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2019年09月07日
タランティーノ監督の傑作「ワンハリ」は、60〜70年代ファッションも。見どころ満載!
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』長いタイトルですね。
人によれば「ワンハリ」と略している人もあり、ここでは「ワンハリ」で行きましょう。
タイトルになんだか聞き覚えのある人は、きっとギャング映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』と被らせているかもしれません。
こちらも有名な映画ですが、ワンハリの方は、クエンティン・タランティーノ監督が『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』へのオマージュとして付けたとも言われています。
「ワンス・アポン・ア・タイム」( once upon a time )とは、ご存知「昔、昔…」とおとぎ話を語る時のイントロ部分。
まさに、「昔、昔、ハリウッドでは…」というおとぎ話がこの映画なのです。
あのシャロン・テート事件が背景!
とにかく、面白い!時代は、ちょうど半世紀前、ピンポイントの1969年。
160分という長時間映画ですが、この時代を生きた人には「おっ!」というシーンの連続で退屈させません。
1969年というピンポイントの年には意味がありました。それは、この映画の背景となる1969年8月の「シャロン・テート事件」。
事件そのものは、当時の新進ハリウッド女優シャロン・テートが、妊婦でカルト集団に惨殺されるという痛ましい事件。
しかし、痛ましさの記憶を隠しつつ、むしろ懐かしさに浮足立ちながら追悼するというなんとも楽しい仕上がりになっています。
1969年、覚えていますか?あの時代
(引用:
https://www.facebook.com/OnceInHollywood/)
◇落ちぶれ人気スターが悪役で復活?
主人公は、ハリウッド映画の元スター、リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)、そのスタントマン兼専属運転手のクリフ・ブース(ブラッド・ピット)、そしてシャロン・テート(マーゴット・ロビー)の3人。
3人は、それぞれのキャラクターで交錯する物語の中に現れます。
リックは、一世風靡した元売れっ子スター。しかし、最近は出番はあるものの起用されるのは悪役が多かったりして、パッとしない役回り。
演じるディカプリオはさすがです。
落ちぶれつつある悔しさを控え室でブチまけたり、必死でやったアドリブを監督に褒めてもらって泣きながら喜ぶところなど、彼の演技は絶対見どころ!
◇ベトナム戦争とヒッピー文化
そんなリックを陰ながら支えるクリフ。涙もろくてどこか可愛げのあるリックとの、コミカルな掛け合いは、映画のスパイスになっています。
クリフの登場するひとつのヤマは、当時の世相を反映したヒッピー村を訪れるシーン。
長引くベトナム戦争への厭世観から、自然の中で気ままに暮らす連中が住んでいたのです。
実は、この環境から生まれたカルト集団が、後のシャロン・テート殺しの犯人だったこともあり、物語の前振りとなっています。
単なるスタントマンではない、なにか暗い前歴を持つクリフ。しかし、正義感が強くて頼れるクリフを、ブラッド・ピットがうまく演じてくれます。
◇シャロン・テートへの追悼
シャロン・テートは惨殺な事件の被害者だったことは知っていても、彼女がどんな女性だったかあまり伝えられていません。
映画では、なんとも可愛い女性だったことがわかります。駆け出し女優の頃、1人で街に出かけ自分が端役で出ている映画を見るのです。
登場場面になると、本当にうれしそうに喜んでいる彼女。いみじくも、彼女への哀悼の気持ちを示しているのかもしれません。
こんな3人のキャラクターを縦軸にしながら、彼らが暮らすハリウッドの街中や、生活する家の中のシーンが横軸となり、まさにノスタルジー満載の1969年!
ブルース・リーからスティーブ・マックイーンまで!
街のあちこちに見えるストアの看板、ストリートの雰囲気、家のリビングのブラウン管テレビと映っている番組…。どこかで見た記憶や聞いたことのある名前、景色、音楽!
ピッピーの若い女性が街中を闊歩するシーン、音楽は「サイモン&ガーファンクル」の「ミセス・ロビンソン」。
仕事にあぶれるクリフが出番待ちの時、エラそうにカンフー演技をPRしていたのは『燃えよドラゴン』(1973年)がヒットする前のブルース・リー。
なんと、クリフはブルース・リーをぶん殴ってしまうのです。
また、リックは、スティーブ・マックイーンのヒット作『大脱走』は、もしかしたら自分が抜擢されていたのではと夢想するシーン。リックにすり変わった映像に笑ってしまいます…。
クエンティン・タランティーノ監督の仕掛けたエンディング!
(引用:
https://www.facebook.com/OnceInHollywood/)
と、いった見どころがイッパイのこの映画、ただただノスタルジーのみ?
いいえ、クエンティン・タランティーノ監督(画像:中央)の面目躍如、物語はとんでもない結末でエンディングへと繋いでくれますので、お楽しみに!
ノスタルジー感 ★★★★★
久々のデカプリオ! ★★★★★
ノー天気で可愛いマーゴット? ★★★★★
凄惨な殺人事件? ★☆☆☆☆
ブラピは『アド・アストラ』期待 ★★★★★