2024年02月27日
「森の中の小さなラブソング」
「森の中の小さなラブソング」
もうすぐ夏が終わるある暑い日に、こうくんはお父さんと一緒にお庭で遊んでいました。
こうくんはお父さんに、ふと不満そうに言いました。
『ねぇねぇ、どうしてあんなにセミはミーンミーンてうるさいの?』
「お父さんは優しく微笑みながら言いました。
『セミたちはね、自分の大切な声を使って、特別な誰かに自分の気持ちを届けようとしているんだよ。』
こうくんは疑問に思いました。
『特別な誰かって?』
『セミたちは、自分の大切な人を見つけるために、一生懸命、声を出しているんだよ。
それが、人間にはミーンミーンと聞こえるんだよ』
とお父さんは説明しました。
お父さんは続けて言いました。
『すずむしも同じだよ。リーンリーンと綺麗な声で、自分の大切な人を探しているんだ。』
こうくんが不思議そうに聞き返しました。
『虫さんたちもおしゃべりしてるの??』
『そうだよ。虫さんたちも人間と同じで、大切な人と一緒にいたいんだ。
ぼくはここにいるよーって叫んでるんだよ。
だから虫さんの声にも特別な意味があるんだよ』
と、お父さんは言いました。
「そうなんだ。虫さんたちもしゃべってるんだ。」
その話を聞いた後のこうくんは、今までうるさかった虫の鳴き声が、不思議とうるさくなくなっていました。
それ以降、こうくんは、虫さんたちも人間と同じように一生懸命生きていることを知り、虫さんたちの声が大好きになりました。
おしまい。
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