2018年03月21日
団塊おやじ日記G
団塊おやじ日記G 2018/3月21
「忖度」の功罪
森友学園騒動に関連して、「忖度」なることばを見聞きしない日は無い。
急に時代のトレンドワード?になった「忖度」。小学館デジタル大辞泉によれば、他人の心をおしはかること。また、おしはかって相手に配慮すること。の、意味らしい。大辞林 第三版の解説では、〔「忖」も「度」もはかる意〕他人の気持ちをおしはかること。推察。 「相手の心中を−する」とある。流行に便乗した商品として、大阪市の「忖度まんじゅう」や、ファミリーマートの弁当「忖度御膳」などが話題になったりしたのは記憶に新しい。同年12月1日に発表された「新語・流行語大賞」では、「インスタ映え」とともに年間大賞に選出されたりした。「忖度」に直接対応する英単語はなく、森友学園籠池理事長の記者会見の際に、外国人記者に向けて英語で意味を解説する場面があり、彼らは解釈におおいにあわてたらしい。
さらに、日本語学者の飯間浩明氏(三省堂国語辞典編集委員)の解説を引用すると、
「忖度」は、伝統的なことばで、「『忖』はりっしんべんで分かるとおり、人の心を推測すること。 『度』は、『たく』と読む場合は『はかる』ことです。つまり『忖』『度』ともに『はかる』で、特に『忖』は『心を推測する』という意味がありとのこと。中国古代の『詩経』にも出てくるので、『昔から使われていることば』と表現するのが最も妥当です。日本にも10世紀から例がありますが、それ以前に中国から入って来たものでしょう」従来は「母の心を忖度する」「彼の行動の意図を忖度してみた」等と「単純に相手の心を推測する」場合にも普通に使われていたとう。
「忖度」は、『人の心を推測する』いってみれば、人間にしかできない(AIも無理では?)
高度な営みだ。政治やビジネスの世界に限らず、「家族や他人の言動」に対して“なぜ、この人はこんなことをいうのだろうか?””私にどうして欲しいんだろう“自分ならそうは言わないのに”とちょっと考えてることだとしたら、「忖度する」ことは、人間にしかできない(AIも無理では?)とても人間的な(日本人的?)な高度な営みで、美徳とも思えるのだがどうだろう。(おおおうにして、その推測が、勘違いやギャップを生むこともあるのが事実だが…)
一方で、「忖度させる(忖度を企てるというか)」ことは、どうだろう。自分の都合のいいように「相手の判断を導く」それである。(それを「政治的」というのかなあ?)特に、間違った方向への導き(示唆)は、悪である。“相手が勝手に思った”ことで済まされるので悪質である。なんとなく「忖度する」側と「忖度させる」側では、その功罪が異なるような気がしながら、今日も国会報道を自分ながら読み解いている。むずかしい。
三省堂では、」森友学園の問題を受け、次の辞書の改訂時には「忖度」の項目に、「例文を加えること」も検討しているそうだが。はたして。
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