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2019年09月11日
オーストラリア先住民のスピリチュアル映画。アボリジニ伝説を伝える『虹蛇と眠る女』
ニコール・キッドマン、そしてスピリチュアル映画ファンなら、是非おススメしたい映画です。
原題は、「Strangerland(見知らぬ土地)」。
これが、『虹蛇と眠る女』という、ちょっとオドロオドロしたタイトルになったのは、舞台となるオーストラリアの先住民、アボリジニの「虹蛇信仰」が背景にあります。
夫婦と子供二人の家族が引っ越してきたのは、砂漠に近い見知らぬ土地。
移り住んで間もなく、子どもが謎の失踪をするという事件が起こります…。
オーストラリアの大地に伝わるスピリチュアル伝説
引っ越してきたパーカー家は、キャサリンと夫マシュー(ジョセフ・ファインズ)、そして二人の子供。
仲が良いとも言えない夫婦関係の中で、長女のリリー(マディソン・ブラウン)と、弟のトムが同時に行方不明になります。
15歳のリリーは、街では「ふしだら娘」と噂の立つ存在。パーカー家に出入りするバーティはじめ、彼女をモノにしようとしていた街の若者との関係も疑われます。
また、弟のトムも、夜中に出歩くという彷徨グセも持っていました。
先住民アボリジニの虹蛇伝説とは?
(引用:
https://www.facebook.com/StrangerlandMovie/)
◇必死の捜索の中で耳にしたことは?
狂ったように二人を探すキャサリンとマシュー。
周辺は、砂漠が延々と広がる地域。砂嵐に巻き込まれながら捜索するも、見つけることができません。
夫婦は地元警察に相談をするのですが、捜索主任のレイ(ヒューゴ・ウィービング)からは、水も持たずに出ると2〜3日の命だと言われます。
焦るキャサリン夫婦。
そんな中、キャサリンはふと地元・先住民アボリジニに伝わるの「虹蛇伝説」を耳にします。
◇砂漠地帯の山と川は虹蛇の這った跡?
それは、オーストラリアの大地を支配する「虹蛇」が呑み込んだかもしれないといっているようです。
ストーリーの間に、時折映し出されるオーストラリアの自然。
砂漠地帯や赤茶けたハゲ山の映像は、伝説で語られるような、夜毎に虹蛇が這った名残なのでしょうか。
ふしだら娘とはいえ、あどけなさの残るリリーの行方が気になります。また、トムとリリーは一緒なのでしょうか。
地元民曰く、彼らが戻ってくるためには、言い伝えの歌を歌えばいいと。
◇追い詰められていくキャサリンの行動
現実的には、この自然の中で一旦さまようと、帰り道を見失ってしまうことを言っているのかもしれません。
しかし、映画はこの辺りから次第にスピリチュアルな様相に。
子どもを必死に探す夫婦。特に、キャサリンは精神的に追い詰められてくるのです。
捜索主任レイに相談したり、娘リリーの行動や交際範囲を辿っていたキャサリン。
その母親自体が、なにやら妖しい雰囲気を持っていることに気付きます。
キャサリンの取った行動に驚くばかり!
リリーと交遊関係にあったとされるバーティは、リリーの行方を知る人物としてキャサリンはいろいろ事情を聞きます。
また、一緒に子どもの捜索に協力をしてくれているレイは、滅入っていくキャサリンのことをなにかと心配してくれます。
しかし、彼らに対してキャサリンが起こした行動は、とんでもない行動だったのです。
まさか、虹蛇がもたらしたものだったのでしょうか?まるで、彼女が虹蛇の化身のようにすら感じてしまいます…。
kazemichiの感想とまとめ
(引用:
https://www.facebook.com/StrangerlandMovie/)
ニコール・キッドマンがオーストラリア出身の女優というのはよく知られています。エンディングでは、全裸となるなど話題を呼んだ映画です。
子どもの失踪の謎解きに執着するより、むしろ伝説の意図するところに気持ちを泳がせた方が楽しめる映画ではないでしょうか。
オーストラリアの雄大な自然を堪能 ★★★★★
キャサリンは虹蛇の化身? ★★★☆☆
キャサリンはどこで何をしていたの? ★★☆☆☆
虹蛇と眠ったのはキャサリン? ★★☆☆☆
映画のスピリチュアル度 ★★★★★
参考:ニコール・キッドマン出演『ビガイルド 欲望のめざめ』
『LION/ライオン〜25年目のただいま』
2019年06月03日
女性監督が描く、映画『ビガイルド 欲望のめざめ』。総がかりで男を抹殺する話!
なにやら妖しいタイトル。原題は、「The Beguiled」。
意味は、「だます」「欺く」「楽しませる」「喜ばせる」「魅了する」など。どれが一番適切かといえば、全部まとめてピッタリくる感じです。
ただ、邦題の「欲望のめざめ」は逆に矮小感があってちょっと本質を外した感じも。
この映画の見どころは、シチュエーションの面白さ、全体の映像、そして登場人物のさまざまな個性が際立って物語が進むところです。
あらすじ・物語の背景
アメリカ南北戦争時代、南部の静かな森にある女学園で起こった出来事。
寄宿舎には園長のマーサ・ファーンズワース(ニコール・キッドマン)、教師のエドウィナ・ダブニー(キルスティン・ダンスト)、そして帰省せずに残っていた女生徒5名。
森のキノコ採取に出かけた生徒の1人エミリーは、戦線を離脱した負傷兵ジョン・マクバニー伍長(コリン・ファレル)を発見します。
治療してあげようと、急いで宿舎に連れて帰ったのはいいのですが、男子禁制の学園で、しかも敵方の北軍の兵士を結果的にかくまうことになってしまいます…。
あらすじ・ここが見どころ
(引用:
https://www.facebook.com/BeguiledMovie/)(前列中央は監督のソフィア・コッポラ〉
◇手厚く治療される伍長
女性ばかり7人のところに担ぎ込まれたマクバニー伍長。
マーサ園長は、キリスト教の慈悲の精神で傷が癒えるまで、みんな協力して伍長の治療に当たるよう指示。
しかし、伍長は感謝する一方で、いつ南軍に引き渡されるか気が気でありません。
当初は、お互いに疑心暗鬼でしたが、それぞれの人柄がわかりはじめ次第に打ち解けていきます。
◇緩み始める学園の秩序
しばらくすると、学園内に微妙な変化が現れ始めます。
それは、若い男性を間近で世話をする女性たちの視線に変化が出てきたこと。
また、伍長自身も回復するにつれ、学園の女性たちに興味を持ち出したことでした。
その結果、園長の元、規律正しく運営されていた学園の秩序が次第に緩み始めたのです。
◇伍長に媚びを売る女生徒たち
伍長が元気になり出した頃には、全員で食事会が開催されるようになります。
若い女生徒たちは伍長のことが気になって仕方ありません。
一番年長のアリシア(エル・ファニング)は特に積極的です。そして、生徒どころかエドウィナ先生も気持ちが抑えられません。
そんな雰囲気を察したマーサ園長は、自制させようと厳しくしつけるのですが、園長自身も伍長に接する態度が明らかに違ってきたのです…。
クライマックスからエンディングへ
(最後のネタバレなし)そんなある晩、事件が突然に起こります!
どうも伍長が自分の部屋から抜け出し、積極的だったアリシアの部屋に忍び入っていたようです。
見つけたのはエドウィナ先生!先生は伍長が自分の部屋に来てくれるものとばかり思っていた矢先に遭遇!
暗闇の中で動転しぶつかる二人。そして、伍長は弾みで階段から落下してしまうのでした!
感想とおすすめ度
最後のドンデン返しでは、静かだった女だけの寄宿舎が「恐ろしい館」に変わっていきます。
騒ぎを聞き駆けつけたマーサ園長。再び負傷した伍長の治療に当たるのですが、彼女は平和な学園を取り戻そうとある決心をするのでした。
一体、なにを決心したのか、最後まで楽しめる出来上がりでおすすめです!