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2019年06月29日
『ガラスの城の約束』は、実話だからこそ父親との関係が、より心に響く!
人気マガジンのコラムニスト、ジャネット・ウォールズの自叙伝を映画化した作品。
どこを視点に見ればいいのか、ちょっと迷いそうな映画です。
八方破れの父親に育てられたかわいそうな子どもたち。
それでもたくましく成長した主人公ジャネット(ブリー・ラーソン)がそこにいました。
あの豪胆な父親レックス(ウッディ・ハレルソン)がいればこそ、次女ジャネットのサクセスストーリーは生まれた?いや、それでもやっぱりあの父親は変だ!
きっと、観た人それぞれに感慨が沸き上がることでしょう。
それより筆者は、ひたすら地球の救世主『キャプテン・マーベル』のブリー・ラーソンを重ね合わせていました。
❖参考:ブリー・ラーソン『キャプテン・マーベル』
ブリー・ラーソンも良かったけど、何より感動したのは、ジャネットの子ども時代を演じたエラ・アンダーソンの健気な演技。
そして、みんな大人になっても変わらない家族の仲の良さでした。
あらすじ・物語の背景
原作はジャネット・ウォールズの実話「The Glass Castle」。
小さい頃から、彼女の父レックスはいつも口先ばかりで、本当に自分たちのことを考えてくれているのか。
ジャネットの疑問はずっと続いていました。
アルコール依存症の父親のいい加減な約束、そのひとつがいずれはお前たちを「ガラスのお城」に住まわせてやるという言葉でした。
また、母親ローズマリー(ナオミ・ワッツ)も子育てより絵を描く方が忙しく、お腹を空かせてやってきた子供に、今は絵を描くので忙しいと言う、そんな家庭でした…。
❖参考:ナオミ・ワッツ『追憶の森』
あらすじ・ここが見どころ
(引用:
https://www.facebook.com/GlassCastleFilm/)
◇学校で教えてくれないことを!
生計の目処を立てられない家庭はいつも住所不定で引越しばかり。
自炊で火傷して入院中のジャネットを、医療費が高いと病院に文句をつけそのまま連れ出す始末。
ジャネットが学校に行きたいといえば、逃走中のオンボロのバンそのままで野宿をし、こんなこと学校では絶対学べないと言いたい放題のレックス。
幼すぎたジャネットたちは、レックスの適当な方便に従わざるを得ませんでした。
◇禁酒の約束も反故にされる…
ジャネットの姉ローリー(サラ・ヌーク)はおっとりとした性格であまり不満を口にしません。
しかし、10歳を超えた頃から次女ジャネット(エラ・アンダーソン)は、ハッキリとレックスに文句を言うようになります。
レックスはそれを楽しんでさえいるようで、結局、ジャネットと交わした約束を反故にしてしまうのでした。
禁酒を誓った二人の固い約束も、お金を握ると酔っぱらって帰ってくる始末。
そんなレックスに、次第にジャネットも愛想をつかし、進学と同時に家を出る決心をするのでした。
◇婚約者を紹介するも…
場面は変わり、今やすっかり成長し人気コラムニストとして活躍するジャネットがいます。
彼女は近々、婚約者デヴィッドと結婚をする予定ですが、父親レックスへの報告が終わっていません。
ジャネットは、恐る恐るレックスにデヴィッドを紹介。
最初の緊張もお互いに酒を飲み交わすことで、なんとかほぐれてきたかに見えたその時、とんでもないことが起こったのです!
愕然とするジャネット!もっと驚いたのは、突然の強烈パンチを食らったデヴィッド!
酒癖の悪さはさらにひどくなっていたのです…。
クライマックスからエンディングへ
(最後のネタバレなし)ずっと一緒に暮らしてきたが、もう手に負えない父親。できれば金輪際、あんな親とは関わりたくもないと思っていた矢先、婚約パーティーで決定的な亀裂が!
招待したはずのない両親が現れたのです。しかも、パーティー会場で両親から頼まれたのは、なんとお金の無心。
ジャネットの怒りは最高潮に達し、他の招待客の前で言いたい放題罵るのでした…。
感想とおすすめ度
どうしようもない存在だった父レックス。その父も、長年の不摂生が元でついに病床に。
ジャネットの取った行動、そしてレックスの死後しばらくして集まった家族の団らんに涙が止まりません。
親と子、そして家族について考える格好の映画ではないでしょうか。