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2017年05月28日

ぼくの命は言葉とともにある

3歳で右目を、9歳で左目を失明、14歳で右耳を、18歳で左耳を失聴し、
光と音の世界を喪失した福島智氏。氏は当時のことをこう綴っている。

「私はいきなり自分が地球上から引きはがされ、この空間に投げ込まれたように感じた。
自分一人が空間のすべてを覆い尽くしてしまうような、狭くて暗く静かな『世界』。
ここはどこだろう。(中略)私は限定のない暗黒の中で呻吟していた」

著者はまず他者とのコミュニケーションをいかに復活させ、
言葉=情報を再び得ることができるようになったかを語る。
だがそれはプロローグにすぎず、自ら生きる意味を問い、幸せの在処を探し求める。
その深く鋭い思索の足跡は、両親や友、師との交流に始まり、フランクルや芥川龍之介、
北方謙三といった人物たちの著書や谷川俊太郎、吉野弘の詩、
はたまた落語にまで及んでいく。

苦悩の末に著者が見出した生きる意味、幸福の形は読む者にもまた
深い思索をもたらしてくれるであろう。

人間と人間が本当に繋がり合うとはどういうことか、仲間との信頼関係を築くためには
何が大事かといったことが説得力を持って迫ってくる。

ぼくの命は言葉とともにある 9歳で失明18歳で聴力も失ったぼくが東大教授となり [ 福島智 ]

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感想(2件)


posted by tiryousyoku at 17:45| Comment(0) | TrackBack(0) |
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