2016年01月21日
φ('-'*)メモメモ 貧困世代の記事
高齢者世帯の5割が年金収入2百万以下! 現在40代以下の人々は「死ぬまで貧困世代」
Business Journal / 2016年1月14日 6時0分
高齢者・シニア 年金 高齢化問題 社会保障制度 コラム
●日本の出生率低下は1920年代から始まっていた
少子高齢化の問題がマスコミで顕著に取り上げられるようになったのは、今から20年以上前、バブルが崩壊した1990年代に入ってからです。しかし、日本の出生率が減少傾向を帯び始めたのは、実は戦前の20年代からという長期的データもあります。明治維新以降の工業化の過程で、日本では人口が急速に増える「人口爆発」を経験し、政府も対外拡張政策で多産化を奨励してきましたが、やがて26年にはじめて合計特殊出生率が5を割り込み、49年に4を、52年に3を、74年に人口置換水準(その時点の人口を維持するために必要とされる合計特殊出生率)である2.07を割り込み2.05となり、以降はずっと2を割り込んだまま、05年に過去最低の1.26を記録したのち、2014年の1.42まで推移しています。
昔の考え方では、親が働けなくなった老後に助けてもらうべく子供を産むというより、農業に従事する家庭が多かったため労働力確保の意味合いが強く、乳幼児の死亡率が高かったためともいわれています。なにしろ、50年の平均寿命は女性が61.5歳、男性が58.0歳なので、働けなくなる「老後」という期間も短かく、そもそも老後の心配をする必要がなかった時代ともいえます。
●「長生き」が「貧困老後地獄」に直結する時代
ところが、14年の平均寿命は女性86.83歳、男性80.5歳と大幅に伸びています。うち、元気でいられる健康寿命も女性は約74歳、男性は約71歳です。病気になってからの平均年数も長く、女性が約12年、男性が約9年となっているのです。
また、この平均寿命はあくまで平均値であり、90歳時点でも女性の48.3%、男性の24.2%は生きており、95歳時点でも女性の24.4%、男性の8.7%は生きています(14年簡易生命表による生存率)。40兆円の医療費のうち65歳以上が半分以上を占める現状もうなずけるでしょう。このまま少子高齢化が進行すると、65歳以上高齢者の医療費はさらに拡大し、25年には約50兆円に達すると見込まれています。
日本は13年、総人口に占める65歳以上高齢者数が25%を突破し、国民の4人に1人が高齢者という超高齢化社会になり、現役時代のようには働けない老後期間が異常に長くなったため、今日さまざまな不都合な課題が突きつけられるようになってきています。
●社会保障のすべてがパンク
先進国の中には人口置換水準を割り込む国が増えていますが、なぜ少子化になったのかという原因については明確にされていません。さまざまな原因説がありますが、日本では子供を産んでも保育園に預けられない、女性の職業キャリアが断絶される、グローバル化による貧困化で経済的ゆとりがないなど、経済的な影響が大きいという指摘がなされています。
そして少子高齢化は、将来の日本に重大な危機をもたらします。年金・医療・福祉といった社会保障費増大の問題です。
たとえば、おなじみの年金問題では、2000年に現役世代3.6人で1人の高齢者を支えるかたちだった賦課方式(現役世代の年金保険料を高齢者世代へ仕送りする形式)における年金負担比率が、25年には現役世代1.8人で1人の高齢者を支えるかたちとなり、50年には現役世代1.2人で1人の高齢者を支えるかたちになると推計されています。これでは支えられないでしょう。
年金積立金(過去の年金財政の余剰分)は、15年半ばに135兆円ありますが、今後毎年10兆円近い取り崩しを続けると、28年頃には枯渇が予想されます。保険料の不足分を税金投入するといっても、予算の捻出は困難を極めます。今後、マクロスライド方式で年金受給額は徐々に減らされていく予定ですが、現行で65歳からという受給開始年齢は、70歳くらいに後ろ倒しされるどころか、受給できなくなる懸念すらあります。
預金や持ち家(現在、高齢者の持ち家率は6割)があると、それを費消してからでないと生活保護の受給対象にもなりません。生活保護支給総額も国家予算の約3%(14年度は過去最高の2.8兆円、162万世帯217万人)にまで及んだために、すでに減額措置が講じられています。そのうえ、日本の財政は1000兆円を超える借金を抱えています。
現役世代の医療費自己負担額も現行の3割負担から4割、5割負担へ引き上げられることも必至でしょう。このままでは、年金も医療も福祉もすべてがパンクするのは明白なのです。実際に14年時点で65歳以上の高齢者世帯1221万世帯のうち、全体の約40%が100万円以上・200万円未満、約13%が100万円未満の年金収入しかなく、半分の600万世帯が、生活保護水準以下の暮らしを強いられているのです。
●第2子出生世帯に1000万円支給
抜本的な少子化対策を緊急に行わなければ、現在20〜40代の現役世代は十分な社会保障も受けられず、現役時代から老後を通じて死ぬまで貧困を強いられることになります。現在、年間出生数は100万人程度にまで落ち込んでいます。昨年の死亡者数は130万人でマイナス30万人の人口減でしたが、やがてこれが毎年40〜60万人の急激な人口減少期に突入してしまうのです。地価が下がり、社会的インフラの維持ができなくなります。
すでに提唱されているように、第2子以降の出生に対して一世帯当たり1000万円を配るぐらいの大胆な政策を講じなければ、出生率の増加は見込めないでしょう。仮に第2子が生まれた家庭100万世帯に配れば10兆円で、消費税額相当なら約5%分です。ロクに税金を払ってもいない輸出大企業などへの法人税減税などやめれば約2兆3000憶円を確保でき、それ以外でも以下のような施策によりざっと8〜9兆円の原資も生まれます。
・所得税増税(約2兆円確保)
・公務員給与カット(国と地方10%カットで約2兆5000億円確保)
・国会議員の数を半分に削減(約180億円確保)
・3.5万人もいる無駄な地方議員をすべて年間50万円以下のボランティアに置き替え(約3200億円確保)
・宗教法人に課税(約1兆円確保)
・放送局が国に支払う激安な電波使用料へのオークション制導入(約3000億円確保)
仮に少子化を止める大胆な抜本対策を講じても、生まれた子供が成人して税金や社会保険料を納められるようになるまでは最低20年はかかります。しかし、人口が少なくとも今と同水準に維持されることが日本社会全体の合意事項となれば、それが何よりの経済対策といえるのです。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)
(๑◔‿ ◔๑)
Business Journal / 2016年1月14日 6時0分
高齢者・シニア 年金 高齢化問題 社会保障制度 コラム
●日本の出生率低下は1920年代から始まっていた
少子高齢化の問題がマスコミで顕著に取り上げられるようになったのは、今から20年以上前、バブルが崩壊した1990年代に入ってからです。しかし、日本の出生率が減少傾向を帯び始めたのは、実は戦前の20年代からという長期的データもあります。明治維新以降の工業化の過程で、日本では人口が急速に増える「人口爆発」を経験し、政府も対外拡張政策で多産化を奨励してきましたが、やがて26年にはじめて合計特殊出生率が5を割り込み、49年に4を、52年に3を、74年に人口置換水準(その時点の人口を維持するために必要とされる合計特殊出生率)である2.07を割り込み2.05となり、以降はずっと2を割り込んだまま、05年に過去最低の1.26を記録したのち、2014年の1.42まで推移しています。
昔の考え方では、親が働けなくなった老後に助けてもらうべく子供を産むというより、農業に従事する家庭が多かったため労働力確保の意味合いが強く、乳幼児の死亡率が高かったためともいわれています。なにしろ、50年の平均寿命は女性が61.5歳、男性が58.0歳なので、働けなくなる「老後」という期間も短かく、そもそも老後の心配をする必要がなかった時代ともいえます。
●「長生き」が「貧困老後地獄」に直結する時代
ところが、14年の平均寿命は女性86.83歳、男性80.5歳と大幅に伸びています。うち、元気でいられる健康寿命も女性は約74歳、男性は約71歳です。病気になってからの平均年数も長く、女性が約12年、男性が約9年となっているのです。
また、この平均寿命はあくまで平均値であり、90歳時点でも女性の48.3%、男性の24.2%は生きており、95歳時点でも女性の24.4%、男性の8.7%は生きています(14年簡易生命表による生存率)。40兆円の医療費のうち65歳以上が半分以上を占める現状もうなずけるでしょう。このまま少子高齢化が進行すると、65歳以上高齢者の医療費はさらに拡大し、25年には約50兆円に達すると見込まれています。
日本は13年、総人口に占める65歳以上高齢者数が25%を突破し、国民の4人に1人が高齢者という超高齢化社会になり、現役時代のようには働けない老後期間が異常に長くなったため、今日さまざまな不都合な課題が突きつけられるようになってきています。
●社会保障のすべてがパンク
先進国の中には人口置換水準を割り込む国が増えていますが、なぜ少子化になったのかという原因については明確にされていません。さまざまな原因説がありますが、日本では子供を産んでも保育園に預けられない、女性の職業キャリアが断絶される、グローバル化による貧困化で経済的ゆとりがないなど、経済的な影響が大きいという指摘がなされています。
そして少子高齢化は、将来の日本に重大な危機をもたらします。年金・医療・福祉といった社会保障費増大の問題です。
たとえば、おなじみの年金問題では、2000年に現役世代3.6人で1人の高齢者を支えるかたちだった賦課方式(現役世代の年金保険料を高齢者世代へ仕送りする形式)における年金負担比率が、25年には現役世代1.8人で1人の高齢者を支えるかたちとなり、50年には現役世代1.2人で1人の高齢者を支えるかたちになると推計されています。これでは支えられないでしょう。
年金積立金(過去の年金財政の余剰分)は、15年半ばに135兆円ありますが、今後毎年10兆円近い取り崩しを続けると、28年頃には枯渇が予想されます。保険料の不足分を税金投入するといっても、予算の捻出は困難を極めます。今後、マクロスライド方式で年金受給額は徐々に減らされていく予定ですが、現行で65歳からという受給開始年齢は、70歳くらいに後ろ倒しされるどころか、受給できなくなる懸念すらあります。
預金や持ち家(現在、高齢者の持ち家率は6割)があると、それを費消してからでないと生活保護の受給対象にもなりません。生活保護支給総額も国家予算の約3%(14年度は過去最高の2.8兆円、162万世帯217万人)にまで及んだために、すでに減額措置が講じられています。そのうえ、日本の財政は1000兆円を超える借金を抱えています。
現役世代の医療費自己負担額も現行の3割負担から4割、5割負担へ引き上げられることも必至でしょう。このままでは、年金も医療も福祉もすべてがパンクするのは明白なのです。実際に14年時点で65歳以上の高齢者世帯1221万世帯のうち、全体の約40%が100万円以上・200万円未満、約13%が100万円未満の年金収入しかなく、半分の600万世帯が、生活保護水準以下の暮らしを強いられているのです。
●第2子出生世帯に1000万円支給
抜本的な少子化対策を緊急に行わなければ、現在20〜40代の現役世代は十分な社会保障も受けられず、現役時代から老後を通じて死ぬまで貧困を強いられることになります。現在、年間出生数は100万人程度にまで落ち込んでいます。昨年の死亡者数は130万人でマイナス30万人の人口減でしたが、やがてこれが毎年40〜60万人の急激な人口減少期に突入してしまうのです。地価が下がり、社会的インフラの維持ができなくなります。
すでに提唱されているように、第2子以降の出生に対して一世帯当たり1000万円を配るぐらいの大胆な政策を講じなければ、出生率の増加は見込めないでしょう。仮に第2子が生まれた家庭100万世帯に配れば10兆円で、消費税額相当なら約5%分です。ロクに税金を払ってもいない輸出大企業などへの法人税減税などやめれば約2兆3000憶円を確保でき、それ以外でも以下のような施策によりざっと8〜9兆円の原資も生まれます。
・所得税増税(約2兆円確保)
・公務員給与カット(国と地方10%カットで約2兆5000億円確保)
・国会議員の数を半分に削減(約180億円確保)
・3.5万人もいる無駄な地方議員をすべて年間50万円以下のボランティアに置き替え(約3200億円確保)
・宗教法人に課税(約1兆円確保)
・放送局が国に支払う激安な電波使用料へのオークション制導入(約3000億円確保)
仮に少子化を止める大胆な抜本対策を講じても、生まれた子供が成人して税金や社会保険料を納められるようになるまでは最低20年はかかります。しかし、人口が少なくとも今と同水準に維持されることが日本社会全体の合意事項となれば、それが何よりの経済対策といえるのです。
(文=神樹兵輔/マネーコンサルタント)
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