彼にも家族がある。
自分にも家族がある。
それでも、「恋」を終わらせられないでいる。
ふたりが出会ってそろそろ五年になる。
付き合いはじめて3年。
純代は、派遣で働いていた。
大手企業の受付だった。
哲也は、取引先の営業マン。
笑顔がステキな哲也に純代は、いろいろ便宜をはかっていた。
「田中部長にアポなしで来たんだけれど・・・」
「大丈夫、今なら、誰も来客ないはず」
そんな感じだった。
ある日、純代がひとりで受付をしていた時に哲也がやってきた。
「こいつもありがとう。よかったら、美味しい寿司食べに行かない?」
それが始まりだった。
酔った勢いでキス。
「一緒にどこか行きたいな」
「わたし、一度行ってみたい場所があるんだ」
「どこ?」
「道後温泉」
「行こうか?」
はじめての夜は、道後温泉の「別邸 朧月夜」
そこからふたりの関係が始まった。
そして、別れられないままここまで来てしまった。
「このままじゃダメ」
と、分っていても、お互い別れられない。
せつない。
つらい。
何度もそう思った。
その一方でせつない思いをどこかで楽しんでいる自分がいる。
「いつまで、この恋を続けるのだろう」
まだ答えは、見つけられない。
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