しかし、実際にはその「いい人」な態度が仇となり、会社の上司や同僚または配偶者に、なぜかマウントを取られてしまうことはありませんか?
「なんで私がこんな扱いを受けるの?」と疑問を持ちながらも、どう対処すればいいか分からず、苦しい思いをしている方も多いのではないでしょうか。
今回は、心理カウンセラーの視点から「いい人」なのにマウントを取られる理由を解明し、その対処方法を具体的にお伝えします。自分の気持ちを守りながら、健全な人間関係を築くためのヒントを提供します。
マウントを取られる理由とは?
1 .「いい人」が抱える心理的な特徴
「いい人」として生きることは、無意識に周囲からの評価を重視する傾向があります。特に、自己肯定感が低い場合、自分自身の価値を他人の目を通して評価しがち。このため、相手に対して過度に優しく、時には自分を犠牲にしてまで相手に尽くすことが増えます。
心理学的には、この「他人の期待に応えなければならない」という感覚が、マウントを取る人のターゲットになりやすくする要因。
マウントを取られる側が無意識に自分を下に置いてしまうことで、相手に「自分は上だ」という優位性を感じさせる隙を与えてしまいます。
そんな優しいあなたは親が支配的で、幼少期において親の顔色をうかがってないと生きてはいけなかった環境だった可能性が・・・
当時は親の意向に合わせないと生きてはいけない環境だったことが原因で、あなたは生き方として相手の意向に沿うよう「いい人」として生きていくことを決めたのです。
それは無意識の領域なので、あなたが気付かない限り繰り返す行動パターン。
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2. マウントを取る人の心理
一方で、マウントを取る人の心理には、劣等感や不安が隠れています。自分に自信がないために、他人よりも優位に立つことで安心感を得ようとする行動がマウント。「自分はもっとすごい」「あなたよりも上だ」とアピールすることで、内面の不安を埋めようとしています。
このような心理を理解することが大切です。マウントを取る人の言動は、そのマウント相手自身の問題であり、あなたが「いい人」であるがゆえに引き起こされるわけではないのです。ここで重要なのは、相手の行動を客観的に捉えること。
心理カウンセラーが伝授する対処方法
1. 自分の境界線を引く
マウントを取られないために最も効果的な対処法は、自分の感情や価値観を守るための「境界線」を引くことが重要。相手に対して無理に親切に接しすぎると、相手がその境界線を越えてあなたをコントロールしようとします。適切な境界線を設けることで、相手に「ここから先は私の領域だ」というメッセージを伝え、マウントを取られることを防ぎます。
例えば、相手が何か優位に立とうとする言動をしてきた場合、「それはあなたの意見であって、私はそうは思わない」というように、自分の意見や感情をしっかり伝えることが大切。何でも相手に合わせ「おっしゃる通りで」という姿勢では、「この人は自分の思い通りになる」と思われ結果、相手のマウントを助長するだけ。
2. 自分を肯定するセルフトーク
「いい人」であり続けると、自己評価が低くなり、他人からのマウントに対して無力感を感じやすくなります。「いい人」でいるあなたは、自分に対しては厳しい一面があり、その思考が時としてあなたを苦しめます。この場合、自分自身を肯定するセルフトークを取り入れることが非常に有効。セルフコンパッション(自己への思いやり)を育てることで、他人からの批判やマウントに対しても揺るがない心を作ることができます。
例えば、「私は頑張っている」「今の自分はそのままで十分素晴らしい」「他人の評価に左右されない自分でいたい」といった前向きな言葉を自分自身にかけることで、少しずつ自己肯定感が高まり、マウントを取られる場面でも冷静に対処できるようになります。
3.反応しないスキルを身に付ける
マウントを取ろうとする人に対して、反応を示さないことも有効。彼らは、あなたが反応を示すことで優越感を得ようとしています。そのため、相手の発言や行動に対して冷静に対処し、過度に反応しないことがポイントです。
たとえば、相手が自慢話を始めたり、あなたを見下すような発言をしたとしても、それに対して無表情や簡潔な返答で応じることで、相手に「反応を得られない」と感じさせることができます。これにより、次第に相手はマウントを取ることに対して意味を感じなくなるでしょう。
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マウントを取られる人が注意すべきポイント
1 .無理な「いい人」にならない
「いい人」として振る舞うことが無意識のうちに過度な負担になっている場合、次第に疲れを感じ、ストレスが溜まります。他人の期待に応えようとするあまり、自分を犠牲にすることはやめましょう。「いい人」であり続けなくても、私には十分に価値があるということを自分に言い聞かせることが大切です。
他人に対する期待に応えようとする思考は心理学では「投影」といい、当時の親に対して無意識に親に対して行っていた行動。幼少期においては、親の意向が全てであなたは、親を喜ばせないと認めてもらえなかったかもしれません。
しかし、「いい人」でいることに苦しみがあるとしたら、当時本当は抑圧してきた感情となります。
例えば本当は欲しかった物があったとしましょう。
親はいつも「お金がない」「我慢しなさい」「あなたは何も欲しがらなくていい子ね」などという言葉かけをしていたケースでは、子供は自分の「本当は欲しい」という気持ちを抑圧してしまいます。
幼少期に欲しいものは何もなかった・・・
などという記憶を持っている人は、もしかしたら自分の気持ちを抑圧してしまい「欲しいと思わないようにしていただけ」なのかも知れません。
「欲しがらないからいい子」→条件付きの愛情ではなく
本来子供は無条件に愛されないといけません。
幼少期に抑圧してきた感情に「気付く」ことが大事。
このことが、あなたが無理して「いい人」でいた本当の理由ということに気付きましょう。
無理なく自然体で生きることが、あなたの「生きづらさ」を解消し、最終的には周囲との健全な関係を築く第一歩となります。
2 .健全な人間関係を築く
マウントを取る人とは距離を置き、健全で対等な関係を築くことが大切。自分を大切にしてくれる人、対等な関係を重んじる人とのつながりを優先することで、無駄なストレスや感情の消耗を避けることができます。そのような相手との関係性について見直しも必要な時があることを理解しましょう。
今までは無意識に相手の顔を伺い、下に入っていましたが、本当のあなたは無理して、マウントを取る相手に対して下に入る必要はありません。
マウントを取る側にも問題があり、心理学的には劣等感が大きく関係しています。
つまり素の自分に自信がなく虚勢を張っていないと自分が保てない背景があるということを理解しておくだけで、相手は変わらなくても今までと違った視点で物事を捉えることができるようになります。
3. 自分の価値を再確認する
マウントを取られることが続くと、自己価値を見失いやすくなります。そのため、定期的に自分自身の価値を見つめ直すことが重要。「他人がどう思うかではなく、自分が何を大切にしているか」にフォーカスすることで、他人の行動や言葉に影響を受けにくくなります。
それには過去に抑圧された感情と向き合うことも重要ですが、現在にも目を向けましょう。
いつの間にかマウントされていないか?日記を使って日々の自分の行動や感じたことを振り返ることで、自己価値を再確認する習慣を持ちましょう。また、これまでの自分の成功体験や誇れることを書き出すことでも、過去に囚われず自分に自信を取り戻す有効な手段。
まとめ
「いい人」であることが必ずしも悪いわけではありませんが、他人にマウントを取られる状況に悩まされることも少なくありません。
この記事では、マウントを取られる心理的な背景を理解し、自分の感情や価値観を守るための具体的な対処法を紹介しました。
そのようなマウントを取る人に対しては境界線を引くことが大事。それには幼少期の自分と向き合うことも大事になります。
当時は親の意向に沿わないと生きていけなかったかもしれませんが、今は違います。今のあなたは過去に縛られる必要はないことに気付きましょう。
それには自分自身を肯定し、冷静に対処することが鍵です。自分が苦しくなるような感情が起こる無理な「いい人」をやめて、健全な人間関係を築くことで、より自分らしい人生を送ることができます。
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