ミチクサ。

『指輪』

石川さんにだったら
この値段で良い。

１８ｋルビーの指輪
タイガーのモチーフで
少し派手だったのですが、
何故か気になり
指にはめると
居心地よくフィットした。

その頃は
余り高価なアクセサリーは持っていなく。
特に指輪は持っていなかった

破格の金額で
譲り受け
私自身も気に入って
良く身につけている。

その指輪が
こんなに早く形見になるとは
譲ってもらった時は
全く考えにも及ばなかった。

今でも
上品でユーモアがあって
あしらい上手なオーナーさん。
会いたいなって
節目ごとに思い返す。

今でもきっと
天国でもモテモテなんだろう。

今日も
指に綺麗に光る。
色々報告したいことがあるのに。
そう思いながら
薄れることのない思いがつのっていく。

『母』

本当に
母の口の悪さは
子供ながらに何とかならないものか？
と思案するも・・・
言葉というものは
思考にも繋がるもので
中々治らない。

本人に直接言う訳にも行かず、
しかし、
本当にスナイパーのような
マシンガンをガンガン打ちまくる。

地元で、
昔からのご近所さんは
そんな母のことをよく理解してくれているので
何となく上手くは
お付き合い出来ている。

どうにかならないものか・・・

そう考えていた時に
妹が

『唯一の欠点が口が悪いと思えばいい』

雲が晴れたようだった。
亡き父が残した言葉らしい。

でも、
コミュニケーションとは
先ず言語からだからな・・・

母はこの土地からは離せない
そう思う昼下がり。