宿題、スカーフ、制服、IQ測定
11月2日の「東方夜新聞」というニュース番組で、最近中国で起きている教育に関する興味深い放送があった。それは、「誰が子供を差別化しているのか?」というものだった。以下にその大体の内容を記します。
現在生徒の成績の良し悪しによって、宿題を赤、黄、緑と3種類に分けている学校があることがわかった。記者の調べでは、学校側はこれはただグループ分けしたものだとしている。
山東省のある中学校では、成績の良し悪しによって、宿題を赤、黄、緑と3つの色に分けて配布していることがわかった。色分けされた科目は、数学、物理、化学、英語がある。宿題の表紙にはアルファベットが記載され、緑色にはA、黄色にはB、赤色にはCとなっている。生徒の説明によると、成績が上から30位以内の生徒には緑色と黄色の宿題、成績が下から30位以内の生徒には黄色と赤色の宿題が配られる。以前はすべての生徒に同じようにアルファベットのない黄色の宿題が配られていたが、3週間前からクラスで3つの色分けされた宿題が配られるようになった。学校教育主任によると、Aは難度が高く、Bは全ての生徒に提出を要求するもので、Cは成績の思わしくない生徒を激励するためのものだという。生徒は自分の成績状況などによって自分で宿題を選ぶことができる。ある保護者は「学校のこうした政策は、成績の思わしくない生徒の自尊心をたやすく傷つけることになってしまう」と述べている。
東方夜新聞の新しく得た情報によると、宿題を色分けしていた学校側は、全ての宿題を回収し、アルファベット無記載の宿題に改めたことがわかった。しかし最近はこうした問題が多く、宿題の色分けにとどまらず、赤スカーフ、緑スカーフで優秀な生徒を分けるものや、制服の色で成績の優秀な生徒とそうでない生徒を分けるもの、他にも子供にIQ測定をさせることまであることがわかった。
今年の9月、陜西省のある小学校では、生活態度と成績の悪い生徒には緑色のスカーフ着用を義務付けた。1学年60名の生徒の中で、一部の生徒たちはこの緑のスカーフを着用している。学校側の政策について、保護者は「緑のスカーフを付けた生徒にとっては落伍者のレッテルを貼られたも同じだ。生徒にとってこれは大きなストレスになるはずだ」と述べている。学校全体補導員は「緑色はもともと希望、健康、喜び、成長を含んだシンボルです。初志はそうなんです」。この他にも、内モンゴルのある中学校では、「翔鋭房地産(不動産)」と書かれた赤色の体育服が、中学2年、3年時に成績が優秀な50名と成績が上がった生徒に配られていることがわかった。
また、無錫では生徒にIQ測定を促す学校があることがわかった。その原因として、生徒の成績が教師の指導実績やクラス成績に影響を与えるからだそうだ。もしクラスの中でIQの低い生徒がいた場合、学校にその記録を提出すれば、このIQの低い生徒の成績はクラス成績に記載をする必要はなくなる。一部の教師たちはクラス成績と自身の指導実績をより高くするため、保護者に成績の思わしくない生徒を連れてIQ測定へ行くよう要求しているという。(http://v.qq.com/cover/p/pewudf0k1z82a4v.html)节目片段:〈5/5〉「锐观察:谁将孩子分为三六九等」
上記のニュースの結びに女性アナウンサーは、「現代社会、大人でも耐えることの厳しいストレスに幼い子供たちが果たして耐えられるのか、生徒を助けるべき教師がIQ測定という方法で自身の職責を放棄しているのではないか、学校側と教師はどれほど怠惰なものとなったのか、試験優先教育(応試教育)の点数によって教師や生徒を評価していることが問題ではないのか、こうした試験優先教育でどうして健康で明るい子供が育てられるだろうか」と、多くの問題提起をして終えていた。
個人的にこどもの教育に関心を持つものとして、こうした問題提起がいろいろな方面へ、それこそいろいろな方面へ展開して、子供の過ごしやすい環境が出来ればいいのに、と思う僕であった。