鳩が輝くことない日々

駅にて片手でワイヤレスイヤホン両方取り出して付けようとしたところで電車が来た。
耳に近づけていた指先からイヤホンが一つ落ちたが、床にぶつかった音はしなかった。
足元を見たがイヤホンはなかったので、首元に巻いたマフラーにひっかかったのだろうと考え、そのまま電車に乗り込んだ。

マフラーの中からイヤホンは出てこなかった。
セーターとコートの間に入ったのだろうか。
しかしそれらしき違和感はない。

トートバックを肩にかけ直しながら、スマホの画面を見る。
bluetoothは今手に持っている方としか接続出来ていない。
未接続の見つからない側をタップしてみる。繋がらない。

これは、駅に落としたやつだな？
落ちた音がしなかったのはイヤーピースから落ちたり、駅放送で聞こえなかったりしたせいか。
なぜあの時電車に乗り込んだんだと悔やむが遅い。
仕事終わりに駅の落とし物センター寄ることにした。

で。仕事終わり駅に着いたときに、トートバックに本をしまっていたら、
底から紛失したと思っていたワイヤレスイヤホンが見つかった。
bluetooth繋がらなかったので近くにないと思ったが、たまたま接続出来なかったらしい。

……見つかってよかったねって気持ち以上に、なんでトートバックの中確認しなかったんだろうって気持ちがでかい。