あれは中学校のときのことでした。
PTCの行事で、クラスでバーベキューをやったんです。
そのなかで、延々と肉しか食べない友達がいました。
「米と野菜と一緒に食べるとおいしいよ」って勧めても見向きもせず、飢えたように肉を食べ続けます。
みんなが食べ終わって片づけに入っても、まだ食べ続けています。
バーベキューの時間が終わってみんなバドミントンをしはじめても、一人だけ食べ続けています。
結局PTCが終わるギリギリまで食べ続けていました。
「もう帰ろうよ〜。」と言われてもまだ粘ろうとしていました。
べつに普段は大食いとか、持ってくるお弁当がいつも肉だらけということはなかったんです。
むしろ野菜中心で健康的な食生活をしている印象です。
彼が肉を食べているところを見たことがないくらいで、野菜好きなのだと思っていました。
謎が解けたのは、彼の家庭事情を聞いたときでした。
両親が、ベジタリアン(菜食主義者)だったのです。
だから普段家で出される料理は野菜ばかり。
弁当も米と野菜のおかずしかありません。
真剣に飢えていたんです。肉に(笑)。
見た目はわりと筋肉ついてムキムキなイメージだったから気がつかなかった…。
人の主義に口を出す気はありませんが、子どもにまで押しつけるのはどうかなと思いました。
それが原因かどうか知りませんが、しょっちゅう便秘なのか下痢なのかトイレにこもってたし。
しょっちゅう眠いとも言ってたし…。
特定の栄養素の欠乏症かなにかでヤバいんじゃないかと心配しました。
ちなみに卒業してからも彼とは交流があります。
電話で遊びのお誘いがあると、必ずと言っていいほど第一声は、
「焼き肉食いに行こうぜ!」。