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2021年04月09日

貴婦人の言葉。


1999年に光文社から出た『日本の貴婦人』という本から引用された記事

を見つけたので、またまた記録します。

nihonnokifujin-jpeg776[1].jpg


以下引用

インタビュアーの稲木紫織氏が上流階級の貴婦人に話を聞くという内容です。

(ちなみに白州正子さんにもインタビューしたかったけど、「私は貴婦人なんかじゃない」と断られた)

写真も掲載されてるけど皆さん上品です!

そしておうちの中もザ・上流階級という感じで素敵。


■東郷いせさん■
(外交官で終戦時の外相だった東郷茂徳の娘さん。ご主人も外交官)
(インタビュアー)
身近な人を大事にすることが基本だと。
(東郷さん)
そう思うんですの。外交もそうなんです。その延長に外交がある。まず身近な人と楽しくやってるうちに、

どの国でも、生活習慣などは違っても、人間て皆同じだということがわかってくるし、そうするとどこへ行ってもおもしろくなるんですよ。


■徳川喜和子さん■
(徳川慶喜の孫でコ川 厚男爵の娘。高松宮妃喜久子さまの従姉。

戸田豊太郎と結婚されたが、戸田と華頂華子が不倫をして離婚されて徳川家に戻ってこられた)
(徳川さん)
私、ある方から言われたんですけど、人間ってお金がなくてもディグニティ……誇りを持ちなさい、と。

それが頭についているんですね。ですから、確かにお金というものが必要ですし、あるにこしたことはないけど、

お金で誇りは買えない。

かといって、私はいつも言うんすけど、誇りを持つってこと……これは決していばるんじゃないんですね、絶対に。

いばるってことは大嫌いなんです、私。誇りというものは、怒鳴ったりいばったりすることじゃなくて、

心の中にあって自然にあふれ出るものなんじゃない?いばったり偉そうにしなくちゃ認めてもらえないようなのは、

本当の誇りじゃないと思いますね。


■酒井美意子さん■
(加賀百万石の前田侯爵家に生まれ、大老を出した酒井伯爵家に嫁がれた。皇女照宮さまのご学友)

(インタビュアー)
貴婦人教育の重要なポイントは何でしょうか
(酒井さん)
非常に大切なのは、人をねぎらうということ。

ものを頼んだりする時は丁寧にして絶対にいばったような横柄な感じにならないように……ということは両親も申しましたし、

イギリスにおりました時の家庭教師も言ったことなんです。

そして何かしてもらったらどんな些細なことでも、「どうもありがとう」「ご苦労様」とちゃんと言わなきゃいけない。

黙ってたらいばってるように見える、と。

それで西洋でも日本でもそうなんですけど、はっきり言っていわゆる成り上がり者の方を見分けるのはそこだっていうんです。

急に何かで成功して偉くおなりになった方は、やたらと横柄にいばる。

もう一目見ればわかるんでございます。態度をソフトに感じよくしなくちゃならない。古今東西、一致しておりますね。


■伊藤ローザさん■
(一宮藩主家の家長加納久朗子爵の子。伊藤栄吉(伊藤忠次郎家3代目)と結婚。

ボランティア活動の功績でエリザベス女王からC・B・E勲章を授与)

(伊藤さん)
やはり心と心の交わりが何より大切なものですから、お三時をお持ちするのでもお茶を一杯さしあげるのでも、心を込めてね。

お金だけあげればいいというのは、今の日本の国自体の考えもそうで、それで外国とのお付き合いの中で誤解もあるのだと思います。

自分のことをあんまり申しあげたくないのですが、それは神様が見てくださるだけで私は十分だと思うからなの。

私自身は、やっぱり人の幸せがいちばんの幸せでございます。自分だけがいい思いをいたしましても全然嬉しくないですね。


上記引用



現代社会は国民全て平等と言う時代です。

だから、今この「貴婦人」が何だって言われるかもしれない。

この方々は華族として生きられた家庭に育ったのでしょう。

本物のセレブですね。


そんな方達がどんな考え方をしていたのか、上に立つ特権階級として認められて

いた方々のインタビューは興味深いです。

しかし、出てくる言葉は、以下のようです。



「人をねぎらう。」

「ありがとう。」の感謝。

「威張らない。」

「身近な人を大事にする。」

「自分だけいい思いをしない。」


こんな言葉が出てきます。


私はこの言葉が実際に遣われていた様子を今上天皇の即位の令の際の10月に行われたパレードの終わりの時点で拝見することができた。


勿論TVで中継された映像を見ていた。


今上天皇・皇后ご夫妻が東宮御所に到着されて車から降りる前に、運転手の方に声を掛けている様子、

「運転ご苦労様(お疲れ様?)でした。ありがとう。」が見てとれた。

運転手さんがちょっと身体を捻って後部座席を向き、

「無事に着きましたこと、ありがとうございました。」

と、でも言っているようにお辞儀をしているのを拝見した。



その時、

「あっ、令和はいい時代になるな・・・。」

と一瞬で思えたのを覚えている。

あの情景はこちらまで温かい気持ちが伝わってきたのです。


周りの人々と共に生きていることを意識して育ってこられた方の

労わりの精神を見ることができました。


本物のセレブの女性はいつ何時でも自立して生きられるように、家事の一部始終を叩き込まれるのだそうです。

(曽野綾子さんの著書より)


本物とは何ぞや?


今世界中を本物なのか偽物なのか分からない人(多分似非)のニュース

が流れている。

こんな本を読んでみるのもいいのではないでしょうか。




「華族制度(公侯伯子男)はどうして生まれた?」

https://bushoojapan.com/jphistory/kingendai/2021/02/10/106705


明治時代は、大きく分けて華族・士族・平民となっており……今回は良くも悪くも特権を持っていた【華族制度(公侯伯子男)】。

































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