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2020年03月04日

タラッタラ〜、タラッタラ〜!

「タラッタラ〜、タラッタラ〜!」

と、走ってくる猫の跳ねるような足音が聴こえる。


既に寝ている私の元へ走ってくる様子が窺える。

ダッシュで走る音と違う微妙にセーブしているけれど、ちょっとリズムを付けて走ってくる。

そして、私の寝ているベッドに飛び乗る。


もう、18歳なので、以前は水吞み場として洗面所に溜めた水を飲みにジャンプしていたが、

そのジャンプを躊躇するようになってからはお風呂場に専用の洗面器に水を溜めておくようになって、安心して飲んでいる。

と、言う具合にジャンプ力は落ちているが、ベッド位だとまだまだ簡単に乗り降りしている。


ベッドに乗ってからザワザワと自分の居心地のいい場所を探してから丸くなって、私の右肩の下辺りで寝る。

私が、それに気づく程深く寝ていない時は猫用に用意してある小型の毛布を掛けてあげる。

すると同時に、

「ゴロゴロ、ゴロゴロ・・・・。」

と、喉を鳴らす音が聴こえてきて、安心している様子がわかる。


私も、改めて猫を撫でて、

「よく来たね、おりこうだね。」

という意味を込めて触る。


すると、

「やっぱり、お布団の中に入る〜!」

と、いうように毛布を振り払って羽毛布団の襟の辺りに上がってきて頭から入りUターンして

こちらを向いて、私の脇にピッタリと寄り添う。

何故か、同時に前足を私の身体に掛ける。


その前足のソフトなタッチが堪らなくて、つい触ってしまう。

すると、その前足を引っ込める。


そしてまた、

「ゴロゴロ、ゴロゴロ・・・・。」

と喉を鳴らしている。


「タラッタラ〜、タラッタラ〜!」

と、走ってくるのは、私が猫を置いて先に寝てしまうからだ。


猫は夕飯の後リビングでゆっくりする私の傍でまったりして毛布を掛けて寝てしまう。

だから、起こすのも可哀想でそのままにして、私が先に寝室に移ってしまうからだ。


DSC_0044.JPG

そして暫くすると、私を追って寝室に向かってくるのだ。


そんな一日の終わりのシーンがずっと続いている日常だ。


ただの日常、されど日常で、彼と一緒に居るようになって、”猫が居る”のが当たり前に

なっているけれど、始まりがあったわけで、終わりもあるのだろう。


猫を飼うという希望も予定もあったわけではないが、息子が連れて来て離れられなくなった猫。

猫もここに居たいという態度を表明していているようになった猫。


きっと、強い”縁”が取り持ってくれたのだろう。

18年経ったけど、このままずっと一緒に暮らしたい。

いや、居なくなったらなんて考えたくない彼の存在感。


彼が健康で、一日でも長く一緒に暮らせることを願いつつ、こんな毎晩の何気ないシーン

を大切に大切にして、当たり前の幸せを猫の前足をそっと触りながら感謝している。





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