2019年06月09日
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「ブルーベリーが目に良い」は根拠なし。それでも食べたい3つのメリット
女子SPA! / 2019年6月1日 8時46分
「目に効く」は、もう古くなっていた!
「疲れ目」を癒すために、「ブルーベリー」や「アントシアニンのサプリメント」を摂られている方、いらっしゃいませんか? でも実は、これが少々疑わしい状況になってきています……。
10年以上前にさかのぼりますが、健康番組などの影響により、「ブルーベリー=目に良い」という説が巷に広がりました。しかし、広まる一方で、多くの専門家からは科学的根拠がないという指摘の声もあがっていたのです。
では、ブルーベリーは“健康食材”として失格なのかというと、そんなことはありません! 実は、世界的には健康にまつわるもっと広い分野において、医学的な研究が進んでいるようです。
そこで今回は、先日アメリカ・ポートランドで開催された「ベリーの健康効果にまつわるシンポジウム(Berry Health Benefits Symposium 2019)」で報告があった内容をもとに、「ブルーベリーに関する最新健康情報」から、3つのトピックスをご紹介したいと思います。
◆@ダイエット・メタボ・糖尿病対策に
報告(以下、報告の詳細は記事の最後にて記載)によれば、ブルーベリーがインスリン(糖尿病や肥満に直接的に関係するホルモン)の働きを改善したり、腸内フローラに良い影響を与えることで、体重増加を抑制する効果が期待できることが明らかになりました。
これは、ブルーベリーをはじめとする「アントシアニン」を豊富に含む食物の摂取を増やすと、糖尿病※の発症リスクの減少も期待できるということです。現時点ではマウス実験ですが、今後はさらなる研究が進み、人体への効果解明が期待されますね。
※2型(成人発症型)糖尿病…遺伝的な要因に、運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症すると考えられており、糖尿病患者のほとんどが2型と言われています(厚生労働省「健康日本21」より)。
◆A心臓・血管の老化を緩やかに
閉経後の高血圧前症の女性に対して行った8週間の実験では、ブルーベリーが老化による心血管のリスクを下げる可能性があることが判明!
これは、ブルーベリーに含まれる健康成分が、“抗酸化機能※”を高めることによって、血管の健康状態を維持する機能を改善し、血圧を低下させたり、血管老化の原因となる動脈壁の硬化や一酸化窒素の代謝を改善したことによるものと考えられています。
※老化、がん、シワ・しみや、糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病の原因となる活性酸素から体を守る機能のこと。
◆B認知症予防も期待できる!?
また、ベリーに含まれる「ポリフェノール」を摂ることが、人の認知機能の低下を防ぐこと、腸内フローラを改善する可能性があることが、健康な60人に対して行われた実験により分かりました。
世界的に60代以上の人口が増えているため、認知症対策は大きなテーマになっています。特に日本は「超高齢化社会」ですので、将来的なことを考えると気になる話題ですね。
◆ブルーベリーは超優秀な「健康食材」!
つまり、ブルーベリーは、ダイエットや肥満だけでなく、心臓・血管や脳の健康にも良い影響を与える可能性があると分かってきたようです。「目に良い」ではなくとも、「健康食材」としての潜在能力に期待がつのりますね。
ブルーベリーは、アントシアニン以外にも、食物繊維やビタミン・ミネラルなどが豊富。そして、低カロリー&低糖質ですから、スイーツとして食べる以外に、サラダや肉・魚の付け合わせとしてもおススメです。ぜひ、もっと気軽に、積極的にブルーベリーを楽しんでみてください。
<報告詳細>
@ダイエット・メタボ・糖尿病対策として(本シンポジウムにおけるDr. André Marette(Laval University)のマウスを使った研究より)
「Blueberry Anthocyanins and Proanthocyanins Improve Insulin Sensitivity in Diet-Induced Obese Mice Through Their Impact on the Gut Microbiota.」PG.33
「Dietary Berries, Insulin Resistance and Diabetes」PG.45
A心臓・血管の健康対策として(Dr. Sarah A. Johnson(Colorado State University)の報告より)
「Blueberries for Attenuating Age-Related Vascular Dysfunction: Evidence and Opportunities」PG.37
B脳の健康対策として(Dr. David Vauzour(University of East Anglia)の報告より)
「Impact of Berry Polyphenols on the Gut-Brain Axis」PG.43
<文、写真/スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
女子SPA! / 2019年6月1日 8時46分
「目に効く」は、もう古くなっていた!
「疲れ目」を癒すために、「ブルーベリー」や「アントシアニンのサプリメント」を摂られている方、いらっしゃいませんか? でも実は、これが少々疑わしい状況になってきています……。
10年以上前にさかのぼりますが、健康番組などの影響により、「ブルーベリー=目に良い」という説が巷に広がりました。しかし、広まる一方で、多くの専門家からは科学的根拠がないという指摘の声もあがっていたのです。
では、ブルーベリーは“健康食材”として失格なのかというと、そんなことはありません! 実は、世界的には健康にまつわるもっと広い分野において、医学的な研究が進んでいるようです。
そこで今回は、先日アメリカ・ポートランドで開催された「ベリーの健康効果にまつわるシンポジウム(Berry Health Benefits Symposium 2019)」で報告があった内容をもとに、「ブルーベリーに関する最新健康情報」から、3つのトピックスをご紹介したいと思います。
◆@ダイエット・メタボ・糖尿病対策に
報告(以下、報告の詳細は記事の最後にて記載)によれば、ブルーベリーがインスリン(糖尿病や肥満に直接的に関係するホルモン)の働きを改善したり、腸内フローラに良い影響を与えることで、体重増加を抑制する効果が期待できることが明らかになりました。
これは、ブルーベリーをはじめとする「アントシアニン」を豊富に含む食物の摂取を増やすと、糖尿病※の発症リスクの減少も期待できるということです。現時点ではマウス実験ですが、今後はさらなる研究が進み、人体への効果解明が期待されますね。
※2型(成人発症型)糖尿病…遺伝的な要因に、運動不足や食べ過ぎなどの生活習慣が加わって発症すると考えられており、糖尿病患者のほとんどが2型と言われています(厚生労働省「健康日本21」より)。
◆A心臓・血管の老化を緩やかに
閉経後の高血圧前症の女性に対して行った8週間の実験では、ブルーベリーが老化による心血管のリスクを下げる可能性があることが判明!
これは、ブルーベリーに含まれる健康成分が、“抗酸化機能※”を高めることによって、血管の健康状態を維持する機能を改善し、血圧を低下させたり、血管老化の原因となる動脈壁の硬化や一酸化窒素の代謝を改善したことによるものと考えられています。
※老化、がん、シワ・しみや、糖尿病・動脈硬化などの生活習慣病の原因となる活性酸素から体を守る機能のこと。
◆B認知症予防も期待できる!?
また、ベリーに含まれる「ポリフェノール」を摂ることが、人の認知機能の低下を防ぐこと、腸内フローラを改善する可能性があることが、健康な60人に対して行われた実験により分かりました。
世界的に60代以上の人口が増えているため、認知症対策は大きなテーマになっています。特に日本は「超高齢化社会」ですので、将来的なことを考えると気になる話題ですね。
◆ブルーベリーは超優秀な「健康食材」!
つまり、ブルーベリーは、ダイエットや肥満だけでなく、心臓・血管や脳の健康にも良い影響を与える可能性があると分かってきたようです。「目に良い」ではなくとも、「健康食材」としての潜在能力に期待がつのりますね。
ブルーベリーは、アントシアニン以外にも、食物繊維やビタミン・ミネラルなどが豊富。そして、低カロリー&低糖質ですから、スイーツとして食べる以外に、サラダや肉・魚の付け合わせとしてもおススメです。ぜひ、もっと気軽に、積極的にブルーベリーを楽しんでみてください。
<報告詳細>
@ダイエット・メタボ・糖尿病対策として(本シンポジウムにおけるDr. André Marette(Laval University)のマウスを使った研究より)
「Blueberry Anthocyanins and Proanthocyanins Improve Insulin Sensitivity in Diet-Induced Obese Mice Through Their Impact on the Gut Microbiota.」PG.33
「Dietary Berries, Insulin Resistance and Diabetes」PG.45
A心臓・血管の健康対策として(Dr. Sarah A. Johnson(Colorado State University)の報告より)
「Blueberries for Attenuating Age-Related Vascular Dysfunction: Evidence and Opportunities」PG.37
B脳の健康対策として(Dr. David Vauzour(University of East Anglia)の報告より)
「Impact of Berry Polyphenols on the Gut-Brain Axis」PG.43
<文、写真/スギアカツキ>
【スギアカツキ】
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)好評発売中。著書『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)が発売中。Instagram:@sugiakatsuki/Twitter:@sugiakatsuki12
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