始まる振袖の着つけ: のたりはdeまるっと

2019年01月18日

着つけの極意　着心地から始まる振袖の着つけ

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成人の日　おめでとうございます
　　よき思い出となりますように

二十年　いのちが続いてきたことのすばらしさ
そのいのちを支えてこられた方々

時間に追われながらも　こころをこめて
おひとり　おひとり　お着せしてまいりました

印象に残った出来事
　～着心地の満足感が
　　　すべてを決めることもある～

早朝にお着せしたお嬢さまを送り出した数時間後
お母さまからの電話
「ごはんを食べていたらどんどん崩れてきて
　やりなおしてほしい」

　…？…思い当たらないけれど…

再度　お見えになったお嬢さまのきもの姿は
お着せしたときと変わりはなく
やり直しと思えるところはありませんでした

＜お母さまの主張・３点＞
①伊達衿をもっときつくひいてほしい
②おはしょりがぶよぶよしている
➂とにかくゆるいと娘が言う

＜わたしの考え＞
①伊達衿は浮きもたるみもない
　半衿　伊達衿　左右対称に仕上がっている
　きつくひく？必要なない
②おはしょり…ご自宅でひいたのでしょう
　きれいに仕上げていたので
　その場ですぐおさめることもできましたが
　ご希望はやり直し
➂すべての原因は…
　ご希望に応えきれていなかった紐の締めぐあい

貴重なお時間をもうしわけございません　と話し
改めて着つけをさせていただきました

◎対応策
①後ろ腰　帯の下線からおはしょりを意識して
　薄手のタオルを一枚追加

②伊達衿はきものベルトでおさえたあと
　胸紐を使用

➂紐の締めぐあいは一つ一つお嬢さまに確認
　満足していただけるところまで　締めました

お母さまがお見えになり
長いお袖をお嬢さまに持たせて全身チェック
しゃがみこんで　おはしょりもぐるりと点検
お嬢さまの「今度はきつい」に納得されて
式典に向かわれました

着つけの極意はどこに
ご本人の着心地に満足感がないと
すべてが崩れているように見えてしまう
時間とともに
どんどん着くずれてくるのではという不安
お直しだって　簡単にはできないという不安

しっくりとこない着心地の悪さは
決して表面にはでない
だけど　もっとも大切なこと
意識と技術をむけるべきところ

お客さまの満足度やこだわりは
こちらが思いもつかないところにあることも
お着せする技術
そして　その技術を生かすための
プラスアルファ

◎印象に残った
　お嬢さまの言葉を書きましょう

「前撮りで着つけをしたとき言われたんだけど
　　『苦しいときは言って
　　　　　きついのはがまんして』
　きものって、そういうものだと思ってる」

いかがでしょうか？
……思いはさまざま…
　　読んでくださった方の　胸のうちに……

ことしはママ振りも多かったそう
　　お手入れにも思いをこめて