2020年11月08日
無趣味な人の履歴書・ESは、「読書」より「映画鑑賞」をおすすめする理由
転職も新卒も、就活で求められる履歴書やESは面接の質問材料として使われる重要な書類です。
志望動機、自己pr、特技など面接官が尋ねたいことはたくさんありますが、「趣味欄」に書かれた内容も志望者の全体像を把握するために大切なもの。
書いた内容については、「必ず質問が来る」と思っておくことが重要です。
ところが、やっかいなのが「無趣味」な人の「趣味欄」。
就活直前で、なにか語れる趣味を作ろうと思っても付け焼刃になってしまうだけです。
そんな時、つい書いてしまうのが「読書」。
応募者にとっては無難というのが大きな理由ですが、この「読書」はやめた方がいいというのが今記事の結論です。
理由を詳しく紹介するのと同時に、どうせ無趣味ならぜひおすすめしたい「映画鑑賞」についてお話ししたいと思います。
今回使用する映画の例は、『ビリーブ 未来への大逆転』です。(後ほど紹介)
(画像引用:facebook.com/OnTheBasisofSex)
■「愛読書は?」は採用面接の禁止質問!
(引用:写真AC > TicTacさん)
いきなりですが、採用の面接質問で「愛読書は?」という質問は禁止されているのをご存じでしょうか?
理由は、「愛読書」を聞くことで応募者の「思想」や「信条」を聞き出すことができるからです。
(背景には、憲法で保証された「思想の自由」があります。)
参考:「公正な採用選考の基本」(厚生労働省)
(3)採用選考時に配慮すべき事項
<b.本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握>
の、7つ目の項目。
一般的には、「池井戸潤の小説」や「7つの習慣」などと気軽に答えている分には、「最近のベストセラー本をよく読んでいるね。」と思われ、別に問題なしで済むと思いますよね?
■「本」の内容は、千差万別
しかし、応募者が答えた愛読書に、「某宗教家の書いた本」とか「〇国の政治思想」と言った本が出てくると困るのは会社側です。
仮に応募者が不採用になった時、不採用の理由が「思想」にあったかもしれないと思わせる可能性があり、応募者が厚生労働省に申し出たら、会社は「不公正採用」の疑いをかけられることになるからです。
会社側も、気軽に尋ねただけかもしれないのに困ったものですね。
しかし、「コンプライアンス(法令順守)意識」の低い会社と思われてしまっては元も子もありません。
■応募者が、趣味欄に「読書」と書いた場合
しかし、応募者が履歴書やESの趣味欄に「読書」と書いていたらどうでしょう?
本人が書いているのだから尋ねたという言い訳を作ってしまうことになります。
そして、「どんな本を読んでいるの?」「その本のどこが気に入ったの?」と、コンプライアンス違反すれすれ(場合によっては、違反!)の質問をぶつけてくる可能性があります。
もちろん、そんな意図がなく「好きな本を尋ねて何が悪い?」程度の気楽な会社も実際に存在します。
ただ、公正採用の意識がない企業は実際に就職して働いても、労働法に抵触することを平気で行う「コンプライアンス意識」の希薄な会社であることが多いのも事実。
こんなリスクのあることは極力避けた方がいいというのが結論です。
■「映画鑑賞」と「読書」の違いは?
無趣味の場合の「読書」に続いて、つい趣味欄に書いてしまうのが「映画鑑賞」です。
本を読んだことぐらいあるのと同じレベルで、映画も見たことがあるので趣味を「映画鑑賞」と書いてしまいますよね。
もちろん、映画の中にも政治色や思想の色濃いものがあり「読書」とどう違うのと思うかもしれません。
しかし、映画の場合は娯楽度が高く、よほど特殊な映画でない限り「思想」「信条」がわかることはあまりありません。
むしろ映画は、性格的な傾向や趣味嗜好の方が窺いやすいのが特徴です。
■趣味に困ったら、趣味欄は「映画鑑賞」
これまで述べてきたことをを整理すると、
1.「愛読書は?」は厚生労働省が指定する禁止質問
2.「思想」や「信条」に立ち入られやすい質問。
3.「映画」は娯楽性が高く、気軽な会話に適している。
4.「映画」は趣味嗜好や性格的な傾向が見える質問。
(もちろん、映画なんて嫌いという人は以下、読まないで大丈夫ですよ。)
■趣味「映画鑑賞」と書いたら準備は?
さて、趣味欄に「映画鑑賞」と書いたら、就活を始める前(もっと言えば、面接の前)に、最低でも数本の映画を観て記憶にとどめておきましょう。
映画の特徴は、当然「映像主体」なので記憶に残りやすいということ。
準備することは、二つの質問への答えを用意しておくことのみです。
「好きな映画は?」
「その映画はなぜ好きなのですか?」
(実際には、「最近見た映画で印象に残っている映画は?」「なにかおススメの映画はありますか?」「どんな映画をよく見ますか?」など、いくつかのバリエーションがあります。)
さて、冒頭の画像にある『ビリーブ 未来への大逆転』を例にあげ、その回答方法を次に紹介しましょう。
《この映画を取り上げた理由》
(引用:facebook.com/OnTheBasisofSex)
@実在した、アメリカ最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグがモデルとなっている。
→視野の広さをPRできる。
A古くから男女平等を唱えた伝説の人物である。
→主人公は女性だが、男性でも「リベラルな考え方」の持ち主であることをPRできる。
B家族のきずなを大切にしさまざまな反対を克服した。
→家族愛や周囲の人たちと関係を大事にする人物であることをPRできる。
Cアメリカ大統領選挙にも関係した話題の人物である。
→時勢や時代を反映して自分の考え方をPRできる。
《映画の簡単なあらすじ》
(引用:facebook.com/OnTheBasisofSex)
RBGの愛称で親しまれた、アメリカ最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグの伝記物語です。
ハーバード大学ロースクールへの進学した頃(1956年)は、たかだか50年前とはいえ、男女差別のまだまだ残る時代でした。
全学生数約500人に対して、女性はたったの9人。
優秀な成績で卒業するも、彼女がなりたかったのは弁護士ですが、女性を採用するところはほとんどありません。
一旦、大学の法学講師の道に進む一方で、同じく法律家の夫の助けもあって法廷に立つチャンスを得ます。
彼女が扱った案件は、アメリカに依然と残る女性差別の問題。
それまでの法律に大きな風穴を開け、現在の男女同権の流れに大きく貢献するというストーリーです。
■面接で「好きな映画は?」と聞かれたら…応答例
では、実際の面接で「好きな映画は?」と質問を受けた時の応答例を紹介しましょう。
面接官:「履歴書の趣味欄に、『映画鑑賞』とありますが最近見た映画で「おすすめ」、あるいは「好きな映画」はありますか?また、その映画を好きな理由を述べて下さい。」
応募者:「ハイッ!最近見た映画から私の好きな映画で、おすすめしたい映画は『ビリーブ 未来への大逆転』です。
この映画は、最近亡くなられたアメリカ最高裁判事の愛称RBGこと、ルース・ベイダー・ギンズバーグさんの伝記映画です。
1950年代のアメリカはまだまだ男女差別が残る時代でしたが、その中で女性弁護士を目指して頑張ったストーリーが描かれています。
好きな理由は、圧倒的男性社会の中で初志を貫いたこと、そして家族との絆に感動したことです。
主人公は女性ですが、男性であってもいかにリベラルな考え方が大切かということを訴えた映画としてぜひおすすめできる作品です。」
まとめ〜
今記事の趣旨は、決して趣味として読書がダメというものではありません。
いろいろな書物に親しみ、本当に本が好きということであればいいのですが「困った時の読書」は、こと「就活」では安易に趣味としない方がいいというのが趣旨です。
一方、読書に比べ娯楽性の強い映画はいろんな楽しい世界を見せてくれ、面接官も興味・嗜好の程度を尋ねるのについ使ってみたくなるジャンル。
映画は約2時間でその世界観を満喫できます。
なにか自分にピッタリとくる映画を見つけ、あとは堂々とその楽しさを伝えられれば立派な趣味。
自信を持って答えれば面接なんて全然怖くありません。
ぜひ、映画ファンになって下さいね。
参考:映画マガジン一覧
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