2017年12月24日
結婚と転職、私はヒーロー
今回は少し、個人的なことをお話したいと思います。
私は35年間、歯科技工士という仕事をしていました。
この仕事は手に職を持つことが出来るので、
どんな時代になっても滅びることはないし、
何と言っても医療関係なので安定して稼げるということで、
以前はとてももてはやされていました。
事実、当初は一般のサラリーマンより稼ぐことが出来ましたし、
個人的に開業することも出来ました。
しかも、個人で開業ということは自由な時間がもてるので、
大好きな音楽も思いっきり出来る・・・はずでした。
しかし、実際の仕事内容はというと、
毎日徹夜が続いたり、金属や石膏などの粉塵を吸ったり、
土日も休めなかったりと、かなり過酷なものでした
(どんな仕事でも楽なものはありませんが)。
そして歯科技工士自体も多くなりすぎて、
仕事の確保が難しくなってきました。
相変わらず歯科技工料金も上がらないどころか、
競争が激化してダンピングが相次ぎ、
技工料金の価格破壊がおきました。
歯科医院自体も保険の点数が上がらず、
自由診療をする人もバブルの時代にくらべると
大幅に減ってしまったので、以前のように
稼げ無くなってきてしまいました。
歯科医療白書によれば歯科医の5人に1人が年収300万円の
時代になっているとのことです。
もちろん今でも儲かっている歯科医院もありますが、
それはごく一部だと思います。
そんな中、私の取引先の歯科医が白血病になり、
安定した収入が得られなくなりました。
その時、すでに私の年齢は50歳後半。
他の歯科医院から仕事をとるにしても、
歯科技工料金を半額に・・・・なんて無理です。
少し話しは変わりますが、
私はもともと結婚ということには興味が無くて、
一生気ままな独身で・・・・と考えていました。
ところが50歳を超えて、ひょんなきっかけから
結婚することになりました。
その相手が今のカミさんです。
カミさんは離婚していて子供が3人いましたので、
私はいきなり3人の子持ちに・・・
私はずっと1人きりの生活しか考えていなかったので貯蓄は1人分。
個人年金も小規模企業共済にも入っていたし、
65歳で家のローンも終わるはずでした。
ところが、いきなり長男の結婚、
次男の専門学校入学、長女の音楽大学・・・・
と、お金はかかる一方。
そんな状態なのに、技工の仕事は減る一方・・・・
貯蓄も減る一方・・・
生命保険も個人年金もすべて解約して、
すでに貯金も底をつきました。
それどころか歯科技工の仕事すら続けられなくなり、
借金まみれの人生になりました。
65歳には完納するはずだった家のローンは
80歳までのばしてもらいました。
長年、歯科技工士という仕事を個人事業主として
やってきたので、他の仕事のスキルは全くありません。
歯科技工所を廃業してから、ハローワークに毎日通うも、
50歳後半でスキルも無いので仕事はありません。
生活はどん底という感じでした。
以前は楽器もそれなりのものを持っていましたが、
生活費のためにすべてヤフオクで処分。
車も処分。ありとあらゆるものを
ヤフオクで売りまくりました(総額100万円以上)。
しばらくの間、短期で出来る仕事を転々としました
(仕事の選り好みは出来ません)。
そうこうしているうちに、ハローワークの紹介で、
F社というところでパート社員(総務)として
働けることになりました。
給料は死ぬほど安いですが、
歯科技工士以外では初めての安定収入です。
もちろんこれだけでは生活はできません。
年齢的にもシルバー人材センターに登録して、
そのほかにも、掛け持ちで色々な仕事を経験しました
(現在のシルバー人材センターは派遣会社的なことも
やっていますので、年齢がいった人が仕事を探すには
ハローワークよりもはるかに良いです)。
そんな時に、ネットの仕事応募欄に
「スーパーの品出し」というのがありました。
年齢不問でしたし、
夜間限定の仕事でしたのでやってみることにしました。
それがきっかけで、
スーパーのナイトマネジャーという仕事をやるようになりました。
現在、昼間はF社で働き、
夜はスーパーでナイトマネージャーをやっています。
人生は大きく変わりました。
現在でも家のローンや教育ローンなどなど、
借金は沢山残っています。
いわば私はローンレンジャー
(私の年代の方は多分知っている?)です。
夜はスーパーマン。
私は今では、ヒーローなのです。
スミマセン。
音楽とは全く関係のないつまらない話を
長々と書いてしまいました。
超貧乏にはなりましたが、結婚は大正解です。
1人きりの人生はつまらないですよ。
お金はなくても、今の自分には家族があります。
仮に、もしあなたが「生涯独身でいいや」と
思っていたとしても、もう一度考えてみてください。
出会いなんて何処にあるかは分かりませんよ。
私が結婚した年齢は53歳です。
もちろん、
独身時代のように自由気ままな生活は出来なくなります。
しかし、人間というのは自分自身のためにというだけでは
一生懸命にはなれません。
愛する者を守るために生きてこそ、一生懸命になれるのです。
そして、人生というのは、やり直すことができるのです。
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タグ:人生の転機
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