2023年11月08日
戦争の起源
戦争の起源人間はいつから戦争を始めたのでしょうか。戦争とは、武力を伴った集団間の戦いと定義されますが、その原因や歴史は様々な見方があります。このブログでは、戦争の起源から、現代まで続く争いの歴史について考えてみたいと思います。戦争の起源に関する最も古い証拠は、約1万5千年前の旧石器時代に遡ります。スーダンのヌビア砂漠にある「ジャバル=サハバ117遺跡」からは、武器で殺傷された人骨が多数発見されました1。これは、人口増加による資源の奪い合いや人間関係の複雑化などが争いを呼んだという仮説に反するものでした。この時代には、穀物の生産も家畜の飼育もまだ始まっていなかったからです。日本では、戦争の起源をめぐって縄文時代か弥生時代かで学者の間で意見が分かれていますが、弥生時代に戦争をしていたことはほぼ間違いないと言えます。その証拠として、殺傷人骨や高地性集落跡、大型の石鏃や金属製武器などが挙げられます2。弥生時代には、稲作や鉄器の導入によって社会の階層化や富の偏在が進み、それが争いの原因となったと考えられます。歴史上の戦争は、その規模や性質によって様々に分類されますが、ここでは、国家間の戦争と国家内の戦争に分けてみましょう。国家間の戦争は、領土や資源、宗教や思想などの対立が原因となって起こります。国家内の戦争は、内戦や独立戦争、革命などの形をとり、政府と反政府勢力や民族間の対立が原因となって起こります。国家間の戦争の中でも、最も大規模で影響力の大きいものが世界大戦です。第一次世界大戦は、1914年から1918年にかけて、ヨーロッパを中心に列強国が参加した戦争でした。その原因は、帝国主義や民族主義、同盟政策などの複雑な要因が絡み合ったものでした。第二次世界大戦は、1939年から1945年にかけて、ヨーロッパやアジア、アフリカなどの各地で戦闘が行われた戦争でした。その原因は、ファシズムやナチズムといった全体主義の台頭や、民主主義国家の不干渉政策や不平等な講和条約などの問題が関係していました。国家内の戦争の中でも、最も多くの犠牲者を出したものが内戦です。内戦は、政治的な対立や民族的な対立が深刻化し、武力によって解決しようとする場合に起こります。例えば、南北戦争は、1861年から1865年にかけて、アメリカ合衆国の南部と北部が奴隷制度や連邦制度などの問題で対立して起こった戦争でした。また、スペイン内戦は、1936年から1939年にかけて、スペインの共和派と反乱軍が政治的な理想や社会的な利益などの問題で対立して起こった戦争でした。現代においても、戦争は絶えることがありません。冷戦後の世界では、国連やNATOなどの国際機関や多国間連合が介入することで、大規模な国家間の戦争は抑制される傾向にありますが、国家内の戦争やテロリズムなどの非国家的な暴力は増加しています。その原因としては、民主化やグローバル化に伴う社会の変化や不安、貧困や格差の拡大、民族や宗教のアイデンティティの強調などが挙げられます。戦争は、人類の歴史において、多くの破壊と苦悩をもたらしてきました。しかし、戦争は、人類の本能に根差すものではなく、社会的な要因によって起こるものです。戦争の原因を理解し、戦争の予防や平和の構築に努めることが、私たちの責任であると思います。
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