「一緒にお風呂入るだろ?」
そう言われて、恵美子は、ドキドキした。
慎二と付き合いはじめて3ヶ月。
九州に行ったことがないという恵美子に、
「せっかくだから九州に旅行に行こう」
と、誘われた。
東京から熊本まで飛行機で飛んで、レンタカーを
借りて阿蘇をドライブして旅館にチェックインした。
でも、でも、まさか露天風呂付き客室だとは
思ってもいなかった。
旅館の手配をしたのは、慎二だった。
ドラマとか、雑誌では見て知っていた。
あこがれてもいた。
それでもドキドキする。
床の間に飾られている花を見ていた。
慎二は、無邪気に先に露天風呂に入って行った。
恵美子もタオルで隠しながらそっと風呂場に入った。
「横に入ってもいい?」
そう言いながら、湯船に入った。
「恥ずかしいから見ないで」
そう言ってお湯に浸かった。
「もっとこっちにおいでよ」
慎二が恵美子を抱き寄せた。
そして、そのままキス。
「俺さ、こういうの一度やってみたかったんだ」
そうやって笑う慎二の肩にそっと、頭を寄せた。
「ありがとう」
素直にそんな言葉が出てきた。
「やっぱり、九州といえば焼酎かな?」
照れ隠しでそんなセリフを言ってみた。
「そうだね。食事の時には焼酎を頼もうか」
たわいもない会話に幸せを感じている。
「また、こうやって、2人で旅行に来れるといいね」
慎二のそんな言葉に、恵美子は素直にうなづいた。
【このカテゴリーの最新記事】