2019年09月18日
歴史秘話を語り継いだ読書会、リリー・ジェームズ主演『ガーンジー島の読書会の秘密』
『ガーンジー島の読書会の秘密』というタイトルは、どこか文学作品を連想します。
確かに、ある意味文学はテーマでもあります。
しかし、原題は『The Guernsey Literary and Potato Peel Pie Society』。どうでしょう?
実は、この「Potato Peel Pie」(ジャガイモの皮のパイ)が、この映画のキーワードになっています。
第二次大戦中の人間ドラマ、ラブ・ストーリー、そしてリリー・ジェームズのファンの人にはぜひおススメしたい作品です。
参考:リリー・ジェームズ出演『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』
『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー 』
なぜ、「ジャガイモの皮のパイ」なの?
ガーンジー島は、ちょうどイギリスとフランスの間に位置するイギリス海峡にある、チャンネル諸島の1つ。
第二次大戦中、ドイツ軍に占領されていた唯一のイギリス領の島で、占領下で起こった悲しい物語です。
聞くだけでもまずそうな「Potato Peel Pie」は、占領下で島民がいかに貧困にあえいでいたかを象徴するもの。
占領軍に食料品を没収されながらも、ささやかな楽しみとして夜毎「読書会」を開く数人のメンバーがいました。
その時に持ち込んだ料理のひとつが、「Potato Peel Pie」だったのです。
「読書会」のことを教えてくれた手紙
◇ガーンジー島へ渡るきっかけとなる
主人公は、イギリス人作家のジュリエット・アシュトン(リリー・ジェームズ)。
彼女がこの読書会のことを知るのは、戦争が終結した翌年。ドーシー・アダムズ(ミキール・ハースマン)という男性からもらった一通の書簡でした。
圧政の戦時下、読書会を通じてどれだけメンバーが心を通わせ、励まし合って生きて来られたかが書かれていました。
これを読んだジュリエットは、作家として心を打たれるものがあり、今も続けられているという読書会の取材を申し込むことに。
参考:ミキール・ハースマン出演『アデライン、100年目の恋』
◇想像通り、こころ温まる読書会だったが…
その時、ジュリエットにはマークという婚約者がいましたが、はやる取材の気持ちが先に立ち、短期間の約束で彼女はイギリスからガーンジー島へと渡ります。
はじめて訪れた島の綺麗な景色。そして、ジュリエットを温かく迎えてくれるドーシーと他のメンバーたち。
彼女が想像していた通り、本を愛する人たちが集まる素朴な会だったことに満足します。
そして、彼女は読書会の創設や過去からの経緯をもっと知って、ぜひ、契約しているタイムズ社へ寄稿したいと申し出るのでした。
◇創設者について口をつむぐメンバー
しかし、創設者であり中心人物だったエリザベス(ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ)という女性のことに話が及ぶと、なぜかメンバーは口が重くなるのでした。
そして、エリザベスがなぜ今、ここにいないのか、ジュリエットの一番知りたいことには誰も答えてくれません。
また、ジュリエットが泊まっていたホテルの従業員は、彼女が読書会のことについて知りたがっていることに対して、嫌悪感さえあらわにするのでした。
困惑を隠せないジュリエット。
原稿にしないことを約束して、ドーシーやメンバーたちが渋々話す内容は、戦時中のエリザベスの想像を超えた生き方だったのです…。
自らを犠牲にしたエリザベスの秘密
(最後のネタバレなし)ドイツ軍が島民たちに対して取った行動は、それはひどいものでした。
しかし、無防備都市宣言をし、まったく無抵抗となった島民の中で、自らを犠牲にして抵抗する人物がいたのです。
それが、エリザベスでした。
しかし、エリザベスのことについて口を閉ざす理由は、もっと別にあったのです。
まとめとkazemichiの感想
さて、この映画にはもうひとつのストーリーがあります。
それは、戦時中のエリザベスの生き方、ドーシーの子どもの秘密を知ったことで、変化していくジュリエットの心境です。
婚約者との距離が少しずつ変化していく様子を見届けて下さい。
ガーンジー島のことがわかる! ★★★★☆
Potato Peel Pieのまずさがわかる! ★★★★★
こんなところにも戦争犠牲者が! ★★★★★
脇役陣も最高! ★★★★★
リリー・ジェームズが光ってる! ★★★★★
※ブルガリのアンバサダー
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